![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/50/7206dec4d77e6b18bb1f3ca57f3ecd06.jpg)
「I am not a girl.」という副題のついた、森本めぐみさんの個展。
絵の具の「ターナー株式会社」が学生を対象に主催する「アクリルアワード大賞」でみごと大賞に輝いたばかりです。
1987年生まれ、札幌市立高専を卒業後、道教大岩見沢校に.
今回は、絵画がメーンです。
冒頭の画像は、「アイアム・ノット・ア・ガール」と題した2点。いずれも2009年の新作です。
森本さんの絵は、ニスを塗って絵画の物質性を強調しているので、どうがんばって撮影してもライトが反射して写ります。
お店の人が気を利かしてライトを落としてくれました(ありがとうございます)。で、撮ったのがこの写真。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/59/04/8801c9b0ebc80334693e49db6e6acc48.jpg)
一面に咲き乱れる赤い花。
遠くに望まれる水色の海。
筆者の目には、なんだかものすごく心安らげる世界に見えます。いわば、極楽浄土のような、安穏の境地。
でも、森本さんによると、「遠景の人が、人さらいみたいで、気味悪い」と言う人もいるそうです。
たしかに、安らぎと不安の双方を同時に感じさせる絵なのかもしれません。
右側の絵は、森本さんの絵にひんぱんに登場する女の子。
おかっぱ頭で、横に広い顔。時には、ややくぼんだ目から火のようなものがほとばしります。
彼女のサイトには「ハレンチちゃん」と記してありますが、彼女自身の命名ではないとのこと。
キャラクターのような存在を設定しておくと「わたしの絵は日記のようなところがあるので、日々の感情をこめやすい」というようなこともあるそうです。
両作品とも、白い飛行機がいくつも飛び交っているのが、新しい要素です。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/7d/f8/c6616ea99007b72d95a43b96f65941a1.jpg)
反対側の壁。
楕円形のカンバスは「シールド A Sield」。やはり09年の新作。
左上は「わああああ Wa-ahhhhhh」(08年)、左下は「ひみつしかない Garaxy」(07年)。
「ネオテニー・ジャパン」などというくくりができるずっと前から彼女の作品世界は「ネオテニー」というか、一種の成熟拒否と成熟とがないまぜになっていたのだなあ。
窓ぎわの床の上に置かれているのが、「トランク」(04年)。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/39/08/5257441aa5e732c22ea0dd0872b7f575.jpg)
ドールハウスの手法をかりて、衣服や部屋の模型を並べたもの。この「家庭の幸福」が実現していない国があることに、思いをはせてしまいます。
筆者は、ジェンダーで作品を語るのが好きではありませんが、この作品については、女性らしい視点だと思いました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/1a/79/6b3b09a0d80945dd83613e6cc3e82db8.jpg)
手前の喫茶店には、「わたしはあのこ I am that girl」(06年)が、ずらっとならんでいます。
絵のある空間にも、いくつか吊り下げられていましたが。
一昨年の、postshipの展覧会で、SOSO CAFEの天井からつられていたのも彼女たちです。
段ボールを支持体に、上半身は裸で、本物の小児用下着を小さく切ったものをはいています。
高さ数センチの彼女たちは、ぜんぶで50人。
「わたしはあのこ」と言っておきながら、「アイ・アム・ノット・ア・ガール」とも言ってみせる森本さんの絵。
成熟/非成熟、アイデンティティ/自己確立せず-といったあわいを自在に往還する少女像こそが、すぐれて21世紀的なのかもしれません。
ほかに
「でも少しさむい But I feel little cold」08年
「みえないの Invisible」同
「山の星々 Stars at the mountain」同
「オゾン Ozone」同
「めかくし」同
2009年1月24日(土)-2月15日(日)10:30-22:00(日曜-20:00)、2月2日休み
TO OV cafe ト・オン・カフェ(中央区南9西3 マジソンハイツ)
・地下鉄南北線「中島公園」から徒歩2分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの」6番出口から徒歩6分
□http://reo3.gooside.com/
□アクリルアワード大賞 http://www.turner.co.jp/award/acryl/index.html
□シリウス通信の記事 http://blog.livedoor.jp/bluebook/archives/51707452.html
■森本めぐみ作品展「むこうのほう」(2008年9月)
■日常にARTを H.I.P-A 紀伊國屋プロジェクト (同7月)
壁を開放したニッチ的な
処が多い気がしますが、
ここはスゴいですね。
以前ニュースターで見た
時は、作品群との距離が
近すぎて(笑)落ち着かず
ゆっくりと観ることが、
できませんでした。
人の頭ごしに作品を見る必要がないのが魅力ですが、といって、法邑(これも名建築ですが)ほど、すぱっと分かれているのではなく、カフェとギャラリーが無理なく一体になっているところがすばらしい。
しかも、学生さんが設計したものだということをつい先ごろ知り、おどろきました。
初めてお会いしたというのに感覚的、抽象的な発言が多く(いつもに増してあの日はふわふわしていて、いわなくていいことまでいってしまったのではないか・・・と後でそわそわしてしまいました。)
まとめられるのは非常に大変だったのでは・・・と思います。
来年から教育大学の3年生になります。後2年は札幌周辺で活動しているかと思いますので、末永くよろしくお願いいたします。
学年の件はすいません。訂正しておきました。
そして、わたしこそ、いわなくてもいいことをべらべらしゃべってしまったような気がして反省しています。
なぜか、現代アートとかライブペインティング系のときは、会場でお会いすることがないので、こんどは会ってお話したいですねー。
来月は、スカイホールにはときどき顔を出すのでしょうか?