北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

2017年11月のおもな展覧会

2017年11月30日 23時23分00秒 | 主な記事へのリンク
 2017年11月のおもな展覧会の記事へのリンクです。
 書き終わっていないエントリには、まだリンクがはられていません。

 ■は、エントリ更新時点で終了しているもの、■■は終わっていないものを示します。

 カテゴリー分けは厳密なものではありません。


現代美術
アートフェア札幌
■■イメージのロゴス


絵画
第28回三人展 綿谷憲昭・原田富弥・日下康夫(北海道の風景を描く)
モリケンイチ個展 女王蜂の夜
竹田博「自画像展」
末次弘明個展 “mono”
■■末永正子油彩展 TOKI →季・時シリーズ
第16回 北区の文化を育てよう 北区のアーティスト展
櫻井マチ子展


工芸
北海道陶芸会展 ■続き


写真
写真クラブ「Be PHaT!!」 第14回作品展 夢フォト2017



羽毛蒼洲 書の個展「今、心に映ること」


複数ジャンル
平面と立体の交差 ・北広島のコンテンポラリーアート
陶芸家 陳野原久恵と木彫作家 文月みのりの二人展「日々の隣に」
北海道美術50続き
「北海道文学館」創立50周年記念特別展 アントン・チェーホフの遺産
L’exposition Ayumi Shibata et Miki MIALY 「Le jardin des etoiles 〜星たちの庭〜」
Furukawa Yuko 作品展「闇に光る」
コメント

2017年11月23日は11カ所の続き。乃木坂文庫を買ってしまった

2017年11月30日 21時07分13秒 | つれづれ日録
 「2017年11月23日は11カ所」で、見てきた展覧会の紹介がごちゃごちゃになっているので、12月になるまえに、あらためてまとめておきます。

 25日にアップした前項は、茶廊法邑で「第6回建築と美術展 -五十嵐雄祐・岸本幸雄- したたり」(~12月3日)と末永正子油彩展(同)を見たあと、北24条のサンプラザ札幌で北区のアーティスト展に足を運んだところで終わっていました。

 その後は、地下鉄南北線に乗り「さっぽろ駅」で降車。
 紀伊國屋書店札幌本店に寄りました。

 最近は本屋さんを訪れる回数自体が減っており、たまに足を向けても
「ああ、買っても、もうウチには置くところがないからなあ」
と消極的な気持ちにしかならないことが多いのですが、この日は久しぶりに、前向きな気持ちになりました。

 この日、買った本と雑誌です。
 前列左から順に、ちくま学芸文庫の復刊である『プリズメン』(アドルノ著)と『ドイツ悲劇の根源』(上下、ベンヤミン著)、講談社文庫『聖の青春』、後列左から『文化資本: クリエイティブ・ブリテンの盛衰』(ロバート・ヒューイソン、美学出版)、「美術手帖」12月号、『写真の理論』(月曜社、甲斐義明=編訳)。

 このうちちょっと解説が必要なのは、講談社文庫が創刊46周年を記念して、アイドルグループ乃木坂46とコラボして展開している「乃木坂文庫」でしょう。

 芥川竜之介から湊かなえまでさまざまな文庫本のカバーに、さらに乃木坂のメンバーの写真つきカバーを重ねた本が、紀伊國屋書店札幌本店の柱にずらーっと並んでいるようすは、壮観でした。
 これは話の種に一冊買っていくか~と思い、最初は生駒がフィーチャーされている芥川『藪の中』を手に取りましたが、ほとんど読んだ短篇ばかりだったので、迷って先述の本を選びました。北野日奈子が笑っているカバーです。
 これ、迷いますね。読みたい本でも、カバーの子があまり好みじゃなかったりすると、「ほかのにしよっか」ということになってしまいます。
 でも、選択肢が2種類あるというのも、おもしろいと思います。

 あと、講談社は資本的にはキングレコード(AKB48の発売元)と近いのですが、あえてソニーグループの乃木坂と組んだというのも興味深いところです。まあ単純に、乃木坂のほうが本を読んでるイメージだもんな。橋本奈々未(ななみん)がいないのが惜しまれます(←しつこいですね)。


 ギャラリー巡りに話を戻します。

 地下鉄を乗り継ぎ、バスセンター前へ。
 市民ギャラリーで写真クラブ「Be PHaT!!」 第14回作品展 夢フォト2017と、第34回読売書法展を見ました。

 読売書法展。
 道書道展や毎日に比べるとかなが多いです。帖などがあるのも特色。
 あと「近代詩文」ではなく「調和体」。
 茂吉の短歌など調和体も悪くないなあと思いました。

 しかし、読売書法会は、かつても皮肉ったことがありますが、階梯が多いですね。
 せっかく会社や大組織で働かなくても済んでいる人たちが、なぜピラミッド型組織にわざわざ属そうとするのか。筆者にはよくわかりません。まあ、どうでもいいですけど。


 地下鉄で「さっぽろ」まで戻り、プラニスホールへ。
 2時から「イメージのロゴス」展のシンポジウムがありました。
 筆者のいまの問題意識とほとんど重なることがない話が続いていたので、これについては書くことはないと思います。展覧会自体は別項で紹介します。

 夕方から中心部へ。
 スカイホールの名木野修水彩画展は、ひじょうに見ごたえがありました。水彩画ではことしの収穫といっていい展覧会です。

 space SYMBIOSIS(シンビオーシス)のL’exposition Ayumi Shibata et Miki MIALY 「Le jardin des etoiles 〜星たちの庭〜」は川口さんのツイートを見るまでまったくノーマーク。これは帰宅後、すぐにブログを書いた、見ごたえのある2人展でした。

 OYOYOでは「北の病展」。
 地下之会でも見た黒崎三眼さんの写真が、シャープな切れ味を見せています。
 うつ病や発達障碍の人が多く出品しているだけに、来年以降もぶじに開かれればいいな。

 カフェギャラリー・オマージュでは、金沢一彦版画展。リトグラフ。
 「温泉へ行こう」は、町を眼下に見下ろしながら空を飛ぶ魔女3人がモチーフ。空中写真のような構図は金沢さんにはめずらしいものです。

 HOKUSEN GALLERY ivory では北の妖怪展。
 この会場でよくある、若手のイラストレーションを中心としたグループ展なのですが、ふだんにくらべ会場の活気があります。作品もお客さんも多いのです。
 「妖怪」という統一テーマを与えると、この種の展覧会が急に活性化するのは、おもしろい現象だと思います。
コメント

藤川弘毅さんのこと

2017年11月30日 11時11分11秒 | 情報・おしらせ
 地下鉄南北線・北24条駅を降りてすぐのところにある画廊喫茶「チャオ」(北区北24西4、モンレーブビル3階)が、24周年記念の写真展「Ciao24th AnniversaryPHOTO EXHIBITION」を4週間連続で、毎週展示替えをしながら、2017年11月29日まで開催していました。
 その最終日にうかがってきました。
 もっと早く行きたかったのですが、最終週に、藤川弘毅さんの写真が1点出ているということを、ツイッターで知り、かけつけたという次第です。

 藤川さんの作品は、カウンターの横に飾られていました。
 写真の下に、常連さんが書いたとおぼしき似顔絵が添えられていました。


 いろいろな情報を総合すると、藤川さんは9月から入院しており、10月初旬に亡くなっていたようです。

 藤川さんは、おもに「チャオ」と、昨年4月に事実上閉鎖した「ギャラリーたぴお」で開かれるグループ展に、若い女性をモデルにした写真を出品していました。
 2004年から毎年2月か3月に札幌市資料館で開かれる写真グループ展「ぽんち展」のメンバーでもありました。
 と思うと、廃品を利用したユニークな、あるいは力強い立体造形を出品することもありました。

 正確な病名もわからない病気を長く患っていたと聞いています。

 個展は昨年、チャオで開いた写真展が最後になりました。見ておけば良かったと思います。

 チャオの常連さんは、心優しいのか、それとも思うところがあるのか、彼のfacebookにはおくやみのメッセージなどがついていません。
 今回の写真グループ展でも、とくに喪章などは付されていませんでした。
 なので、この記事が誤りで、またどこかで作品を見ることができるんじゃないかという気もするのです。

 新聞のおくやみ面などにも出ていなかったこともあり、当ブログでの報告が遅れました。

 あらためて、ご冥福をお祈りします。


関連記事へのリンク
TAPIO LAST 終章 (2016)

小樽・鉄路・写真展 (2014、画像なし)

summer wave 18th (2013)

藤川弘毅写真展(2010)
PHOTOGRAPH EXHIBITION MOVE 3 part1 (2010年2月)

PERFECT RAINBOW 14 (2009年12月)
EXHIBITION of BOX ART「3」 (2009年6月)
立体四人面白半分展 (2009年5月)

BOX ART展(2008年)
自我の形象展7(2008年)
BOOK'S ART展5(2008年)

多面的空間展 VOL.9 (2007年)
コメント

11月29日(水)のつぶやき その2

2017年11月30日 01時49分41秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント

11月29日(水)のつぶやき その1

2017年11月30日 01時49分40秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント

「人生二毛作」のエッセイスト堀淳一さんをしのぶ

2017年11月29日 08時43分06秒 | 新聞などのニュースから
 地図のエッセーで知られる、札幌在住の堀淳一さんが亡くなった。91歳だった。
 二眼レフカメラによる写真の腕もくろうとはだしだったが、ここで書くのはアートとは関係ないことです。

 堀淳一さんとは一度だけお会いしたことがある。
 会社の仕事がらみだったはずだが、くわしくは覚えていない。
 ご自宅に電話して
「突然お電話を差し上げてすみません」
というと
「いや~、電話というのは突然来るもんですよ。ははは」
と大笑いされた。
 毎日新聞北海道支社に近いそば屋を指定され、そこで飲みながら話を聞いた。
 筆者も地図マニアであるから、お聞きしたいことはいろいろあったが、その後は残念ながら一度もお会いする機会はなかった。



 それにしても、と思う。
 あちこちの分野でその人がいなかったら、その世界のあり方や見方が変わることがなかっただろうという人がいる。
 堀さんは間違いなく、そういう人だった。
 彼がいなかったら、旅とは名所旧跡を訪ねていくものにとどまっていたのではないか。そして、地形図の上で旧街道をたどったり廃線の跡を歩く旅に出たりする人はこれほど多くなかったのではないか。地図と旅に、従来なかった楽しみ方を拡充したのが堀淳一さんだったのだ。
 たとえば、鉄道趣味に、乗って楽しむだけでなく、すでに失われた線路の痕跡をたどって歩くというやり方があるなんて、堀さんが広めたといって差しつかえないだろう。

 堀淳一さんは、名所には見向きもせず、雑踏を遠ざけ、目立つもののこれといってない湖沼や湿原を愛した。
 その筆で魅力を知って足を伸ばした、十勝の湧洞沼などの場所も少なくない。
 河川争奪、溶岩丘など、私たちは「ブラタモリ」のはるか前から、地形を読む楽しみを堀さんから教わっていたのだ。
(道内外を問わず海外も含め、あんな不便な場所にばかり行っていたのに、運転免許を持っておられなかったのか、自家用車を運転する場面が文章に出てこない。公共交通機関を活用し、知人の車に同乗するなどもしていた。←このくだり、文章を手直ししました)


 もうひとつ、堀さんの生き方で印象深いのは、北大の物理の先生だったのに、エッセイスト・クラブ賞を得た数年後の45歳の頃にきっぱりと辞め、地図と旅を巡る物書きに専念したことだ。
 堀さんはこれを「人生二毛作」と称していた。

 冒頭の本は、筆者の自宅にあるもの(のうちの何冊か)で、著書の数はこの数倍に上るだろう。さっぽろ文庫に寄せた随筆などにも多くを教えられた。

 二毛作。
 最高の人生かよ、と言いたくなってくる。


 ご冥福をお祈りします。
コメント (2)

11月28日(火)のつぶやき その2

2017年11月29日 01時48分51秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント

11月28日(火)のつぶやき その1

2017年11月29日 01時48分50秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント

■末永正子油彩展 TOKI →季・時シリーズ (2017年11月15日~12月3日、札幌)

2017年11月28日 21時24分00秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 映画の起源について、演劇であると考えている人は多いが、実は鉄道の車窓である―と喝破したのは、フランス・ヌーヴェルヴァーグの旗手ジャン=リュック・ゴダール監督だっただろうか。19世紀半ば以降、高速で遠くまで移動する手段として鉄道が一般化し、人間の認識の仕組みがかなりの程度変化したことは間違いあるまい。あのような速度で行き過ぎる風景を見る機会じたいが、それまで人間には無かったのだ。おそらくわたしたちは、鉄道の出現以降、多くの場面をただちにパッパッと切り替えるように過去を追想するようになったのではないだろうか。

 末永正子さんは1951年、小樽に生まれ、その後一貫して小樽を拠点としている画家である。
 発表も、小樽市の展覧会や道展がほとんどすべて。全国的な団体公募展には所属していない。
 道展では、1998年に最高賞にあたる協会賞を受賞し、2002年に会員に推挙されている。98年当時は、人物のフォルムを残した半抽象画に取り組んでいたが、その後はスピーディーな筆が躍る抽象画に移行した。
 ことし3~4月に市立小樽美術館が個展を開いたのは記憶に新しい。昨年、茶廊法邑で開いた3人展も、見応えのあるものだった。

 その3人展で作者ともすこし話をしたのだが、彼女の絵の着想には、鉄道の車窓を流れる風景が基底にあるのは、確かなことのようだった。
 踏切。坂の町を彩る灯。暗い海。それらを、そのまま描写するのではない。窓の外を通り過ぎる風景は、通り過ぎていく時間のメタファーでもある。ささやかな断片の印象が来て、そして去り、よみがえる。そういう繰り返しは、要するにひと言で言えば、人生である。
 今回、カフェの壁に並んでいる横位置の絵画のうち何点かは、水色の絵の具の飛沫が自在に躍っている。
 それはガラス窓に付着しては流れていく雨粒のようでもある。
 雨が降ると、通り過ぎる風景は雨粒や暗さのせいで見えづらくなる。
 過去が思い出しづらくなるのと、どこか似ている。

 作者のことばがギャラリーに掲示してあった。

刻、一刻と過ぎ去る時間
移りゆく季節の風景や、風の一瞬に想像をめぐらし
色と形、線と色を自由に組み合わせ
Tokiの世界を表現してみました。


 もちろん、抽象画であるから、そこに何を見ようと鑑賞者の自由である。

 水色や灰色など多様な色や線、形は、見ることの自由を保障してくれる。

 モダニスム的な見方を貫徹するのであれば、あくまで色や線のたわむれを楽しむべきだろう。

 しかし、色や形、線や筆触、マチエールなどの追究の果てに、にじみ出てくる画家の息づかいが無い作品は、つまらないと思う。

 末永さんの絵を見ていると、こちらも、時間という名の列車に乗って、明滅するさまざまな現象と光景とを、かみしめるように思い出すような、そんな気持ちになってくるのである。


2017年11月15日(水)~12月3日(日)午前9時~午後6時
茶廊法邑(札幌市東区本町1の1)





茶廊法邑への道(アクセス) (環状通東駅から)

参考ページ
市立小樽美術館の関連ページ http://otarubij-kyoryoku.com/exhibition/1046/
朝日新聞北海道版夕刊連載「北海道アート紀行」(星田七恵・市立小樽美術館学芸員の寄稿)http://www.asahi.com/area/hokkaido/articles/MTW20170315011560001.html
ブログ「北海道を彩るアーティスト」

過去の関連記事へのリンク
Wave 13人展 (2016)
Color's 5 色彩からの絵画性-女性5人展 (2013)
40周年小樽美術協会展 (2008)
以上、画像なし

第39回小樽美術協会展 (2007)
コメント

※追記あり。桜井哲夫『フーコー 知と権力』(講談社)からのメモ

2017年11月28日 10時11分43秒 | つれづれ読書録
 あくまで個人的な覚え書です。
 こういう哲学史の見方は、筆者が知らなかっただけで、むしろ常識の部類に属するものなんだろうか?

 そこで、カント以降の人々は、生物学の知識を導入して、認識は、徐々に人間の肉体の組織のなかで形成されてゆくと見るか、あるいは、認識は、歴史的、社会的、経済的諸条件を持っているから、認識の諸形式をまえもって規定する人間認識の歴史が存在すると見た。だが、これでは、経験的真理と哲学的真理の相互関係を、矛盾なく説明することができない。こうして、現象学のように、人間を、経験的で先験的な二重性を持った存在として考えようとする見方も生まれてきた。

 こうして、人間を経験的(経験して理解する)であると同時に先験的(意識で認識する)であるとみるならば、デカルトの「コギト(われ思う)」、つまり人間を、純粋意識という透明なもののなかに示すことはできなくなる。近代の哲学は、デカルトのように、あらゆるものが思考されるものだとは考えることができない。「われ思う」から「われ在り」へ、つまり、意識する主体としての人間と世界のなかに実在する人間との幸福な結びつきは存在しないのである。

 さらに、意識こころ身体からだとの分裂、人間存在の二重性の問題を考えるときに、人間の起源という概念を問題にする接近の仕方がある。ヘーゲルやマルクスなどは、起源への回帰のなかに、人間がかつて持った完全さへの回帰、失ったものの回復を見いだしたが、ニーチェやハイデガーは、起源とは、からっぽ、無だとし、そこから、歴史の諸々の意味づけを破壊する作業をおこなった。だが、このような起源への回帰の仕事もいずれも成功したとはいえない。
(168~170ページ)
 


 やっぱりフランス現代思想をすこしは読んでおいたほうがよいかと思い、手始めに講談社の「現代思想の冒険者たち」シリーズから『フーコー』に取り掛かった(なお、中公新書の『フランス現代思想』はだいぶ以前に読んだ)。
 この桜井哲夫氏の本は、伝記的な事実と思想とをうまい具合に織り交ぜた、おもしろい一冊なのだが、その余勢を買って『言葉と物』(新潮社)に取り掛かったところ、ぜんぜん前にすすまない。
 まずいまどき、2段組みというのがいけない。1ページに23行。それが2段である。
 これはつらい。
 もちろん私の頭の悪さが、進まない最大の原因なのは、まちがいないけれど。

 フーコーは一般的には「構造主義」という名で呼ばれているけれども、やっていることは歴史である。
 ただ、その方法論が、先行研究者とはえらく違う。ブルクハルトなどとはもちろん、マルクスとも違う。
 本人は「歴史」といわず「考古学」と称しているようである。
 方法論はおもしろそうだが、正直言って、16世紀の西欧の知のあり方や仕組みについてはあまり興味がわかない。

 マルクスの知的唯物論という刀は便利な道具で、これをもって日本の中世や近世の歴史をエイヤっと料理してみせた学者はいくらもいたが、フーコー理論を道具として使った人はいるのだろうか。日本の読者としてみれば、そちらのほうがとっつきやすいのだが、どうなんだろう。
 いや、そもそも西洋以外の歴史を料理することができるのでなければ、道具としての意義があまりないような気もするのだが。
 それとも、フーコーの学説をそういうふうにとらえることが間違っているんだろうか。

 追記。
 この本の最初の方に、ベラスケスの代表作「侍女たち」の精緻な分析がつづられていることは、西洋美術ファンにはよく知られているが、読んでもあまりスッキリしなかった。やはり私の理解力に問題がありそうだ。
コメント

11月27日(月)のつぶやき

2017年11月28日 01時48分53秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント

■写真クラブ「Be PHaT!!」 第14回作品展 夢フォト2017 (11月20~25日、札幌)

2017年11月27日 21時35分32秒 | 展覧会の紹介-写真
 毎年開かれている写真のグループ展。
 わりと「街撮り系」が多いが、バラエティーに富んだ内容だ。

 会場に神成邦夫さんがいらした。
 近年取り組んでいる「surface(サーフェス)」シリーズは、いわゆる絶景でも名所でもない、どこにでもある風景にレンズを向けたもの。「新しい美を提案する」というよりもむしろ「凡庸な北海道のリアル」をそのまま提示したものという感じ。
 ステイトメントがあったので、引いておこう。

私自身が生活している北海道という地域の中で、ある時立ち止まったその時々の偶然性を重視して「表層的」に撮影した風景です。
私個人の観念的な思考は出来るかぎり「無」にして風景と対峙しようと考えています。
その撮影した表面的な定着物から現れる客観的要素にどういう意味、情報が隠れているのかは撮影した私自身も到底理解できません。
ただ、「偶然」立ち止まった地点でアンチポエジー的な表層風景をひたすら収集し、情緒や意図をママして撮影したとしても自分自身が気付かない主観的要素が入り込んでくる矛盾は重々理解はしています。その潜在意識から現れる顕在的な思考の存在を受け入れ、不完全ながらも「機械的」で「無機的」な撮影に徹しようと考えています。


 ユニークな問題意識であり、方法論だと思う。

 今回は「北海道オホーツク」と題した8点。
 これまでは道内各地の風景を、地域を定めずに並べていたが、今年は地域をある程度しぼって展示するそうだ。
 もっとも、神成さんのことだから、斜里岳もシバザクラもアッケシソウ(サンゴソウ)も登場しない。
 オホーツク海も漁港の背後にちらっと見えるだけだ。

 筆者は、ロードサイドショップのある風景に見覚えがあったので「これ、紋別ですよね」と尋ねたら、当たりだった。ホーマックの横が原野になっているのだ。
 盛り土があり、奥に建売住宅の並ぶ一角は、北見だという。
 茫漠とした空き地は、湧別で撮った写真だとのこと。

 いかにも「北海道然」とした写真では決してない。
 にもかかわらず、橋の欄干のわきに赤と白の柱が立っているなど、やはりこれは北海道の風景だなあと思う(この柱がないと、積雪期はどこまでが道路・橋かわからないのだ)。


 ほかの人についても、一部ふれておこう。

 SASAHARU さんの「それぞれの背中に」。
 モノクロ5点で、街なかの男性の背中を撮っている。
 三叉路とおぼしき夜の街路で、自転車に乗った人のTシャツが、逆光で白い輪郭を浮きだたせているのがおもしろい。
 荷物を押す人、中島公園の池にたたずむ人、いずれも哀愁がにじむ。

 まるやまきえさん「憶い出」。
 カラー10枚で、牧場のサイロが解体されていく日々を淡々と撮っている。人物は登場せず、農機具や風景などに語らせる手法。色調が独特。

 nakkyさん「さっぽろ劇場写真帖2015-2017」。
 大小およそ190枚のスナップ(一部モノクロ)をすき間なく壁一面に展示したもの。
 琴似の十字街で交通量調査?のために坐っている人、事故のせいかフロントが引っ込んでいるトヨタクラウン、道行く女性を映しているマネキンのサングラス、つぶれた空き缶、裏口っぽい扉を開けて出てきた女性、「サッポロスマイル」の大きな文字の前にあるベンチで居眠りする男性とそれを横で見ている女性など、とにかくいろいろなイメージがあふれて、おもしろい。


 蛇足かもしれないが、会場の入り口に「順路」を示す大きな矢印が貼られているにもかかわらず、その反対側から回ろうとする人が後を絶たない。
 その程度の注意力で壁を見ている人が、はたして写真を前にしてそこに何を見ることができるのか。
 なんだかなあと思ってしまった。


2017年11月20日(火)~25日(日)午前10時~午後7時
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)

過去の「Be Phat」写真展へのリンク
2015年
2006年
(いずれも画像なし)

神成さんの関連記事へのリンク
第4回丸島均(栄通記)企画 群青―ぐんせい― (2017年1月)
神成邦夫写真展 HORIZON ―北海道―内界と外界の境界線 (2016)
「Photo Session 1006」My White Season (2010)
PHOTOGRAPH EXHIBITION MOVE 3 part1 (2010)
コメント

訂正あり■第16回 北区の文化を育てよう 北区のアーティスト展 (2017年11月20~24日、札幌)

2017年11月27日 07時08分09秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
承前)

 札幌市の10区のうち、北区では毎年、区内の画家による展覧会を開いてきました。
 区単位の芸術祭のような催しはほかには西区にある程度(ただし、舞台や書が中心)で、ほかの8区については、寡聞にして聞いたことがありません。
 この「北区のアーティスト展」も2013年を最後に開かれなくなっていましたが、今年は4年ぶりに復活しました。

 中断があったものの、出品者数は27人で前回とほぼ変わらず。
 顔ぶれは江川博、佐々木詩子、鶴田昌子、中澤里美、森川昭夫、山川真一の6氏が、新顔と入れ替わっています。江川さんは亡くなられました。
 田崎、谷、富樫、長尾、松井の各氏が新登場です。

 会場で見ていると、全道展会員の土井善範さんにお会いしました。
 土井さんは冒頭画像の左端、「童夢 ~あなたも おなじ?~」(F30)を出品しています。
 粘土でこしらえた渦巻き模様などを貼り付けた、ユニークな半立体作品です。下半分の歯車やボタンに見えるかたちもすべて粘土製です。奥に見える歯車などは壊れた時計などの機械を分解したもの。土井さんは幼いころから機械の分解が大好きだったそうです。
 もっとも、これらを人間に埋め込んだような絵を描いているのですから、近年のAI(人工知能)の進歩などに対して、土井さんなりの危機感を抱いているのかもしれません。

(※2018年3月、土井さんのお名前をおわびして訂正いたします。申し訳ありません)


 新道展と自由美術の会員、河合キヨ子さんは、いつもは魚や板を細かく描写する絵を描いていますが、今回は「還暦に赤いバラ」(F30)というめずらしい題材です。

 中橋修さんは「変幻」と題した、これまでにおそらく発表したことのないタイプの抽象画です。
 赤い地に、白い大きめの点がいくつも打たれています。


 出品作はほかに次のとおり。

阿部正子(道展)「貴妃の午睡」
市橋節こ(全道展)「在りて」
内田佳代子(日洋会)「爽」
大林 雅(新道展)「蝕」

川西 勝(新道展)「浮 II」
北野清子(道展)「冬の温室」
木村富秋(全道展)「流れ唄」
木村由紀子(全道展)「風の譜」
佐藤 武(無所属)「雪ふるころ」
田崎敦子(道展)「光を求めて」
田中 進(無所属)「積丹の海」
谷  博(全道展)「厚田山道」

富樫貢平(道展)「PRINCESS (REMINDER)」
長尾恵美子「花」
中舘侑子(北海道イラストレーターズクラブ)「大地賛歌」

西澤宏生(新道展)「屯田防風林」
西村一夫(道展)「作品 FRO-185」
藤本登規子(二元会)「台風の跡」
細木博子(新道展)「時の流れのなかで」
松井多恵子(全道展)「花」
松浦章博(FAM美術研究所)「Pose」
村谷利一(道展)「フィレンツェ」
山川恭子(道展)「夏の彩」
山崎幸治(無所属)「卓上と天使」


2017年11月20日(月)~24日(金)午前9時(初日正午)~午後5時

札幌サンプラザ(北区北24西5 地図H


第15回あなたと育てたい北区のアーティスト展 (2013)
【告知】第15回あなたと共に育てたい「北区のアーティスト展」
【告知】第14回北区のアーティスト展 (2011)
【告知】第13回 あなたと共に育てたい北区のアーティスト展
第10回 あなたと共に育てたい北区のアーティスト展
第9回あなたと共に育てたい 北区のアーティスト展


(この項続く) 
コメント (2)

11月26日(日)のつぶやき その2

2017年11月27日 01時51分34秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント

11月26日(日)のつぶやき その1

2017年11月27日 01時51分33秒 | 未分類・Twitterのまとめ・その他
コメント