北海道美術ネット別館

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■加藤祐子ファイバーアート展 集積 (2020年1月30日~2月26日、札幌)―2020年2月6~8日は13カ所(12)

2020年02月25日 17時11分00秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
(承前)

 国内外で活躍する小樽の染織造形家の個展。
 いわゆるテキスタイル作家とは異なり、ユニークな発想による素材選びと造形で、斬新な作品を発表しています。

 前回までの個展で発表した作品もありますが、新作もあります。
 冒頭画像の中央は「覗く緑」。
 素材は麻糸や絹糸と、普通です。
 題名を見ると、横から内部をのぞいて見てほしいようです。

 不思議にねじれた構造をした同一の大きさの半立体がつらなっています。

 その右側は「桃色の龍」。
 こちらも65個のおなじ形が繰り返されています。
 「二重縞 麻糸・線モール糸・ストロー」とありました。


 ほかの作品は次の通り。
布層
ダブルテンション
透けた巣穴
白井巣穴
ロックック巣穴
四角な泉




2020年1月30日(木)~2月26日(水)午前11時~午後7時(最終日~5時)
グランビスタギャラリーサッポロ(中央区北1西3 札幌グランドホテル)

kato-yuko.com

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■魅惑の黒曜石「北の石器ナイフ」展 (2019年7月30日~9月1日、オホーツク管内遠軽町)

2019年08月28日 17時17分32秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 これがアートか? と問われると、ビミョーなところだと思うのだが、なにせ
「展覧会」
という存在そのものに日常的に飢えているというところもあるし、作者の前田幸治さんがかつて置戸での大規模なアート展に出品していたという事情もあり、ご海容いただきたい。

 筆者は前田さんにはお会いしたことがない。
 オホーツク管内置戸町のお住まいで、土地を確保して小屋を建て、黒曜石の加工にいそしんでいるらしい。

 黒曜石は置戸でも取れるが、なんといっても遠軽町は国内屈指の産地である。
 旧石器時代、遠軽町白滝の黒曜石は有名で、東日本からロシアにかけての広い範囲の遺跡から発掘されている。


 前田さんは古代人さながらに、黒曜石を割って刃物を作り、木の枝やシカの角でこしらえた柄に麻糸をまきつけてナイフに仕上げる。
 それをサケの皮でこしらえたケースに入れたものもある。

 遠軽町内を流れる湧別川の河川敷に行くと、いまでも黒曜石がふつうに拾えるのだそうだ。
 もっとも、表面はふつうの灰色のまるい石で、こんなに黒いガラスのような光沢はないので、筆者なら見過ごしてしまいそうだ。

 なお、こちらが前田さんのツイッターアカウントのようだ。裏は取っていないが…。


2019年7月30日(火)~9月1日(日)午前9時~午後5時、月曜と祝日の翌日は休館
遠軽町郷土館(西町1)

・一般150円、高校生以下50円

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置戸コンテンポラリーアート(2012)=前田さん出品

遠軽町郷土館と北ノ王鉱山 オホーツク小さな旅(72)




・JR遠軽駅から約500メートル、徒歩7分
・遠軽バスターミナルから約770メートル、徒歩10分

・北海道北見バスの遠軽町内循環線などで「大通南3丁目」「大通南4丁目」降車、約360メートル、徒歩5分
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■喜井豊子 革展 (2019年5月23日~6月18日、札幌)

2019年07月11日 08時58分08秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 札幌で見た展覧会を、終了後だいぶたってから紹介するシリーズその2。 
 革工芸作家・喜井豊子さんの個展は会期が始まってすぐ見に行き、それからずうっと放置していたので、罪が重い。

 冒頭画像は「ジンク 伊福部昭作曲「土俗三連画」の1 同街の女達」。

 「ゴジラ」で有名な北海道出身の作曲家、伊福部昭にインスパイアされたもののよう。

 こちらは「秋の三重奏」。

 この大作、どこかで見たことがあるな~と思っていたら、1995年に制作したものを後に修復し、さらに今回アクリル絵の具で色を補ったもの。

 喜井さんの作品は、一般的な革工芸というイメージから想像するよりもはるかに色が鮮やかだ。
 もっぱら染料を用いているが、このように絵の具も使うことがあるらしい。
 弦楽器やピアノの鍵盤を主要なモティーフに、彩度の高い色を全面にまんべんなくちりばめていて、豪華な印象を受けた。


 こちらは「デューラーの多面体」と「エッシャーの多面体」。

 喜井さんの活動のもうひとつの柱が、不思議な絵で知られる人気版画家M.C.エッシャーの研究。
 とくにエッシャーとジャポニスムとの関連について長年調べている。
 今回も「M.C.エッシャーとジャポニスム絵巻物」という、手製の絵巻物作品が出品されていた。広げると長さ7.5メートルになるそうで、喜井さんとしては、研究の集大成になるだろう。

 また、エッシャー作品に題材を得た作品が何点か並んでいる。
 エッシャーは幾何学的な多面体をよく作品に描いていた。

 デューラーのほうは、いうまでもなく、15~16世紀のドイツ圏で活動した巨匠画家・版画家。
 彼の代表作に「メランコリア」というのがあり、ほおづえをつく天使の近くに、なにに使うのかよくわからない多面体が転がっている。
 喜井さんが作ってつるしているのは、それだろうと思うのだが、エッシャーもデューラーも元の作品には色はついていない。




 緑の手提げ。
 工芸なので、平面のほか、ペンダントやピアス、ストラップなども会場に並んでいた。


 筆者は喜井さんの作品を見るのは7年ぶりだが、お元気そうなので安心した。


2019年5月23日(木)~6月18日(火)正午~午前0時(日曜~午後9時)、水曜・6月4日休み
CAFE ESQUISSE(中央区北1西23 メゾンドブーケ円山 cafe-esquisse.net )

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喜井豊子個展 (2007)
喜井豊子個展 (2006)
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■松原成樹展 ルナール「博物誌」 (2019年6月10~12、17~19日、北広島)

2019年07月05日 08時55分07秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
(今後、すでに終わった展覧会について、ちょっとずつアップしていこうと思います)

 松原成樹さんは北広島に窯を持つ陶芸家。
 個展では、一般的なうつわではなく、独特の造形を発表する。
 表面を紙やすりでみがいており、一見陶というより石の彫像のように見える。

 今回のテーマは、フランスの文学者ジュール・ルナール(1864~1910)の文集『博物誌』だ。

 冒頭画像は「蛇」。
 これは『博物誌』では

長すぎる。

という、短すぎる文章で紹介されている。
 松原さんは、とぐろを巻いた姿で表現した。


 小鳥は3羽いた。
 そのうち1羽は、屋外に置かれている。

 会場に行ったことのある人はおわかりだろうが、黒い森美術館の周囲はうっそうとした林である。
 緑の中に、本物のように止まっている白い鳥。

 松原さんのルナール好きは筋金入りで、会場には、戦後すぐに出版された訳書のほか、臨川書店から出ている全集本も会場に置かれていた。
 その本に収載されているのは彼の日記で、会場の壁には、『博物誌』はもちろん日記の一節を印字した紙も張られていた。

 ちなみに小鳥は、つぎのような日記の一節。

奇跡というものが
起こるとすれば
私にとっては 小鳥が
近づいてきて 二言三言
話しかけてくれる
ことだろう


 奥に見えるのが「あひる」。
 手前は「ぶた」。

 ところで『博物誌』というのは、説明がむずかしい書物かもしれない。
 短篇集というよりも『枕草子』『徒然草』のような短い文章をまとめたもので、最終的には86編が収められている。
 動物園で観察したようなものではなく、ルナールが暮らしていたフランスのいなかで見た昆虫や家畜、野生の鳥などがテーマになっている。

 ただし、美文調でもなければ、詩的というほどでもなく、また鋭い皮肉や諷刺がこめられているわけでもない。
 動物が主人公といっても、ラ・フォンテーヌの寓話のような擬人化がなされているというより、もうちょっと客観的な叙述がなされている文章が多い。
 筆者の好みを言えば、この軽さよりも、ドイツロマン派の神秘性のほうが個人的には好きだったりする(笑)。

 ルナールといえば『にんじん』が有名だが、母親が息子につらくあたる場面ばかりの物語のようで、あまり食指が動かない。あんなイジメの話がどうして少年少女文学全集などによく入っているのか、わからない。
 『ぶどう畑のぶどう作り』は読んだことがなく、『別れも愉し』は若い頃に読んですっかり忘れてしまった。

 この「ちょっと軽妙な感じ」は、たとえばコクトーやフィリップなど、19世紀末から20世紀前半にかけてのフランス文学の一潮流かもしれないと思う。

 つぎの画像は、かたつむり。


 風邪のはやる季節には、出不精で、きりんのようなあの首をひっこめたまま、かたつむりは、つまった鼻みたいにぐつぐつ煮えている。

 いい天気になると、さっそく散歩に出かける。といっても、舌を足代わりにしてしか歩けない。

 なお、筆者の手元にあるのは岩波文庫(辻昶つじとおる訳)なので、そこから引用しているが、松原さんは岸田国士訳の新潮文庫を愛読しているので、訳文は微妙に異なる。

 たとえば、岩波文庫で、ちょうは

 このふたつ折りのラブレターは、花の所番地ところばんちをさがしている。

だが、新潮文庫は

 二つ折りの恋文が花の番地を捜している。

となっている。
 松原さんは「恋文」という、いささか古風なことばのほうが好きなようだ。

 この個展で筆者の目に見えたのは、あいかわらずの松原さんの底なしの読書量と教養、そして、動物や昆虫をただリアルに表現するのではなく、まるみを帯びてざっくりとした造形に仕上げる松原さんの塑像力ともいうべきものである。
 おそらくそこに、ある種の普遍性につながっていくものがあるのだろうと思う。


2019年6月10日(月)~12日(水)・17日(月)~19日(水)午前10時半~午後3時半
黒い森美術館(北広島市富ケ丘509-22)


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松原成樹展 測りあえるほどに (2013)

【告知】松原成樹展 (10月25~30日、札幌)=2010年5月、北広島での個展の様子も紹介
松原成樹展 (2009年7月)

美水まどか・松原成樹 「余白から」展 (2008年11月)
はしご展(2008年9-10月)=松原さん出品、プロデュース
松原成樹展(08年7月)

OPERA Exhibition vol.2
松原成樹展(07年7月)

松原成樹展(06年)
三羽の会「棲むもの」 (06年)

松原成樹展(03年)
企画展「九つの箱」(02年)


参考
ガレリアセラミカの関連サイト http://inax.lixil.co.jp/Culture/ceramica/1999/05matsubara.html
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■Progressive Candle 灯りと影のキャンドル展 2019 (6月6~11日、札幌)

2019年06月12日 23時59分59秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 福井優子さんのキャンドル個展に、最終日にうかがった。

 筆者も変人なので最初に目を向ける方向が普通ではないと思うのだが、会場入り口の机の上に置いてあった英ロックバンド「YES(イエス)」のCD「RELAYER」がキャンドル作品よりも先に視野に入って、おや? と思った。「リレイヤー」は1974年に発売され、イエスのキャリアではちょっと異色のアルバムとされている。
 イエスのアルバムといえばやっぱり「CLOSE TO THE EDGE(邦題『危機』)」がいいなあ。でも、ラストの流れが好きなんです。

 …などと会話をしたところで(じつは、机上にはドリームシアターのCDもあったんだけど)ようやく会場を見渡すと、これまで見たものと作風がかなり変化している。

 これまでの福井さんといえば、白と青を基調にしたシャープな造形や、犬や猫といった動物をモティーフとしていた。
 白や青の作品は今回もあるが、この画像のように、黒いキャンドルは初めて見た。

 いや、そもそも黒のキャンドルなんて、手がけている人なんてあんまりいないだろう。
 しかもくもの巣のデザイン。ゴシック的だ。

「黒は、光は透けないけれど、炎がきわだつんです」
と福井さん。

 冒頭画像は「Snow Crown」。
 このシリーズの最大の特徴は、燃える速度の異なる2種のろうをたくみに組み合わせて、レースのような模様が外郭に残る仕組み。
 黒いのは「Black Crown」。


 はっ。
 ここでやっと気づく、鈍い筆者。
 ひょっとして「Progressive Candle」のプログレッシブって…。

 プログレッシブ・ロックに由来しているのか。

 日本では「プログレ」と略称で呼ばれることの多いプログレッシブ・ロックは、1960年代末から70年代にかけて隆盛になったジャンルで、複雑な構成や、クラシックやジャズを取り入れた曲調が特色で、長大でシンフォニックな曲も多い。
 英国のイエス、キング・クリムゾン、ピンク・フロイド、エマーソン・レイク&パーマーといったバンドが有名だが、イタリアやドイツなど欧洲各国にも多くのバンドが登場した。

 福井さんはプログレをはじめとするロック好きだったのだ。

 これまで多様な作風を展開してきた福井さんの作品は「progressive=進歩的」という語にふさわしいと思っていたが、ここにきて、自分自身の好みをさらけ出すようになったのだろう。
 自己に忠実であること。それは、言うほど易しくはない。


 個展の直前に追加したというリンゴのキャンドルを見て、胸を打たれた。
 毒リンゴのようだ。

 かつて彼女は、パステルカラーのかわいらしいリンゴのキャンドルを作っていた。
 そのほうが万人受けするのだろう。

 でも、いま作っている傷んだリンゴのほうが、彼女自身が作りたくて作っているものなのだろう。


 プロフェッショナルな作り手というものは、自分が作りたいものだけを作っているわけではない。
 そういうプロもいることはいるが、ほんの一握りだろう。
 大半のプロフェッショナルは心ならずも、売れるもの、多くの人に受けるものを作らなくてはならない。むしろアマチュアのほうが、自分の作りたいものを気楽に作っていける。

 とはいえ、売れるものだけを作っていて、モチベーションや作品の質が保てるだろうか。
 また、一方で、自分の欲求だけを優先して、良い作品が生み出せるのだろうか。

 クライアントの意向にも目を向けつつ、自分の欲求を可能な限りで打ち出していくこと。

 創造し続ける、ということは、ほんとうに難儀なことだとあらためて思うし、その難儀さを乗り越えて新境地を切り開いていこうとしている福井さんは、本物のプロフェッショナルなんだなあと思うのだった。


 まあ、難しいことはともかく、こんどロックの話をしましょう(笑)。


2019年6月6日(木)~11日(火)午前11時~午後6時半(最終日~5時)
石の蔵ぎゃらりぃはやし(北区北8西1)


□Progressive Candle http://p-candle.shop-pro.jp/
□福井さんのブログ http://progressivecandle.blog21.fc2.com/

参考 □耳にバナナが(佐藤優子さんのブログ) https://mimibana.exblog.jp/30635978/

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福井優子 Progressive Candle (2015)

Progressive Candle 福井優子キャンドル作品展 (2009)
福井優子progressive candle展(2007)
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■硝子五者五様 (2019年5月25日~6月5日、札幌)

2019年06月05日 14時17分08秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
(追記。ところどころ修正しました) 

「悠遊舎ぎゃらりぃ」札幌移転第2弾は、関西や北陸など本州に住むガラス作家5人を取り上げた。

 「北海道はガラスが盛ん」
という漠然としたイメージを持っていたが筆者だったが、その先入観を打ち砕くにはじゅうぶんなグループ展だった。

 もちろん道内にもすぐれたガラスの作家はいる。
 しかし、本州には、高度な技法で独創的な作品を手がける作家がたくさんいるのだ。
 ここで展示しているのは、その一部だろう。道内の関係者は安穏とはしておれないのではないかということを、ひしひしと感じた。

 冒頭画像は、木越あい(東京)。
 「ケモノ玉」というユニークなシリーズで、ナメクジなどを模している。

 今回は出品していないが、個展などでは、ストーリー仕立てになった絵をガラスに描く、まるで絵本のようなシリーズもあるという。


 
 後ろ側の2点は西垣聡(富山)の花器「2 colors」。
 青とラベンダー、オレンジ色とピンクの組み合わせが清新だ。

 西垣さんはこのほか、色のついていないカットグラス類も出していて、手作りとは思えない表面のシャープさに驚かされる。



 奥島圭二(滋賀)。
 きらびやかな色彩が、まるでクリムトの絵画を思わせる豪華さで目を引く「玻璃片口」など。

 奥島さんは漆など異素材を積極的に用いているとのこと。
 「鬼灯ほおずき姿器小箱」は、まずホオズキの形を作ってから直方体に成形するという難しい手法を駆使している。

 2012年には、札幌芸術の森が行っていたコンペ「ビアマグランカイ」に入選している。



 大豆生田綾子(横浜)。
 栃木の出身で、大豆生田おおまめうだはそこの姓らしい。
 大学では染織を学んでいたそうだが、その後江戸切子の職人に入門、さらにサンドブラスト技法を習得したといい、画像のグラスにはふたつの技法が用いられているのがわかる。

 このほか「鉢 蜻蛉」「グラス 金麦」など、オレンジの着色が美しい作品もあった。

 作品それ自体の話ではないが、鏡の上にガラス器を置くと、ずいぶん映える陳列になるんですね。
(ただ、写真に撮るとなると、案外難しい)




 市川知也(富山)のぐいのみや花入れ、一輪挿しなど。
 ほかに片口やコースターなど多彩な作品が並ぶ。

 とくに「雪舟」と題した器は、モノトーンながら白や灰色がまじりあう表面が、深みのある世界を感じさせて目を引いた。


 ガラスとひとくちに言っても、これほど多彩な作品があるとは!
 オープンして日の浅い悠遊舎ぎゃらりぃだが、ふだん見る機会の少ない、高度な道外勢の作品に触れて、刺戟を受けている。
 今後のガラス・金属2人展や陶芸グループ展も楽しみだ。 


2019年5月25日(土)〜6月5日(水)午前10時~午後6時、木・金曜休み
悠遊舎ぎゃらりぃ SAPPORO(札幌市白石区本郷通11北 サンフラワーズ本郷A)



・中央バス「72 南郷線」(札幌駅前ー南1条ー南4条ー地下鉄白石駅ーJR平和駅)で「本郷通10丁目」降車、約60メートル、徒歩1分
※便利ですが、1時間に1本

・地下鉄東西線「南郷13丁目駅」1番出入り口から約420メートル、徒歩6分

・ジェイ・アール北海道バス「白石本通10丁目」から約520メートル、徒歩7分
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■浦口護個展「木片図譜 木奇怪々」 (2019年5月28日~6月4日、札幌)

2019年05月31日 12時47分58秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 浦口さんは札幌の旭ケ丘に住み、木の器やオブジェを作っている。

 今回の出品作は大半が、近くの家で伐採したクリの木が材料。
 漆を塗って拭くーという過程を重ねたものも多い。

 会場の中央部には、木の形を生かしたオブジェが並ぶ。台には、不用になった碁盤や将棋盤を用いているのがおもしろい。
 また、壁面には、壁飾りのようなオブジェも並んでいる。のこ目が入った木片を組み合わせたもので、一輪挿しなどを掛けるのに使えそうだ。


 ところで、この個展を取り上げたのは、浦口さんの作品を紹介するためだが、もうひとつ、会場の紹介という意味がある。

 「旧永山邸」と「旧三菱鉱業寮」は並んで立っていて、中で行き来できる。
 浦口さんの展覧会は、旧三菱鉱業寮のほうの2階和室で開かれている。
 このふたつの建物を見るためだけでも、行く価値はあると思うのだ。

 ことし5月4日、北海道新聞道央版に「時を超える建物たち」という連載のひとつで取り上げられていて、わかりやすい説明があったので引用しておこう。


 旧永山邸は第2代北海道庁長官永山武四郎の私邸として1880年前後(明治10年代前半)に建てられた。和洋折衷住宅の好例とされる。旧三菱寮は、旧永山邸を買収した三菱鉱業(現三菱マテリアル)が1937年(昭和12年)に増築し、社員の宿泊や宴会場として利用された。丸窓など昭和前期のモダンなデザインが特徴的だ。


 和室は、ふだんは地域の人々の会合などに使われているらしく、浦口さんによると、昨年のリニューアルオープン後に美術の展示に使ったのは、ステンドグラスの教室展だけだったという。
 たしかに、壁面やスポットライトがあるわけではなく、ふすまや柱、床などを傷つけないように細心の注意が必要なので(文化財ですから!)、一般の絵画展などには向いていないかもしれない。
 しかし、浦口さんのような工芸・クラフト系など、かなりいろいろ使い道はあるのではないかと感じた。

 さらに料金に注目したい。
 1日借りても2千円ないし3千円である。
 浦口さんの話では、同一の和室を借りるのは最大で4日連続が限度らしく、5日目にはもうひとつの和室に移動しなくてはならないらしい。

 制約は当然あるし、地下鉄駅からはやや歩くが、サッポロファクトリーのすぐとなりだし、雰囲気のある建物だし、使用できる時間も長い。
 展覧会場として候補のひとつになるのではないだろうか。


2019年5月28日(火)~6月4日(火)午前9時~午後9時(最終日~午後4時)、会期中無休
旧永山武四郎邸および旧三菱鉱業寮2階和室(札幌市中央区北2東6)



・地下鉄東西線「バスセンター前」10番出入り口から約640メートル、徒歩9分

・ジェイ・アール北海道バス、中央バス「サッポロファクトリー前」から約540メートル、徒歩7分(札幌駅前、時計台前から現金のみ100円)
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追記あり■第59回東日本伝統工芸展 (2019年5月21~26日、札幌)

2019年05月30日 08時51分09秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 西村さんが脱落していましたので、追加しました。申し訳ありません。作品名は追って記します。

 札幌で「東日本伝統工芸展」(昔は「伝統工芸新作展」と称したはずだが)が開かれたのは実に9年ぶり。
 東日本だから、金沢や京都、備前、有田といった西の作品は見られないわけだが、それでも、現代的な要素を取り入れつつも伝統のスタイルを守る本州の作品を見られる数少ない機会だったから、道内巡回がなくなったときは本当にガッカリしたものだ。
 今後も、毎年は難しいのかもしれないが、ときどき開いてくれるとありがたい。

 さて、今年は道内からの入賞が目立った。
 北海道は伝統工芸に携わる人の少ない土地とされ、この展覧会でも、入選者はいても、入賞者はなしの年のほうが多かったのだが、今年は3人もいる。

 北海道知事賞に、宍戸孝子さん(札幌)の人形「木芯桐塑木目込もくしんとう そ き め こみ「以心伝心」」。
 奨励賞に、増原嘉央理さん(札幌)の陶芸「紅白鮮水影―1902―」と、降旗ゆみさん(江別)の諸工芸(ガラス)「銀彩被硝子桜蘭文花器ぎんさいきせがら すさくらもん か き 」。

 北海道の2018年、もっとも熱かった分野は人形だ! と思い切った断言をしてしまった筆者だが、その勢いはまだ持続しているという感じがある。

 増原さんは以前も入賞している、1985年生まれの俊英だ。

 このほかの道内からの入選者は次のとおり。
●陶芸
板橋美喜子(北広島) 青白磁彫文組鉢
大野耕太郎(滝川)  青白磁組皿
尾形香三夫(岩見沢) 練上縞壺「淵」
北川智浩 (江別)  白磁水氷文鉢
高井秀樹 (函館)  白磁流紋鉢
中村 裕 (札幌)  花器「雪原の朝」
西村 和  (札幌) 三上慶耀 (十勝管内鹿追町) 青瓷蓮紋鉢

●染織
貝澤節子 (日高管内平取町) アットゥシ織帯「ニルシ~木の毛皮~」

 貝澤さんの作品はアイヌ工芸で、この分野の入選者が出ているのも感慨深い。

 なお、下の9階のギャラリーでは、出品者の小品展も開かれていた。


2019年5月21日(火)~26日(日)午前10時~午後8時(最終日~午後6時)。入場は30分前まで
三越札幌店10階催事場(札幌市中央区南1西3)

関連記事へのリンク
東日本伝統工芸展の入選者 (2016)

【告知】第4回伝統工芸北海道展 (2015)
【告知】日本工芸会東日本支部北海道研究会の作家による 第3回伝統工芸北海道展

【告知】第2回伝統工芸北海道展 (2012年)
【告知】第1回伝統工芸北海道展 (2011)

第47回伝統工芸新作展 (2007)
2004年の伝統工芸新作展
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■前田はるな 土から生まれた作品展 (2019年4月25~29日、札幌)

2019年04月29日 09時21分14秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 十年ほど前に京都から札幌に移住してきた前田さんは、札幌芸術の森の窯を使って陶芸に取り組んでいます。

 陶芸といっても、一般的な陶芸展と異なり、食器や花器などのうつわはひとつもありません。
「えっ!? これを陶でつくる?」
とビックリするようなものばかりが並んでいます。


 会場中央にすえつけられた大作「南風の吹く島」。

 舟、港、トンネル、古い旅館とリゾートホテル、みやげ物店と海の見えるカフェ、ごみ処理施設などがある島です。
 手前の船着場に着いた人は、森林浴をしながら上っていくか、車で上っていくかで、通る道路が異なります。
 こういうものを、空想をたくましくして作ってしまうのがすごいと思います。
「ろくろを使う集中力がないんですよ」
と笑う前田さんは、想像力がどんどん広がっていくタイプなのではないでしょうか。


 こちらは、家や木の作品。
 赤や青、緑など、三角屋根の色がひとつひとつ違い、デザインもそれぞれ違って、おとぎの国のようで楽しいです。

 下に敷いてあるロンドンの地図はたまたま自宅にあったものを拡大コピーしたのだとかで、あまり意味はないとのこと。

 さて、会場の壁際のテーブルには、陶人形が並んでいます。

 また壁には、それらを撮った写真プリントも何枚も貼ってあります。壁面がさびしいので、貼ったとのこと。 


 この2体には「海に陽が沈むとき」という題がついています。
 結婚50年で旅に出た夫婦が海で「きれいだなあ」と言い合っている場面を想像して作ったのだそうです。


 次の画像は、以前京都に住んでいた人らしい、「きもの組合」というシリーズ。
 和服を着た猫ですが、それぞれ「出町柳さん」「伏見桃山さん」「貴船さん」「八坂さん」など京都の地名がついています。

 このほか「モグ太」「モグ吉」「モグ左衛門」のモグラ三兄弟、昭和の歌手のようなふるい感覚を出した「春と夏のあいだ」など、ユニークな作品が並んでいます。
 土というのも素材のひとつだと思えば、こういう作品に取り組む人がいても、ぜんぜんオッケーなのではないでしょうか。

 前田さんは「美工展」に出品していた時期があり、2013年には会友に推挙されています。


 なお、おなじ会場では30日まで「土を愉しむ 三橋美枝子うつわ展 vol.5」も開催されています。

 こちらは土味を生かしたやわらかな色合いの片口や茶碗など、一般的な陶芸展になっています。


2019年4月25日(木)~29日(月)午前11時~午後5時
石の蔵ぎゃらりぃはやし(札幌市北区北8西1)


第37回美工展 (2010)

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■おがさわら み蔵作品展(2019年4月17~22日、札幌)

2019年04月22日 14時58分46秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 「もう今年で、満で80歳なんだよ」
と、いすに腰掛けて話す小笠原み蔵さんは、札幌のユニークな木彫家。
 すっかり高齢者のような口ぶりですが、今年も東京で個展を開いているほか、新さっぽろギャラリーや石の蔵ぎゃらりぃはやしでも個展の予定があるなど、驚くべき精力的な活動ぶりです。

 昨年あたりから多く手がけているのが、来年の東京五輪・パラリンピックに向け、スポーツを題材にした作品。
 冒頭画像は、ボルタリングをするブタやゴリラたち。

 聖火を手に力走するブタを作る予定もあるそうです。

 今回多い題材として、ジャズを演奏する動物や人間もあります。

 左手の作品、サックスをぐっと大きく造形して、迫力たっぷりです。

 奥にある正方形の作品は、レコードジャケットと同じ大きさです。

 これらはレリーフですが、ブタの女性ボーカリストの立体もあります。
 とにかく楽しくて、スイングしているのがおがさわらさんの作品の特徴です。


 小笠原み蔵さんは、いまも薬などはまったく服用していない生活だそうです。
 「どこに行っても、自分より年下の人ばっかりでさ」
とこぼしていましたが、このままお元気で創作を続けてほしいと思いました。


2019年4月17日(水)~22日(月)午前11時~午後6時(火曜休み)
ビストロカフェ+ギャラリー・オマージュ(札幌市中央区南1西5 プレジデント松井100ビル)


□立体漫画家 小笠原み蔵の世界 https://studio-mikura.jimdo.com/

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■加藤祐子展 "月夜に進む ザワザワ麦わら" (2019年4月6~21日、札幌)

2019年04月12日 13時57分54秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 従来の素材や発想にとらわれない染織作品に取り組む小樽の加藤祐子さん。
 道外や海外のファイバーワークの展覧会にも参加しています。

 札幌のギャラリー創では2年ぶり3度目となる個展では、麦わら帽子の素材である「真田紐」を用いて大型のインスタレーションを展開しています。

 冒頭画像、床置きの作品は「進むザワザワ」。
 白い部分は、筆者は少女のかぶる麦わら帽子についているリボンかと思いましたが、帽子そのものの素材とのこと。
 リボンよりも硬いです。
 上から見下ろしていると、網走の美術館に巡回した「テキスタイルの未来形」への加藤さんの出品作を思い出しました。
 筆者には地図のようにも見えます。

 壁にある黒い3点組みは「黒いザワザワ」。

 このタイトルが、触覚的な感じを漂わせます。


 会場奥には「白い麦わらは受け皿となる」。
 天井からつりさげたバスケットのような17点組みです。
 これも、表面の感じがざわざわというか、ゴワゴワとした感触が見ただけで伝わってきます。

 こういう、台形や五角形っぽい形の反復は、加藤さんの作品に多いと思います。

 次の画像は2点とも「真田紐に捕まった」。
 透明な樹脂製の虫かごに真田紐を詰め込んだ、ユーモラスな作品。



 このとなりには、昔話に着想を得た「鉢かつぎ姫の麦わら」という作品もありました。
 小品に「8月8日の思い出」「白いささくれの思い出」「麦わら帽子の思い出」。

 「視覚芸術」という言い方があるくらいですが、今回の加藤さんの作品はとりわけ、触ってもいないのに、触覚が刺戟されるものでした。
 しかし、よく考えてみれば、陶芸も彫刻も、「目で触って、鑑賞する」ことは、案外たいせつだったりします。


 4月13日(土)午後3時から、創作舞踏/若松由紀枝、音楽/F.H.C.かさいあつし・留美。
 予約不要、参加無料。


2019年4月6日(土)~21日(日)午前11時~午後6時(最終日~5時)、火曜休み
GALLERY 創(札幌市中央区南9西6)

□加藤祐子 染織造形家 http://kato-yuko.com/

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・市電「山鼻9条」から約110メートル、徒歩1~2分

・地下鉄南北線「中島公園駅」から約380メートル、徒歩5分

・ジェイ・アール北海道バス「循環啓55」「循環啓55」「循環啓65」「循環啓66」で、「南9条西7丁目」降車、約210メートル、徒歩3分
(ギャラリー門馬近くの「旭丘高校前」から「循環啓55」で直行できます)

・じょうてつバス「南9条西11丁目」から約750メートル、徒歩10分。(快速7、快速8は通過します)

・中央バス、ジェイ・アール北海道バス「中島公園入口」から約650メートル、徒歩8分
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■相馬康宏作品集「陶象」 (2019年4月2~7日、札幌)

2019年04月09日 17時45分34秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 相馬康宏さんが昨年から「陶象」と題した個展を始めた。

 陶といっても、うつわは1点もなし。
 高さ50センチほどのオブジェが10点並ぶ。

 いわゆる彫刻と異なるのは、着彩された作品があること。
 また、素材が土であるため、一度削りすぎてしまうとリカバリーが難しい木や石に比べると、作る過程での成形は容易だとのこと。

 もうひとつ思ったのは「正面性に乏しい」ということ。
 つまり、どこから見てもオッケーなのだ。

 いや、よく考えると、具象彫刻の正面というのは、彫刻の正面というよりは人物の正面かもしれないし、野外にたつモニュメントの正面は、純粋に作品によって決められるのではなく、置かれる場所の動線などで決まるような気もするのだが、それはさておき、相馬さんの作品は、見る方向で、受ける印象がかなり異なる。
 つぎの画像の、右側の作品は、裏表で形状がぜんぜん違う。

 相馬さんによれば、空知管内由仁町の自宅工房にはこの手の作品が「千点はある」といい、もっと大きなサイズの作品も倉庫にたくさん置いてあるそうだ。

 相馬さんの言葉でもう1点。
 やはり、彫刻ではないので、簡単に他のイメージを喚起するような形状はなるべく避けているとのこと。
 言い換えれば、彫刻とは違う作風を目指しているということなのだろう。
 つぎの画像で、左側の作品は
「ちょっと彫刻に似ているから、自分としてはあんまり良くないね」
と相馬さんは言う。
 安田侃を連想する人もいるらしいが、筆者はヘンリー・ムーアやバーバラ・ヘップワースを想起した。






 以下の画像3点は、おなじ作品を異なる角度から撮っているが、どっちから見てもかまわない相馬さんの作品らしさが出ていると思う。
 この作品は、案内はがきでは、90度置き方を変えて撮影されているというから驚いてしまう。









 昨年はじつに22年ぶりの個展だったが「10年間は続けたい」と相馬さんは話していた。


2019年4月2日(火)~7日(日)午前10時45分~午後5時(最終日~4時)
ギャラリー大通美術館(札幌市中央区大通西5 大五ビル)


相馬康宏作品集「陶象」 (2018)
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■内海眞治個展「万華郷」 (2019年3月12~17日、札幌)

2019年03月15日 14時52分35秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 内海眞治さんは砂川に「浮浪工房」を開いているユニークな陶芸家です。
 昨年、札幌の同じ会場で開いた個展の題は「ぼくのどうぶつえん」(昨年の様子はこちら。ぜひご覧ください。)でしたが、今年もカラフルに色づけされた想像上の鳥や動物が所狭しと会場を埋め尽くしています。
 とにかく楽しい気分になれます。
 昨年も書いた通り、手にとってみると、驚くほど軽いです。

 素材にこだわりがないのも内海さんの特徴で、色ガラスや金属などもどしどし使ってオブジェにしています。

 今回は一部の器に金を用いています。
 金色が光って豪華な装いです。

 カップ類の脚のほか、全身が金のカエルもいました。

 内海さんによると、以前は金の扱いは難しかったそうですが、近年はフェルトペンのように塗って着彩できるタイプのものが登場し簡便になったとのこと。


 今回の展示で初登場したのが、既製品の白い皿やカップに釉薬で色をつけた作品。
 「えっ」と思いましたが、考えてみれば、ピカソが絵を描いた皿だって、作った職人が誰かなどということはほどんど後世に伝えられていないわけで、同じことなのかもしれません。

 ただし、既製品の陶磁器は表面がつるつるしており、そのままでは絵付けがままなりません。
 表面のガラス質は、一般的な焼成温度よりも低い温度で溶け出してしまうそうです。
 そこは内海さんなりの試行錯誤がいろいろとあったようです。


 今回は、浮浪工房に通ってきている「Natsu.」さんの作品も同時展示しています。

 内海さんの陶のオブジェを使ったアクセサリーや、ネックレス、自ら染織したバッグなど。

 画像は、流木を使ったオブジェ。
 砂川は内陸なので、わざわざ石狩市浜益の海岸まで拾いに行ったそうです。


2019年3月12日(火)~17日(日)午前10時半~午後6時半(最終日~5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)


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■ 屋中秋谷展「合わせ木をたずねて」 (2009年3月5~10日、札幌)

2019年03月07日 15時42分18秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 札幌市手稲区で「木工房 緑舎」を主宰し、「木工人もくびと」を名乗り活動する屋中秋谷さん。
 さいとうギャラリーでは、これまでグループ展に3度出品していますが、個展はじつは初めて。
 「(昨年の)ト・オン・カフェも良かったんですが、このギャラリーも、とても落ち着いた雰囲気で展示ができます」

 屋中さんらしい、さまざまな種類の木のかけらを組み合わせた平面作品が多いです。
 左の壁面に展示されているのは「風と光の彼方から」。

 組み合わせではない、一般的な木のうつわなどもあり、冒頭画像の中央にあるのはロングスツールです。


 案内状に印刷されていた「悠景」。
 色を塗りわけるのではなく、クルミやケヤキ、クリなど樹種の違いを生かし、木の色味を組み合わせているのが特徴。
 手前の作品は、5種類の木を組み合わせています。

 後ろ側の陶板は、本州に住む知人の陶芸家に作ってもらったもの。



 屋中さんならではの微細な技が光るのは、ボタンや帯留め。

 直径数センチの小さな中に、さまざまな模様の宇宙が広がっているようです。
 一つとして同じ模様の作品はありませんので、会場の虫眼鏡を手に、じっくり眺めてみたいものです。

 このほか、昨年の個展にも出した、細長い長方形のなかに、3~5個程度の上記のボタンのような円形を配した「漂う小宇宙」や、文鎮ならぬ「紙鎮」と題したペーパーウエイトのシリーズなども展示されています。


2019年3月5日(火)~10日(日)午前10時半~午後6時半(最終日~5時)
さいとうギャラリー(札幌市中央区南1西3 ラ・ガレリア5階)

http://www.ryokusha.com/
□屋中さんのブログ http://syukoku.jugem.jp/


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■小樽ゆき物語 ガラスアートギャラリー (2018年11月6日~19年1月31日、小樽)。2019年1月小樽散歩・1

2019年01月10日 20時55分19秒 | 展覧会の紹介-工芸、クラフト
 「駅構内のアート展」というと、常設の壁画や小規模なものが連想されますが、これはけっこう本格的。市内八つのガラス工房が、単にアクセサリーなどを並べるだけではなく、工夫を凝らした展示をしています。

 列車で小樽駅に降りた人はいやでも目に入るでしょうが、都市間高速バスや自家用車で小樽に来た人も、駅舎まで足を伸ばしてみてもいいと思います。



 「小樽il PONTE」の「すのーばとる」。
 
 全体として、雪だるまやペンギンなどを題材にした作品が多い中、これはネコでしょうか。



 「glass work・fu~ga」の「swing snowman」。

 雪だるまが空を飛ぶ楽しい作品。

 ほかに
ザ・グラススタジオ イン オタル
イメージ・グラス
KIM GLASS DESIGN
北一硝子見学工房
glass art N+・グラス
硝子工房NAKAMORI
が出品しています。


 小樽ゆき物語は、小樽観光協会が取り組んでいる冬のロングランイベント
 道内はウインタースポーツ関係でにぎわう一部地区をのぞけば、冬場の観光集客が課題になってきました。
 小樽は、2月前半の「雪あかりの路」が有名なイベントになっていますが、秋の終わりから「雪あかりの路」までの冬前半のてこ入れ策として、「ゆき物語」がスタートしたようです。
 おとなりの余市町でも「余市ゆき物語」が同時に開催されています。

 昔の小樽は漁具のガラス玉生産が盛んでしたが、1970年代には北一硝子など数社を残すまでに減りました。
 その後、観光客向けの需要で息を吹き返し、個人のスタジオも増え、すっかりガラスのマチとして定着しています。



2018年11月6日(水)~19年1月31日(木)
JR小樽駅構内

小樽観光協会のサイト「おたるぽーたる」



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