北海道美術ネット別館

アート、書道、写真などの展覧会情報や紹介、批評、日記。毎日更新しています

2009年7月のおもな展覧会

2009年07月31日 23時22分22秒 | 主な記事へのリンク
 7月のおもな展覧会の記事へのリンクです。
 書き終わっていないエントリには、まだリンクがはられていません。

 このエントリは随時更新します。

 ■■は、更新時に開催中の展覧会、■はすでに終了した展覧会です。


現代美術
交差する視点とかたち vol.3
杉田光江展
澁谷俊彦 茶室DEアート ■続き
阿部典英 Ten-ei Abe Exhibition
遅れてくる風 樫見菜々子個展
中嶋幸治「エンヴェロープの風の鱗」展

絵画
■■會田千夏個展■會田千夏小品・ドローイング展
■■山本雄基「みえないみえる」
石垣渉 水彩画の世界展
■国展 絵画部 北海道作家展
濱田五郎油絵個展 第26回札幌展
三浦恭三展
第7回富樫正雄アトリエ展 正雄の軌跡“北海道生活派”時代(1952-71年)の作品から
日本水彩画会北海道支部50周年記念展
米澤邦子展
藤井高志展
北海道抽象派作家協会 同人と2009年展推薦者による小品展
■徳丸滋展
香西富士夫個展
河田隆子遺作展
佐治直魅~青の世界~
Klang  清武昌 洞口友香二人展
西村一夫展-座座座座座
上條千裕個展

工芸・クラフト
江別やきもの市
松原成樹展
大野耕太郎作陶展
林啓一 PAPER WORKS 「シトロン」小さな夏の個展


矢橋寿心古希展

写真
小林孝人写真展「江戸の残照」
フィルム一本勝負
■HAKONIWA 2009

複数ジャンル
■■クリムト、シーレ ウィーン世紀末展
橘内美貴子展 版画と型染
ダム・ダン・ライ絵画展■ダム・ダン・ライ最新彫刻作品展
さいとうgallery企画 第15回夏まつり「星・star」展
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2009年7月のまとめ

2009年07月31日 22時21分58秒 | つれづれ日録
(追記アリ)

 7月の1カ月間でまわった美術館・ギャラリーの数は85カ所。
 5月とおなじで、やや少なめ。

 エントリの数は100本。
 これで5カ月連続しておなじ数となった。

 ページビュー(pv)は、すでに25日の段階で10万を突破している。
 はじめて12万を超える見込みだ。
(追記。12万1242pvでした)

 アクセスポイント数も、23日に1241 IPと、2年半ぶりに最高記録を更新するなど、閲覧数はまずまず好調だった。
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眞鍋かをりさんの写真を政治家ポスターに使用した事件と、外来語のおはなし

2009年07月31日 11時52分12秒 | つれづれ日録
(追記あり)

 この時期、筆者のような立場の人間が政治に関する話題を語るのはあまり好ましいことではないのだが、ちょっとだけ。

 静岡県の選挙区から衆院選に出馬を予定している城内実氏のブログが炎上し、サイトともども閉鎖されているようだ。

(閉鎖ではなくアクセス集中でつながりにくくなっていたようです。8月2日未明追記)

 以下のURLはキャッシュ。

http://74.125.153.132/search?q=cache:gntzj11bZ3EJ:http://www.m-kiuchi.com/blog/+%BE%EB%C6%E2%BC%C2&lr=lang_ja&hl=ja&ie=EUC-JP&output=html&client=nttx

 城内(きうち)氏が選挙ポスターに眞鍋かをりさんの写真を使ったのだが、本人の承諾を得ずに無断だったのではないかという疑惑がおきているのだ。

 ここで城内氏は
「無断使用した事実はありません」
と言い切っている。

 一方、眞鍋さんは、ご自身のブログ「眞鍋かをりのココだけの話」で
「困惑しています」
「私は特定の政党や政治家の応援はしていませんし応援コメントも出していません。
何故このような使われ方をしたのか確認して対処したいと思います。」
とつづっている。

 どちらが日本語の使い手としてオトナであるか、どちらが社会常識をちゃんと持っているかは、一目瞭然だと思う。


 ところで。
 この城内氏という人のブログのキャッシュを見ていると、おもしろいくだりがあった。
 下のほうで、民主党のマニフェストについて述べたくだりで

「「マニフェスト」というこの外来語の表現、正直いって違和感がある。
 第一に、日本人なら日本語で、「政策綱領」とか、「公約」とか「国民への固いお約束」とか言えば良いのではないか。」

と書いている。

 問題は呼び名じゃなくて中身でしょ、と言いたくもなるけど、まあ、外来語の安易な使用に違和感をおぼえるということそれ自体は理解できる。
 「公約」といわずにこんな外来語を使う理由の一つに、つい何年か前、公約なんて守らなくてもたいしたことない-みたいなことを言った政党の党首がいて、公約ということばが「守らなくてもいいもの」という意味合いを持ってしまったっていうこともあるのだが。

 しかし、この城内さんという人はとてもおもしろい。
 次の行でこうつづけている。

第二に、マニフェストとは確か語源的に「高らかに宣言する」ことであって、そのあとでしっかりとフォローするというようなニュアンスにかけていると思う。

 「揚げ足取りだ」といわれるかもしれないが、「マニフェスト」に違和感があって、1行のうちに「フォロー」「ニュアンス」と2度もカタカナを書くことには違和感を抱かないというのは、いったいどういうあたまの持ち主なんだろう。
 わからない…。
 
  

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090730-00000049-sph-soci

眞鍋かをり ポスター問題で番組復帰は衆院選後?(スポーツニッポン) - goo ニュース
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●東川町国際写真フェスティバル 北海道写真月間は8月1、2日

2009年07月30日 23時41分37秒 | 展覧会などの予告
 筆者は例年(2年に1度ぐらいのペース)最終日に行って、東川賞の受賞者たちによるパネルディスカッションを、写真展の会場でざぶとんにすわって聞くのを楽しみにしています。
 ことしも、柴田敏雄さんや露口啓二さんの貴重なお話が聞けるのではないかと思います。
 ただし筆者は、ことし8月2日は、仕事ですので行けません。

 すでに「写真甲子園」がスタートしており、東川は写真一色の夏になっていることでしょう。
 写真関係者は集結です!

PHOTO MEETING PLACE 1日19:00-20:30
 参加者の皆さんがポートフォリオ、出展作品などを持ち寄って、講評し合い、第一線で活躍する写真家や写真評論家から気軽に直接アドバイスを受けられる場。写真について語り合う場でもあります。

ストリートギャラリー
 
文化ギャラリー前庭の屋外展示です。

★Juna21 東川ポートフォリオ・レビュー 1日11:30-13:30、17:00-19:00
 Juna21選考委員の大西みつぐさんと竹内万里子さんによる、持ち寄られた写真のポートフォリオを多面的に話し合う時間。評価によってはJuna21での個展開催への道が開けます。

ポートフォリオ・レビュー 2日13:00-16:00
 東川町審査員や来町ゲストによる講評

デジタル暗室システム 1日13:00-17:00、2日10:00-16:00
 エプソン協賛により、持参の作品データまたはフィルムからデータを作成して高画質デジタルプリント技術をわかりやすく説明します

デジタル写真のための“-R”講座 1日13:00-14:30、15:00-17:00、2日10:00-正午、14:00-16:00
 (株)スタート・ラボ、That'sの協賛により、写真データを安全に美しく長期保存する方法を伝授

思い出写真館「NIJI」 1、2日
 写真甲子園の卒業生たちは大勢プロになっています。会場にを訪れた家族や恋人、友達との思い出を撮影してプレゼントします。


☆期間中の写真展
写真の町ファームギャラリー展=7月25日-8月16日 青木農場、樽井農場、樋浦農場、ファーム中田

写真インディペンデンス展=8月1日-9月6日、文化ギャラリー

ストリートギャラリーグランプリ受賞者写真展示=8月1、2日 文化ギャラリー前庭
 昨年の受賞者、飯塚達央さんによる「My Little Lovers~ここで生まれ育ちゆく者たち~」。

My カメラアングル 北海道在住の写真家による作品展示=8月1、2日 ひがしかわ道草館
 GeoffChaplin「老い、それとも、美?」 ウリュウユウキ「I still stay here」 大橋英児「自販機つつ浦々」

ウォールギャラリー写真展=8月1、2日 町役場駐車場壁面
 キャパフォトオリンピアOB会による路上写真展。東川町のワークショップがきっかけで写真家になったOBたちが出品します


・旭川駅前から東川へは旭川電気軌道バスが毎時0、30分に出ています。だいたい40分で「道草館」前に着きます(まちがえて終点まで行ってもそれほど実害はないです)。
 札幌-旭川は特急スーパーカムイで1時間20分。近いよ。



http://town.higashikawa.hokkaido.jp/phototown/index.htm
□東川町国際写真フェスティバル Official blog http://fotofes09.exblog.jp/

東川町フォトフェスタ(2)思い出写真館NIJI
東川町フォト・フェスタに行ってきた(1)-ストリートギャラリー =以上2008年
06年(1) ■06年(2) ■06年(3)
04年(浅野久男さんのリポート)
2002年
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●the IMAGIKAL vol.002 (8月1-6日)

2009年07月30日 22時58分08秒 | 展覧会などの予告
8月1日(土)~6日(木)13:00-23:00(最終日-20:00)、日曜休み、CAI02(中央区大通西5 昭和ビル地下2階 地図B

 国松希根太さんからメールがきました。
 アーティストの数が多いので、コピペします。

 公式サイトはこちら

IMAGE + MAGICAL = " the IMAGIKAL "
北海道札幌発、アートプロジェクト第2弾開催決定。

4月に好評を博した " the IMAGIKAL vol.001 "。
オープニングには150人を超える来場者があり、また、会期中毎日、多くの方に足を運んでいただくことができました。
北海道のアートシーンの模索として、確実な一歩を踏み出すことができたと確信しております。
第2回目となる今回は、作品のフォーマットを「タバコのパッケージ」に定め、第1回目とは正反対な「制限のある中での表現」を探ります。


[ 参加アーティスト ]
相川 実嗣 / 阿部 寛文 / 阿部 安伸(■関聨) / 天野タケル / 飴谷 等 / アラキ アヤカ / 有國 恵介 / 石井 誠 / 上田 亮 [COMMUNE] / 浦谷 幸史 / 大泉 力也 / 大澤 夏美 / 太田 正樹 / オオノ ヨースケ [NATURAL BICYCLE] / 岡田 哲弥 / 石川 大峰 [yorma] / 上遠野 いこい / 上遠野 太 / 上遠野 ゆい / 梶谷 亘 / 川内 優加 / 川上 大雅 / 菊池 慎 / 北島 逸夫 / 北島 爽子
木野 哲也 / 木村 尚史 / 清田 愛子 / 清本 太一 / 国松 希根太 [飛生アートコミュニティー] / 工藤 恭平 / 工藤 寛子 / 倉本 祥平 / Culex / 黒田 晃弘 / 児玉 陽美 / 児玉 美也子 / 小林 香苗 / こんの あきひと / 合田 尚美 / 斉藤 雄磨 / 桜井 亜美 / さとう あやか / 佐藤 暢孝 [EXTRACT] / 佐藤 正宗 [studio M's] / 佐藤 麻有 / 佐藤 有希 / 澤口 賢太郎 / 澤口 紗智子 / 白鳥 絵美 [nano graphic] / 須見 明美 [NATURAL BICYCLE] / 住吉 直道 / 高木 かおり / 高橋 大晴 / TAKA (紅北16丁目) / 武澤 佳徳 / 武田 健太郎 / 武田 浩志 [Azkepanphan] / tac / 田中 さおり / 田村 雄斗 / Chie / 千葉 祐吾 / 千葉 亜妃子 / det / DJ KEI [REBEL MUSICAL] / TOI TOI / 富樫 幹 / 中井 紀恵子 / 中川 彩加 / 長崎 千紘 / NATSUMI.k / neji Meetme ISA / KNOB / 萩野 明宏 [making!] / 濱口 翼 / Future Daze / 原子 めぐみ / 日向寺 正敏 / 平塚 智恵美 / 平塚 翔太朗 / 藤澤 大輔 / 藤田 次郎 [FJD] / ベッチ / pater / 堀 成美 / 前川 玲 / 前田 麦 / 松浦 進 / 松田 葉月 / 松永芳朗 [マルハマ] / 三浦 拓真 / 三上 詩織 / mizu (□mamizu)/ 八並 翔太 / 山地 里佳 / 山本 壮一 [NORTH GRAPHIC] / 矢野 照文 / 吉井 見知子 / 吉田 壮 / 48

- OPENING PARTY -
entrance fee 500yen
8/1.SAT. 17:00-22:00
DJ : Kei [REBEL MUSICAL] / Wataru Kajiya [node]

- LIVE in the IMAGIKAL -
8/3.MON. 22:00-22:30 OHK
8/4.TUE. 20:00-21:00 スルヤ
8/5.WED. 20:00-20:30 ざ。けむけむづ。
8/6.THU. 20:00-21:00 43゜
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■自由美術北海道グループ展 (8月1日まで)

2009年07月30日 22時57分26秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 戦前に旗揚げし、日本の前衛絵画の一翼を担ってきた団体公募展。
 絵画と彫刻の2部門があるが、北海道で毎年グループ展をひらいているのは絵画部のメンバーである。
 自由美術は、会員と一般の2段階しかなく、しかもその区別を会場で表記しないならわしである。

 今回も抽象画が多く、とくにA室は杉吉篤さん以外は全員が抽象である。
 作風的には、昨年までのものを引き継いでいる人が多い。
 やや変化しているのは大崎和男さんで、ほとんど全面がまっ黒。わずかに光沢や彩度が異なる何種類かの黒が画面を構成している。それぞれの黒のあいだを稲妻のように走るのが黄色などの細い線で、小さな円が左下にふたつ描かれている。

 あいかわらず旺盛な制作意欲で展覧会を各地で開催している高橋靖子さん。
 画面にはことし6、7月の日付と日記のような内容がかきこまれている。いちばん新しいのは7月25日。なんと搬入の日である。
 何枚か切手が貼ってあるのがアクセントになっている。7円切手がなつかしい。いまの若い人はどうして7円なんていう額面の切手があるか、わかんないだろうなあ。

 渡辺励子さんの絵は、水色の地に細く弱々しい黒の線が断続的に何本も走るというもの。
 深みのある青はよく見るが、こんなにしっかりと美しい水色はめずらしいと思った。

 昨年出品していなかった佐々木俊二さんの復活は喜ばしい。
 人体の内臓を変形させたかのような不気味な画風は健在である。


 出品作は次の通り。

大崎和男 「イランカラプテ」
北島裕子 「光の旅 I」「光の旅(シャンパーニュ)」
工藤牧子「北の早春 I」「北の早春 II」
黒田孝 「空とぶゼネコン I」「空とぶゼネコン II」
佐々木俊二 「疑影」
佐藤榮美子 「Dear Mr. Forest」
佐藤泰子 「finish からみあう情景」
澤田弘子 「森をさがして」「姉妹」
杉吉篤 「消えた惑星」
高橋靖子 「'09 記 II」
永井瑛子 「MEMORY I」「MEMORY II」
永野曜一 「蒼天」
比志恵司 「浮遊する種子」
深谷栄樹 「森の雫(シタカラ)」
牧輝子 「砂漠のまち」「サハラの風」
宮崎亨 「若い実」
森山誠 「卓上09-3」
渡辺励子 「風の音」


2009年7月28日(月)-8月1日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)


□自由美術協会公式ウェブサイト http://www.jb.vis.ne.jp/

佐藤泰子自選展(2009年4、5月)
高橋靖子展-巡りくる刻のなかで- (2008年12月)
永野曜一個展(2008年8月)
芸術団Jam.19(2008年8月。宮崎さん出品)
自由美術北海道グループ展(2008年)

07年
自由美術/北海道 2006年(画像なし)
2003年
2002年
2001年(画像なし)
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■国展 絵画部 北海道作家展 (7月25日で終了)

2009年07月30日 22時56分25秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
(文中訂正あり)

 「国展」は、絵画、彫刻、版画、工芸、写真の5部からなる全国規模の団体公募展である。
 会の名前としては「国画会」という。
 べつに、国営とかそういうことではなく、1918年に、文展(のちの日展)からわかれた日本画家が「国画創作協会」を旗揚げしたのがルーツなので、国展という。
 国画とは、戦前は日本史を国史といったように、日本画の別名であった。
 ちなみに、日本画部は現在は国展を離れて創画展となっているので、いまの国展には日本画部はない。
 ついでに補足しておくと、「国画展」とは、水墨画の公募団体展「国画院」の展覧会であり、国展とは関係ない。

 ところで、現在は、国展絵画部は道内に会員がひとりもいない山本勇一さんのみを数えるだけになっている。

(8月2日未明に訂正しました)

 苫小牧美術界の長老であった遠藤ミマンさんが亡くなったことや、福井路可さんが室蘭から東京へ転居したことなどがひびいているのだろう。
 かつては国松登さん(死去)や伏木田光夫さん(退会)らを擁し、いまよりも道内での存在感があった…という人もいる。

 出品作は1人1、2点で、小品のたぐいは一切なし。
 加藤健二、菅野充造、渡邉真利、福井路可の4氏は、道外在住で、北海道ゆかりの会員である。
吉川孝 unchain09-2
山本勇一 江南春情
工藤善蔵 命はるか
中村泉  グレーを眺めて
本庄隆志 標(しるべ)08
山下脩馬 雪のN町
西辻恵三 月人(つきびと)
山本美登里 母の刻
鶴田昌子 満ちてくる
本城義雄 蔵にて「眠る人形」
山下カオル あの木の下に
佐藤フサ子 活を寄せる
伊藤貴美子 北の色彩(風花)=同題2点
管恵子 夢情
進藤英俊 無限の知性
今西直人 焔2009
柳悟  サイロと牧人

福井路可 海の景-09-7 雨の景-09-7
加藤健二 グラウンド09-R-2
菅野充造 FLOAT09-3
渡邉真利 峠の風


2009年7月20日(月)-25日(土)10:00-18:00(最終日-17:00)
札幌時計台ギャラリー(中央区北1西3 地図A)


http://www.kokuten.com/

2006年
2003年
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31日まで浦河で川上澄生展

2009年07月29日 21時30分46秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2009年7月28日日高版から。

【浦河】胆振管内の白老や安平、苫小牧とも縁のある版画家の川上澄生(1895~1972年)の版画展が「手づくり家具とカフェの店ガーデンソング」(常盤町)で開かれている。

 川上は横浜生まれ。第2次大戦中に安平や白老に疎開し、苫小牧中で英語を教えた。今回は浦河町内の50代の愛好家男性が学生時代から集めていた24点を展示。

 川上が好んだ「蛮船入津」(外国の船が日本の港で荷下ろしをする風景)の作品が中心。(中略)31日まで。




 川上澄生は、日本を代表する木版画家のひとり。
 戦中、胆振・日高地方に疎開していたこともあって、全道展の創立に参加しています。
 ただ名前を貸したというだけではなく、晩年まで毎年出品していました。
 ちなみに、奥さまも安平の方だそうです。
 2003年には道立文学館で「木版の詩人・川上澄生と北海道」展もひらかれています。


「木版の詩人 川上澄生と北海道」紹介
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森山大道「北海道」(7)

2009年07月29日 21時17分16秒 | つれづれ読書録
承前)

59
 北大構内、北12条あたりを東西に結んでいる道によく似ている。電算機センターとか弓道場あたりを抜ける歩行者用の小道である。




60左・右
 表紙カバーに使われている写真。劣化がいちじるしい。
 あるいは、森山大道その人なんだろうか?


61
 つい先日撤去された函館どつくの大型クレーンが写っている。プリントの左右を横切る列車は、窓が小さい寒冷地仕様。右から2輌目は、車内で仕分け作業を行う郵便車である(もちろん今はない)。その2輌左は、白いラインが入っているので、グリーン車だろう。


63
 ポプラ。ただ、札幌を中心にあちこちにあり、かならずしも北大のポプラ並木とは限らない。


65右
 函館市電。行き先表示板が「谷地頭」を「谷地」と略している。「柏木」は「柏木町」。つまり、湯の川温泉までは行かないのだ。


66
 小樽の中心街「セントラルタウン都通り」。
 おそろしく情報量の多い写真である。左に「HAYASHIYA」「みどり屋」「洋服の神戸屋 ただ今特売中」「コーヒーショップ バークレー」「シャンポール」「ジャンQ」「本」などの文字が、右手には「斉藤商店」「珈琲 ブラック」「エトワール」などの文字が見える。おどろいたのは、アーケードの下なのに、まだ舗装されていないこと。あと、喫茶店が多い。エトワールは健在のようだ。


67
 江別駅前のバス停で列をつくる人々。架線がうしろに見えるので、「駅前食堂」は、駅構内にあったと推察される。国鉄バスと中央バスがあるのに、夕鉄バスの停留所がないのも意外。


68
 三たび小樽駅前。看板の「バターフィンガー」という菓子、筆者は知らないが、当時は売れていたのだろうか。
 この看板やみやげ店のある場所は、紀伊国屋書店などが入居するビルになっている。


69右
 人がいっぱい屋外にあつまっている。うしろの、斜め上を向けてならべられた花輪の列が気になる。もし、河出文庫版「犬の記憶」264ページ掲載の写真とおなじときに撮られたものであれば、道内ではなく銚子ということになるが、ちがうような気もする。


71
 千歳線の車窓から見た札幌・もみじ台の団地群ではないかと思う。


72
 「夕霧」「松竹梅 酒・食事の店」「定食たろう」などの看板、のれんには「朝日食堂」という文字も見える。遠くにうっすら見えるのは、札幌・全日空ホテルであろう。この時代、これほど高い建築物は、道内に、同ホテルとセンチュリーロイヤルホテル、札幌市役所ぐらいしか存在していなかったはずだ。


73
 スマートボールに興じる人々。これも、かわら屋根や雨戸が、道内らしくない。


この項続く)
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■Point Of Color 笠見康大 蒲原みどり 西田卓司 森本めぐみ(7月29日まで)

2009年07月29日 00時50分28秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 若手バリバリの4人による企画展。
 このうち、蒲原さんはおもにデザインの世界で活躍されている方なので、このブログではまったくとりあげたことがない。
 ほかの3人については、下のリンク先でわかるとおり、ものすごいハイペースで制作・発表に取り組んでいる。

 いただいた案内状には、平面作品の展覧会であると書かれていたように記憶していたけど、実際に会場へ足をはこんでみたらちょっと違っていた。
 西田さんと森本さんは平面とインスタレーションの二本立てであった。

 西田さんは、インスタレーション「ドリフトシティ」と絵画「コンストラクション ペインティング7点。
 「ドリフトシティ」は、昨年の「油展」と同種の作品で、プラスチック廃容器をならべて、下からライトで照らしたもの。チープかつポップな榎忠といった雰囲気は変わらない。
 「コン…」のほうは、昨年の個展連続波状攻撃「SPIRAL」の、iwamizawa90°での個展で、「ART」と文字を書いた絵画を発表していたが、あの延長線上にあるような作品である。すでに、「絵画である」ことの根拠は「絵画である」ことでしかない、ある種のトートロジーというか、ニヒリズムのようなものを感じてしまうのだが、それって深読みしすぎだろうか。

 蒲原さんは「夢想草化図」。
 紙に書いたモノクロの草の絵を、輪郭に沿って切り抜き、直接コンクリートの壁に貼っている。

 笠見さんは「untitled」4点と「entopic」。
 これまでの画風とやや異なり、ひたすら線をひいたり、さまざまな色が明滅する画面の地を暗色にしたり、新しい方向を模索しているのが興味深い。

 森本さんは、平面が「シールド」。目の引っ込んだ人物(2人)の周囲に、トレードマークとも言える赤い花が乱舞している。
 インスタレーション「ホームメイキングエクササイズ」はもっと複雑。キャプションには

あずかるもの/ビーズ、金糸、オーガンジー、ファー
まとめるもの/ビーズ、金糸、オーガンジー、豆、ウィッグ、人毛
あつめるもの/ビーズ、金糸、オーガンジー、豆、ウィッグ、人毛
なでとるもの/ビーズ、金糸、オーガンジー、ファー

とある。
 会場の手前に、白く薄い布のベールが天蓋のように垂れ下がっていて、緑の円の上を覆っている一角がある。内部の天井からは細い糸で豆のようなものがつるされている。
 奥の床面には古い衣類が乱雑に散らかっており、表面にはやはり豆のようなものがちらばっている。隅っこには、芽を出した豆がちいさな鉢に植えられて3カ所に置かれており、いちばん奥の壁には、はたきとおぼしき物など四つの道具が壁に掛けられている(これら四つの物体は、札幌市民ギャラリーでこのほどひらかれていた「七月展」からの流用と思われる)。

 出品者はいずれも新しい方向を手探りしているように思われた。その意欲を、買いたい。


2009年7月17日(金)-29日(水)13:00-23:00、日曜・祝日休み
CAI02(中央区大通西5 昭和ビル地下2階 地図B

□蒲原さんのサイト MIDORIUM DESIGN http://www.midorium.com/
http://megumimorimoto.her.jp/

北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース卒業・修了制作展(2009年2月。笠見、西田両氏が出品)
油展2008 北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース油彩研究室 +岩見沢校芸術課程美術コース油彩画研究室展(笠見、西田両氏が出品)
SAG INTRODUCTION(2008年、笠見さん出品)
第4回法邑ギャラリー大賞展(2008年8月、笠見さん出品)
FIX・MIX・MAX!アワード入選作品展(2007年、笠見さん出品)
アウトレンジ キタ 2007(笠見さん、西田さん出品)
笠見康大個展「背中の時間」(2006年)
油展 北海道教育大学札幌校芸術文化課程美術コース油彩研究室展(2005年、笠見さん、西田さん出品。画像なし)

油展2007
500m美術館(2008年11月)
ART!MEET!MART! (2008年11月)
gallery shikakuが開設(2008年10月)
On the wall/Off the wall (2008年9月)
Fw:SPIRAL(08年7月)
西田卓司個展「Image of pop」&「壁ポップ」(08年6月)
西田卓司「Personal Job」2004-2008 (08年6月)
西田卓司「Imagined Pop Scenery」&「Shape to make」project#3(praha2 + deep sapporo 9J)=08年6月
『カナコ雪造カンパニー』~除雪原風景へのオマージュ~(08年2月) ■作品画像
西田卓司「『Shape to make』#01 (07年)
500m美術館「まぼろし遊園・2」(07年)
北海道教育大学札幌校美術科 七月展(06年)=西田、笠見両氏が出品


森本めぐみ個展「ワークス」 (2009年4月、画像なし)
ACRYL AWARD2008入選作品展 (2009年3月)
Megumi Morimoto Exhibition (2009年2月)
森本めぐみさんがアクリルアワード大賞
森本めぐみ作品展「むこうのほう」(2008年9月)
日常にARTを H.I.P-A 紀伊國屋プロジェクト (2008年7月)
post ship exhibition 01(2007年)
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2009年7月24-28日

2009年07月28日 23時56分51秒 | つれづれ日録
 24日は体調不良につき家で睡眠。
 夜、花火大会を見に外出。


 土・日曜は今週も仕事だった。
 土曜はギャラリーエッセなどをまわり、日曜は特急列車に乗って深川へ行き、會田千夏さんの個展を見た。


 27日は休み。午後から雨になったこともあり、外出は家の附近を散歩した程度。


 28日は仕事。
 仕事の前に、キヤノンギャラリーなどに寄る。
 ギャラリーの前、ビルのロビーの壁に「樹を語り作品展」のポスターがはってあった。
 ふだん、その種のポスターなどのないところなので、おやっと思った。

 某所で陶芸家のSさんに、「(陶芸の)見方を分かっていない」「権威に弱いのでは」などと指摘される。図星なのでしかたない。

 紀伊國屋書店で「北海道 幸せ鉄道旅15路線」(小学館文庫)、「増補 チベット密教」(ちくま学芸文庫)、「ライフワークの思想」(ちくま文庫)、「2011年 新聞・テレビ消滅」(文春新書)の4冊を買う。


 24日2664歩、25日11556歩、26日10088歩、27日5029歩、28日12409歩。
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森山大道「北海道」(6)

2009年07月28日 23時44分35秒 | つれづれ読書録
承前

44
 闇に浮かぶ青函連絡船「十和田丸」の巨体。筆者もお世話になりました。


45左
 堤防の上に一列になって横たわる4人。奇妙な光景だ。


47
 スナック?店内。中央に置かれたポータブルストーブがいかにも北海道らしい。


48
 「SEIKO 中谷時計店」「やき鳥 都」などの看板が見えるが、場所は不明。左側の舗道には郵便局らしい看板や丸型ポストがある。その後ろには「日糧パン」の看板もあるので、まず道内には違いないが。


49右
 これも青函連絡船。煙突の「JNR」は、日本国有鉄道の頭文字。


51
 石炭を積んだ貨車が1台だけ置かれている。広い線路敷地の横を、買物帰りとおぼしき女性がこちらに背中を向けてあるいている。


53右
 国道5号から小樽中央市場の右側(東側)の下り坂を望んだ1枚。通称船見通といい、中央市場のたたずまいは現在とあまりかわらない。遠くに海が見える。小林多喜二晩年の未完の大作「転形期の人々」の主舞台「岩城ビル」(ビルは名だけのおんぼろアパート)のモデルとなった建物はこの近くにあった。


54
 踏切の右手の坂道のかたわらに
 「学校法人夕張商科専門学校」
という看板が傾いて立っているので、夕張であろう。
 夕張市史の上巻に次のようにある。

学校法人佐渡学園佐渡悦太郎が校長となって、一般教養簿記、タイプの教育を目的として、本町一丁目旧図書館跡に設置された各種学校である。その設置は昭和四十六年四月一日で、生徒数は昭和四十六年度三〇名昭和四十七年度二八名、翌四十八年一五名と振わず、昭和四十九年は休校、同年十月一日廃校となった。

 線路をたどっていくと、なつかしい腕木式信号機が立っているのが見える。駅のホームらしきものも見える。
 なお、この写真は、夕張市美術館でひらかれる森山大道展のちらしにつかわれている。


55
 網、リヤカー、干した魚など、いかにも漁村らしい雰囲気。女の子が立っているのは、家の玄関というより土間兼作業場の入り口のようなところかもしれない。


56
 28ほどの確証はないが、この写真も北海道ではない可能性がある。
 左手の軽トラック(三菱ハイゼット)が倉敷ナンバーである上、家々が瓦屋根であるためだ。


57
 これもふしぎな光景。左奥、れんがのアーチを持った建物の手前、れんが塀との間で管楽器を練習している人物がおり、右手前にも、背中をこちらに向けてトロンボーンをふいている人物がいる。どうしてこんなに離れて、しかも互い違いの方向をむいて演奏しているのだろう。左の建物は、北大農学部や旧理学部を思わせる格調の高さがある。


58
 「東映劇場」の看板がはげ掛けた古い映画館。「ジョーズ」がはやっていたころらしく、やたらとポスターがならんでいる。ほかに「さらば夏の光よ」「青春の構図」「爆走トラック’76」といった文字が見える。右端には「バラ焼 重光食堂」の看板も。とりあえず札幌ではないだろう。
 駐車している車のナンバーが2台とも「青」に読めるのがひっかかる。ひょっとして青森県五所川原市?


この項つづく
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琴似を散歩する

2009年07月28日 23時31分39秒 | つれづれ写真録
 琴似地区は、札幌の副都心である。
 中心部以外では最も大きな盛り場兼商業地のひとつといえる。

 カフェ北都館、ラジレコ、ソクラテスのカフェギャラリーといった美術展用のスペースがあるため、筆者も一月に何度かかならず足をはこぶ一帯だ。

 散歩していると、いろいろ興味深いものが目に入るので、ここでまとめて紹介しておこう。
(アートとは関係ない話題です) 


 まず冒頭。
 旧国道5号沿い、琴似2条7丁目にある「やまさ」という飲食店である。

 筆者は、この店を見るたび

「一品料理」「おでん」「やまさ」…、「やまさって、なんの料理だろう」

と考えてしまい、ちょっとたってから
「あ、『やまさ』は店名だった」
と気づくのである。
 まあ、筆者が鈍いのであるが、それにしても、店の名前をどうして他の料理と同列に並べているのかがわからないし、おもしろい。

(なお現在、同店は改装中で、この看板も早晩消えるかもしれない)


           

 なんのへんてつもない建物だが、妙になつかしい。
 昔は、こういう事業所がたくさんあったような気がする。学生寮とかなにかの事務所にも多いスタイルの建物だったと思う。


           

 西区役所のちかくのカシワの木。
 車の交通より木を優先する態度がとても好ましく感じられる。
 いまでも札幌には、こういう「木優先」のところが何カ所かある。


           

 北都館からラジオ&レコーズに向かう途中にある民家。
 立原道造の「ヒヤシンスハウス」に通じるような、モダニスム住宅建築の傑作ではないかと思うのは、筆者だけだろうか?
 横のラインがじつに軽快。
 アプローチが三つもあるのもおもしろい。




 2条3丁目の共栄ビルには「共栄デパート」という看板がついている。
 「デパート」といっても、1階は、まるやまいちばに似た市場であり、なつかしい雰囲気がただよう。
 オープンした1960年代末は、まだ「スーパーマーケット」という名称がいまほど市民権を得ておらず、ちょっと大きい店は「デパート」を名乗りたがったのだと思われる。
 5階建ての「デパート」の出現は、当時の琴似に住んでいた幼い筆者にとっては、大ニュースであった。


 現在のように郊外にショッピングセンターがたくさんできて車で買い物に出かけるのが一般的になる以前の1970年代ごろの札幌は、商業施設の中央集権の度合いがきわめて強い都市であった。
 まあ、ひらたくいえば、中心部だけにデパートなどが集中していて、それ以外の地区には大型店が少なかったということだ。
 その中では、琴似地区は数少ない例外のひとつであった。国鉄の琴似駅は、かつては急行の停車駅であり、そこから国道5号(現在は道道)まで、本通りの左右に商店がたちならんでにぎわいをみせていた。その活気は、現在も保たれている。
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北広島に「黒い森美術館」オープン

2009年07月28日 23時28分50秒 | 新聞などのニュースから
 北海道新聞2009年7月28日付の北広島版から。

 【北広島】市内在住の建築デザイナー斎藤孝子さん(64)が40年来の夢をかなえ、私設美術館「黒い森美術館」を市内富ケ岡に開いた。親交のある札幌在住の銅版画家渋谷栄一さん(81)の作品を展示するほか、27日からは初のイベントとして市内在住の切り絵愛好家の作品展を始めた。

 20歳のころから漠然と美術館開設を考えていた斎藤さんが、本格的に動きだしたのが昨年5月。父親から富ケ岡の山林約2000平方メートルを遺産相続すると、美術館を自らデザイン、今年4月に完成した。

(中略)

 館内には、所有する渋谷さんの作品約50点のうち、数カ月単位で15点ずつ展示する。イベントスペースや、斎藤さんが手作りのケーキなどを提供する喫茶コーナーも設けた。

(中略)

 切り絵展は市内在住の片寄八雲さん(90)の作品展。こけしやアニメのキャラクターなどの平面作品のほか、動物など立体作品も並ぶ。最終日の29日は、午前11時から1時間程度、片寄さんが実演を行う。

 入館料は中学生以下無料。高校生以上300円。開館は月曜から水曜までの午前10時30分~午後3時30分。(以下略)


http://www.d-minami.com/modules/weblog/details.php?blog_id=115 にも訪問記が載っています。

 渋谷栄一さんは全道展会員。
 道内を代表する版画家のひとりだと思いますが、作品を見る機会は近年あまりないので、常設で見られるとしたら喜ばしいことです。

 この種の施設は週末にオープンすることはあっても、月-水曜開館というのは非常にめずらしいですね。

 もっとも、富ケ岡とひとくちにいわれてもなあ。
 どこらへんなんでしょうか。
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■澁谷俊彦展-森の雫09- 茶室DEアート (7月20日で終了)

2009年07月27日 22時58分28秒 | 展覧会の紹介-現代美術
 アップがすっかり遅れてしまい申し訳ありません。


 茶室というめずらしい会場での個展にあたり作者が書いたテキストを、ブログから引用する。

アートは既存の美術館やギャラリーで鑑賞するだけののものではありません。現在認識される美術の概念は、明治以降の西洋化がもたらしたものであり、古来日本には存在せず、生活の中に様々なかたちで潜んでおりました。襖絵、掛け軸、茶の湯、いけばな、書、建築、庭園などあらゆる場所に存在し、暮らしと一体のものとして育まれてきました。そんな日本の伝統と現代アートはそろそろ融合する時代なのではないでしょうか。


       

 今回の澁谷俊彦氏のインスタレーションは、茶室という環境にすっかりとけこんで家具や調度になってしまうのでもなければ、純日本的な空気と水と油のように離反してしまうのでもない、まさに「いいあんばい」で、和室の中に存在していたと思う。

 廊下や玄関の赤い毛氈を意識した、赤を基調とした側面は黒い木の柱が、鑑賞者を出迎える。
 床の間と掛軸、畳、障子、自在鉤のついた囲炉裏、屏風…。
 すべてが、作品をうまく引き立て、作品とたくみに共存してひとつの空間を形作っている。

 さらに、「借景」となった、廊下(縁側)の向こうに見える庭の緑。気象。

 そういったものも、作品とひとつの音楽を奏でているかのようである。




 玄関、廊下、和室二間のなかで、鑑賞者それぞれがお気に入りのポジションを見つけていたようだが、筆者が断然好みだったのは、この画像の位置。
 室内にありながら、ガラス窓つきの障子戸を通じて、廊下(縁側)、さらには屋外へとつながっている。考えてみれば日本の家屋は、室内と室外を厳然と分け隔てることがない。そういうあいまいさが、妙に心地よくて、しばらく正座していた。
 そういえば夏目漱石の随筆に「硝子戸の中」なんていうのがあったっけ…(ただし、漱石の時代には、硝子戸は舶来の新しいインテリアであったことには注意を要する)。

 作者のインスタレーションの構成要素はここ何回かは変わっていない。
 正方形の角柱は木でできており、側面は黒く塗り、天にあたる面が絵の具の飛沫などによる「絵画」になっている。高さはそれぞれ異なる。
 もうひとつは石膏でできた半球形で、角柱とおなじく、天を向いた断面が絵画面である。こちらは、側面が白く、大小さまざまである。
 この色彩配置と形状は、ごくシンプルであるがゆえに、多彩な組み合わせを可能にしている。和室に無理なく溶け込んでいる理由でもあろう。そして、見る人に解釈と鑑賞の「のりしろ」を大きくする役目も果たしているだろう。



 こちらは、作者の想定したベストポジション。
 玄関から入って右側の壁を背にして、廊下(縁側)のほうまで一望できる位置になっている。
 室外の緑が効果的な要素になっている。
 桜の季節と紅葉のころは、たいへん美しいらしいが、本来の用途である茶室としての利用が多いので、美術展は開くのがむつかしい季節らしい。

 いうまでもなく、いすが存在せず床面(畳)に直接腰をおろすことが前提となっている和室では、洋間やギャラリーよりも鑑賞者の目線が低くなる。作者は、春のギャラリーエッセの個展よりも、正方形の白い板をやや低くしている。
 そのままだと、ちゃぶ台のような家具になってしまうし、あまり低すぎるとこんどは畳と同化してしまう。作者のさじ加減の微妙絶妙なところだ。
(28日、語句を手直し)

 高さだけでなく、さまざまな「部品」の配置について試行を繰り返したことは、作者のブログに詳しい。




 鉄瓶などを置く小さな棚に、白い半球が、以前からそこにあったかのように、おあつらえ向きに置かれていた。

 今回も、断面に展開されている絵は、決して大きなサイズではないのに、宇宙や森を想起させる無限の広がりを有しているように感じられる。じっと見ていると、こちらがすいこまれてしまいそうだ。


(この項続く)

2009年7月18日(土)-20日(月)10:00-17:00(初日のみ12:00-)
紅桜公園内茶室 寿光庵(南区澄川4の13)

http://toshihikoshibuya.com/


澁谷俊彦個展-青い雫09-
澁谷俊彦展 森の雫(2008年3月) ■つづき
渋谷俊彦個展(07年11月)
絵画の場合展(07年1月)
渋谷俊彦展-瞑想の森-(06年9-10月)
絵画の場合2005
絵画の場合2004
渋谷俊彦展-大地の記憶(04年)
渋谷俊彦展-森の鼓動(03年)
渋谷俊彦展(02年)
二人展「交差する座標軸」(02年、画像なし)
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