巨大なインスタレーションで見る者を圧倒してきた札幌の楢原武正さんが、ことしも「大地/開墾」と題した個展を、ギャラリー大通美術館の全室をつかって開いています。ここ数年は、くぎを集めてつくった塔をメーンに据えるなど、造形への意思が感じられたように思うのですが、今回は、長さ10メートルを超える防風柵のような、トタン板の巨大な山が展示空間を貫いており、衰えを知らない楢原さんのエネルギーには脱帽させられま . . . 本文を読む
道内では数少ない企画専門ギャラリーとして、月がわりで、道内の画家の個展をひらいてきているギャラリーどらーる(中央区北4西17、ホテルDORAL)が、昨年から若手支援の企画としてスタートした「寒昴(すばる)展」。2回目のことしは、版画の山田恭代美さん、日本画の駒澤千波さん、彫刻の国松希根太さんの3人です。
くわしいことは、この展覧会の企画者である吉田豪介市立小樽美術館長が、どらーるのホームペー . . . 本文を読む
(承前)
「街の中心部」
大江正美「札幌風景」(34年ごろ)。左には旧大通郵便局と、豊平館(ほうへいかん)附近の緑が、右手には札幌のランドマークだった消防の望楼と、今もある石造りの教会が見えている。制作年が34年ごろとなっているのは、同題の絵が35年の国画会展に出品していることが判明しているため。
おそらくこの画家は、長野県の「無言館」に「白い家」が収蔵されている、戦歿者ではないか。
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「札幌のピューリタニズム、小樽のリアリズム、函館のロマンティシズム」という亀井勝一郎のことばがある由だが、かつての札幌は、洋館が立ち並び、異国情緒ただよう街だったらしい。
らしい、というのは、筆者はリアルタイムでその時代を知らないからで、かつての雰囲気は、わずかに黒澤明監督の「白痴」や、札幌市写真ライブラリー(中央区北2東4、サッポロファクトリー・レンガ館3階)の常設展などでしか、今となっては . . . 本文を読む
25日、仕事はやすみ。
1週間のつかれがたまってほとんど寝ていた。
26日、雨。
ギャラリーどらーる、三岸好太郎美術館、アーティストギャラリーに寄った後、会社で仕事。
小樽版を組む。
原稿がちょうどいい間隔で着てくれたのでたすかった。
帰宅20時。
写真は、あー夕鉄バスに乗りたい、の図です。
(追記。今週は、札幌学院大の写真展に行き損ねた。反省) . . . 本文を読む
筆者は初めて入るアーティストギャラリーですが、昨年の10月からオープンしていたそうです。
札幌とサンフランシスコを往復して制作している大井敏恭さんらが中心となって運営しています。
若手を中心とした作品の展示販売のほか、レンタルも行っています。「絵画をすこしでも暮らしのなかに」というメンバーの願いによるものだと思います。
28日までは、昨年の道展で、最高賞の記念大賞を受けた山本雄基さんの個 . . . 本文を読む
前回の続きです。なにが幸せかというと、図録の横に「江戸名所図会」の文庫本を置き、江戸の地名が登場する絵を見ながら、関聯(かんれん)する項目を読むのが楽しいんですよ。
とくに、こま絵(上のほうに、窓のようにはまっている小さな絵)にさまざまな場所が登場する「江戸名所百人美女」シリーズは、個人的には楽しいです。
この「今川はし」は、「江戸名所図会」ではつぎのように書かれています。
本銀町の大通 . . . 本文を読む
ギャラリーまわりの続き。
内海真治個展=さいとうギャラリー(中央区南1西3、ラ・ガレリア5階)
うつわもありますが、無国籍風の独特の陶板画やオブジェが目を引く内海さんは、砂川在住で、札幌でもよく個展をひらいています。
「今回は絵付けにこだわってみましたが、釉薬は、なかなか絵のようには、思うように色が出てくれないので苦労しました」
と話していました。
内海さんの絵は、模様がどこまでも増殖 . . . 本文を読む
22日からはわりあい淡々と仕事。
24日はトリノオリンピックのスケート女子フィギュアを見るため午前5時起床。さすがにねむい。
仕事の合間を見ては会社の近くのギャラリーと札幌芸術の森美術館をまわった。
同館の展覧会と、横山宏写真展、酒井嘉也自選展については、別エントリーで書いた。
ほかに行ったのが、時計台ギャラリー、三越、アートスペース201、さっしんギャラリー、らいらっく・ぎゃらりい、 . . . 本文を読む
先日、札幌の東屯田通を歩いていたら、白菊荘というアパートがあった。
小樽の稲穂にも白菊荘がある。
共通点は「古い」ということ。
なぜ、白菊荘は古いのか。
(他愛のないエントリーです。もし、住民の方などで心象を害された方がいらしたら、どうも申し訳ありません) . . . 本文を読む
後志管内倶知安町在住のベテラン画家(三軌会会員)酒井嘉也さん(82)が、戦中の「船見坂」からことしの新作「緑雨」まで大小の油彩約75点によるかなり大がかりな、見ごたえのある回顧展をひらいています。
酒井さんは、道内画壇の大御所だった故國松登さんに絵を習いました。第1回から14年ほどは全道展にも出品しています。
戦後すぐに、冬山を描いた「朔北早春」は、物資のない時代で、グライダー用の布をカンバ . . . 本文を読む
どうしても客足の鈍る北海道の冬は、美術館も、派手な企画展は行わず、所蔵品展を開くことが多いようです。
札幌芸術の森美術館(略してゲーモリ)のこの冬は、所蔵品のうち、アフリカの美術品に的をしぼった展覧会をひらいています。これはこれで、割り切っているというか、わかりやすい展覧会です。
タイトルは「アフリカン・マスク」となっていますが、仮面は半分くらいで、あとは人や鳥の彫像、布、錠前、水差しとい . . . 本文を読む
2003年に芸術の森美術館で開かれ、道内中堅の現代美術作家の水準の高さを見せた記念すべき展覧会となった「北の創造者たち 虚実皮膜」展。その出品者のうち、4人の「その後」を紹介する展覧会が、同館で開催中です。すでに、坂巻正美さんと上遠野(かとおの)敏さんの個展が終わり、現在は鈴木涼子さんの個展となっています。
東京都写真美術館でのグループ展や上海ビエンナーレへの出品などめざましい活躍を続けてい . . . 本文を読む
前回のエントリから1週間が過ぎてしまったわけですが、あれからなにをしていたかといえば、寝る前になると、この展覧会の図録をじっくり読んでいるのです。うーん、幸せ。
「読んでいる」
というのは、文字通り解説を読んでいるというのもありますが、浮世絵のたのしみは、絵そのものを読むことにあるのでは、と思います。
そもそも文字が画面に書かれているし、女の髪に派手な笄(こうがい)でもさしてあれば「ははあ、 . . . 本文を読む
尾岱沼、阿寒など道東の美しい自然を撮影した29点。いずれも、キヤノンEOS5Dという高級1眼レフで撮ったもの。
とくに、オンネトーの氷は、どういう現象かわかりませんが、宝石箱をひっくり返したかのような美しさ。
尾岱沼の夕日、紅葉も鮮烈です。
ほかに、しぶきが凍ったつらら、オリオンの大星雲など。
横山さんは弟子屈町の在住だそうです。
以前にも書きましたが、デジタル写真は、粒状性などで . . . 本文を読む