3月26日、札幌駅前通地下歩行空間を歩いていたら、Think School(シンクスクール)で学んできた人たちの卒業制作展「ルック・シンク・ラック」が開かれていました。筆者は初めて見ました。
このスクールがユニークなのは「まちづくりとアートマネジメントの手法から企画の組み立て方を学んできた企画コース」と、作品制作とプレゼンテーションの基礎を学ぶ「制作コース」の2コースがあること。
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札幌の谷口明志たにぐちあか し さんの個展。
谷口さんの作品については、2015年に市立小樽美術館が開いた個展の際の文章に、付け加えることはあまりありません。
とくにむずかしいことは、なにもないのです。
たいていの画家は、四角形(たまに円形)のキャンバスや紙という範囲の中で線を引き、着彩をほどこします。
谷口さんの場合は、その範囲が四角形からはみ出ているというだけの話です(厳密 . . . 本文を読む
すでに7本ほどの写真展を開いている「みどりの日記」ですが、実は正式なオープンはこの2人展になるとのこと。
ちょっとびっくりして、オーナーの和龍美さんに聞いたら
「やっぱり春にスタートしたいじゃないですか」。
展示は3日間だけですが、23日(日)午前11時から午後0時半まで、スペシャルイベントトークセッション「この空間を語る」が行われます。
このブログの読者にはおなじみと思いますが、端さん . . . 本文を読む
(承前)
前項は、ごく手短にいえば
積丹といえば、釣り、キャンプ、民宿、ウニ丼!
なので、
山の風景を写真に撮ったり人工の施設などを見て回ったりするのが好きな人は、あまり行かないよね(鉄ちゃんも)
という話でした。
その結果、当たり前といえば当たり前ですが
冬の来客が極端に減る
わけです。
道内観光地の宿命ともいえます。
スキーリゾート地と流氷が来る所は別ですが。
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会場の入り口でりっぱなリーフレットを受け取りました。
そこにはステートメントとおぼしき文章が書いてありました。
世の中を「白く」整えようとする試みは、一見美しく
穏やかに見えるかもしれないが、
実際にはその白さが黒い部分を隠し、
より陰湿にさせているのではないだろうか。
(中略)
白か黒かに分けるのではなく、
曖昧な「グレーゾーン」を認めることに意義がある。
表に出ることで救われるものや . . . 本文を読む
(承前)
※「過去の関連記事へのリンク」を追加しています
昨年(2024年)10月の帯広への「日帰りバスの旅」が、あと2回というところで、中断してしまっています。
ほかにも中断シリーズはあるのですが、取り急ぎ、残り回数の少ないこのシリーズを終わらせようと思います。
まずは、個展を企画したリサイクル業者のマテックのサイトから引用します。
本展示では、電子機器の解体の過程を記録し、その形 . . . 本文を読む
札幌の澁谷俊彦さんが毎年冬に設置場所を変えて展開している「Snow Pallet(スノーパレット)」シリーズも今年で18回目。
今年は珍しく2会場での開催となったほか、これまでの円盤形に加え、逆三角形のオブジェを新たに投入しました。
雪に色を付けているのではなく、オブジェの色を雪が反射しているのです。
かつては、オブジェの色が、積もった雪面に反射するという作品が主でしたが、昨年あたり . . . 本文を読む
(承前。1月31日、2枚目の画像を追加しました)
道立旭川美術館のサイトには、
「オプ・アート」とは、緻密に計算された形態や色彩によって、鑑賞者に動きや立体感、色の変化などの錯視効果を引き起こさせる抽象絵画です。
とあります。
ただ、アートの歴史でいうと、1965年にニューヨーク近代美術館で開かれた「レスポンシヴ・アイ(応答する眼)」展、オプ・アートという語とともにでまとまって紹介されま . . . 本文を読む
500m美術館は、がんばっています。
オープン当時、行政が民業を圧迫するのかなどと悪態をついたことを反省しています。
公立美術館もギャラリーも行わない企画を次々と開いており、むしろ道立近代美術館などが怠っている地元作家の特集などを一手に引き受けている感さえあります。
今回は、札幌の姉妹都市である韓国の大田広域市にスポットを当て、大田広域市にゆかりのある作家と、韓国を中心として国際的に活 . . . 本文を読む
(承前)
2010年代に、十勝を中心とした現代アート展「帯広コンテンポラリーアート」が隔年で5度にわたって開かれました。
地元はもちろん、道内外から30組余りが参加した大規模な展覧会で、企画はいずれも帯広拠点の作家が1度ずつ交替で務めましたが、吉野隆幸さんは最後となる2018年(第5回)の企画者代表でした。
びっくりさせられたのが
<会場はとくに無し、発表はインターネット上で>
というこ . . . 本文を読む
年末といえば、ギャラリー犬養での ReguRegu個展と、ト・オン・カフェの jobin.個展が、この数年の定番になっている札幌のアート界です。
jobin. (じょびん)さんは今年も大活躍で、ご本人のサイトによればじつに19回の展示を行ったそうです。
北広島を含む札幌圏が多いのですが、東京・銀座、大阪・豊中市、大分・別府市など、北海道外での個展の機会も増えてきています。
そんなわけで . . . 本文を読む
気象変動への危機意識が高い欧洲などからも注目されている札幌の澁谷俊彦さん。
毎冬「スノーパレット」シリーズを、ギャラリーではない場所で展示しており、今年の「Snow Pallet 18-winter again-」は、昨年と同じ北翔大円山キャンパス前と、初設置の「日本茶にちげつ」のバルコニーの、ダブル展開としています。
そして日本茶にちげつの茶室スペース創星庵では、年末の6日間、個展を並行し . . . 本文を読む
(承前)
阿寒アイヌアートウィークの各会場でいちばん印象に残った作品。
後志ニセコ地域に住み岩見沢の教育大学で教壇に立つ磯崎道佳さんが、ギャラリー空間いっぱいになるような大きな頭部を据え付けていました。
後ろ側から見ると、こんな感じです。
頭髪にあたる部分には、ところどころに色とりどりの刺繍ししゅうが施されています。
ギャラリーにいた男性によると、来訪者が刺繡できる、参加 . . . 本文を読む
登別出身の作者が滞在、制作したさっぽろ天神山アートスタジオのサイトから引用します。
かつては全国有数のリンゴ産地だった平岸。
「林檎」の語源は、果実が甘いため林に鳥がたくさん集まったところにある。
一面のりんご園を見下ろしていた天神山の敷地内には、消えていったりんごの歴史を後世に伝えるため、「平岸林檎園記念歌碑」があり、石川啄木が詠んだ短歌が刻まれている。
「林檎」の語源と、「平岸林檎 . . . 本文を読む
(承前)
野外美術展の続き。
便宜的に11人の作品を三つの記事にわけて紹介しています。
(1)でも貼った公式動画は末尾に貼り付けています。
冒頭画像は朝地信介「水鏡」。
朝地さんは日本画を制作しています。
題の通り、天に向けられている画面に水がたまって、空を反射し、美しさを増しています。
シンプルなつくりのなかに(もちろんマチエールなどは複雑かつ精緻ですが)、作品(人為)と自然と . . . 本文を読む