北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

■第10回記念 凍土会展2018ー北土を綴る (10月27日~11月11日、江別)=11月10日は5カ所(2)

2018年11月12日 22時07分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
(承前)

 凍土会は「北海道の土を使う」ことを掲げ、斜里窯の中村二夫つぎおさんらの呼びかけで、10年前に始まったグループです。
 道内には数百人の陶芸家がいますが、北海道の土は焼きものには不向きといわれ、多くは信楽などから土を取り寄せて作陶しているからです。

 それでも、なんとか地元の土を使いたいと試行錯誤する陶芸家は少なくありません。江別や後志管内蘭越町など、あちこちに出かけて、土をさがしている人もいます。
 凍土会は、50%は道内産の土を使うことという内規を定めているそうです。

 今回は、伊藤尚子(深川)、上田隆之(小樽)、上ノ大作(北広島)、臼田希布(きほ。檜山管内厚沢部町)、澤丈間(恵庭)、白戸孝行(赤平)、新林裕子(江別)、鈴木義隆(オホーツク管内湧別町)、中村しん(同斜里町)、中村二夫(同)、八谷弘美(札幌)、福盛田眞智子(江別)、藤原有二(旭川)、馬渡新平(後志管内余市町)、山下昇(滝川)、吉田南岳(胆振管内白老町)の16人が出品しています。














(途中ですが、いったんアップします)


2018年10月27日(土)~11月11日(日)午前9時半~午後5時、月曜と11月6日休み
江別市セラミックアートセンター(西野幌)

コメント

■ハガ木材100周年記念 中田ゆう子バティック染め絵画展(2018年10月15日~31日、札幌)

2018年10月31日 09時32分13秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 バティックは鮮やかな色が特徴の、インドネシアの伝統的なろうけつ染めです。
 現地で技法を習った札幌の中田ゆう子さんが、昨年に続いて、ショールーム内で個展を開いています。

 「あれっ、昨年とちょっと会場の雰囲気が違うなあ」
と感じていたら、今回は開催時季にあわせて秋冬を題材にした作品を中心に並べたとのこと。
 「赤まんま」「雑木林へ深く」「虫の声」といった、茶色やオレンジを取り入れた作品はいかにもいまの季節にふさわしく、また水色や白がメインの「寒い朝」などは、迫り来る冬の季節感がよく出ています。
 さまざまな色が展開していますが、中田さんは三原色しか使っていないとのことで、驚きました。

 絵画仕立ての作品を主に制作してきた中田さんですが、今回は、箱づくりの作家、撫養優さんとのコラボレーション作品「ある女の視線」「やさい」などがあったり、ランプシェードが展示されていたり、生活の中で使うことを意識したものも目立ちます。
 また、色彩をつけず、ろうの線だけを残した単色の作品「ロウ線選び」も展示されていました。
 制作過程では最初のほうに当たり、一般には、発表するものではありませんが
「これだけでも美しいのを見てほしくて」
と中田さん。

 中田さんが始めたころは、バティックといっても知らない人が大半でしたが、知名度は上がってきたといいます。
 「もっと自由につくっていきたい」
と意欲を燃やしていました。



2018年10月15日(月)~31日(水)午前11時(土曜は午前10時)~午後5時、日曜休み
ハートランドホーム円山ショールーム(大通西25ハートランド円山ビル6階)

http://www.batik-yuko.com

関連記事へのリンク
中田ゆう子バティック染め絵画展 (2017)
中田ゆう子バティック展 (2003、画像なし)





・地下鉄東西線「円山公園駅」5番出口からすぐ、セブンイレブン横の入り口から入る

・中央バス、ジェイアール北海道バス「円山第一鳥居」から約450メートル、徒歩6分。都市間高速バスを含めすべてのバスが止まります
コメント

■もみじ窯 香西信行作陶展 (2018年10月16~21日、札幌)

2018年10月18日 12時37分40秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 札幌の陶芸家でほぼ毎年、スカイホールで個展を開いている香西こうざい信行さん。
 自然の釉薬によるダイナミックな灰かぶりの作風で知られますが、制作の拠点である空知管内栗山町に「もみじ窯」が北海道胆振東部地震のため一部倒壊し、焼成前の作品も損害を受けたため、「生き残った作品」や、急きょ窯を修繕して焼いた作品を集めて個展にこぎ着けました。
 窯は、震度5強を記録した栗山町市街よりも震源地に近いこともあって、揺れはかなりのものだったようです。


 冒頭と次の画像は「自然灰釉窯変水瓶」。
 こんな水色の器は、めったに見ることができません。

 香西さんによると、通常よりもはるかに長く、5日や6日の間焼き続けて、同時に窯に入れていた他の器がダメになるのを覚悟で焼成しないと出てこない色合いなのだそうです。

 冒頭画像の、奥に写っているまるい器は、オレンジの土に、緑や褐色の自然の釉薬が流れ落ちている壺。
 こちらは、香西さんの代表的な作風といえると思います。これだけ複雑な色が響き合った独特の景色を窯変で出せる陶芸家は、それほど多くいるわけではないでしょう。
 陶芸は「炎の芸術」といわれますが、そのことが、じかにこちらに伝わってくるような存在感があります。


 こちらの壺も、香西さんとしてはめずらしいタイプ。
 自然の釉薬に光沢がなく、マットな表面なのです。
 流れ落ちる釉薬の色合いも、落ち着いて見えます。


 香西さんの話では、地震の影響は思ったよりも広範囲で、焼成の前に揺れてぶつかり合った器は、一見傷がついていないように見えても、焼いてみると初めてひびが見えてくるーといったことがあるそうです。
 窯も煙突が崩れるなどの被害がありました。
「地域の人たちが駆けつけて、手伝ってくれて…。個展、どうしようかと一時は思ったけれど、いろいろな人のおかげで開くことができた。ただ、本格的に窯を再建するのは、来年の春になってからだね」
 北海道はこれから雪が降って土が凍る季節です。

 栗山では、ほかの陶芸家やガラス作家も大きな被害を受けたとのことでした。



 こちらは、カップや皿など、日常使いの器。
 自然釉で、土の色味がわかるあたたかな風合いです。

 夜通しまきをくべ続けなくてはならない焼成は、たいへんな重労働。香西さんも冗談交じりに「あと、何回できるかわからない」といいます。
 香西さんは
「若い陶芸家に、ぜんぶ教えてあげれるのに。誰か、やる気のある人はいませんか」
と話していました。


2018年10月16日(火)~21日(日)午前10時~午後7時(最終日~5時)
スカイホール(札幌市中央区南1西3 大丸藤井セントラル7階)

※11月1日(木)~3日(土)午前10時~午後5時(最終日~4時)、栗山カルチャープラザ・Eki(空知管内栗山町)で移動展

□もみじ窯 https://momijigama.jimdo.com/

関連する記事へのリンク
もみじ窯 香西信行個展 (2013)

もみじ窯 香西信行作陶展 (2009)

もみじ窯 香西信行作陶展(2008年)

2007年の個展

2006年の個展

04年の個展
大滝村 北海道陶芸展移動展(04年、画像なし)

北海道陶芸会35周年記念展(03年、香西さんの作品画像なし)
03年の個展

02年の個展

01年の個展(画像なし)



コメント

■多彩なる近現代工芸の煌めき 東京国立近代美術館工芸館名品展 (2018年7月14日~9月30日、江別)

2018年10月17日 12時33分04秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 会期末になってあわてて江別市まで行ってきたのですが、すばらしい展覧会でした。
 いや、展覧会自体としては、単に東京国立近代美術館工芸館から作品を運んできただけだから、特筆することはないわけですが、これだけの名品を見る機会は道内ではまずありえないのですから、眼福としか言いようがありません。

 タイトルにあるように、明治期の超絶技巧から現代に至るまでの、陶磁、漆芸、竹工芸、染織、金工、木工など各分野を網羅したもの。
 この種の展覧会で多くなりがちな陶磁に偏っていないのが特徴で、また、ガラスと人形が予想外に豊富でした(まさか四谷シモンが見られるとは思いませんでした)。
 また、同館が発行する図録類も販売されており、ふだんあまり知ることのない、戦後の日展と伝統工芸展の関係などが平易に解説されており、大いにためになりました。

 写真撮影が禁じられていなかったし、館内はすいていたので、たくさん撮ってきましたが、ホワイトバランスのまずい画像ばかりで申し訳ありません。
 順番も、ばらばらです。

 冒頭画像、左手前は清水九兵衛「層容」(1957)。
 画像だと地味に見えますが、ほんとうは金彩が施され、ゴージャスな作品。
 その右となりは河本五郎「色絵龍文壺」(1971)。
 ろくろではなく「タタラ板づくり」という製法によるもの。


 初代宮川香山「鳩桜花図高浮彫花瓶」(1871~82年ごろ)。

 明治初期の超絶技巧のわかりやすい例。
 桜花の枝に止まる雌雄のハトが浮き彫りで装飾された陶器で、輸出用として作られたもの。
 とにかく細かく、幕末開化期の西洋人が驚嘆したのも無理はないです。




 藤井達吉「銅切透七宝巻雲紋手箱」(1920)
 銅版を打ち出した作ですが、とにかく透かしの文様が細かくて驚きです。




 七大錦光山きんこうざん宗兵衛「上絵金彩花鳥図蓋付飾壺」(1884~97)ごろ
 これも輸出用。とにかく色が派手。
 京焼の陶器で、やや卵色っぽい白地は薩摩焼の影響でしょうか。

 錦光山家は、江戸中期以来の京都の粟田焼を代表する陶家で、1884年に7代目を襲名したそうです。




 松井康成「練上嘯裂文茜手大壺ねりあげしょうれつもんあかねでたいこ」(1981)
 この作者(1927~2003)は、練上手の人間国宝。
 確かに、単なる練上ではなく、細かい亀裂が無数に走った表面は独特です。
 ここで思い出したのが、岩見沢の陶芸家、尾形香三夫さん。彼の作品がこれに負けないだけの独創性を備えていると感じて、うれしくなります。




 ガラス作家も多く取り上げられていました。
 右から、小林菊一郎、岩田藤七、藤田喬平。
 あとの2人の作品は道立近代美術館も所蔵しており、よく見ます。




 こちらも明治の超絶技巧の金工。
 鈴木長吉「十二の鷹」(1893)。
 もちろん、江別まで飛んできたのは12羽中1羽だけです。
 一羽一羽姿態が異なるので、いつかまとめて見たいものです。

 その右奥は佐治賢使の「都会」(1960)
 漆芸に分類されています。
 ビル街などから受けたインスピレーションがシャープな図案の中に織り込まれています。




 堀柳女「瀞」(1957)
 前述のとおり、人形はいろいろ展示されていました。




 右端は四谷シモン「解剖学の少年」(1983)




 加藤清之「作品65」(1965)
 めずらしくガラスケースに入っていないこともあって、その焼き締めによる景色、重厚さあふれる存在感など、しみじみと見入ってしまいました。
 
 ただ、全体としては、分野・素材の多彩さが重視され、戦後の前衛陶芸はあまりクローズアップされていなかったという印象があります。


 中央省庁の地方移転政策にともない、工芸館は金沢に移転されることが決まっています。
 これについては
「工芸イコール伝統工芸という発想しかない文部科学省は情けない」
という批判がありました。筆者も、その批判には、同意しますし、工芸館が現代的・前衛的なものにも広く目配りしていることをひろく地方に知らしめようとした巡回展なのかもしれないと思います。

 ただ、東京にも機能は一部残るということで、日本が災害の多い国であることを考えると、所蔵品を分散することには大きな意味があるでしょう。


2018年7月14日(土)~9月30日(日)午前9時半~午後5時
祝日・振り替え休日を除く月曜休み。7月17日・8月14日・9月18日・9月25日いずれも火曜日休み
江別市セラミックアートセンター(西野幌)

一般500円、高大生200円

江別市セラミックアートセンターへのアクセス(都市間高速バス「野幌」からの道順)


コメント (2)

■米倉麻希個展「記憶のカタチ」 HAND STITCH + PIECE WORK (2018年10月12~17日、札幌)

2018年10月15日 21時00分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト

 米倉麻希さんからいただいた案内状には、次のようなことばが記されていた。


24種のバッグによる空想の旅…
私の記憶のかけらは心の中に積もり続け
出番を待っている
ステッチが余白を綴りだし
ピースは連なり動きだす!


 今回は自分で布を織るのではなく、既製のグレーの布に刺繍ししゅうしたバッグや、布をつなぎ合わせた(ピースワーク)が並んでいる。

 デザインはとてもシンプル。
 冒頭画像で、左側の柱に掛かっているバッグは「ヘリンボ」といい、紳士服などによく使われている織物の模様「ヘリンボーン」に由来するデザイン。
 一般的なパッチワークキルトなどであれば何度も反復されるであろう模様が、ここでは1度しか繰り返されていない。

 右側の柱にかかっているのは「Arci」。
 アーキテクチュア(architecture=建築の意味)によるタイトル。たしかに、見ていると、建築図面の透視図法に見えてくる。

 2枚目の画像のバッグは「Lentää」(äは「a」にウムラウト)。フィン語で「蝶」の意味。

 このほか、マルセル・デュシャンの窓の作品を念頭に置いた「french window」、白と黒の反転したクロス型をデザインした「Negaposi」など。
 「Euclid」は、あきらかに幾何学を踏まえたネーミングだろう。
 ペアノ曲線に由来する作品もあるらしい。

 これ以上引き算ができそうにもないほどの、ごく簡素な図案のなかにも、米倉さんなりの好みや意図が込められている。

 バッグのほか、鍋敷きやコースターも展示されている。


 今回の展示のテーマとは直接関係のないウサギたちは、搬入する荷物の隙間に詰められたもの。
 ギャラリーの南側の窓辺に並べられていた。


 筆者は会場で、なんだか、米倉さんの住む釧路の文化・美術状況についてばかり話をしていたようで、もうすこし作品についてきちんと話を聴いてくれば良かったです。すみません。


2018年10月12日(金)~17日(水)午前11時~午後6時
GALLERY kamokamo(札幌市南区真駒内幸町1)


□米倉麻希 染織造形 http://attic4.wixsite.com/10note

□十月のノオト http://10-note.blogspot.com/

米倉麻希染織展 (2008)





・地下鉄南北線「真駒内駅」から約690メートル、徒歩9分

・じょうてつバス「南区役所前」から約380メートル、徒歩5分。中央バス「南区役所前」から約220メートル、徒歩3分
コメント

■続き・北海道陶芸会50周年記念 陶・創造者たち-北の大地と共に (2018年10月6~14日、江別)

2018年10月14日 22時54分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
(承前)

 北海道のプロ陶芸家集団、北海道陶芸会50周年記念展の続き。
 前項で述べたように、6~7月の札幌芸術の森美術館での大規模な展覧会とは、別の作品が並んでいる。


 手前は、会の顧問を務める小山耕一さん「彩色正燕子幾何文皿」。
 何種類もあるピンク色は、さすが釉薬の研究で名高いこの陶芸家ならではのもの。

 その左は前野右子「WAVE ―伝播―」。
 横長の花器で、オレンジ、茶のうつろいが美しい。

 そのとなりは高井秀樹「白磁鉢」。
 ふだんの高井さんとは違う作風。


 苧坂恒治 う さかこう じ さんの作品を、三越以外で見られるのはありがたい。
 手前は「彩文大土瓶」。
 とにかく派手な色彩と、渦を巻くような文様が目を引く。
 もち手は、蔓などで作ることも多いのに、この作では陶で作っているようである。

 そのとなりは大野耕太郎「青白磁縞手波文鉢」だと思います。
 清潔感ある白磁の器。ちょっとひねった形。

 2人とも北海道陶芸会の会員ではない。


 白磁といえば、北川智浩を忘れちゃいけない。
 「白磁水氷文鉢」は、水際立った美しさをたたえている。

 そのとなりは、かとうひろやす「手びねり広口壺」。
 ろくろのようにも見えるが、手びねりなのか…。

 いずれも非会員。



 右は森収吾「ジナイダーの思い出」。
 こんな不思議なオブジェを作る人が道内にいたのか…。
 この人も会員ではなく、筆者は初めて見た。

 じっと見ていると酔っぱらいそうに、建物がゆがんで、うねっている。




 こちらの透かし彫りも見事。多田昌代「生まれゆくもの」。
 多田さんは、札幌芸術の森美術館でのインスタレーションが圧巻だったけれど、こういう単体でも、存在感のある作品を作る。

 中央は田嶋裕子「森の記憶」。
 田嶋さんは釉薬だまりの美しい、風を連想させる力強い器というイメージがあったが、これはちょっと変わったオブジェ2体。

 その奥は田中豊「霞ただよう」。
 開口部が見当たらないので、オブジェになるのだろうと思う。モノトーンがシャープな印象。



 オレゴン陶芸家協会のコーナー。
 壁掛けの作品が並ぶ。

 ミッシャル・ギャラガー「三美神」は、ルーベンスなどでおなじみの画題だが、ネズミになっているのがおもしろい。

 というわけで、下沢敏也、柴山勝、松原成樹ら、出品していない人もいるにはいるが、これほど多くの顔ぶれがそろった陶芸展は従来開かれたことがないと思う。

 ほかにもふれたい作品はたくさんありました。どれを載せて、なにを掲載しないかについて、特段の基準や価値判断があるわけではないので、ご容赦いただければと思います。


 図録によると、出品者名は次のとおり。
石狩陶園 小樽製陶所 山岡三秋 田中裕 
白勢栄悦 吉田時彦 谷内丞 石坂勝美 
押川清 下澤土泡 板東陶光 対馬英二 
高橋武志 小甲楠緒子 森収吾 山田雅子 
高橋里美 藤田明子 五十地裕之 尾形香三夫
上ノ大作 苧坂恒治 大野耕太郎 林雅治 
かとうひろやす 北川智浩 香西信行 
相馬康宏 丹波シゲユキ 土橋陶媛 種谷賢 
橋本忍 増原嘉央理 新林裕子 南正剛 

千尋悠子 錦織宏 小泉満恵 荒関雄星 
愛澤光司 張浦華 中村照子 石川進一 
石川雅昭 木村初江 岡田浩明 塩入稔 
上田隆之 白戸孝行 多田昌代 田嶋裕子 
田中豊 阿妻一直 中村裕 西村文子 
八谷弘美 小山七郎 種谷賢 高井秀樹 
多田昌代 柴田睦子 塩入稔 海藤慎治 
三橋エリ 福盛田眞智子 三上慶耀 原田昭
三津和広 山田祥子 尾形修一 小泉満恵 
柴田睦子 高井秀樹 前野右子 小山耕一

ジェーン・アンダーソン 
リーナ・ドデジャ 
ミッシェル・ギャラガー 
シャイロ・ガステロ 
アリソン・ハーディン 
ジニー・ヘンリー 
ゲイル・ハイマン
堀もと子
クーパー・ジェプセン 
ロバータ・ランパート 
ジェイソン・レイニー 
ブラッド・マクルモア 
キンバリー・オータ 
ケネス・ピンカス 
ブレンダ・スコット 
デボラ・シャピロ 
アンシュラ・タヤル 
ハナ・トレーナム 
ジェニー・ワトソン 
るり
 



2018年10月6日(土)~14日(日)午前9時半~午後5時、火曜休み
江別市セラミックアートセンター(江別市西野幌114の5)

□北海道陶芸会 https://hokkaido-pottery-society.jimdo.com/
コメント

■北海道陶芸会50周年記念 陶・創造者たち-北の大地と共に (2018年10月6~14日、江別)

2018年10月14日 16時06分02秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 道内のプロ陶芸家の集まり、北海道陶芸会は6月から7月にかけ、札幌芸術の森美術館で
「50周年記念展 陶・創造者たち―北の大地と共に」
を開いた。
 インスタレーションや大作オブジェが並ぶとともに、交流のある米オレゴン州陶芸協会の作品も展示され、北海道の工芸の歴史に残る展覧会になった。
 10月に入り、こんどは江別市セラミックアートセンターでおなじ題の展覧会を開催しているが、こちらは器が中心で、芸術の森美術館とは内容を一新している。オレゴン州の陶芸家の作品も、壁掛けの小品が並んでいる。
 6~7月の展覧会と、もうひとつの大きな違いは、会員ではない道内の陶芸家が多数出品していることや、先達の作り手の作品をも紹介していること。
 もちろん、これが道内陶芸のすべてではないが、いま考えられるベストメンバーに近いのではないかと思う。

 欲を言えば、これほどの顔ぶれがそろっているのに、そのことを意義付けるテキスト類が会場にまったく見当たらないのは、いささか残念だった。

 冒頭画像、左は会長の中村裕「樹林文花器」。
 シラカバを思わせる木々が浮かび上がる、北国らしい叙情と気品が漂う。

 そのとなりは阿妻一直「花桃彩鶴首瓶」。
 赤と緑の釉薬が散る細かい文様。

 右は白戸孝行「レンガ工場の煙突の中で」。
 にょきにょきと生える3本の筒。1本は縦じま、1本は横じま、もう1本は丸のちらばりと、それぞれ絵柄が異なる。


 右端は下澤土泡(1926~2002)「北海ありそ花生」。
 北海荒磯焼の創始者として、オホーツクや留萌管内、道南など陶芸になじみの薄い地域への普及にも力を入れた。
 志野焼をさらに大胆にしたような白釉のダイナミックなかけ方はこの人ならでは。

 ほかにも、こぶし焼を創始して道内陶芸家の草分けのひとり山岡三秋をはじめ、谷内丞(1933~2011)、石坂勝美(1939~2001)、板東陶光(1911~2011)、対馬英二(1914~95)、石坂勝美(1939~2001)、吉田時彦(1932~)、高橋武志(1928~2005)などの作品が並ぶ。
 高橋の「渓雪釉花瓶」は、藍色と白の混じりあい、溶け合うさまが美しい。


 右端は、中村照子「海からの贈り物」。
 ふだん、上品で質素なボンボニエールなどを作っているベテランとは思えない、斬新な作。
 銀色に光る部分と、白く光沢がなく多くの波型模様がついている部分とが、複雑に組み合わさっている。

 そのとなりは石川進一「虚」。
 小ぶりな花瓶だが、ちょっと首をかしげたような口が特徴。ざっくりとした土味だ。

 その奥の石川雅昭「流文縞扁壺」。
 びっくりするぐらい表面が炭化で黒ずんでいる。
 優雅で流れるような波模様とのミスマッチのようでおもしろい。


 左は土橋陶媛「四季花鳥図象嵌六角器」。
 これほどカラフルな象嵌の器を作る人は道内では珍しい。華麗という形容が似合う。

 右は進境著しい丹波シゲユキ「華蓮」。
 白磁の、たおやかなオブジェ。

 2人とも、北海道陶芸会の会員ではない。


 小山七郎「流氷紋宝珠」。
 この作家の透かし彫りもすごい。いったいどうやって作って、つじつまを合わせているのだろうと、いつも思う。

 画像はないが、この近くに荒関雄星「青磁花入」は、しっとりした色合い。
 荒関さんといえば野趣あふれる器という先入観があったので、いい意味で意外だった。


 左は林雅治「2018-1」。
 林さんも現在は陶芸会会員ではない。
 乳房を思わせるユーモラスなオブジェ。

 右は相馬康宏「non-title」。
 相馬さんも非会員。
 画像ではあまりよくわからないが、発色の豊かさには驚く。


 長くなってきたので、続きます。


2018年10月6日(土)~14日(日)午前9時半~午後5時、火曜休み
江別市セラミックアートセンター(江別市西野幌114の5)


□北海道陶芸会 https://hokkaido-pottery-society.jimdo.com/



江別市セラミックアートセンターへのアクセス(都市間高速バス「野幌」からの道順)

(この項続く) 
コメント

■尾形香三夫陶芸展 (2018年10月9~14日、札幌)

2018年10月13日 11時39分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 「スーパー練上」が海外でも高い評価を浮けている岩見沢の陶芸家、尾形香三夫さん。
 毎年さいとうギャラリーで個展を開いていますが、来年はニューヨークや山形、茨城など発表の予定が詰まっているため、この会場での展示は休むとのこと。なので、ぜひこの機会にじっくり見てほしいです。
 「超絶技巧」などという言葉はあまり安直には使いたくないですが、ミリ単位の、色の異なる粘土を層にして何重にも重ね、精緻な波模様を作って成形し、さらに表面にしのぎを入れて、模様と模様のポリリズムを作りだす尾形さんのわざは、超絶技巧という以外に形容がしづらいと思います。

 特にこの作品は、一見面取りをしているように見えますが、むしろそろばんの玉に近い、丸い形です。しのぎの付け方が独創的なため、角張って見えるのです。




 こちらの皿は、粘土の層が少しずつ薄くなっていき、となりの色の粘土と溶け合っていくように見えます。
 こうやって言葉で説明するのは簡単ですが、実際の行程を考えると、気の遠くなるような作業です。



 こちらも、冒頭画像と同じ「練上縞壺 “なみ”」のシリーズ。

 粘土の層がS字型カーブを上から下まで何度も反復しています。
 それに、表面を削り取るしのぎの行程が加わって、おそろしく複雑なリズムが作品に生まれています。

 「悩み苦しみながらやっています」
と柔和な笑顔で語る尾形さん。完成の域に達したかに見える練上技法を、毎年のようにさらにみがき上げていく姿勢には、脱帽です。


2018年10月9日(火)~14日(日)午前10時半~午後6時半(最終日~5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)


□スーパー練上・尾形香三夫 http://w01.tp1.jp/~sr10827001/index.html
□MIYUKI&KAMIOのブログ http://ameblo.jp/neriageworld/

関連記事へのリンク
第5回伝統工芸北海道展―日本工芸会東日本支部北海道研究会の作家による (2016、画像なし)
尾形香三夫陶芸展 (2016)

尾形香三夫陶芸展(2014)

尾形香三夫作陶展 (2013年10月29日~11月3日、札幌)と、9mm parabellum bullet

【告知】尾形香三夫陶芸展 (2011)

尾形香三夫陶芸展 (2009年)

尾形香三夫陶芸展(2008年)

尾形香三夫陶芸展(2007年)

06年の個展

03年の個展(画像なし)

02年の個展



コメント

■このみち 北と手仕事 (2018年7月28日~10月8日、札幌)

2018年10月07日 02時22分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト

 工芸館の展覧会は、おなじ札幌芸術の森のなかでも、美術館と違って

・展示だけでなく販売もする

・道外の作家も積極的に紹介

・人選のアンテナが独自(ギャラリーや団体公募展、コンクールだけを見ていては、把握しようのないつくり手がけっこう登場する。要するに筆者にとっては未知の作家)

という特徴があるので、なるべく見逃さないようにしている。
 今回は、作品や作家略歴だけでなく、制作手法の解説もあって、おもしろい。
 さらに、筆者の知る限りでおそらくこの会場で初めてのことだが

・撮影可

であった。








 今回は道内の9人。
伊庭崇人(上川管内美瑛町・家具工房伊庭善)
木村直樹(小樽市・KIM GRASS DESIGN)
熊谷まき(札幌市・MAKI GRASS WORKS)
瀬戸晋(旭川市)
大門和真(東川町・アートクラフトバウ工房)
丹野雅景(旭川市・丹野製作所)
丹野ゆり(同)
藤田丈裕(東川町)
堀内亜理子(旭川市)

 木村さんがガラス、熊谷さんがステンドグラス、丹野ゆりさんがデザイン、藤田さんと堀内さんが漆芸、残る4人は木工である。
 いわゆる大御所ではなく、中堅ぐらいのキャリアの方が多いようだ。

 堅実な制作を続けている作家の仕事を見ることができて、よかったと思う。
 

2018年7月28日(土)~10月8日(月)午前9時45分~午後5時半(9、10月は午後5時)、会期中無休
札幌芸術の森工芸館(札幌市南区芸術の森2)



・地下鉄南北線「真駒内駅」から2番乗り場のバス(どれでも可)に乗り継ぎ、「芸術の森入口」で降車。約320メートル、徒歩4分。
・札幌芸術の森美術館から約200メートル、徒歩3分
コメント

■丹羽シゲユキ展―はなけしき― (2018年9月14~30日、札幌)

2018年09月30日 15時42分06秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 札幌を拠点に、全国的に発表をしている丹波シゲユキさん。
 ギャラリー創での展示は実に7年ぶりとなります。
 筆者が見た個展は2年ぶりですが、そのときと比べても、白磁の器はさらに精緻さを増しています。
 ハスの花を模した「華蓮」といった作品を見ていると、まるで極楽のようだと思います。

 光沢のない作品が大半で、土をカッターナイフなどで削り取ってひとつひとつ成形しています。

 中央は「白磁削手茶盌(しあわせのきずな)」「白磁削手華弁碗(はなゆめあそび)」と、変わった題がついています。

 2枚目の画像は「華奏かなで」。
 円環を描くかたちが美しいです。

 窓際に置かれた「彩磁削手平手茶碗」は、促されて手に持ち、底を見ると、見事な花が開いているようなデザイン。茶席の話題になりそうです。
 その周囲には白磁の箸置きがちりばめられ、インスタレーションのようです。ここでも、極楽というか天国のような感じがしました。
 


2018年9月14日(金)~30日(日)午前11時~午後6時
ギャラリー創(札幌市中央区南9西6)


丹羽シゲユキ展「蓮を想ふ」 (2016)



・市電「山鼻9条」から約110メートル、徒歩2分

・地下鉄南北線「中島公園駅」1番出口から約380メートル、徒歩5分

・ジェイアール北海道バス「循環啓55」「循環啓55」「循環啓65」「循環啓66」で、「南9条西7丁目」降車、約210メートル、徒歩3分
(ギャラリー門馬近くの「旭丘高校前」から「循環啓55」で直行できます)

・じょうてつバス「南9条西11丁目」から約750メートル、徒歩10分。(快速7、快速8は通過します)

・中央バス「中島公園入口」から約650メートル、徒歩8分

※ト・オン・カフェから約500メートル、徒歩7分。鴨々堂から約650メートル、徒歩8分。HOKUBU記念絵画館から約1.2キロ、徒歩16分。ギャラリー犬養から約1.9キロ、徒歩24分。れんがギャラリーから約700メートル、徒歩9分


コメント

■辻徹と漆工房 器而庵の手仕事 (2018年8月16~22日、札幌)

2018年08月21日 20時43分56秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 漆芸は日本の伝統工芸ですが、実は近年、中国大陸からの輸入が増えて、国産の漆はだんだん少なくなっているそうです。
 辻徹さんのすごいところは、国内でも良質の漆がとれる茨城県北部の太子町に移り住んで、漆かきから器の生産までを現地で行っていることです。自ら長い時間をかけて漆の精製もしています。

 従来は茨城では、漆の木をかいて、原料を取り、他の土地に出荷していたので、地元でも漆の産地ということがあまり知られていなかったそうです。
 辻さんの一貫生産によって、地元でもだんだん認知度が高まり、辻さんの器は茨城県郷土工芸品に認められるまでになりました。

 純日本産の漆の器ですが、ふだんづかいの器はそれほど高額なものが並んでいるわけではありません。
 平椀、豆皿、ぐいのみなど、栗や欅で作った器は数千円で、使いこむほど味が出るものです。
 一方で、瓔珞文錫彩水指などの茶器や、長盆などは、端正なフォルムが際立ち、渋さが光りますが、それとて驚くほど高額なものでもありません。

 日本各地で存廃の危機に瀕している伝統工芸ですが、自らの実践で、未来につなげようとしている辻さんの手仕事を、ご覧になってほしいと思いました。

 1963年札幌生まれ、東京藝大卒。


2018年8月16日(木)~22日(水)午前10時~午後8時(最終日~午後5時)
(札幌市中央区北4西2 さっぽろ東急6階プレミアムスクエア)

www.tsujitohru.jp/

辻徹個展 茶道具の周辺から (2010)
辻徹個展 木と漆の仕事(2008年)
辻徹個展 朱のうつわ・黒のうつわ(2003年)


コメント

■長谷川雅志ノうやむや展 (2018年7月2~31日、札幌)

2018年07月31日 12時17分41秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 札幌の染色家、長谷川雅志さんは、以前はギャラリーたぴおでのグループ展や個展で作品を発表するかたわら、渡島管内福島町の神社境内で毎夏行われていた名物イベント「かがり火コンサート」の会場装飾のため大作を手がけていた。
 「かがり火―」が終了してガッカリしてしまい、「これじゃいかん」と気を取り直して制作したのが、会場の中央に据え付けられた大作「有耶無耶うやむや」。

 二重丸のような文様が全面を覆い、その中央部分が穴になっているので、素材の軽さとあいまって軽快な感じを与えるのは、いつもの長谷川さんの作品通り。
 題は、昨今の政治状況に対する不満がこめられているもよう。


 こちらは「連子」などと題された作品。
 このほか、矢車、蘇芳すおうあかねなど染料別に布を染めて壁に28点並べた作品もあった。


 上旬に取材したのに、アップが遅れてしまって、申し訳ございません。


2018年7月2日(月)~7月31日(火)午前11時~午後7時(最終日~午後5時)
グランビスタギャラリー サッポロ(札幌市中央区北1西4 札幌グランドホテル本館)

関連記事へのリンク
TAPIO LAST 終章 (2016)
HANA展 (2014)
Octob 1 (2007)
波~合同展 (2003)



コメント

■第57回 日本現代工芸美術展 北海道会展ー折原久左エ門をしのんで (2018年7月25~29日、札幌)

2018年07月26日 13時51分26秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 函館の金属造形作家で、道内在住者としては史上初めて日本芸術院賞を受賞(1986年)した折原久左エ門(おりはら・きゅうざえもん)さんが2月に86歳で亡くなっていた。筆者はお恥ずかしいことに、新聞で見逃していた。日展の理事を務めるなど、金工の重鎮であり、道内外各地にモニュメントが設置されている。
 折原さんは、発足から44年間にわたって日本現代工芸美術展北海道会の会長を務めており、今年の同会展の会場では、スペースの半分以上を使って追悼の作品展を開いている。
 正確には、同会メンバーの作品を会場中央に並べ、その両翼にコーナーを設けている。

 さらに奥の、予備室には、献花台がしつらえてある。
 美術団体で作品・作者名の横に黒い喪章がつけられたり、略歴のパネルが添えられたりすることはあるが、献花台の設置はきわめて珍しく、同会での折原さんの存在感の大きさがわかる。



 向かって左側の一角には、代表作の「道標」(同題3点)や「連作―祀跡―」などが展示されている。
 いずれも直方体に近い形状をしており、堂々とした重量感が印象的だ。

 奥にあるアーチ型の作品は「眩」。

 壁には折原さんが折々に残した言葉や、年譜、在りし日の写真などが貼られている。

 なかでも、折原さんが現代的な姿勢を持ち合わせていたことがうかがえるのが、次の言葉だ。サイトスペシフィックな現代アートに通じる精神がある。

モニュメント制作の依頼があると、私は依頼者つまりは地域の人たちの考え方を、充分に聞くようにします。地域にモニュメントを設置するというのは、そこに住んでいる人たちが、何か自分たちの思いを具体的なかたちにしたい、そしてその地の風景として永久に残していきたいという気持ちであるわけです。ですから、その土地に住んでいない者が、安易に自分の作品を押しつけてはいけない。地域の人々の考えがあり、私の考えもある。そこから制作が始まります。作家と住民との共同制作でもあるということもできるでしょう。



 向かって右側はおもにモニュメント関連の展示。
 「響」「花器」「煌」「翔」「飛翔」といった作品のほか、大きな写真で野外モニュメントを紹介している。

 大型写真は、次の5点。
「響」 1993(山形市総合学習センター)
「北国に躍る友がき」1975(第30回冬季国体スキー競技富良野開催記念シンボル塔)
「青史の道標」1991(野村證券高輪研修センター)
「波遊」1993(洞爺湖ぐるっと彫刻公園)
「潮笛」1995(乙部町道の駅)

 このほか、渡島管内上磯町や函館のモニュメントの写真もあり、実物を見に出かけたくなってくる。
 道教大函館分校で教授を長年務めていたせいか、道南地方の仕事が比較的多いようだ。


 折原さんは1931年(昭和6年)、山形県南村山郡南沼原村(現山形市)の農家に、3男7女の7番目の次男として生まれた。
 46年、山形師範に進み、51年に東京教育大(のちの筑波大)に入学し、55年卒業。
 福島大の助手を経て58年に道学芸大(現教育大)岩見沢分校の助手になる。62年に函館分校に転じ、助教授に就任。74年に教授となる。
 全道展でも会員で、工芸部を牽引したが、選考などをめぐって他部門とのあいだに意見の相違が生まれ、99年に折原さんをはじめ工芸部の会員が大量脱退した。
 現在の日本現代工芸美術展には、そのときに全道展会員を退いたメンバーが少なくない。

 あらためて、ご冥福を祈ります。

 通常の日本現代工芸美術展北海道会展については、稿を改めます。


2018年7月25日(水)~29日(日)午前10時半~午後5時半(最終日~3時)
札幌市民ギャラリー(中央区南2東6)




折原久左エ門「抱」

□後志管内神恵内村にあるモニュメント http://www.vill.kamoenai.hokkaido.jp/hotnews/detail/00000321.html

□江差小学校開校記念の塔 http://www.hokkaido-esashi.jp/sekihi/monument/06/index.htm
コメント

■山本佳子 Moon Seed Project-密やかな森ではー (2018年7月9~18日、北広島)

2018年07月18日 14時35分32秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 山本佳子けい こ さんは兵庫県西宮市さんに工房を構え、ガラス作品づくりに取り組んでいる。
 今回は札幌圏では初の個展で、以前、帯広で、札幌拠点のマカオ出身の写真家シーズン・ラオさんと2人展を開いたことがあるという。
 会場が、森の中にあり、大きなガラス窓越しに緑が見えるので、植物に近いかたちをした作品を中心に持ってきたという。

 窓の手前に、インスタレーションふうに並ぶ作品は「Moon Seed Project -water scape 1-」「Moon Seed Project -Alsomitra-」。
 全部で12本の花がすっくと立っている。
(帯広の2人展では、床の節穴に差し込み、床下から固定したとのこと)

 背が高いが、上部の花にあたる部分ははすぽっと、茎にあたる部分から抜きはずせるようになっている。
 花の部分だけ壁にかけて展示することも可能だし、また、ソケット状になっていて小さなLED電球を仕込むこともできるため電気スタンドとしても使えるそうだ。

 それにしても、花弁の造形が、葉脈のように細かくて驚かされる。
 これはもちろん吹きガラスではなく、ステンドグラスの制作とおなじ要領でガラスを細く切り、それをいくつか少しずつ重ねて並べてキルン(窯)で焼成すると、くっつくのだという。
 サンドブラストをかけているので、手前は白っぽく、反対側は透明度が高くなっている。

 繊細な文様は幻想世界の花のようだ。
 ちょっと見ると、リアルな花に思われないこともないが、実際の植物に似せて作っているわけではない。
 むしろ山本佳子さんは「どの作品でも、どこかに直線など、デザイン的なところを残している」という。
 まあ、実物に似せるのでは、単なる造花になってしまい、わざわざ作る意味はないだろうと、筆者も思う。
 人工の花だからこそ、北海道の大きな森と対峙できるのだろう。


 次の画像は、案内状にもあった「Moon Seed Project -鳥になる種-」の3点。

 ブロンズ鋳造とおなじ原理で作られているとのことで、粘土で作った原型に石膏をかぶせ、中にガラスをつめて焼成し、その後で石膏を取り除く。
 透明なガラスの箱には小さな英文が印字されている。これはサンドブラストの技法を用いている。
「マスキングが大変でした」
と山本さんは笑うが、これがあるために、作品は時空を超えた標本箱のような不思議な雰囲気をたたえているのだと思う。
 焼成の際にガラス分が縮むため、その補正にも苦労があるそうだ。


 手前の小品コーナー。
 動物の頭骨のような形状の作品もあり、山本さんが「植物系」ばかり作っているわけではないことがわかる。
 ガラス瓶に入っている作品は「森の採集」。

 手前の作品はパート・ド・テールという技法を用いていて、色の異なるガラスが組み合わされている。



 花は散って、種になる。
 種は風に乗ったり、鳥にくわえられたりして、遠くまで飛んでいき、そこでふたたび生命をつなぐ。
 山本さんの言う「循環」とは、そういうことだと思う。

 ガラスの植物が、まるでほんとうに命の繰り返しをうたっているように見えるのだ。


2018年7月9日(月)~18日(水)午前10時半~午後3時半、月火水のみ
黒い森美術館(北広島市富ケ岡509-22)

yamamotokeiko.net/





黒い森美術館へのアクセス
コメント

■屋中秋谷個展 意象の調べ (2018年6月26日~7月8日、札幌)

2018年07月07日 00時19分43秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 木工人もくびとを名乗り、木工に取り組む札幌の屋中秋谷さん。
 筆者の記憶する限りでは、ト・オン・カフェでの展示は初めてだ。

 木工だから、木からかたちを掘りだすオブジェ(冒頭画像の中央は「朋ト休息」)や、盆などの作品は、当然あるのだが、今回は壁一面に展開された「漂ウ小宇宙」のシリーズ全20点が、屋中さんの真骨頂を示していると思う。



 遠目には、横長の板に、二つないし四つの小さな円が点在しているように見える。
 



 ところが、近づいてみると…。




 それぞれの数センチの円の中に、さまざまな濃淡の茶色が細かい模様を作り出している。

 これらは着彩したのではなく、クルミやケヤキ、クリなど樹種の違いを生かし、小さな木片を組み合わせてはめ込んだものだ。「合わせ象嵌」という手法だ。

 小さな円に大きな宇宙がある。そう言いたくなるような作品だ。




 もうひとつ、別の作品を拡大してみた。




 テーブル上に置かれた「弧ノ線」という台状の作品の左側に、同じく合わせ象嵌で作った「木の中の小宇宙」が3点あり、ルーペも置かれている。




 窓際に並んでいたお盆。
 左は「和ミ」(クルミ)、「想景」(ケヤキ)。
 この右側にクリとタモの作品もあり、木の種類が違うことをいとわない屋中さんらしい。


 「漂ウ小宇宙」の下、床の上に並んでいた小品。17個あった。
 

 カウンターの壁にかかっていた「原象」。タモで作られている。

 画像では見づらいが、ほぼ中央にゆるやかなS字型カーブが上下に走っており、表面には波紋のようなわずかな凹凸が広がっている。

 作為をもってこしらえたというよりも、木がもともと持っていたかたちを探り当ててそれを静かに引き出したかのような、そんな自然なありかたを感じさせる。



2018年6月26日(火)~7月8日(日)午前10時半~午後9時半(日曜~午後8時)、会期中無休
TO OV cafe/gallery(札幌市中央区南9西3 マジソンハイツ)


http://www.ryokusha.com/
□屋中さんのブログ http://syukoku.jugem.jp/

西郊の杜 作家三人展 小笠原み蔵、植田莫、屋中秋谷 (2016)
屋中秋谷『木』の仕事展 (2015)

【告知】薫風に誘われて -法邑芸術文化振興会 企画展 (2011、画像なし)
第2回作品展 安藤豊と屋中秋谷・植田莫 蛍のひかり・夢あそび/屋中秋谷・厚子+植田莫・洋子作品展 夢の途中・旅の途中…」(2006年)
屋中秋谷「木の中の小宇宙」(2004年、画像なし)
屋中秋谷「木の中の小宇宙」展(2003年)
屋中秋谷「栗より出でし十三の月」 (2002年)






・地下鉄南北線「中島公園駅」から約220メートル、徒歩3分
・地下鉄東豊線「豊水すすきの駅」から約600メートル、徒歩8分

・中央バス、ジェイアール北海道バス「中島公園入口」から約380メートル、徒歩5分

・市電「山鼻9条」から約610メートル、徒歩8分
コメント