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財界さっぽろ2024年7月号「新庁舎に鎮座 岩見沢市長(松野哲)が言い値で買った8000万円彫刻(意心帰)」を読んだ

2024年07月10日 21時28分24秒 | 新聞などのニュースから
 道内で出版されている月刊誌「財界さっぽろ」の7月号に、安田侃さんの彫刻をめぐるニュースが出ていました。
 商売の妨害になってしまうので、ここに中身を転載することはしませんが、無料で読める書き出し部分だけでもなんとなく中身はわかると思われます。
 以下、書き出しの引用。


 岩見沢市役所新庁舎のエントランスに置かれ、来庁者を出迎えている彫刻「意心帰」。実は市長の松野哲氏のもと、市議会でチェックされることもなく制作、設置されていた。お値段はなんと8000万円、しかも〝言い値〟だった。 同サイズで3500万円の意心帰も 「岩見沢市の財産として、しっかりと未来に引き継いでいくことを誓います」 2021年末に竣工、翌22年

(以上引用)
 
 この文中に、同サイズで3500万円うんぬんとあるのは、保険の評価額がそうなっている自治体があることが同誌の調べで分かったーという意味です。

 誌面ではそれほど巨大な扱いにはなっていません。
 おそらく、2022年設置と、ニュースにしてはちょっと古いこともその一因だと思われます。

 ところで、この記事のスタンスが正しいと思うのは
「芸術作品高すぎるよ」
ということよりも
「議会などの議論もなく設置するのは、どうよ」
ということに主眼が置かれているためです。

 岩見沢市の2024年度一般会計予算の規模は約482億円です。
 8千万円だと、その0.2%となります。
 日本人の現役作家としては高額だと思います。
 ただし大理石やブロンズは、原材料費だけでかなりの値段になりそうですし、イタリアからの輸送費もあるので、安田侃さんのふところに8千万円がそっくり入ったわけでは、もちろんないでしょう。

 もしこれが、文教予算の中に単一の項目で載っていれば、市議会では議論になったことでしょう。
 最大の問題は、市庁舎建設費用の中に、この彫刻の購入・設置がそっと紛れ込んでいたことだと思います。 

 推測ですが、予算書にこの彫刻のことは、隅のほうに明記されていたのではないでしょうか。
 残念ながら審議の中で、分厚い予算書をそこまで読み込んで問題視する議員がいなかったのでしょう。
 予算の審議は市議会議員の最も大切な仕事のひとつです。読んだかぎりでは、市長に一方的に責任は負わせられないという気がしました。
 
 ただ、この記事の中で関係者が話しているように、やましいことがないのであれば、予算書に堂々と「世界的彫刻家の作品、記念に設置!」と書けばよかったのは、言うまでもありません。
 芸術品であれなんであれ、数千円とか数十万円ではなく8000万円という高額の予算項目をこっそり通過させようという姿勢は
「陰でなんかしてるんじゃ?」
と、疑念を抱かれてもしかたないのではないでしょうか。


 そして、これだけの予算を支出できるのであれば、例えば市内に点在するセメントやコンクリート彫刻の補修とか、市絵画ホールに収蔵庫を整備するとか、ほかにも予算の使い道があったかもしれないと、ちらっと思いました。


https://zaisatsu.jp/news/article-47173/


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