北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

2006年6月のおもな展覧会

2006年06月30日 23時44分04秒 | 主な記事へのリンク
 ■■は、この文章を更新した時点で開催中の展覧会、■は終了済みの展覧会です(このエントリは随時更新します)。

現代美術
川上りえ展 Trace of Will

絵画
■■工藤悦子展 (青の世界に変化も)
■■吉川聡子展 飛ぶことへのあこがれと日常の幸福と
■■齋藤周 川は流れている
北海道の風景美展 (萩原勇雄・石川雄一・近藤博史・吉田貴幸の4氏)
金内敬子個展 緑が印象的
森山誠個展 人物と卓上風景と
森田哲隆絵画展 室蘭など風景画150点超
居島春生展 写真をしのぐリアルさでした
川口霽亭・浅野天鐘 書と日本画の世界
レーベンス展
井上まさじ展
杉山宏二・坂元輝行・真鍋敏忠・中川幸浩淡彩4人展
笹山峻弘展(西チベットの寺院やマンダラを描いた日本画)
続橋守展(歌志内出身、神奈川在住の主体美術会員)
第6回主体美術北海道グループ展(有力全国公募展の、道内在住と道内出身者による展覧会)
■■紫の雨 福井爽人展 (院展同人の日本画家)
八木伸子・岸葉子二人展 (春陽会、全道展会員の洋画家)
石崎哲男個展・齋藤典久展・渡辺良一展 (3人とも主体展会員)

版画
小林大・石川亨信銅版画二人展
白石達也展(道都大中島ゼミの新鋭)

書道
第12回ASAKA展(甲骨文字のインスタレーション)
田頭一舟かな書作展(広島県福山市の日展系書家。豪華な書展)

工芸
豊平硝子同門展
朝田千佳子染織展 いつくしむもの
石原実展 月光の舟「布に描くマーブリングの世界」

複数ジャンル
第2回作品展 安藤豊と屋中秋谷・植田莫 蛍のひかり・夢あそび/屋中秋谷・厚子+植田莫・洋子作品展 夢の途中・旅の途中…」
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「ウェブ進化論」をめぐって(1) 玉石混淆問題

2006年06月30日 00時07分29秒 | つれづれ読書録
 「ウェブ進化論」(梅田望夫著、ちくま新書)はおもしろく、刺戟的な1冊だった。「あちら側」と「こちら側」といったことばを使い、インターネットの爆発的拡大がもたらす可能性について、手際よくまとめてくれている。ただし、どうしても個人的に気になるところというか、もろ手を挙げて賛同しかねるところがあるので、書き留めておきたい。

 ひとつは、玉石混淆(玉石混交)問題である。

 blogの急激な普及にともない、仮想空間上のファイルは飛躍的に増えている。わかりやすくいえば、いろんな事柄について書かれたファイルが、ものすごく多くなっているということである。しかし、そこから有用な知見を得るのはなかなかたいへんだということを、最近つくづくと思い知らされた。

 じぶんが体験したのは、東京・六本木に国立新美術館が完成したというニュースをめぐっての話だ。
 新聞では当初(15日前後の第1報)、通りいっぺんの記事しか出ていない。だから、具体的にどういう団体に使われるのかといったことを知りたくて、テクノラティなどを使ってかたっぱしからblogを検索してひらいてみた。
 4、50件は見たと思うが、新聞以上のことを書いてあるblogは皆無だった。大半が、新聞社サイトからの引き写しと、「すごい」といった程度の感想のみ。
 嫌味な言い方を承知ですれば、その程度のことを書くのに、これほど多くの人がblogを開設してエントリを書いているということ自体、正直言ってオドロキである。

 サイトやblogが増えれば増えるほど、検索でヒットする数は増え、有用な情報にたどりつく確率は低くなる。

 ところで、googleがとった方法はよく知られている。
 たくさんリンクされているファイルが有用なファイルだという仮説をたて、その順番に検索結果が出るようになっているらしいのだ。
 
 テクノラティでも、そのblogへのリンク数が表示される。
 しかし、blogについていえば、文章の質とリンク数に、あまり相関関係はないような気がする。
 
ネット上の玉石混交問題さえ解決されれば、在野のトップクラスが情報を公開し、レベルの高い参加者がネット上で語り合った結果まとまってくる上方のほうが、権威サイドが用意する専門家(大学教授、新聞記者、評論家など)によって届けられる情報よりも質が高い。そんな予感を多くの人たちが持ち始めた。(「ウェブ進化論」16ページ)

 それは、そうかもしれない、と思う。しかし、体感的には、玉石混交問題は、まったく解決していない。

 ちなみに、国立新美術館について、きちんとした情報が得られたのは、6月22日の読売新聞の解説記事によってだった。
 すくなくてもこの問題については、ネット上では皆目わからず、一見オールドメディアに見える新聞のほうが、圧勝だったということだ。

 筆者は似たような経験を、例の盗作騒動のときもしている。宗左近死去のときも、美術とのつながりについてふれたblogはけっきょく見つからなかった。
 そんなわけで、blogを検索してかたっぱしから読むことは、今後しばらくは、しなくなると思う。

 ふたつめの「メシが食えるか」問題は、日を改めて。

http://d.hatena.ne.jp/umedamochio/
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実くろに行った。南5東3かいわい

2006年06月29日 00時00分12秒 | つれづれ写真録
 若い人たちが写真を展示しているという「実くろ」に行ってきた。
 古い民家を改造、というか、ほとんどそのまんまである。
 会場には、写真をやる若い人がまったりとたむろしていて、おじさんがひとり入っていくと、浮きまくってしまう。
 写真をじっくり見る雰囲気でもないので、samくんのファイルを見て、退散した。
 ただ、印画紙を箱型に折って、うしろから明かりで照らしている作品があり、おもしろいと思った。

 「実くろ」のある一帯は、国道36号と豊平川に挟まれた三角形の地帯で、まず足を向けないところだ。
 まだ古い建物がけっこう残っている。
        

 しかし、周囲にはマンションも多く、南5東3の一帯もそのうち再開発されてしまうのだろう。
        

 この商店を見たときは、感動した。
        

 会場の地図へのリンク
 
http://www.mapion.co.jp/c/f?grp=all&uc=1&scl=25000&icon=mark_loc%2C%2C%2C%2C%2C&coco=43%2F03%2F08.295%2C141%2F21%2F54.620&el=141%2F21%2F54.600&pnf=1&size=500%2C450&sfn=all_maps_00&nl=43%2F03%2F10.053&map.x=249&map.y=201
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工藤悦子展(7月1日まで)

2006年06月28日 23時42分04秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 「夜の鼓動」という副題がつけられた、江別の工藤さんの、2年ぶりとなる個展。
深い青で描かれたふしぎな、まるで生命の原型のような物体が、今回も息づいています。冒頭の作品は、120号カンバスを横に三つつなげた超大作です。

 「これまでと変わったところはどこですか」
と訊いてみました。
「直線が多くなりましたね」
と工藤さん。
 確かに、モティーフは、以前はもっと丸っこい形をしていたようです。
 筆者が見たところでは、地の部分の筆跡があらわになってきたことも大きな変化です。
 以前は、全体がもっとフラットに塗られていました。
 荒々しいタッチとまではいかなくても、筆使いの跡がはっきりわかるようになってきたのです。 
        

 工藤さんは主体美術と新道展の会員。

6月26日(月)-7月1日(土)10:00-18:00
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A

■04年の個展
■02年の個展
■01年の主体美術8人展
■00-01展(2000年末)
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宗左近さんと神田日勝

2006年06月28日 00時02分23秒 | 新聞などのニュースから
 詩人の宗左近が亡くなった。詩壇はついこの前も茨木のり子、清岡卓行を見送ったばかりであり、戦後詩の巨星が相次いで逝くなあという思いだが、それはともかく「北海道美術ネット」としては、宗左近さんと、道内の戦後美術史でも最も有名な作品の一つ、神田日勝「室内風景」とのかかわりについて書かないわけにはいかない。

 「室内風景」は、わずか32歳で亡くなった日勝の遺作である。新聞紙に三方を取り囲まれた部屋で性別不詳の人物が坐りこんでいるという図柄で、執拗ともいえる描写は、一度見たら忘れられない。

 彼の歿後、1970年の独立展に展示されたのを、宗左近が見て、翌年71年7月号の月刊「時代」に「日本の子守歌1-北辺の農民画家・神田日勝」というエッセーを載せた。
 小見出しには「無名の開拓農民が生きた33年の生涯は、虚名に安住している作家たちに根底的な衝撃を与えずにはおかない」とある由(現物に当たっていないので、鈴木正實著「二度生きる 神田日勝の世界」から孫引き)。
 神田日勝が曲がりなりにも全国区の画家として名前が知られたのは、宗左近のおかげと言ってよいのである。

 宗左近は美術評論も手がけていたが、本職は詩人であり、公募展に足しげく通っていたわけではなかったようだ。たまたま1970年の独立展に足を向けたことが、日勝にスポットを当てることになった。
 むろん、日勝の作品そのものの持つ力によって、すくなくても道内では、宗のエッセーがなくても高く評価されたであろうと思うが。

 「室内風景」の作品画像は、小さいですが下のページにあります。
http://www.aurora-net.or.jp/art/dokinbi/info/02kaisou.html
 
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吉川聡子展(6月30日まで)

2006年06月27日 22時55分36秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 吉川さんは札幌で日本画家として活躍するかたわら、プロのイラストレーターでもある。現在、北海道新聞の土曜の生活面に童話の挿絵を描いている。
 ただし、日本画とは画風がぜんぜんちがう。とてもきれいな童画ふうの絵なのだが、サッカーワールドカップのあおりを受けて、掲載面がときどきモノクロになるのが残念だ。
 吉川さんの日本画といえば、飛行への憧れを表すものが、画面によく登場する。いわゆる花鳥諷詠ではない、現代的なセンスのある絵を描く。画力はすごくあると思う。
 何年か前までは、レオナルド・ダ・ビンチの素描みたいな絵や、鳥の飛ぶ姿が画面狭しと描かれ、筆者などは
「こんなにいろいろかき込んで、画面をきちんと成立させてるんだから、すごいなあ」
と感心していたが、21世紀に入ったあたりからは、飛翔そのものを描くことが少なくなり、飛翔を暗示するものを画面に取り入れることが多くなった。
 たとえば、今回の個展でいえば、その名も「舞い降りた静寂4」。
 ドアが開け放れたフローリングの室内で、ガラスのボウルを手にした赤いワンピース姿の女性の足元に、白い紙飛行機が落ちているという、シンプルで静けさを漂わせた作品だ。
 あるいは「卓上の世界」。
 眼を閉じる女性の両側にあるのは、空っぽの鳥かごと、鳥の剥製だ。
 今回の展示作で、鳥が実際に飛んでいる絵は2点しかない。
 「空を飛びたい」という、見果てぬ人間の夢は、絵の中ではかなえることができるのだけれど、吉川さんは絵で夢を実現させるのではなく、夢とともにあることを選んだんだと筆者は思っている。深読みしすぎかもしれないけれど。夢はいつまでも夢のままという、現実の日常生活のあり方や息遣いのようなものを大事にしているのではないかと思うのだ。
 窓辺で女性が本を読んでいるとき、さっと一陣の風が吹いてレースのカーテンを揺らすさまを描いた「午後の風」では、庭に咲いた桜の花びらが家の中にまで飛んできている。「クレマチス クレマチス」では、居間で紅茶と菓子のひとときを愉しむ老夫婦が題材になっている。いずれも、画面からにじみ出てくるのは、ほんのささやかな日常的な幸福感だ。
 ちょっと前までは、こういう感覚は「プチブル的」といわれてさげすまれたものであり、描法でも題材でももっと大がかりなものがほんとうの芸術だと考えられていたふしがあるが、筆者は、こういう日常性こそが、わたしたちひとりひとりの生に、ほんとうに深く根を下ろしているものだと思うし、大切にしてゆくべきものだと思うのだ。

 出品作は次のとおり。
「Cake I」「Cake II」「朝食のあとで」「くろいうさぎ」「Tea Time I」「Tea Time II」(F3)
「あいすくりーむ は いかが」「お昼寝」(F4)
「春の午後」(F15)
「東の風」(115.0×72.0)
「冬の朝」(54.5×72.6)
「彼方へ」(51.5×62.5)
「幻影」(140.0×61.0)
「幻影 II」(66.0×50.4)
「クレマチスの下で」(57.0×79.0)
「卓上の世界」(F50)
「舞い降りた静寂 2」「舞い降りた静寂 4」「そんないちにち」(F100)
「クレマチス クレマチス」(F120)
「午後の風」(F130) 

6月1日(木)-30日(金) 8:00-19:00(最終日-17:00)
ギャラリーどらーる(中央区北4西17、ホテルDORAL 地図D)

北海道美術ネット
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いぷしろんショップ、京王プラザに開店中(6月30日まで)

2006年06月27日 00時02分33秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 かつて札幌・北区のカフェ「クルトゥーラ」で道内のクラフト紹介に力を入れていた舟見優子さん。現在は、点々と場所を変えて、道内外の人に「北海道にはこんなにすばらしいクラフトがありますよ」と、販売・普及活動にがんばっています。現在は、京王プラザホテルのロビーで「クラフトショップいぷしろん」を臨時オープン中です。
 取り扱っている作家を紹介します。
 ガラスの高臣大介さん
 洞爺湖畔に工房があり、最近発表活動を盛んに行っている人です。
 突起のある花器などがユニークです。
「高臣さんはドンドンよくなっている作家です。これからはガラスの花留めが活躍する季節。剣山では挿せない細かいものも大丈夫ですよ」
と舟見さん。

 鍛金の高野ひろみさん。
 旭川で首飾りや指輪、動物のチョーカーなど。
 チョーカーは、サルにバナナ、ウサギににんじんと、取り合わせが面白い。
「宝石よりも手仕事の美しさ、丁寧さにほれていただきたい」(舟見さん)

 空知管内栗山町に昨年3月に本州から越してきた、キャンドルの櫻井芳枝さん。
 キャンドル作家というと、ポップな作品というイメージがありますが、櫻井さんはあくまでシックな感じ。
「インテリアとしても使えます。私としては、お風呂で炊くのがおすすめ。寝る前にもいいですよ。においもありません」(舟見さん)

 ほかに、草木染めのストールなども取り扱っています。

 いつお会いしてもパワフルな舟見さんでした!

京王プラザホテル(中央区北5西7 地図A)

北海道美術ネット
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SHU SAITO EXHIBITION - A RIVER FLOWS (6月30日まで)

2006年06月26日 23時16分54秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 札幌の齋藤周さんが、ソーソーカフェで個展を開催中です。ソーソーが地元の画家を取り上げるのは珍しいかも。タブローにおさまりきれず、壁面へと飛び出していく齋藤さんの作風は、カフェという空間にとてもよく似合っています。
        

 大小のキャンバス以外に、壁に直接描いたように見える黄緑などの線は、薄い板を切ったもの。
 これまであまり使われなかった黄緑以外の色(赤、オレンジなど)も目立つようになりました。
 ただし
「白の壁に白を貼ったところは、もう少し浮き出てくると思ったけれど、とくに夜なんてぜんぜん見えない。誤算でした」
と齋藤さん。
        

 オープニングパーティでは、参加者が色とりどりのタイルを、絵の好きなところに貼って、作品全体が完成-という趣向だったそうです。
 もっとも、参加者の中には、まるで関係ないところの壁に貼った人もいるようです。

        

 会場の奥の小部屋など、いろんなところに置かれ、貼られている齋藤さんの作品。
 人物や車といったドローイングもあちこちに顔を出しています。
 まさに、会場全体を「齋藤周色」で埋め尽くしたような感じです。

6月17日(土)-30日(金)
SOSO CAFE(中央区南1西13 三誠ビル 地図C)

□齋藤周ホームページ

■06年2月の個展
■「絵画の場合」
■03年11月の個展(石狩・カピバラカフェ)
■03年5月の個展(プラハ)

北海道美術ネット
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次世代ワールドホビーフェアに行ってきた

2006年06月26日 00時16分30秒 | つれづれ日録
 第24回次世代ワールドホビーフェアに行ってきた。もちろん、子どもと行ったのである。
 会場は札幌ドーム。入り口は親子連れで長蛇の列。
        

 いろんなブースがあって、新発売のゲームやマンガの紹介などをしているのだが、じぶんの周囲でなにが展開しているのかまったく理解不能。ただ、やかましいと感じるだけで、つくづく自らの「おじさん度」を思い知った。

 たとえば、せがれと一緒に「ムシキング」のブースでバトルが行われているのをぼけーっと見ていたのだが、だいたい筆者は、あのゲームがどういう仕組みなのか、知らないのだ。(バトルは、大人が子どもに容赦ない攻撃を浴びせて、決勝に進んでいた)
 まあ、せがれも、トレーディングカードゲーム「レンジャーズストライク」の説明を聞いても、ぜんぜん理解できていないようだったが。

 (写真は、カードゲームのルール説明をしていたバンダイのブース。左端で説明している坊主頭の人は、実はゲームの開発責任者マツナガさん)

 ところで、このカードゲームは、「ゴレンジャー」以降30作にものぼる「戦隊ヒーロー」をテーマにしたものなので、ブースでは過去の戦隊ヒーローの映像を流していたが、「恐竜戦隊ジュウレンジャー」に出ている千葉麗子って、あのチバレイなんでしょうか。
 
 会場には、現在放送されている「轟轟戦隊ボウケンジャー」のボウケンレッドとボウケンブルーも参上。
 せがれは、じゃんけん大会を勝ち抜き、賞品のカードセットをボウケンブルーから受け取っていた。
 
 娘は、ラブ&ベリーのブースに連れて行っても、あそぶのにならばなきゃならないことをさとると、あっさり断念。手がかからなくてよろしい。

 ところで、迷子センターのようすが、天井の大型ディスプレイにリアルタイムで映し出されていた。これは、すぐれたシステムだな。


 任天堂のブースは45分待ち。さっさとDSライト増産してくれ。


 ひー。こんなに人のおおくて、やかましいところによく5時間もいたなあ。
 つかれた。 
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豊平硝子同門展(6月26日まで)

2006年06月25日 07時14分35秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 ガラス工芸のさかんな北海道ですが、じつは1980年代ごろまでは、工房といっても数えるほどしかなかったのだそうです。札幌・豊平にある豊平硝子には、ガラスを志す若者が集まり、そして巣立っていきました。今回の展覧会は、豊平硝子と、そこから独立した作家のうつわを展示しています。

 顔ぶれは、青木一彦(石狩)、宇治川純、能崎祐介、巳亦敬一(以上札幌)、勝野好則(十勝管内音更町)、金野義孝(空知管内栗沢町)、荒川尚也(京丹波)、菅井淳介(旭川)、松田博志(後志管内蘭越町)、吉川満(岩見沢)の10氏。このうち、巳亦さんが豊平硝子の3代目。宇治川さんも同社で働いており、あとの8人が独立して工房を持っています。

 勝野さんは、球形の一輪挿しがユニークだと思いました。これを大きなガラスの直方体にちりばめた、インスタレーションふうの大作もあります。

 菅井さんは、木と組み合わせたうつわを多く出品しています。埋もれ木とコップをセットにした「木GLASS」などです。
 照明「雪原」は、キツネとその足跡がなんとも北国らしくて、ほほえましい作品です。

 荒川さんは吹きガラスによる泡がみごとです。「滝の瓶」など、泡がまさに滝のように器を覆っています。
 
 食卓に涼しさをもたらすガラスの器は、これからが活躍する季節といえるでしょう。

 ここで、豊平硝子の歴史を、会場にあったパネルをもとに紹介しますと、明治41年、初代の巳亦喜代太郎が11歳で小樽の藤井硝子に弟子入りしたのがはじまりだそうです。
 昭和5年に、釧路に「巳亦硝子工場」を設立。浮き玉を製造しました。
 同14年には札幌にも工場を建て、インク瓶を作ります。
 戦争を経て、同22年に歌志内に工場を建設。28年に札幌・豊平の現在地に移り、社名も「豊平硝子」としたのだそうです。
 49年に巳亦進治が2代目となり、平成4年に巳亦敬一が跡をついでいます。

6月22日(木)~26日(月)最終日、午後6時終了
丸井今井札幌本店 一条館8階美術工芸ギャラリー(中央区南1西2)

北海道美術ネット
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芽ぶきの春から白い冬まで 北海道の風景美展(6月26日まで)

2006年06月25日 06時42分26秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 萩原勇雄・石川雄一・近藤博史・吉田貴幸の4氏の風景画約50点を展示しており、絵画好きには見逃せない展覧会です。今回の出品作はすべて道内の風景がモティーフになっており、ほとんどの人が「これはきれい!」と思うのではないでしょうか。

 石川さんは札幌在住。色が鮮やかで、まるで写真のようです。「丘の道(美瑛)」「ラベンダーと十勝岳」など、美瑛・富良野地方に材を得た作品の多くは、遠景から近景までスケール感のある構図を採用しており、見ていて非常に心地よいです。もちろん、写真のように花の色がにじむなんてこともありません。
 「紅葉の散歩道(野幌)」も、色とりどりの紅葉が美しくまとめられています。

 江別在住の近藤さんもたいへんリアルな風景画ですが、石川さんよりも、緑色を中心に濃い目の色合いになっています。やはりモティーフで多いのは、「薄暮の深山峠」など、美瑛・富良野方面です。「能取湖」や、北大のポプラ並木などを描いた絵もありました。

 稚内の吉田さんは、4人のうちでいちばんフォトリアリズム系といえるかもしれません。ただし、稚内という、光にとぼしい風土を反映してか、色合いは派手さからはほど遠いものです。海岸に取材した「浜1」「浜2」や「逆光」など、描写の腕がすごいという以上に、最果てのさびれた情緒を感じてしまうのは、見る側が稚内在住だということを知っているからでしょうか? 「古びた農機具」も、しんみりします。

 4人の中で最ベテランの萩原さん(札幌)は、唯一リアリズムからちょっと離れた、大まかな筆遣いでモティーフをとらえています。4人とも迫真・細密では見る側も疲れるかもしれませんから、この構成は良いと思います。
 萩原さんのモティーフも多岐にわたっていて「初冬の藻岩山」「エンルム岬(日高)」「積丹神威岬」「霧多布湿原」など、全道各地の風景を描いています。さすがに、構図には安定感があります。

 それにしても、この4人のうち、萩原さんは「グループ環」でおなじみであり、吉田さんはご自身のサイトで作品を拝見していましたが、あとの2人はまったく初めて見ました。4人とも公募展には所属しておらず、なかなか見る機会もないのですが、このような実力の持ち主がいたとは驚きでした。
 「売り絵」と片付けてしまうには惜しい展覧会だと思います。

6月20日(火)-26日(月)10:00-20:00(日曜-19:30、最終日-18:00)
三越札幌店(中央区南1西3)

□吉田さんのサイト

 なお、おなじ会場で
「近代洋画巨匠版画展 梅原龍三郎・小磯良平・萩須高徳」
「リアリズム絵画展」
も開催中です。
 「近代…」のほうは、この3人以外に中川一政や熊谷守一、向井潤吉なんかもありました。価格は100万円弱がほとんど。
 また、少しですが油彩もあり。梅原の3号と荻須の15号がいずれも1500万円でした。断然、荻須のほうがいいです。梅原って、どうしてこんなに高いんでしょうかね。

■北海道美術ネット
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アカシアの雨

2006年06月24日 21時06分53秒 | つれづれ写真録
 6月24日はひさしぶりの晴天。
 札幌はニセアカシアが満開。北1条通や、東のほうの南大通などで、白い花が、蜂蜜のような香りを撒き散らしている。
 歩道の上に、雨のように花びらが降っている。

        
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川上りえ展 Trace of Will(6月24日まで)

2006年06月23日 21時23分59秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 鉄を使ったパワフルな彫刻やインスタレーションを制作する川上りえさんの個展。今回は、会期中に人々がさわることで変化していく作品です。筆者はオープニングにいけなかったのですが、美術家の渋谷俊彦さんが写真を撮影してくださったので、紹介します。縦横に針金が並ぶ作品は、初日のうちにぐにゃぐにゃに曲げられてしまったようです。
       

       

       

       

 筆者が見たときはご覧のとおり。作品の残骸みたいな感じです。

       

 CIAからのメールにはつぎのようにありました。
 
私は、様々な要因の集積、蓄積によって変化する環境の姿を生命体として見ることに興味があります。今回の作品は、人間の「意志」という目に見えない要因により生み出される変化を生命の姿に置き換える試みです。鑑賞者の方達には、会場一杯に設置されたワイヤの形状の中を行き来する中で、素材を触り、自由に曲げてもらいます。ワイヤを曲げることに無関心の人もいれば、意欲的に変化させることを試みる人もいるでしょう。そうした様々な意志の集積により作品は命を帯び、その変化は期間中定期的に記録し、随時会場内に展示する予定です。


 人々の意思はけっこう破壊的だったということでしょうか?

6月10日(土)-24日(土)13:00-19:00、日曜休み
CAI 現代芸術研究所(中央区北1西28 地図D)。
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こんどはシーレの絵が25億円

2006年06月22日 01時34分14秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞の6月21日夕刊の記事です。クリムトのすぐ後にシーレというのも、なにかの因縁でしょうかね。
25億円で落札 シーレの「ひまわり」 
 【ロンドン21日共同】オーストリアの代表的画家エゴン・シーレ(1890-1918年)がゴッホの作品に敬意を表して描いたとされる「ひまわり」が20日、ロンドンの競売会社クリスティーズで競売にかけられ、1176万8000ポンド(約24億9000万円)で落札された。

 AP通信によると、第2次世界大戦中に当時の収集家からナチス・ドイツが没収。その後、長年行方が分からなかったが、今年2月に収集家の相続人の元に戻った。 (以下略)


 ところで、きのう書いたクリムトの話ですが、こんな記事を見つけました。

http://www.nikkei.co.jp/kaigai/column/20060317g193h000_17.html
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蛍の光にさそわれて

2006年06月22日 00時22分53秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
 展覧会の正式タイトルは「第2回作品展 安藤豊と屋中秋谷・植田莫 蛍のひかり・夢あそび/屋中秋谷・厚子+植田莫・洋子作品展 夢の途中・旅の途中…」です。6月18日に終了しています。
 岡山県の安藤さんと、地元・札幌の3人によるコラボレーション。単に4人の作品をならべたというだけではなく、息のあった合作がならびます。
 その合作とは…。
 安藤さんはLED(発光ダイオード)を使ってホタルの細工物を作るのが得意なのです。ただ、実物大のホタルに装置や電池を組み込むのはムリなため、それらは、基底部にかくしてあります。その基底部が、今回は、屋中さんの木の額だったり、植田さんのシルク絵だったりするわけです。
 ちょっと見ただけでは、屋中さんのこしらえた木彫の上に本物のホタルがいて、やわらかな緑の光をゆっくりと明滅させているかのようです。
 照明を落とした会場の中央には、かやがつられています。


 その上には、天井からホタルのこしらえ物が吊り下げられています。蚊帳の中から見上げると、ますます本物のホタルがとびかっているみたいに見えます。
 屋中さんから招き入れられた筆者は、蚊帳の中でなんだかほっとしたひと時を過ごしたのでした。

6月13日(火)-18日(日)
コンチネンタルギャラリー(中央区南1西11、コンチネンタルビル地下1階 地図C
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