北海道美術ネット別館

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北のアルプ美術館でしずかなひととき オホーツク小さな旅(111)

2020年07月23日 16時03分00秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 オホーツク管内斜里町にある「北のアルプ美術館」は、山の文芸誌「アルプ」(1959~83)の精神を後世に伝えようと、斜里ゆかりの写真家山崎猛さんが1992年に設立したのですが、「アルプ」についてまったく知らない人でも心が豊かになるひとときを過ごせる施設です。
 山崎猛館長はことし5月に死去しましたが、遺志を継ぐ人がいて、いまも無料で公開されています。

 もとは企業の社員寮だった建物で、それほど大きくはありませんが、地方の小さな美術館によくある、「館主の意向が隅々まで行き届き、愛情の感じられる、訪ねて心地よい施設」になっているといえましょう。

 ひとつだけ指摘しておくとすれば、昔の大学生にとって山登りは昨今よりもはるかに身近なレジャーでした。
 戦前の岩波文庫を手に取ると、巻末の出版書目一覧に「登山」だか「山岳」という、戦後にはない項目があって驚かされます(本が手元になくて、不正確ですみません)。逆にいえば「ドイツ文学」「仏教」などの項目は戦後に引き継がれましたが、登山のカテゴリーだけは岩波文庫には残りませんでした。
 今と違ってテレビもネットもなく娯楽そのものが少ない時代だったからかもしれません。

 展示されているのは、雑誌「アルプ」の執筆者・寄稿者のものが中心です。
 山男を描く素朴な木版画で知られる畦地梅太郎をはじめ、西常雄の肖像彫刻、草野心平の書などです。
 また斜里関連で、二科展の長老である田中良の絵画や、かつて斜里にアトリエがあった二部黎の彫刻なども展示されています。
 一原有徳も10点陳列されていました。戦後の版画界に異彩を放った小樽在住の奇才は、道内の多くの山を制覇した登山家でもありました。
 坂本直行のスケッチブック、詩人・尾崎喜八の自筆原稿。珍しいものでは、岩手に疎開していた高村光太郎が所蔵し弾いていたらしいオルガンが廊下に置かれていました。

 ひととおり展示を見て、1階に戻ると、館の女性がお茶を入れてくれました。
 それを飲んで、東京から移設・復元された串田孫一の書斎をガラス越しに見ました。廊下の奥には、串田宅の居間も復元され、中には入れませんが、音楽関係の書物が並び、テーブルハープとストーブが鎮座しているのが眺められました。
 ふと、上を見ると、扉の上方に小さな、横顔を彫ったレリーフがかかっています。「H.TAKADA」のサイン。高田博厚でしょうか。

 廊下には「アルプ」を創刊した串田の年譜などが展示され、いくつかのバックナンバーは手にとって読むこともできます。
 薄い雑誌をぱらぱらとめくりながら、これはなんていい人生なんだろうと思わざるを得ませんでした。
 串田は小説家ではありません。肩書でいえば、哲学者・随筆家です。
 東大哲学科に学んだと聞けばすごいと感じますが、彼が入学した年は定員割れで無試験だったとか。
 そして、山に登ってそれを随筆につづり、フランス語を大学で教え、FMラジオに出て好きなクラシック音楽を紹介する…。

 そんなことで生計をたてていけるとは。
 「うらやましい」のひとことに尽きます。

 万巻の書物をひもとくだけではなく、自然という書物を読み、友と語らう。
 その生き方が、串田孫一という人の「深み」につながっているのだろうなあと思いました。


http://www.alp-museum.org/
□ツイッター @alp_museum

北のアルプ美術館 (2012年の訪問記)



・知床斜里駅から約1.4キロ、徒歩18分

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■砂澤ビッキの詩と本棚 (2020年1月25日~3月22日、札幌)―2020年2月6~8日は13カ所(11)

2020年03月09日 12時56分53秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 筆者がこの展覧会に足を運んだのは2月7日朝だが、新型コロナウイルスの影響で道立文学館は、現段階で、3月19日まで休館することが決まっている。
 この情勢だと、最後の3日間に再開するかどうかは、かなり微妙だと思う。
 もちろん、再開してほしいと筆者は願っている。

 砂澤ビッキについては、もはや説明は不要だろう。
 そして、この数年、これほど展示が繰り返されてきた彫刻家も珍しい。
 下のリンク先にある以外にも、2014年の札幌国際芸術祭でも「風の舌」などが並んだし、19年春には「四つの風」に焦点を当てた個展が札幌芸術の森美術館で開かれている。さらに、昨年11月から年明けにかけては道立旭川美術館も個展を開催した。
 したがって、よっぽど企画の中身を考えないと、マンネリに陥る可能性が大きい作家なのだが、今回の展覧会は「詩人・読書家」としての砂澤ビッキに的をしぼりつつ、個人蔵の未公開作もかなり出品されていて、非常に見ごたえのある内容になっていたと思う。 

 ビッキは、写真の顔つきだけを見ていると、本能と野生の勘でガシガシ木を削っていくタイプだと思う向きもいるかもしれないが、1950年代は道内と鎌倉を往復する生活をしており、鎌倉では、高名な評論家・作家・フランス文学者の澁澤龍彦(1928~87)らとも交流があり、その薫陶もあってかたいへんな読書家であった。
 会場に、彫刻家の書斎から運び込んだ書物が並んでいるが、澁澤の本(「幻想の画廊から」のサイン入り献本もあった!)はもちろん、ベルメール(人形作家)、ケレーニイ(神話学者)、カミュ(フランスの小説家)、ミシェル・レリス(同)、バタイユ(フランスの思想家)、コーリン・ウィルソン(英国の作家)、フロイト、岩田宏訳のマヤコフスキー(ソビエトの作家)、瀧口修造(日本を代表するシュルレアリスト)などなど、きりがないからこのへんでやめるが、彼の世代のうちで、知的であろうとした人文関係者なら読んでいたであろうと思われる本はたいがい並んでいるのではないか。

 そして、生前にビッキは一冊だけだが詩集を編んでいる。
 筆者は美術に親しむはるか以前から詩を読んでいるのでこれは自信を持って断言するが、彼の詩は、ちゃんと現代詩の作法を踏まえている。
 言い換えれば、詩になっているのだ。
 けっして、美術家の余技という水準ではない。
 会場では、スライドショーのようなかたちで、詩行と挿絵が投影されていたが、詩集をまるごと復刊して図録にしてほしかったと、個人的には思う(詩を読むスピードには個人差もあるし、途中で立ち止まりたくもなるからだ)。

 自ら詩を書くだけでなく、詩人との交流も活発だった。
 1979、80年には「詩の隊商 北へ」と題したイベントが、ビッキのアトリエのある上川管内音威子府村で開かれている。道内の矢口以文、嶌文彦、米山将治、大島龍、京都の片桐ユズルなどが参加している。
 さらに81年には「北の詩人たち」展が開かれ、オホーツク管内置戸町の詩人・美術家鈴木順三郎が参加。84年には札幌・アートプラザで再び「北の詩人たち」が開かれ、こちらは、詩の朗読の取り組みで名高い天童大人、吉増剛造、吉原幸子らそうそうたる顔ぶれの詩人29人と、彫刻家5人が参加している。
 1970~80年代には、今よりも、アートと多分野のコラボレーションが盛んだったのはまちがいないようだ。

 その他、阿部典英さんからの書簡や、美術評論家の針生一郎氏が旭川を訪れた際にビッキ、典英、菅原弘記の4人で夜通し語り明かしたとおぼしき際の写真など、貴重な資料がいっぱい。
 彫刻作品はいずれも、これまでの展覧会では見かけなかったものばかりで、これまた貴重だ。
 
ANIMAL 目(B) 63年
文様の図案 67年、71年
ANIMAL 62年
(無題) 4点
TENTACLE 77年、73年、84年、85年
北の王と王妃 87年
揆面 75年
午前三時の玩具 87年(同題2点、素描も)
既面 75年
斯面 76年
媿面 76年

樹頭を持つ女 83年
器面 75年

 最後の「器面」は、プロレタリア文学の研究者として多くの功績のある八子政信氏の所蔵品だが、会場に掲げられたプロフィルには「作曲家・詩人」とあって、びっくり。
 八子さんの息子さんが彫刻家の八子晋嗣さんで、彼は、打楽器を兼ねた木彫をよく制作しているので、その理由が、ここですごく腑に落ちた。なるほど。

 なお、会場で最後のコーナーは「ビッキと写真家」となっており、甲斐敬幸、吉田ルイ子、井上洋二の各氏が撮ったビッキの肖像が飾られている。
 吉田ルイ子氏は、北海道出身で、「ハーレムの熱い日」などで知られるフォトジャーナリストの草分け的存在だが、この会場にあった写真は、ひげ面やセーターのあちこちに雪をつけたビッキの、いたずら小僧のような表情が印象深かった。


2020年1月25日(土)~3月22日(日)午前9時半~午後5時、月曜休み
道立文学館(札幌市中央区中島公園)

一般500円、高大生250円、中学生以下・65歳以上無料



・地下鉄南北線「中島公園駅」3番出口から約410メートル、徒歩6分
・地下鉄南北線「幌平橋駅」から約480メートル、徒歩7分

・市電「中島公園通」から約550メートル、徒歩7分

・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「中島公園入口」から約200メートル、徒歩3分


・渡辺淳一記念館から、中島公園の中を通って約480メートル、徒歩6分

・ト・オン・カフェから、約620メートル、徒歩8分


関連記事へのリンク
近美コレクション 北の美術家群像 (2018)
砂澤ビッキ展 木魂(こだま)を彫る (2017)

中原悌二郎記念旭川彫刻美術館ステーションギャラリーがオープン(2012)=「カムイミンダラ」を常設展示
森と芸術 (2011)※画像なし
砂澤ビッキ「四つの風」(札幌芸術の森野外美術館)の2本目も倒壊 ※画像なし

砂澤ビッキ「四つの風」の1本が倒れる 遺志尊重し修復せず-札幌芸術の森野外美術館 (2010)

砂澤ビッキ展 樹兜虫の世界 (2009年2月)※画像なし
砂澤ビッキ展(2008年)※画像なし
エコミュージアムおさしまセンター(BIKKYアトリエ3モア)=「オトイネップタワー」の画像あり
砂澤ビッキ作品、旭川市に寄贈(2007年)※画像なし

「四つの風」 (2006現在の画像)

「四つの風」をあしらった札幌市交通局のウィズユーカード (2002.ページ最下段)


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■北海道151年のヴンダーカンマー  《歴史》と《アート》を集めた《驚異の部屋》へようこそ(1月25日~3月15日、札幌)―2020年2月6~8日は13カ所(5)

2020年02月16日 13時52分21秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 「ヴンダーカンマー」といっても、15~18世紀の欧洲で流行した「驚異の部屋」のような方法で珍奇な品を並べているわけではなく、絵画を3段がけ、4段がけですき間なく陳列しているわけでもない。また「ヴンダーカンマー」の背景にあった「外観上の類似の重視」という「知の枠組みエピステーメー」からは、フランスの現代思想家ミシェル・フーコーの『言葉と物』を想起させるが、そういう方向でキュレーティングを行ったのでもないようだ。
 「151年」というのも、奇妙に半端である。 

 容易に思いつくのは、近年の道内美術館・博物館が、相互の所蔵品を展示することが増えてきていることだ。
 「コレクションの有効活用」といえば聞こえは良いが、要は、道に予算がなく、自主的な企画展を開いたり、新たに所蔵品を増やしたりといった余地に乏しいため、近場で展示できる品を融通しあっているということなのだろう。
 今回は、北海道博物館、市立函館博物館および函館市中央図書館、北大の総合博物館や植物園、道立文書館、道立図書館、三笠鉄道記念館、夕張市の石炭博物館と教育委員会(旧夕張市美術館)、札幌オリンピックミュージアムなどから借りた古写真や実験機械、鳥瞰図ちょうかんず、絵はがきなどを「北海道」「学問」「炭鉱」「鉄道」「祝祭」という五つのジャンルに分けて展示し、さらにテーマ毎に5人の作品を展示したもの。個人的には、鉄道と炭鉱というテーマで小樽からの借り物がないのは不思議な感じがしたが、ともかく、ふだんは美術ファンが目にする機会のないものがほとんどであろうから、斬新な企画といえるだろう(筆者は「北海道」セクションの古写真には、見覚えのあるものがいくつかあったが、それはだいたい東京都写真美術館の「夜明けまえ 知られざる日本写真開拓史 北海道・東北編」で見たものであって、この展覧会は、函館美術館には巡回したが、札幌には来ていないのだった)。札幌で、田本研造や武林盛一といった先人たちによる伝説的な「北海道写真」や、近年地道な活動ぶりが注目されている「長万部写真道場研究所」に寄託された写真の数々を見る機会としても、非常に貴重である(これらの写真の数々を見るだけでも入場料の価値はある)。

※この段落の「長万部写真道場」を「長万部写真道場研究所」に訂正しました。すみません。
 あるいは、かつて毎年開いていた「A★MUSE★LAND」(今年、親子向けの展覧会を開いていないような気がするんですが…)が、親子向けという題目を掲げつつ、道内外の現代アートを展示する機会になっていたのと同様、博物館の所蔵品を一種のタテマエにして、ふだん紹介する機会も予算もない道内の新進作家紹介の場にしていたのかもしれない。

 その道内の作家とは

大友真志(写真家)
小宮伸二(現代美術家)
大島慶太郎(映像作家)
ウリュウユウキ(写真作家)
row & row (張小船 + 小林耕二郎)

の4人プラス1組。
 このうち大友さんだけは、数年前の道立近代美術館のグループ展に登場しているが、あとの3人プラス1組はキンビ初登場だと思う。
 小宮さんは2012年、道立函館美術館のグループ展「道南美術の21世紀」に登場しているらしい。筆者は未見で、最初のハコトリのときに作品を拝見しただけだが、作風が全く変わってしまっていた。
 今回の「ヴンダーカンマー」展は、あるいはここから発想したんじゃないかと思われるぐらいに、北大総合博物館などが所蔵する実験器具や観察機械などとよく似た、不思議なオブジェ(としか言いようがない)を制作しており、実験器具の中に紛れ込むように置かれているのである。小宮さんの作品は、一件実験器具のようでいて、実際の役にはまったくたたない物体なのだが、よく考えてみると、物持ちの良い北大に何十年も保管されていた器具の数々だって、筆者には何の用途なのかさっぱり説明できないモノなのであって、つまるところしろうとの視線にとっては「同じ」なのかもしれないのだ(乱暴な物言いなのは承知してます)。

 ただ、こんなことを書くと、作家の方からしかられそうだが、筆者には、やはり博物館の所蔵品が放つ、古いモノならではのオーラが強くて、その「古さ」だけで、現代の作家はかなり不利かもなあ~という気がしたのが正直なところだ。古いモノの存在感に圧倒されているような感覚を抱いてしまったのだ。
 博物館のモノであるから、美術館にある「古典的な芸術」ではないのだが、それだけに
「古いというだけで、なんかすごい」
という感じがまさってくるのである。大島作品のもつオーラだって、「素材」となっている古い絵はがきそのものの力に由来しているのではないだろうか。

 企画した美術館側で書いたであろう説明パネルは、江別の対雁ついしかりへのアイヌ民族の強制移住など、北海道の歴史の負の部分にもきちんと触れていて、おおむね過不足のないしっかりしたテキストになっていたと思う。



 そして、栗谷川健一の観光ポスターなどは、単に美的に眺めるだけではその真価や歴史的な位置づけが分かりづらいのは当然で、むしろ今回のような「鉄道」「祝祭」(このセクションにはさっぽろ雪まつりや札幌冬季オリンピックなどの関連資料が入る)の文脈で鑑賞したほうが、本来の在り方ではないのかと思えてくる。

 「ヴンダーカンマー」は、現代のわたしたちからみると、ぜんぜん異なる分野のものも一緒くたに並べられていて、雑然としているという印象がある。
 今回の「ヴンダーカンマー」展が、それに近い性質を有しているとすれば、「学問」のセクションが、展示物を社会的な意義のコンテキストからいったん切断して、単なる美意識の更新をもくろんでいるのに対し、他のセクションは、博物館の所蔵品に対して美学的な審判を下すために展開されているのではなく、美術品がどういう史的・社会的な文脈から生みだされてきたのかということをあらためて気づかせてくれるものになっているということだろう。言い換えれば、今回の展示は、複数のエピステーメーが同時並行しているのであり、「アートの見方」が大きく切断されているという状態の証左ではないかと思うのだ。


2020年1月25日(土)~3月15日(日)午前9時半~午後5時、月曜休み(2月24日は祝日のため開館し翌火曜休み)
道立近代美術館(札幌市中央区北1西17)

一般800(600)円、高大生400(300)円、小中生200(100)円
※( )内は10名以上の団体、リピーター割引料金


大友真志・佐藤拓実「天塩川」(2019)
大友真志展 Mourai (2016、画像なし)


□Keitaro Oshima Website http://www.filmfilmfilm.org/
500m美術館(2010)
FIX・MIX・MAX!アワード入選作品展(2007、画像なし)
DESIGN LABORATORY EXHIBITION 2004 (画像なし)
カルチャーナイトフィーバー (2003、画像なし)
武田浩志「A(&m).s.h.」 タケダsystem vol.02 (2003、画像なし)
北海道教育大学札幌校 視覚・映像デザイン研究室展 (2001、画像なし)


はこトリ(2009。画像なし。小宮さん出品)


ウリュウ ユウキ Webサイト www.yuukiuryu.com/

小樽・鉄路・写真展 (2018)
都市標本図鑑 (2017)
小樽・鉄路・写真展 (2017年8~9月)
ウリュウユウキ個展 轍 わだち Layered Winter (2014)
ウリュウユウキ個展 white,and (2014年7月)
PHOTOGRAPH EXHIBITION MOVE 3 part1 (2010)
さっぽろフォトステージPart2 (2009)
さっぽろフォトステージPart1 (2009)
東川フォトフェスタ Myカメラアングル写真展(2009年8月)
ウリュウユウキ写真展 Today(2009年4月)
写真展「charactor」(2009年2月)
500m美術館(2008年11月)
光を編む この言葉に触発された13名の作家達が織りなす世界(08年11月)
さっぽろフォトステージ (08年11月)
2008小樽・鉄路・写真展
ウリュウ ユウキ『南11条西13丁目停留所』 (08年5月)
ウリュウユウキ写真展「春を迎えに行く」chapter 1-夜を越えて(08年4月)
『カナコ雪造カンパニー』~除雪原風景へのオマージュ~(08年1月)
「旅をするフィルム-LIKE A ROAD MOVIE-」ウリュウユウキ写真展 (07年11月)
2007 小樽・鉄路・写真展
Railway Story 衣斐隆・ウリュウユウキ写真2人展(07年7月)
個展「思いは旅をする」 (07年5-6月)
春展(07年4月)
“SAPPORO”PHOTOS... (07年2月)
kanecho party(06年12月)
写真展19761012(06年10月)
二番街de ddd ART(06年9月)
小樽鉄路写真展(06年8-9月)
his life,her life,this life -まちの記憶と記録展-(06年7月)
04年3月の写真展
2003 小樽・鉄路・写真展
02小樽・鉄路・写真展





・中央バス、ジェイアール北海道バス「道立近代美術館」から約150~200メートル、徒歩2~3分
(札幌駅前、北1条西4丁目から、手稲、小樽方面行きの全便が止まります。高速おたる号など都市間高速バスも停車し、SAPICA使用可。本数も多く、おすすめ)

・地下鉄東西線「西18丁目駅」4番出口から約340メートル、徒歩5分

・市電「西15丁目」電停から約830メートル、徒歩11分

・ジェイアール北海道バス「桑11 桑園円山線」(桑園駅―円山公園駅―啓明ターミナル)の「大通西15丁目」から約440メートル、徒歩6分
・ジェイアール北海道バス「54 北5条線」(札幌駅前―西28丁目駅)「58 北5条線」(札幌駅前―琴似営業所)の「北5条西17丁目」から約520メートル、徒歩7分


※駐車場は北1西15の「ビッグシャイン北1条」です


この項続く)  
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■CROSS WAVE 2019 (9月23~28日、東京・銀座) 2019年秋の旅(31)

2019年10月25日 21時40分01秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 このグループ展の前身は2002年に始まった「WAVE NOW」展である。
 首都圏で活動する北海道出身の美術家と、道内在住の美術家がおおむね半数ずつ参加し、東京と札幌で交互に毎年開かれていた。
 なかなかの豪華メンバーであったが、札幌側のオリジナルメンバー4人のうち3人が亡くなり(杉山留美子、丹野信吾、米谷雄平の各氏。阿部典英さんは健在で活躍中)、東京・銀座の画廊も店じまいして、2016年を最後に幕を閉じた。
 残ったメンバーが、あらためて昨年始めたのがこの「CROSS WAVE」である。
 札幌側の会場はコンチネンタルギャラリーで変わらず、今回が東京側での初開催となる。

 なお、唯一の「WAVE」発足時からのメンバーで、「首都圏側」だった伊藤彰規さんが昨年、少年時代を過ごした北見に転居したため、5人のうち4人が道内在住ということになり、グループの性格付けが出発時とはやや異なってきているといえなくもないが、作品のどこかに北海道の風土や風景の面影を残した抽象ーという点では共通しているといえるのかもしれない。
 他のメンバーは札幌の富原加奈子さん、林亨さん、後志が拠点の板東宏哉さん、道内出身で埼玉の加藤健二さん。

 冒頭画像で中央は、富原さんの「風の景」。

 モノトーンの抽象絵画が自立しているような風情。
 たしかに、斜めのストロークが風のようだ。


 林さんの「心を浮かべて」シリーズ。
 今回は「心を浮かべて(ひのもり)」「心を浮かべて(みずのもり)」「心を浮かべて(ひかりのもり)」と、副題がついている。

 深みのある群青の画面に、赤などの円模様が浮き上がって見える。
 前進色と後退色がつくりだす奇妙な奥行き感。


 伊藤さんの「la lumière d'Okhotsk II」(è は e の上ににアクサングラーブつき)

 木枠に貼らないカンバスに、青と黒のストロークが伸びやかだ。

 伊藤さんは、ことし2月11日の北海道新聞道東版のインタビューで次のように答えている。

私の作品で重要な色である青は、北見の空に広がるブルーから来ています。少年時代から空が毎日、青くきれいだったことを鮮明に覚えていて、いつしかこのブルーを描くようになりました。フランスには文化庁の派遣留学生として1年間過ごしましたが、夏のパリの濃い青空が北見と同じだと感じて衝撃を受けました。少年時代の記憶が呼び戻されましたね。以来、青を使うことが増えました。


 最近は、一時ほど耳にしなくなったが、北見の青空を「オホーツクブルー」と称することがある。 

 ただ、パリと北見の空の光に共通性を感じるのは、やはり画家の独特の感性ではないかと思う。

 伊藤さんは他に、同題の「VI」「I」「V」と「北のclimat」を出品。


 坂東さんは「OKINAWA 1」「OKINAWA 2」。
 スチレンボードに珪藻土やアクリル絵の具などをまいた162×92センチの作品。

 絵筆でじっくり描くのではなく素材を短時間のうちに支持体の上にまく手法なので、制作中はとくに何も考えていないと坂東さんは言うが、筆者などはやはり沖縄の青い海や、その海に県民の反対を押し切って基地建設のために投入される赤い土などを思い出す。
 絵画はプロパガンダではないが(別にあってもいいが)、それが抽象作品であってもどこかで時代や社会を反映しているのだろうと思う。


 加藤さんは「限界風景」と題した連作を4点出品している。

 作者によると、住んでいる埼玉県入間市の風景と、故郷のオホーツク管内津別町の記憶がもとになっている。

 入間の公園や自然のなかをジョギングしていると、田畑がいつのまにか荒れ地になっていることに気づく。東京の通勤圏ですら、限界集落のようになっている地区がある。
 故郷の津別も、限界集落ができて、生家の場所なども、かつての面影がないという。
 そういうことがきっかけで始めたのがこのシリーズ。
 「限界風景」の「限界」は「限界集落」からきているのだ。

 当初は、生まれた昭和28年(1953)の地図を題材に、神社や道路をトレースするように描いていたが
「最近ようやく線などが自由になってきました」
と話す。


 CROSS WAVE の5人はいわゆる抽象作家だが、意外にも、作品の根元に、北国の風土が広がっているようだ。
 精神風土、といいかえてもいいのかもしれない。


2019年9月23日(月)~28日(土)午前11時~午後7時(最終日~5時)
ギャラリー暁(中央区銀座6-13-6 商工聯合会ビル2階)


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CROSS WAVE 2018
WAVE NOW 2016
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【告知】WAVE NOW '12 状況の覚醒を求めて
WAVE NOW 2008
WAVE NOW 06
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オホーツク管内置戸町の「ぽっぽ絵画館」(伊藤さん。画像なし)


富原加奈子展 (2012)
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高文連石狩支部美術部顧問展 (2004、画像なし)
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山是山水是水(ヤマハコレヤマミズハコレミズ)北翔大学北方圏学術情報センタープロジェクト研究美術グループ成果報告作品展 Work in Progress (2018年3月)
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SAG INTRODUCTION(2009)
絵画の場合(2007年1月)
絵画の場合(2005年)
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林亨展(2000年)


坂東さん
Wave 13人展 (2016年6月、画像なし)
第44回 北海道教職員美術展(2014=写真なし)
PLUS ONE THIS PLACE (2010)
PLUS 1 Groove (2009年8月)
PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 谷口明志 坂東宏哉 大島潤也 ダム・ダン・ライ(2009年8月)
two members of PLUS 1 千代明・坂東宏哉(2008年)
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PLUS1 groove(07年8月)
グループ・プラスワン展(06年)
第3回高文連石狩支部美術部顧問展 (2006、画像なし)


2019年秋の旅(0) さくいん

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■鼓動する日本画 CONNECT ― MOVE (2019年9月7~16日、札幌/12月22日~20年2月11日、網走/2月16日~3月31日、倶知安)

2019年09月15日 16時31分23秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 道内の日本画家7人による実行委が主催し、道内外の日本画・書・立体造形・漫画・アニメーション・イラストレーションの作家7人を招いて開く展覧会。
 昨年11月の「鼓動する日本画~CONNECT~」展から10カ月しかたっていないこともあり、全体的には、前回の展覧会を踏襲した内容というという印象が強い。確認したわけではないが、一部の出品作は重複しているのではなかろうか。
 ただし、申し訳ないことに、筆者は昨年の展示について紹介の記事を書いていないので
「ハイ! 去年のを見てね!」
と簡単に片付けるわけにもいかない。
 逆に言えば、昨年のポルトギャラリーの展示を見ていない人にとっては
「えっ、これが日本画展なわけ?」
と、驚くことは必至なので、ぜひ足を運んでもらいたいと思う。

 顔ぶれは次の通り。

 実行委員:蒼野甘夏/朝地信介/上野秀実/紅露はるか/平向功一/水野剛志/吉川聡子
 招待:阿部啓明/久保奈月/外山光男/中村あや子/松浦しおり/三瀬夏之介/ヤマモトマナブ

 実行委員については、道内で脂ののった活躍を見せている中堅日本画家がそろっていると思う。


 いまさら筆者ごときがここで論じるまでもない話だが、「日本画」というのは、明治以降に成立した新しい概念であり、日本古来の枠組みではない。
 日本画をあえて定義づければ
「にかわと岩絵の具、墨を用いて、和紙や絹に描いた絵画」
というあたりになりそうで、そこに「日本」というナショナルアイデンティティーをあえて絡ませることは、よく考えると不思議なことではある。「日本画」と「日本絵画」は、いうまでもなく、全く異なる観念であるからだ。
 したがって、異分野の作家を招いて
あらためて,日本画って何?
と問う展覧会を組織するのは、或る意味当然の問題意識であるともいえるし、出品作品がいわゆる日本画の既成概念から外れたものになっていくのも、必然的だといえる。 

 そして、これは筆者の個人的な考えだが、別に絵画の分類に国名を持ち出さなくてもさしつかえないんじゃないかという気がする。
 「日本画」というジャンルは、そういう教育機関があり、団体公募展の分類があり、画商の市場があるから、存続しているというだけのことではないのだろうか。
 とくだん論理的な必然性があってジャンルが残存しているわけではあるまい。

 まあ、しかし、そう言ってしまっては身もふたもないので、少し追記すると、筆者が昨年のポルトギャラリーの展覧会で最も驚いたのは、上野秀実さんの作品だった。
 彼は、写実的な人物の絵などを描いたら道内でも洋画・日本画の枠を取っ払っても屈指の実力の持ち主なのだが、最近は、白い不定形の立体を制作し、もっぱら壁に掛けている。
 この立体の表面のキラキラしている雲母の光沢が、上野さんにとっての日本画的なるものであり、また、北海道の雪のイメージとも共通しているのだという話を、昨年のギャラリートークのときに聞き、さすがに驚いた。
 日本画のマチエールはよく議論になるけれども、こういうかたちで北海道に結びつける人はほとんどいないだろう。

 招待組では、今回初登場と思われる三瀬夏之介さんは、日本画があるなら「東北画」だって可能ではないか等々の問題意識を展開している重要な日本画家のひとり。
 3点の出品作は、附されたテキストの長さの割には実際の作品はふつうの抽象画という印象を受けたが、日本の歴史風土を「盆地のつらなり」によって見ようという視座には興味を持った。東北で言えば、弘前、盛岡、遠野、角館、米沢、新庄、山形、福島、郡山、会津若松、これらすべてが盆地にあり、それぞれに文化をはぐくんできたからだ。

 平向さんは、なんと昨年の立体作品が子どもに壊されてしまったそうで、外にあったキャタピラを内側に入れるなど改作したのが今回の作品だそう。
 もともと無国籍ふうな絵を描く人だったが、絵のモティーフが立体化することで、ますますその傾向に拍車がかかっていると思う。


 中途半端なテキストになっているが、いったん終了。


2019年9月7日(土)~16日(月)午前10時半~午後5時(入場4時半)、会期中無休
プラニスホール(札幌市中央区北5西2 ESTA11階)
・一般500円、JRタワースクエアカード会員400円、障がい者手帳呈示者と同伴者1人、中学生以下無料




2019年12月22日(日)~20年2月11日(火)午前10時~午後4時、月曜と祝日(最終日除く)休み、年末年始(12月29日~1月3日)も休み
網走市立美術館(南6西1)
・高校生以上200円、小中学生100円。網走市とオホーツク管内大空町の小中学生は土曜日無料



・JR網走駅から1.2キロ、徒歩16分
・網走バスターミナルから330メートル、徒歩5分
(札幌・旭川発の特急列車、札幌発の都市間高速バス「ドリーミントオホーツク」、いずれも終点です)



2020年2月16日(日)~3月31日(火)午前9時~午後5時(入館4時半)、火曜休み
小川原脩記念美術館(後志管内倶知安町北6東7)
・一般500円、高校生300円、小中学生100円。初日は無料



・JR倶知安駅から約2.3キロ、徒歩30分

・ニセコバス「倶知安役場前」から約1.1キロ、徒歩14分
・道南バス「喜茂別」「伊達駅前」行きで「白樺団地」降車、約400メートル、徒歩5分
※いずれもJR倶知安駅前から乗れます


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【告知】鼓動する日本画~CONNECT~(2018)

鼓動する日本画展(2013)
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■ こころのにわ (2019年7月13日~9月2日、十勝管内豊頃町)

2019年08月30日 08時01分12秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 2011年の東日本大震災を機に帯広へと拠点を移した現代美術家の白濱雅也さんは、その後、おなじ十勝の豊頃町十弗とおふつに移り、古い民家を改装して「ArtLabo 北舟」をスタートさせた。
 この、道内屈指の「到達困難ギャラリー(笑)」に、7月末にようやく行くことができた。


 白濱さんは作家だが、展覧会オルガナイザーとしての活躍もめざましい。
 ことし3月、本郷新記念札幌彫刻美術館で開いた「Post 3.11 in Sapporo 〜沈み行く記憶の淵で」は白眉の企画だったが、道外の中堅作家もどんどん呼んでくるのが特徴で、彼のおかげで北海道のアートファンはいろいろな作家の作品を見る機会が格段に増えているのだから、これは感謝するしかない。
 
 今回のテーマは理想郷の風景。
 白濱さんは最近、風景について考察したり、展覧会を企画したりしている。

 筆者としても「風景」は非常に興味のあるテーマで、最近も松田政男や港千尋の本を読んだりしたが、考察を深めたり、文章をものしたりする時間がなかなかない。


 出品作家は、白濱さんのほか、箱山直子(横浜)、畑江俊明(札幌)、林雅子(東京)、藤沢彦次郎(同)の各氏。
 「風景」をめぐり、まったく異なるアプローチをしているのがおもしろい。

 箱山さんは5人の中で唯一の写真。
 団地の庭や菜園を撮った、横位置のカラー作品が並んでいる。
 雑然としているのかあるいは美しいのか、また、パーソナルなものなのか集団的な作業の結果なのか、はっきりしないのがおもしろい。
 団地をとりまく風景は、とりわけ日本的なものといえるのかもしれない。
 

 林雅子さんは、早大で文化人類学を学び、その後に絵画の道に進んだ、ちょっとユニークな経歴の持ち主。
 ご本人のサイトには

近年の作品では、天体、地形、岩石、鉱物、植物等に関連する造形や公式、図形といった 表象を再構成し、人的作為を超えた普遍的な法則性及びそれらの有機的な繋がりを浮かび上がらせることを試みている。

とある。
 自然そのものを描くのではなく、いったん再構成して、その中にひそむ規則性や法則などを抽出しようとしているようだ。

 この、どこかドイツロマン派的なアプローチは、ともするとロジャー・ディーンのレコードジャケットなどを思わせるので、ああ、白濱さんは好きだよな~、と思う。
(そういう片付け方はあんまり良くないですけど)


 藤沢彦次郎さんは、暗闇に光が明滅する風景のような小品。
 夜の都市のような、どこか甘やかで、おしゃれな感じが漂う。
 あるいは、ノスタルジックとかメルヘン的という解釈もできるだろう。
 白濱さんは、若い頃はまだ日本経済が活気に満ちていたので、世代的に、こういう感覚に自然と惹かれるものがあるのかもしれない(また、安直な片付け方だよな…)。

 もっとも、筆者はその半面、どこか孤独でさびしげな感覚も伝わってくるように思った。
 都会の夜といえば、華やかではあるが、エドワード・ホッパーの絵のような一面も持ち合わせている。
 華やかさと寂しさは、裏表なのだ。


 2階に上ると、白濱さんの絵が目に入る。

 今回は、ほかの人に「あなたの理想郷の風景を教えてください」と問いかけ、その言葉をもとに、白濱さんが絵を描いたもの。
 たとえば、森の中に一軒家があり、庭のテーブルにはアコーディオンと本が置いてある―という言葉から、このような絵になったのだろうけど、当然のことながらことばとイメージの間には「ずれ」があるわけで、おそらくその「ずれ」が絵のおもしろみになっているのではないだろうか。

 つぎの画像も白濱さん。



 近年めざましい勢いで制作と発表を続け、金属による立体から絵画へと活動の範囲を広げている畑江俊明さんの絵も2階に展示されている。

 今回の出品作はすべて正方形で、黒い明確な輪郭線で明快な色面を区切った、シンプルな絵柄だ。デザイナーらしい、構図の巧みさが光る。

 画像は右から
「草原の家 meadow house」
「風の丘に on a windy hill」
「朝日の丘 sunrise hill」
「岬へ続く道 the way to the fort」。

 ほかに
「森へ続く道 road to the forest」
「飛行機雲の下で under the contrail」
「海に浮かぶ月 moon floating on the sea」
「氷の海辺 ice seaside」
「夕陽の街 sunset city」
「浮かれ街あたり at a joy place」
「十字路で at the crossroad」
「階段の上に在る家 house on the stairs」

 というわけで、家やマチを描いた絵も多い。

 会場で配っていた小冊子には、それぞれの作品に短い詩のようなテキストが附され、印刷されていた。

 たとえば「草原の家」には


昔、旅をしていた頃
北海道と似た風景に出会うと、ほっとした。
緑の濃さが、そう思わせたような気がする。
風の香りさえ、何だか懐かしいのだ。


 「風の丘に」には


風の激しい夜、目を覚まし灯りを点ける。
しばし、外の風景を見渡し
また眠りに落ちる。
朝、目を覚ますと
風はまだ、吹き荒んでいる。


 グラデーションのない明るい色の組み合わせは、だれの胸の奥にもある理想郷の風景のようでもある。

 そうはいっても、こういうくせのない美しさから逸脱していく風景もまた、人の心のなかにはあるのだろう。


 もっとも、この会場のある十弗地区は、十勝らしく小麦やイモの畑がどこまでも広がり、風景についてのちまちました議論など吹き飛んでしまいそうなおおらかな美に満ちているのだった。
 たぶん、こういうところで考える風景論と、都市の人間が考察する風景論とでは、根本のところが違うのではないかという気がしてくる。
 


 なお、下の方に、十弗駅からの所要時間を書いておいたが、筆者はレンタカーで行った。
 案の定、広大な畑作地帯の中で道に迷い、白濱さんに迎えに来てもらった。お手数をおかけしました。
 十弗から池田までは車で10分ほどと近い。池田は特急も止まるし、駅前にタクシーもとまっているだろうから、ここを拠点にしたほうが分かりやすいかもしれない。
 最近、JR北海道は普通列車の本数を減らしており、特急の止まらない駅を含む旅程を組むのが難しくなってきている。


2019年7月13日(土)~9月2日(月)の土日月、午前11時~午後5時
ArtLabo 北舟(十勝管内豊頃町十弗357)


□白濱さん公式サイトhttps://ameblo.jp/shirahamamasaya/
□Art Labo 北舟/NorthernArk https://mmfalabo.exblog.jp/
□ツイッター@shirahamamasaya

Retro Machinism_暖かな機械 (2019)
Post 3.11 in Sapporo 〜沈み行く記憶の淵で (2019)

塔を下から組む―北海道百年記念塔に関するドローイング展 (2018)
(4)ゲストハウス×ギャラリープロジェクト Sapporo ARTrip「アートは旅の入り口」―最終日に行った会場のこと

裏物語 ヘンゼルとグレーテル ー帯広コンテンポラリーアート2016 ヒト科ヒト属ヒト
「北風太陽神」ー防風林アートプロジェクト


□林雅子 http://www.masakohayashi.info/


ワークショップ・マスタード

New Point vol.15 (2019)=畑江さん出品、画像なし
つながろう2018 TIME AXIS 時間軸
畑江俊明個展 on the line, at the surface 線と面の上での[デキゴト] (2018年3月)
畑江俊明個展 swinging with…/揺れるモノたちと… (2017年3月)
つながろう2016 Hard/Soft
Six in October (2013)




・JR根室線「十弗駅」から約3.3キロ、徒歩42分
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■小川研・毛利萬里子・渡辺良一 立体・陶芸・平面の3作家によるコラボレーション(2019年7月3~8日、北見)

2019年07月07日 08時13分01秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 北見を拠点に、コンスタントに活動を続ける3人による、5年ぶりの展覧会。
 オホーツク地方では数少ない彫刻・立体作家の小川研さん(北見)、道展会員の陶芸家毛利萬里子さん(同)、主体美術会員で絵画を中心に多分野にわたる発表を行う渡辺良一さん(美幌)の3人展です。 




 会場中央にそびえ立つのは小川さんの「鬼灯(ホオズキ)」。

 床の上に置かれているのは、黒く塗った電子回路のようです。
 有機的なフォルムと、文明の影を象徴するような物体とが、対照的に配置されています。

 中央の鬼灯は、鉄パイプを短く切って横に接着して作った3本の脚の結節部からつり下げられています。


 道展やオホーツク美術展では壺などを出品する毛利さん。
 今回は
「壺はダメ」
と言われて、考えて末に作ったのが、陶板でした。

 一般的な陶板というよりも、パーツが表面にくっつけられて、凹凸のある作品になっています。
 とくにテーマや題はなく、毛利さんの自由な創造力で作られた作品で、どこか古代の発掘物のようなおもむきもあると思いました。
 画像は新作ですが、会場の入り口附近に並んでいるのは以前に作った未発表作品とのこと。


 おもしろいのは、奥の壁には毛利さんと渡辺さんが、正方形の小品を4点ずつ、横に一直線に並べているのですが、ほぼおなじ大きさであるにもかかわらず、偶然こうなったのだということ。
「示し合わせたわけではないんですよ」
と毛利さん。


 渡辺さんは小品を大量に並べていましたが、いちばん多かったのは、長方形の銀色の皿に、古紙を重ねて、さらにガーゼの切れ端を貼った物。
 古紙といっても、村上善男を思わせる江戸期のものから、戦後の新しい漢字・仮名遣いのものまで多彩です。
 このタイプのものが33点もありました。

 なにが書いてあるのか、読めないのですが、時間の集積のようなものが、変色した紙の重なり合いから感じられるようです。

 つぎの画像も渡辺さんの作品。
 四角い箱を、半透明な素材でふたをしたもの。内部はぼんやりとしか見えません。


 毛利さんによると、このメンバーの3人展は来年も開催するとのことです。


 それにしても、7月になってから、開催中の展覧会の紹介をすることになるとは思いませんでした(笑)。


2019年7月3日(水)~8日(月)午前9時半~午後5時半(最終日~2時)
NHKぎゃらりー ほっとすぺーす(北見市北斗町2 NHK北見放送局)


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FAR EAST 2016 コンテンポラリーアート
小川研「移動方形」
小川研「地下水系 A-N’93」 北見東部緑道の彫刻(5)


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【告知】渡辺良一プチ個展(2011年)
第34回春季オホーツク美術展(2011年)
渡辺良一個展(2010年)=画像あり
第7回主体美術北海道グループ展(2009年6月)
石崎哲男個展・齋藤典久展・渡辺良一展(2006年)
第5回主体美術北海道グループ展(2003年)

参考
□northen style SLOW 北の国からちょっといい話 https://n-slow.com/webmagazine/art/2136/




・JR北見駅から直進、約1.2キロ、徒歩16分
・大通、北見駅から北海道北見バス「緑ケ丘団地線」で「NHK」降車すぐ。
・大通、北見駅から北海道北見バス「高栄団地線」「若葉線」で「北斗高校」降車、約320メートル、徒歩4分
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■大友真志・佐藤拓実「天塩川」(2019年6月1日~7月29日、上川管内美深町)…2019年6月1日その4

2019年06月14日 19時14分41秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 なかなか前に進まなくてすみません。
 前回の更新から10日ほどたってしまった。

 恩根内駅前にある、恩根内行きバスの終点から、まっすぐ駅前通りを行く。
 駅前通りといっても、店などはなく、数軒の家屋と、集落センター、郵便局がある程度。
 この
「かつて栄えたが、今は小集落」
の感は、津別町相生、置戸町勝山などと雰囲気がよく似ている。

 ほかに、集落の規模のわりには不釣り合いなほどに大きな恩根内公園がある。

 突き当たりを右に曲がって数分歩くと、会場の「アートヴィレッジ恩根内」が見えてきた。

 初日は、十勝管内豊頃町の美術家・白濱雅也さんをまじえての鼎談ていだんがあった。



 大友真志さんは1978年北広島生まれの写真家。
 自身が生まれ育った北海道の風景と身近な家族など人物を、やや引いた視点から見つめた写真が多い。
 ことし2月に渡島管内長万部町で開かれた「長万部写真道場」のシンポジウムにも登壇していた。

 佐藤拓実さんは93年北海道生まれ。
 道教大を卒業後、東京造形大に学び、東京に住んでいるが、自ら「通い道民」と称するなど、北海道を意識した活動が多い。
 昨秋、大きな反響を呼んだ「塔を下から組む―北海道百年記念塔に関するドローイング展」を企画したのも彼である。

 今回の展示は、5月初旬の連休を利用して、2人が天塩川の流域や附近を行ったり来たりした際の産物で、もちろん、大友さんが写真18点(すべてカラーで横位置)、佐藤さんはドローイング36点を並べている。
 点数に違いはあるが、まったく同一の場所で撮影したり描いたりしたものを、向かい合わせに陳列したのが、今回の展示の最大の特徴だろう。
 佐藤さんは
「当たり前だが、写真に比べて絵は時間がかかるので、大友さんに悪いことをしてしまった」
と苦笑していた。
 すべてのモティーフを克明に描くわけにもいかないので、取捨選択についてずいぶん考えたようだ。


 会場中央にはテーブルが置かれて、佐藤さんが描いた流域の絵地図が広げられている。
 展覧会の直前、佐藤さんがグーグルマップを参考に制作したとのこと。

 天塩川が、北海道の北半分を貫通する日本有数の大河だということが、この地図で感覚的につかめるようになっている。


 さて、この会場にあるものの大半は、風景写真であり、風景画である。
 したがって、そもそも「風景」とは何かという考察が欠かせない。
 しかし、これは一朝一夕には解き得ない問題なので、後日論じることにしたい。

 風景画にまじって、シカの角を描いたドローイングなどがあるし、大友さんの写真も、いかにも絶景をとらえたというよりは、淡々と山や川にレンズを向けたという感じである。
 だから、今回の展示を、例えば竹内敏信写真展や、一水会・白日展の風景画展などと等しなみに取りあつかうことはできないだろう。



 近年の現代アートでは「アーティスト・イン・レジデンス」という手法が一般化してきて、ある期間アーティストがその場所に滞在し、リサーチと称してその土地について調べ、その調査の結果を踏まえて写真や映像などで展開するーということが多くなっている。天神山のスタジオでちょくちょく開かれている展覧会の大半は、その種の滞在制作である。
 佐藤さんが、リサーチを行いつつも、今回はひたすらドローイングやデッサンといったある意味で「原始的」な手法をとっているのは、そうした近年の傾向に対する問題提起という意味合いもあるのかもしれない。

 リサーチの部分がまったくないわけではないのだが、単なる風景画・写真展でもない。
 地域の風土や歴史などの要素については、それぞれの写真やデッサンが、なんとなく含みつつも、そういう要素ばかりに頼った展開ではない、そういう展示になっていたといえるかもしれない。


 こんなことを言うと、ひんしゅくを買いそうだが、展示そのものもさることながら、札幌市民など多くの人にとっては遠くにある会場にまで行くという行為・体験自体が、最大の鑑賞ポイントかもしれないーなどと思ってしまった。美深町恩根内なんて、こういう機会でもないと、なかなか行かないのだ。



2019年6月1日(土)~7月29日(月)午前10時~午後4時半、火・水・木曜日は休館
Art Village 恩根内ギャラリー(美深町恩根内25)

□ツイッター @artvillage3


http://satotakumiart.wixsite.com/kotatusima
□佐藤さんによる「こたつ島ブログ「天塩川日記」」 http://kotatusima.hatenablog.com/entry/2019/05/29/%E5%A4%A9%E5%A1%A9%E5%B7%9D%E6%97%A5%E8%A8%98_%E2%91%A0


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大友真志展 Mourai (2016)



塔を下から組む―北海道百年記念塔に関するドローイング展 (2018)
第10回 茶廊法邑ギャラリー大賞展 (2014)

6月1日PM2時より「鼎談 ・・佐藤拓実」



・JR恩根内駅から約820メートル、徒歩11分

名士バス恩根内線(名寄―美深―恩根内)「笠原宅前」から約240メートル、徒歩3分


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■よみがえれ! とこしえの加清純子 ー『阿寒に果つ』ヒロインの未完の青春ー(2019年4月13日~5月31日、札幌)

2019年05月23日 21時21分21秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 以下に記す文章はとうてい客観的な展覧会紹介にはなり得ないので、その点をお含み置きください。

 ベストセラー作家渡辺淳一の代表作『阿寒に果つ』の主人公のモデルで、天才少女画家として騒がれたが19歳で世を去った加清純子についての展覧会が、札幌・中島公園の道立文学館で開かれ、連日多くの客が訪れている。

 筆者が彼女の存在を知ったのはもう40年近くも昔、札幌南高新聞のバックナンバーに掲載された彼女のカットを見たのがきっかけだが、その後『阿寒に果つ』を読んだり、彼女の画集を見たりしても、なぜ彼女があれほど伝説的な存在とされていたのか、正直なところピンとこない部分があった。たいへん失礼な言い方だが、残された写真を見ても美人という印象はあまり受けないし、道展や自由美術に入選した絵もどちらかといえば平凡だし、それに今回の展覧会図録で初めて読んだのだが小説なども「高校生としてはうまい」という以上の感想を持てないのだ。
(話は少しそれるが、姉の加清蘭子=故人=は掛け値無しの美人で、今回の展示で初めて、純子と2人で並んで写った写真が展示されている。自由美術の代表的な画家として活躍した井上長三郎の家で撮影されたものらしい)

 彼女の絵画の実物を何枚も見るのは今回が初めてだが、当時の札幌の高校生の間では話題になったのだろう。いろいろな情報が行き渡っている現代の高校生はもっと気の利いた絵を描くだろうし、いま「ほおずきと日記」が学生美術全道展や道展U21に名を隠して出品されても、上位入選は難しい。

 だから今回の展覧会は、彼女がすぐれた画家・文筆家であったから文学館で紹介するということよりも、また、彼女がモデルである渡辺淳一や荒巻義雄の小説を顕彰するということよりも、彼女が駆けぬけた時代と青春とについて焦点を当てているーとみるのが適切だろうと考える。



 彼女が生きたのは激動の時代だった。
 「激動の時代」という言い回し自体が、手垢のついた表現だが、世の中の風潮も学校の制度も、日本の歴史上で最もめまぐるしく変化したのが、彼女の生きた年代だった。
 軍国主義に覆われていた小学校(国民学校)の時代。その後、平和と民主主義の時代が来て、彼女の通う女学校も共学の新制高校になるが、終戦後わずか数年で朝鮮戦争が起き、レッドパージが吹き荒れ、再軍備が推し進められる…。
 きのうまで鬼畜米英を叫んでいた大人が突然、
民主主義や共産主義を説き、あるいは米兵相手に春をひさぎ、さらにその数年後には共産主義者を追放する。そんな大人たちの姿を目の当たりにして、加清純子の世代の少年少女がニヒリズムに陥ったり、何も信じられなくなったりするのは、むしろ当然だろう。アプレゲールとかアンファンテリブルと呼ばれる若者が出現するような時代背景があったのだ。

 展覧会場で、純子の生きた時代の詳しい年表が架けられた壁の反対側に、終戦直後に若くして命を絶った作家たち(原民喜、田中英光、久坂葉子、原口統三…)を取り上げているのも、あまりに振幅の大きな世相を生き急いだ同時代の作家との共通点が、加清純子の軌跡に見いだせるーそう、企画者が考えたからではないか。

 ただし、『阿寒に果つ』を読むと、彼女の死因は自殺としか考えられなくなるのだが、実際に遺書が見つかったわけではない。
 死の直前に阿寒で制作した油絵が今回展示されているが、むしろ希望を感じさせる穏やかな風景画で、とても死を覚悟していた心境がうかがえるようなものではないのだ。



 ついでに言えば、『阿寒に果つ』はあくまで小説である。
 書かれていることをすべて事実として受け取るわけにはいかない。
 渡辺淳一は図書部長ではなかった、という証言もあるという。

 もう少し露骨なことを書くと、筆者は生前の菊地又男さんに
「『阿寒に果つ』は読みましたか」
と聞きたい気持ちはあったけれど、さすがに聞けなかった。
 あの小説での、菊地又男さんがモデルとされる画家の描かれ方は、ちょっとひどい。もし自分だったら怒ると思う。
 展覧会の図録に、画集「わがいのち『阿寒に果つ』とも」に掲載されていた菊地さんのインタビューが再録されている。菊地さんとしては、流布されている虚構の話の軌道修正を図りたい気持ちがあったのだろうが、この話の内容をそのまま信じて良いのかどうか…。



 しかし、なによりもすごいのは、彼女自身というより、彼女をめぐる登場人物の華麗さだ。
 東京で長年活躍した芸術家ならともかく、まだ人口30万人の北海道の地方都市で、高校3年生で早世した人の周辺に、有名な人がこれほどたくさん出てくるということは、ちょっと信じられないほどだ。一種の奇跡と称して差しつかえないと思う。
 展覧会場に出てくる名前については、次の項で述べよう。



2019年4月13日(土)~5月31日(金)午前9時半~午後5時(入場4時半まで)、月曜休み(ただし4月29日と5月6日は開館し、5月7・8日は休み)
道立文学館(中央区中島公園)


加清純子さんの回顧展 札幌 「阿寒に果つ」モデル (2019/04/13)北海道新聞



参考になるブログ
□山花咲野鳥語 https://artemisia.at.webry.info/



・地下鉄南北線「中島公園駅」3番出口から約410メートル、徒歩6分
・地下鉄南北線「幌平橋駅」から約480メートル、徒歩7分

・市電「中島公園通」から約550メートル、徒歩7分

・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「中島公園入口」から約200メートル、徒歩3分


コメント (4)

■アトリエ Bee hive展 (2019年5月15~20日、札幌)

2019年05月20日 16時24分16秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 札幌市西区にある共同アトリエ「Bee hive」が茶廊法邑 さ ろうほうむらで開く9度目の展覧会。

 メンバーは、浅川望/齋藤由貴/佐々木けいし/佐々木仁美/佐藤あゆみ/辻有希/松田郁美/森まゆみ/安田暖々子/吉成翔子の10氏で、金工、絵画、陶芸などの作品を出品し、小品の販売もしている。

 冒頭手前は佐々木仁美さんの「鎮 しずめ」。


 重厚でシンプルなフォルムもさることながら、目を引くのが、しわのような凹凸のついた表面。

 旧作が奥に置いてあるが、小さな金属片を貼り合わせたような表面であり、そのときに比べると工夫が進んでいることがうかがえる。


 奥は、吉成さんの「ころころとととところころ」。

 直径数センチの木の球を、レールの上をころころと転がっていくタイプの立体の大作。
 木のおもちゃで、らせん状のコースを降りてくるものはしばしば見かけるが、これだけ複雑なコースをたどる作品はちょっとほかにはないだろう。

 昨年も同じ趣旨の作品を出していたが、球の勢いが良すぎてレールの外へと飛び出していくことがあった。
 今年は、レールの傾斜を緩やかにするため、作品を大きくして、レールの長さを延長した。

(しかし「大きくして」って、言うのは簡単だけど、造るのは大変だよなあ)

 途中、木琴のような長さの異なる金属板のようなものを木の球が転がっていくところもある。これは前回までにはなかった。

 これで、メロディーを奏でたらおもしろいが、さすがにそこまでは無理なようだ。

 木の球が作品のいちばん上を出発して、下方のゴールに転がり落ちるまで、時間を測ったら28秒!
 とにかく楽しめる作品。


 このほか、辻さんは木製のモビールを制作。
 天井からつり下げられて、ゆらゆらと揺れていた。
 齋藤さんの油彩はいずれも小さいものばかり。
 「油絵ブローチ」というのもあり、クマやペンギン、クジラなどの絵を身に着けてみよう! というユニークな作品。

 これに限らず、Bee hiveの作品は、ユーモアがあることに加え、芸術を難しく考えず気軽に接してみようーという姿勢があることが感じられる。


 大作がもう一つ。
 佐藤あゆみさん「ここからみえるところ」。
 小さな芽というか双葉がいくつもついている。この季節らしい立体作品だ。


2019年5月15日(水)~20日(月)午前10時~午後6時(最終日~午後5時)
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)


atelier-beehive.com
□ツイッター @atelier_beehive


アトリエBeehive 展(2017)

アトリエBee hive展 (2014、画像なし)
【告知】アトリエBee hive展 (2011)




茶廊法邑へのアクセス(地下鉄東豊線環状通東駅からの道順)


・地下鉄東豊線「環状通東駅」2番出入り口から約800メートル、徒歩10分

・札幌駅北口から中央バス「東64 東営業所行き」「東65 東営業所行き」で「本町1条2丁目」降車、約170メートル、徒歩3分

・東営業所→札幌駅前(東急の南口)→東営業所を走る中央バス「循3 苗穂線」と、「東3 苗穂線 東営業所行き」で「本町1条4丁目」降車、約670メートル、徒歩9分

・バスセンターから中央バス「東3 苗穂線 東営業所行き」で「北8条東17丁目」降車、約780メートル、徒歩10分
※サッポロファクトリー方面との行き来に便利

・市立病院前から(札幌駅北口を経由)、中央バス「東63 苗穂北口線 東営業所行き」で「北8条東17丁目」降車、約780メートル、徒歩10分


・地下鉄南北線「北18条駅」で、中央バス「東62 本町線 東営業所行き」に乗り継ぎ、「本町2条1丁目」降車、約470メートル、徒歩6分
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■縄文~アイヌ 平田篤史+結城幸司 二人展 (2019年4月25日~5月6日、札幌)

2019年05月04日 17時36分47秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 この2人による展覧会は10年前から東京で開かれてきたが、道内での開催はこれが初めてとのこと。

 平田篤史さんは幼いころから縄文文化に興味を持ち、今回は土偶ふうの縄文土器を主に並べている。見た目は赤っぽく、テラコッタのようでもある。
 筆者は平田さんの作品を初めて見た。横浜生まれ。
 縄文をテーマにしながらも、アイヌ文化との共通性を探っている。

 結城幸司さんは「アイヌアートプロジェクト」を主宰し、音楽や美術に幅広く活動している。
 今回は木版画を中心に木彫も展示。

 木版画で、気になった作品があった。
 「siretok 蒼い時を行く」は、月夜を歩くクマがモティーフだが、クマの尾は人の横顔になっているし、胴体にはシカが描かれている。
 大きなけものと他のモティーフが融合するのは、国松登の晩年の、象の絵を思い出させるが、やはり雰囲気は異なる。

 もう一点、「もうすぐ冬が来るけど準備はできてるかい」も不思議な作品。
 道内のどこにでもありそうな農村の風景だが、遠景の山が、横たわるクマの姿をしているのだ。
 風景と動物の同化は、鈴木果澄さんの近作と共通するが、結城さんが彼女の作品を見ているとも思えない。何か、大地からの信号を、シンクロして受信していたのかもしれない。
 


2019年4月25日(木)~5月6日(月・祝) 正午~午後5時
虹のしっぽ hotcafe ほっぺた館(札幌市南区簾舞みすまい4の3)


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doubles2 : 間(のめ) in between Gaze (2016)



・じょうてつバス「東簾舞」から約340メートル、徒歩5分
(駐車場あり)
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訂正あり(11)■中島ゼミ展ファイナル×中島ゼミOB・OG展 版と型をめぐって (2018年12月5~9日、札幌)

2019年04月23日 23時58分39秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 前回の更新から3カ月以上も間隔があいてしまい、申し訳ありません。
 さすがに見た当時の記憶がないので、間違いをたくさん書く可能性が高いので、ご指摘くだされば幸いです。

 冒頭画像は2階の奥、森迫暁夫さんの「ぜんぶぶぶん」。
 ここは、圧巻でした。


 中島ゼミの中核として盛んに制作・発表に携わるかたわら、後進の育成にも努めてきた森迫さん。ご本人も作品もいつまでも若々しいです。

 このコーナーは、シルクスクリーンの平面もあれば、小さな立体もあるインスタレーション的な展示で、今回の展覧会の作品数が正確に数えづらかったのは、ここの存在も一因です。
 平面53、立体43の計96点と、手元のメモにはありますが…。

 キュートでかわいく、全面を模様が覆っているのが森迫さんらしいです。


 2枚目。
 右は三田寛明さん(2004年卒)だと思います。
「純度」
「Luft」
「暮色」

 左は松里健一さん(2000年卒)の写真。
 上の段から
「絵空事」「nowadays」「margwerite」
「sacrifice」「語られぬ物語」「wallflowers」「love that poup」
「there are still us here」「安心を抱いて眠れるものの夢」「passing marie」「光芒」
「swallowtail butterfly」「storyteller」「serious image」
「LEVELIO」「流転の海」「waterside」「monochrome」

 一部に題が読み取れないところがありましたので、ご諒承ください。
 全部で19点、いずれもカラー。


 3枚目。

 このモノトーンで、明快なポップさは柚原一仁さん(2009年卒)かなあ。

 左側にあるのは、小野翔平さん(2012年卒)のデジタルプリント8枚組み「無題」だと思います。


 4枚目。

 左手前は「うさぎ」こと藤沢大輔さん(2001年卒)の「untitled」2枚。
 青と茶の対比が印象に残ります。

 右側は鈴木未来さん(2012年卒)。
「つら」
「BiSH」
「手と手」
「春休み」
「爪悪」
「freesoul」
「LL」
「藤川」(2枚組み)
「あかりのつくよるに」(3枚組み)


 洋画の一シーンのような、影と光を強調して物語性をはらんだ絵を描くのは松本ナオヤさん(2009年卒)。

「A PART OF THINGS」
「LETS MAKE THIS MOMENT」
「SHINING VIOLENCE」
「TWO WEEKS」
「金曜 NIGHT ポリコップ」
「金曜 NIGHT ポリコップス」
「おやすみ」
「Dream In The Air」
「ROUND ONE」
「I Like This Song」
 メモが読み取れない作品名が一つありました。すみません。


 6枚目。

 左は松下沙樹松下沙織さん(2014年卒)の「ULTRA」。

 松下さんの名は「松下沙樹」さんが正解です。お詫びして訂正します。
 題の通り、20の正方形に分割された画面に「ULTRA」「ultra」という文字がたくさん斜めに印字されている。
 人の目のイメージやピンクの絵の具もあって、複数のイメージが並行的に提示されている。

 その右側の2点は、山岸(佐藤)郁美さん(2005年卒)の「流れる窓のそと」「まいにち」。


 7枚目。

 大和田好貴さん(1992年卒)は、Tシャツ5種も出品していました。
 壁などの作品は「どちらにしようかな」
「ミツの味」
「ハナシャボン玉」
「今日は遠足の日」
「チチカカ2018」
「なかよくしようよ」


 8枚目。

 ピグモンが小さな三輪車に乗っているような絵は阿部真大さん(2010年卒)。
 題はありません。

 左手前は佐々木龍大さん(1999年卒)の「芳一の耳」。



2018年12月5日(水)~9日(日)午前10時~午後7時(最終日午後6時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)


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■第46回北海道抽象派作家協会展 (2019年4月16~21日、札幌)

2019年04月20日 23時59分59秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 昨年の第45回展で林教司さんの遺作を見たばかりなのに、今年は同人の佐々木美枝子さん(札幌)の遺作が陳列されている。
 出入りの多い抽象派作家協会の中で、今荘義男さん(岩見沢市栗沢町)とともに創立メンバーとして会を支えてきただけに、喪失感は深い。

 今回は、推薦作家として、會田千夏(札幌)、堅田智子(苫小牧)、木内弘子、田中郁子(日高管内浦河町)の4氏が参加。
 同人は、今荘さんのほか、小川豊(小樽)、後藤和志(札幌)、田中季里、田村純也(苫小牧)、名畑美由紀(札幌)、三浦恭三(小樽)、宮部美紀(石狩)の各氏が出品した。
 同人のうち宇流奈未さんと近宮彦彌さん(旭川)は出品していない。 

 今年も、無料で配っている図録と、実際の会場の展示とは、若干の異同があるため、それについても触れていく。

 冒頭画像のうち、左手前に見えるのは、田中郁子さんの作品で、5点とも「No.54」という題がついている(F100が2点、S100、小品2点)。
 さまざまな色の奔流の上に白い絵の具を重ねて隠すという手法で、動感豊かな抽象絵画をつくっている。

 田中さんは、となりの部屋で開かれている「バックボックス展」にも出品しており、元気なところをみせている。




 奥に、佐々木美枝子さんの絵が並んでいた。
 図録によると、ことし1月2日に死去したとのことだ。

 出品作は「作品A」「作品B」「作品C」のほか、題のない絵が4点。

 右の無題の作品は、クリーム系を基調に黄色やオレンジなどの色が配されている。直線で区切られた部分もあるが、いわゆるカラーフィールドペインティングのシャープな絵画とは異なって、線にゆらぎがある。
 そのため、原色を大胆に用いた絵でも、どぎつさよりもやわらかさが感じられるのだと思う。

 それにしても、これでもう、新作を見ることがないかと思うとさびしい。

 佐々木美枝子さんの画業については、今展覧会の予告記事で振り返っておいたので、ご覧ください。
 1950年代から「ゼロ展」(のち、前衛展と改称)や、当時の日本の美術で大きな位置を占めていた「自由美術協会」(63年に会員)を根城に活動し、北海道抽象派作家協会では事務所を担当していたという。


 小川豊さんは、ひたすら「心のひだ」と題して、雲のような、あるいは、サルノコシカケのような形状を重ねて描いている。
 図録には「インスタレーション」とあるが、実際には100号クラスの絵を5点横に並べており、一般的な絵画の展示と変わりない。

 以前は青系などで描いていたこともあるが、今回は赤系である。
 色が変わっても受ける印象はあまり変わらないのだが、今回は、余白を残さずに描いているタブローがある。筆者は初めて見て、こちらは新鮮だった。
 理由は分からないが、ひだが全面をおおって、いわば「裁ち切り」になっているほうが、画面に広がりを感じるのだ。


 右は今荘さんの「古里」。

 今荘さんの絵はいつも「古里」という題で、こげ茶や抹茶の緑など和風な色面の組み合わせが、日本的な洋画の抽象では一つの達成というべき画面を作り上げている。

 今回はF100が1点、F30が2点、サムホールが4点(ただし図録には「3点」)陳列されていた。
 そのうち一番大きなF100号が目を引いた。
 というのは、これが横位置だからで、今荘さんの絵では初めて見た。

 画家は80代後半のはずで、なお旺盛な画力に敬意を表したい。

 
 左は、會田さんの「the fissure 2019 spring」。3枚組みの一部。

 図録に
「昨年は災害の多い年だった」
という文に始まるテキストを寄せ、昨年9月6日の胆振東部地震で震度6弱を体験したことをつづっている。

 
だが、こういう時に人間や生き物たちが発揮する治癒のエネルギーは凄い。失ったものは少なくないが壊れたものを治し、次へと向かう種を蒔く。傷跡からは必ず生命の芽が吹き出る。
 その予兆と祈りを絵にしていきたい。
 こんな美しい誓いの文章に、筆者ごときが付け加えることは何もない。

 そして、會田さんの絵は、明るさと悲しみを同時に帯びているようで、充分に予兆と祈りを表していると思う。


 三浦恭三さん「リング1」「リング3」「リング2」。
 いずれもF60と、図録にはあるが、会場では、この画像のさらに右側に小品2点があり、その下に「リング2」と記された札が貼ってあった。

 三浦さんは、陸上競技のトラックのような形状を、寒色系を主体に描くことが多い。
 しかし今回は、トラックを縦長にして、その内側から白い光が放射しているような描写をしている。

 クールだった三浦さんの絵に何やら精神性のようなものを感じ、うなってしまった。


 唯一の立体は田村純也さん。
 北海道抽象派作家協会展には大きなインスタレーションを出品していたが、今回は、独立した石彫を8点並べた。

 作品は一列に、台座の上に並べられていて、題は、入り口側の4点が
「有情」「壊」「迷妄」「領」。
 奥の4点は
「cisekitay」「mosir」「ruyanpe」「sanpe」。

 「mosir」は「アイヌモシリ」の「モシリ」だから、土地を意味するアイヌ語だろう。
 ほかの三つもアイヌ語のような語感だが、会場にはとくに注釈はなかった。
 ネット検索すると「チセキタイ」は「玄関」、「ルヤンペ」は「雨、嵐」、「サンペ」は「心臓」らしい。


 このように、いつになく各出品者の作風にあらたな展開がみられた展覧会だったと思う。

 他の作品は次のとおり。
堅田智子 into the sky F30
     at night F30
     mixed feelings F30
     陽(よう) F8
     陽(よう) F6
木内弘子 貴婦人のタンゴ F30
     イブニング・フォールズ F20
     Come Back F30
     悠遠 F6(※図録では「悠・遠」)
     一世一期 F6

後藤和司 軌跡 '19-I S30×4枚組
     軌跡 '19-II S30×4枚組
田中季里 sea and snow sketch 80×190
     black sketch 45×60
    (※このほか「KIRI BLUE」連作8点)
名畑美由紀 紅 F100
      翠 F100
    (※このほか、厚みがあって側面も着彩をほどこした無題の絵画4点)
宮部美紀 流れる F60(水彩。同題2点)
    (※このほか、無題の小品2点)


2019年4月16日(火)~21日(日)午前10時~午後5時(初日午後1時~、最終日~4時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)


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=以下、画像なし
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第63回全道展(2008年6月)
企画展「07-08展」
第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII (2007年)
New Point Vol.4(2007年)
會田千夏、久保綾乃 二人展「ビオトープ」(2006年)
05→06展
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企画展「07-08展」(2007-08年、画像なし)
第13回さいとうギャラリー企画 夏まつり「風」パートII (2007年、画像なし)
=三浦恭三さん(毎年の北海道抽象派作家協会展をのぞく)


第63回新道展(2018)
=田村純也さん




・地下鉄東西線「バスセンター前駅」10番出入り口から約200メートル、徒歩3分

・ジェイアール北海道バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から約520メートル、徒歩7分(札幌駅バスターミナル、時計台前などから現金のみ100円)
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■近藤康平 & jobin. 二人展ー浮遊園地 (2019年4月17~21日、札幌)

2019年04月19日 08時08分08秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 札幌の造形作家jobin.(じょびん)さんは3月に個展を開いたばかり。
 さすがに今回はblogに取り上げるのを見送ろうかと思いましたが、会場を訪れると、30個を超す大小のモビールが空中に浮かんで壮観だったので、手短に書きます。

 この2人展は、もともと昨秋に予定されていましたが、胆振東部地震で中止になっていたもの。
 近藤康平さんは、茨城県取手市を拠点に、各地で「ライブペインティングパフォーマー/絵描き」として活動中。
 これまで札幌では、musica hall cafe など小さな会場で展示をしてきましたが、ギャラリーでは初めて。
 なんと、旧作を含め90点もの絵画を並べています。

 さまざまな作品がありますが、寒色の背景に、男女などを小さくかきいれた、シンプルな構図の絵が多いです。
 「ずっと探していたものに出会える旅」は、はるかな断崖にたたずむシカのうしろにカモメが飛び交います。
 「夕暮れ時に街を見渡すこと」という、あかね色の絵もあります。
 また「浮遊ペンギン #22」「静かな気持ち #10」「永遠のような場所 #14」といった、シリーズものが多いのも特徴。
 それぞれに、豊かな物語性をたたえています。 

 鳥取大で森林学を学んだという、美術家には珍しい経歴の持ち主。
 技法もユニークで、極細の線は注射針(!)で描いているのだそうです。
 背景はデカルコマニーやにじみを駆使して、色の濃淡が広がりが続きます。
 「筆のストロークを使うことがあんまりないんですよ」
と近藤さん。
 青系が多いためか、どちらかといえば北海道のような、寒くて広い感じを、筆者は受け取りました。


 jobin.さんは針金のモビールを出品。今回は、ことばや写真の作品、綿雲の作品はありません。

 サーカスのテント小屋(?)、ボートをこぐネコ、コーヒーカップなどが、ゆっくりと動きながら浮かんでいます。

 筆者が訪れたときちょうど、以前に近藤さんと2人展を札幌で開いたことのあるこんのあきひとさんがやって来て、人工芝のシートを敷いていきました。
 これに寝っ転がって、jobin.さんのモビールを底部から眺めると、とっても気分がいいです(っていうか、ギャラリーであんまりできる鑑賞方法じゃないよね、これ。笑)

 20日午後1時から、この会場で、地元の古参バンドである「Sllepy.ab」の成山剛さんが参加してライブペインティングが行われます。
 チケットは完売したと聞きましたが、キャンセルが出て当日券があるかもしれないので
「どうしても!」
という人は問い合わせてみてはいかがでしょうか。
(この時間帯は、鑑賞できません)


2019年4月17日(水)~21日(日)午前11時~午後7時(最終日~午後4時)
ほくせんギャラリー ivory(札幌市中央区南2西2 NC HOKUSENブロックビル4階)


□KONDO KOHEI kondokohei.net/
□blog https://note.mu/kondo1975
□ツイッター @kondo1975
□インスタグラム kondo1975


□jobin.Lab http://jobin55.tumblr.com/
□ツイッター @jobin55
□Instagram jobin55


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■野呂田晋展「偽POP偽(仮)」(2019年2月14~19日、札幌)

2019年04月16日 11時53分19秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 「ちかしとおし 神成邦夫・山岸せいじ展」と同時開催だったので、同時にブログにあげるべきだと思い、しかし書きあぐねていたまま月日がたってしまった。

 野呂田さんは、もともと写真を撮っていた人である。
 プロのカメラマンではなく、堅い職業についている。
 写真から出発して、「べつに写真じゃなくてもいいんじゃないか」という発想になり、かといって、普通に絵筆を執るということもなく、100円ショップに出かけてさまざまな色彩の紙や、輪ゴムなどの素材を購入して、このような個展を開くにいたってしまった。


 で、今回は派手なピンクの平面作品やオブジェが会場を埋め尽くす「ポップな」個展。

 野呂田さんが
「こういうのは懐かしいって、美術畑の人には何度か言われました」
と話す。
 筆者も同意なのだが、さて、果たして実際にこういう展示を見たことがあるかと問われると、一気に自信がなくなってくる。ポップアートとサイケデリックロックが全盛期だった1960年代にもしかしたらあったかもしれないーぐらいのことしか言えなくなってくるのだ。


 もともと写真の人らしく、プリントをコラージュなどして利用した作品があちこちに置かれている。
 とはいえ、ここまでくると、べつに写真が素材でなくたって、ぜんぜんかまわないじゃないかとしか言いようがない。

 とにかく野呂田さんには、何かを表現したいという強い意志があるのは、間違いないことのようである。
 ただ、その表現したい中身が何か、自分でもよくわかっていないのではないかという気がするし、それをどのような手段を使って表現していいのかも、つかみあぐねているのではないだろうか。
 とりあえず、自分自身をも含めた何かを壊したいという初期衝動みたいなものがくすぶっているらしいことは感じ取れる。


 しかし、こちらが
「野呂田さんはこういう表現方法が向いてるんじゃないかなあ」
などと誘導するものでもあるまい。

 確かなことは、このような表現への衝動を抱いている人は、決して多くはないということだ。つまり、貴重な存在なのである。
 せっかくなので、どうにかして
「これだ!」
という自分にぴったりの表現手法を見つけて、噴出場所がわからなくなっているエネルギーを、よりよい方向に出してくれればと願うのである。


2019年2月14日(木)~19日(火)午前10時~午後7時
アートスペース201
(札幌市中央区南2西1 山口中央ビル6階)

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