北海道美術ネット別館

美術、書道、写真などの展覧会情報や紹介。毎日更新しています。2013年7月末、北見から札幌に帰還。コメントはお気軽に。

2009年8月のおもな展覧会

2009年08月31日 23時59分22秒 | 主な記事へのリンク
 8月のおもな展覧会の記事へのリンクです。
 書き終わっていないエントリには、まだリンクがはられていません。

 このエントリは随時更新します。


現代美術
PLUS 1 Groove
PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 藤本和彦 澁谷俊彦
PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 谷口明志 坂東宏哉 大島潤也 ダム・ダン・ライ
PLUS 1 +柴橋伴夫企画 空間の触知へ-連鎖の試み 千代明 秋山一郎 齋藤周
阿地的空間処理法(再考)
mamizu 2nd. Exhibition

絵画・版画
■森迫暁夫展
草刈喜一郎 最後の個展
第25回記念多年草展 北翔大学(旧北海道女子短期大学)工芸美術科日本画コース卒業生の会
名木野修絵画展
竹岡羊子展
新見亜矢子個展-駅-
空展
第8回斎藤由美子水彩画作品展
版画三人展
南巖衛自選油絵展
第1回一期会北海道支部展
今橋香奈子日本画展
北口さつき展
村谷利一個展

彫刻
独創性への道標-ロダン・高村光太郎・本郷新展


■第35回女流書作家集団展
辻井京雲作品展

写真
■■第25回東川賞受賞作家展
森山大道 北海道<序章>
溝口芳夫写真展 北海道彫像紀行III-希望-
大坂寛写真展「ボタニック・ハート」
中筋純写真展 黙示録チェルノブイリ
佐藤孝写真展「ミクログラフィア -青の系譜-」「ミクログラフィア -'90~'09 回顧展-」
ステファン・エッテ写真展「蝶の夢」
東川フォトフェスタ Myカメラアングル写真展
東川フォトフェスタ ストリートギャラリー

複数ジャンル
■第15回北海道ニ紀展
北翔大学美術サークル 米 在校生・卒業生合同展覧会「よね展」
■聖地チベット
postcard +4p
中村哲泰おやこ展 八子晋嗣 中村修一 八子直子 ■続き
キャバレーたぴお 10年展最終章
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2009年8月のまとめ (追記アリ)

2009年08月31日 23時58分53秒 | アートに関するインターネット・ブログなど
 
 8月の1カ月間にまわったギャラリー・美術館の数は111カ所。
 7月を26カ所も上回り、ことしに入って最多。2008年11月の116カ所に次ぐ数字だが、これは23日に函館市内で25カ所も見たことが大きい。

 エントリは今月もちょうど100本。
 これは3月からずっとつづけて同じ数だ。

 ページビューは、10万6087(30日まで)。
 月初めは、3000を割り込む日が多く、10万の大台維持が危ぶまれたが、中旬のRising Sun Rock Festival 2009のあたりでアクセスが増えた。

(追記。31日までは10万8965でした。7月にくらべ1000以上減っています)


 なお、北海道美術ネット(いわゆる「本館」)のアクセス数が8月20日、45万を突破した。
 40万が昨年11月、35万が昨年4月だったので、ややペースはダウンしている。

 ちなみに、ライジング・サン・ロックフェスティバルのあった8月16-22日の週間iP(各日の単純合計)は6236で、7月19-25日の6056 IPを上回って過去最多を記録した。
 googleで
「ライジング・サン・ロックフェスティバル」
と検索すると
、なんとこのブログが4番目に出てくる。





 夕焼けの写真は8月30日のもの。
 もっと西空が広がっている場所にいれれば良かったのだが。
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民主308 政権交代

2009年08月31日 23時57分56秒 | つれづれ日録
(長文です)

 いまだから書くけど、民主党が選挙期間中、道内で流していた政見放送にはびっくりした。
 シャ乱Qの出来損ないみたいな4人組みのロックバンドがさえない演奏を繰り広げる中、有権者が発した声に、民主党の候補が耳を傾ける-というもの。
 大通公園で若者が話すと、釧路に声がとどいていたり、鳩山代表が大きな耳の作り物を持っていたり、ツッコミどころ満載の映像とやかましい音楽で、民主党北海道のセンスのひどさには、あっけにとられてしまった。

 対する自民党北海道は、各候補が公約を列挙するという、一見オーソドックスなつくり。
 しかし、よく考えると、こちらもひどい。
 北海道経済を活性化します、とか、1次産業を元気にします、といったふうな題目ばかりをちりばめているだけなのだ。
 こういうスローガンとか、「お願いします! 勝たせてください!」的な絶叫で選挙戦を乗り切れたのは、昔の話であって、いまは、具体的にどうすれば経済が活性化し1次産業を元気にできるのかが問われているんじゃないか。
 
 もちろん、政見放送の出来は各候補の当落を左右するほどの力は持っていない。
 そして、自民党北海道の政見放送が、いささか中身にとぼしいとはいえ、自民党中央が選挙期間中に放ったネガティブキャンペーンの見苦しさにくらべれば、まだ害はないともいえる。
 民主党を攻撃した新聞広告などを読んでいると
「これじゃ日教組がショッカーみたい。罵倒が過ぎると見苦しいなあ」
「人のことをバラマキっていうけど、いままで国債をガンガン増発してきたのはだれなんだろう」
と、暗い気分になってきて、これは広告としてむしろ逆効果ではないのかと思うのだった。
 日の丸はたいせつにしたほうがいいだろうが、今一番の政治的課題ではないだろう。

 4年前の8月8日も書いたのだけれど、これまで自民党はなにかポリシーがあって集まっているというよりは、与党であることが最大の存在意義であった。
 前回の参院選でも、民放の某人気アナウンサーが、じぶんの意見を通すなら与党-みたいなことをいっていたし、そういう人はいっぱいいたのだ。
 今度の総選挙で自民党は第一党の座から転落した。こうなると、自民党のそもそもの存在意味が怪しくなってくる。
 もっとも、民主党は「政権交代」が旗印なので、どっちもどっちという面もあるのだが。



 選挙戦を通じて小泉改革の評判はずいぶん悪くなった。
 小泉政権と経済的格差の拡大との因果関係については、もうすこし実証的かつ慎重である必要があるだろうと思うが。
 しかし、規制緩和を行い、新しい産業を育成することがなければ、日本経済はじり貧のままである。
 その点では、ハイエクの研究などで新自由主義寄りと思われている池田信夫氏と、一般には「左寄り」と考えられている金子勝氏とが、根っこのところでほぼ意見が一致しているかのように見えるのは興味深い。

 金子氏は言う(2009年8月24日夕刊「北海道新聞」文化面、社会時評)。

再生可能エネルギーの固定価格買取制度など、環境エネルギー革命を進める新しい政府の役割が求められている。だが、総選挙では、逆に高速道路は1000円か無料化かを競い合っている。この国は将来どのような産業で食べていくのかという問いに、どの政党も正面から答えていないのだ。この国は、今も「敗戦」に向かって突き進んでいるのではないだろうか。


 池田信夫氏は7月28日のブログでこう書いている。

いま問われている真の争点は、どうやってこのネズミ講を終わらせ、福祉の原資となる成長を維持するかという問題だ。「官僚中心の政治の転換」などというのは、その手段であって目的ではない。


 まあ、池田氏は金子氏なんかと一緒にしてほしくない-と言い出しそうだが。

 それはともかく、高度成長期のように、みんなが正社員になって、月給も年を追うごとに上がっていけばいいよ。でも、成長戦略なしにそれをやろうとしても、国の借金が増えるだけなのだ。
 原資なしに、分配はできない。それは、確かだ。


 ただ、筆者が知りたいのは、規制緩和という方向性は間違っていないと思うけれど、先年行われた規制緩和で実現したのはタクシーの台数増加みたいなみみっちい話ばかりで、どうして日本のこれからを動かしていくような新産業の創出という方に行かなかったんだろうということだ。
 これは日本の産業政策も経団連のアタマの中もいぜんとして製造業中心であることが背景にあるんだろうか? 日本の第3次産業の生産性が低いのと、なにか共通点があるのだろうか?


 なお、本稿には直接関係ないが、ネットで読める文章としては、リンク先の「ダイヤモンド・オンライン」のものがおもしろかった。 

http://diamond.jp/series/admin_change/10007/


http://headlines.yahoo.co.jp/hl?b=20090831-00000036-mai-pol

最多得票は鳩山代表 20万票超、小泉元首相の記録更新(朝日新聞) - goo ニュース

http://blog.goo.ne.jp/tbinterface/5e48f90ea78dd0c54c608f68ce8e452e/19
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2009年8月29、30日(未完)

2009年08月30日 23時55分27秒 | つれづれ日録
 テレビで総選挙の開票速報を見ながらこれを書いていると、文章がすべて消えてしまった。

 民主党が圧倒的な勢いである。


 29日は、昼間にギャラリーをまわって、夕方に手稲山のテイネハイランドでひらかれたMAGICAL CAMPへ。
 あまりの寒さのため途中で帰宅する。
 別エントリで紹介します。

 ギャラリーは
札幌時計台ギャラリー2階(ニ紀展北海道)→
ギャラリー大通美術館→
スカイホール(北海道女流書道展)→
さいとうギャラリー(森迫暁夫展)→
4プラホール→
アリアンスフランセーズ札幌→
北都館→
ソクラテスのカフェギャラリー
の8カ所。
 三つの展覧会については別項で紹介するが、いずれも会期は終了しており、申し訳ありません。

 11410歩。



 30日。

 寝坊。
 テレビでマラソンとプロ野球を見たり、投票に行ったり、娘がめがねをこしらえるために出かけたのにつきあったり。
 投開票日らしからぬのんきな一日であった。

 3325歩。


 書きさしのエントリが、またも相当たまってきている。
 ご迷惑をおかけしますが、あす以降にお願いします。
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マジカルキャンプに来ています

2009年08月29日 16時29分21秒 | Rising Sun Rock Fes他
少年ナイフ、カッコイイ!

さて、タイムスケジュールがわからない(o・ω・o)?んだけど、STNの近藤君はいつ頃どこに登場するんでしょう?

磯崎さんのワークショップは、午後7時からだそうです。
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2009年8月24-28日

2009年08月29日 00時52分14秒 | つれづれ日録
 
 なんだかくたびれている。朝なかなか起きられない。

 とうとう、琴似のバスケタリー展に行けなかった。
 ご案内をくだすったみなさん、すいませんでした。

 ふつうなら「夏の疲れ」ってことになるんだろう。
 でも、筆者にとってほんとうに忙しいのは九月だ。

 こんなんであす「MAGICAL CAMP」に行けるのかな。




 24日。7015歩。

 アートスペース201、NHKギャラリーに寄る。



 25日。8257歩。

 会社帰り、富士フイルムフォトサロンに寄る。
 ごくふつうの風景写真ばかりなのだが、心を休ませるには、こういうのがいちばんいいのかもと思う。



 26日。4836歩。



 27日。10862歩。

 趣味の郷ギャラリー(草刈喜一郎 最後の個展)→さっしんギャラリー→札幌時計台ギャラリー3階
 会社帰りに、CAI02。

 北海道美術ネットの更新に未明までかかってしまった。



 28日。9074歩。

 クラフトAger(アゲル)→北海道銀行札幌駅前支店ミニギャラリー

 アゲルは、最終日になってしまったのだけれど、上ノ大作さん、艾沢詳子さん、君島信博さんの3人展は、すごく素敵であった。
 上ノさんの陶と、君島さんの盆栽やこけ玉(植物アートといいたいぐらい)が、示し合わせたかのようにぴったりはまっている。
 艾沢さんの版画もとても良かった。この明るい会場が作品にあっているのかもしれない。


 ともあれ、スカイホールとさいとうギャラリーには、がんばって、あした行きたいと思う。
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■独創性への道標-ロダン・高村光太郎・本郷新展 (8月30日まで)

2009年08月28日 23時12分15秒 | 展覧会の紹介-彫刻、立体
 札幌芸術の森美術館は、開館時に多くの彫刻の名作を購入している。
 しかし、同館は常設展示室を持たないため、これらの所蔵品をよく知らない市民もいるだろう。
 今回は、同館所蔵品を中心に、ブールデル、高村光太郎、ロダン、デスピオの彫刻各2点、マイヨール、マリーニ各1点と、ブールデル、マイヨール、マリーニの平面各1点を展示。本郷新の18点(うち平面5点)とあわせて紹介している。
 ロダンやブールデルは、高さ21-60センチで、けっして大きなものではない。道立函館美術館のロビーに行ったことのある人であれば、おおよその見当はつくだろう。それでも、巨匠のブロンズ10点がならぶさまはなかなかのものだ。

 ロダンの「フロックコートを着たバルザック」は、よく知られたバルザック像とはしぐさが異なる。
 それでも、「ゴリオじいさん」「谷間の百合」といった名作を次々と書きまくった文豪の人となりが、重々しいほどにつたわってくると思う。

 本郷新では「三つ編みの少女」という作品が気に入った。
 1936年作のブロンズの首で、まだ確固とした個性が確立されていないころかもしれないが、素朴で心あたたまる作品だと思う。
 その中にも気品がただよう。

 作品リストにはないが、高村光太郎の「蝉を彫る」という詩の直筆原稿が目を引いた。
 本郷が所蔵していたものだろうか。
 ただ、原稿用紙の文字列とキャプションをくらべると、後者にそっくり1行脱落があるのが気になる。
 おなじガラスケースには、リルケ著「ロダンへの手紙」などの書物も陳列してあった。
 本郷新がロダンに傾倒していたことがうかがえる展示だった。


2009年7月4日(土)-8月30日(日)10:00-17:00、月曜休み(祝日は開館し翌火曜休み)
本郷新記念札幌彫刻美術館(中央区宮の森4の12)

一般300円(250円)、高大生200円(100円)、中学生以下無料(かっこ内は、札幌芸術の森美術館の半券持参の場合)



・地下鉄東西線「西28丁目」からジェイアール北海道バス「山の手環状線(神宮前先回り)」に乗り「札幌彫刻美術館入り口」で降車、徒歩7分
・地下鉄東西線「円山公園」から徒歩25分
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■森山大道写真展-北海道<序章> (8月30日まで)

2009年08月28日 00時09分25秒 | 展覧会の紹介-写真

 森山大道がどういう写真家であるか、いまさら説明の必要はないであろう。
 この写真展は、彼が1978年に、札幌・菊水に3カ月間住み、道内各地でシャッターを押したネガを、およそ30年ぶりにプリントしたものを、道内5会場で順次発表していくというもの。
 5会場それぞれ、公開される作品は異なるという。
 先日出版された2万円の大作写真集「北海道」に収録されている作品もあれば、初めて世に出るものもある。

 展示点数は、夕張市美術館とほぼ同じ119点。
 うち、筆者が気づいた範囲で39点が、写真集「北海道」と重複していた。

 重複していたのは、会場のいちばん最初にあった、狸小路4丁目の写真(宮文刃物店が懐かしい。いまは2丁目に移転)や、なつかしい「梅澤時計店」の看板が見える西4丁目電停の写真、小樽都通り商店街の「ビリヤード・アラカワ」などである。

 また、同一のネガではなくても、「北海道」や、夕張市美術館とほぼおなじタイミングで撮ったとおぼしきプリントも何点か見受けられた。
 夕張・本町商店街で撮られた写真もそうだし、すすきの交叉点にレンズを向けた1枚もそうだ。

 初見の作品では、ライラックが咲いた大通公園で、ベンチにすわった若い女性や、花をめでる老夫婦がうつった1枚などは、いかにも札幌らしい。
 大通東1丁目の歩道橋(先ごろ取り壊された)から撮った写真もある。
 一方で、小樽の梁川商店街、函館朝市や駅近くの風景、夕張の駅前などを撮ったものもある。
 キャプションがないので、撮影地がわからない写真は多いのだが、それでも推測できる場合がけっこうあるのだ。

 ただ、「北海道」にものっていたが、新潟交通バスとか、青森県と推察される「jaws」のポスターが貼られた映画館など、どうも北海道内で撮影されたものではなさそうな写真も混じっている。


 以下、気取ったことを書くことを許していただきたい。

 1970年代、森山大道は「写真よ、さようなら」などで、写真の可能性の限界ともいえそうな試みを繰り返していた。
 その果てに彼が発見したのは「写真における作家性の虚構」とでもいうべきものではないか。
 写真は、誰でも写せる。独自性で勝負しても限界はある。そこで、全面に浮上してくるのが「記録性」である。森山大道は、作家性をあえて刻印することを放棄して、ただシャッターを押す「目」と「手」であろうとしたのではないか。

 「目」ということばで思い出すのは、セザンヌがモネを評したことばである。
「彼は目に過ぎない」
 しかし、セザンヌはこう付け加えるのを忘れなかった。
「だが偉大な目だ」
 モネに限らず、印象派の画家たちは、見た目のリアルさを追求するあまり、旧来のアカデミスムから遠く離れた地点で画面を作った。彼らの絵には、いうなれば「思想」はない。逆説的に言えば、思想がないことが新しい絵画を生んだのだ。

 森山大道の場合も事情は似ていないだろうか。「遠野物語」や「北海道」以降の彼には、「思想」はない。狩人のように、目の前にある風景を、切り取っているだけだ。しかし、彼がスナップした映像は、いかに匿名的で、記録に徹したものであろうとも、それでもなおかつ、明瞭(めいりょう)な作家性を帯びているのだ。
 


2009年6月26日(金)-8月30日(日)11:00-19:00、月曜休み(祝日の場合は翌火曜休み)
札幌宮の森美術館(中央区宮の森2の11)
一般500円、高大生400円、中学生以下無料

http://www.moriyamadaido.com/

artscapeの学芸員レポート

森山大道展、道内5カ所で
アーティストトーク(2009年6月)
森山大道氏が道教大特任教授となったことについて(2006年)




・地下鉄東西線西28丁目からジェイアール北海道バス「山の手線[循環西20]」で、「宮の森1条10丁目」降車、徒歩4分
・地下鉄東西線円山公園からジェイアール北海道バス荒井山線[円14]、動物園線[円15] で、「宮の森1条10丁目」降車、徒歩5分

・札幌彫刻美術館から徒歩10分


7月11日(土)-8月23日(日)=夕張市美術館
●7月29日(水)-9月28日(月)=アルテピアッツァ美唄
●9月12日(土)-28日(月)=札幌パルコ
●2010年2月19日(金)-3月29日(月)=東川町文化ギャラリー
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ハコトリ(6) 弥生町・蔵で野又圭司、田村崇、塩田千春、田口行弘の作品を見る (8月30日まで)

2009年08月28日 00時05分00秒 | 展覧会の紹介-現代美術
駅前大門地区の続き

 「元町・西部地区」と総称される、函館山のふもと一帯。
 函館ではもっとも早くから開けた地区である。

 このうち、市電の停留所でいうと、「十字街」「末広町」のあたりは観光客でにぎわうが、その先の「大町」「函館どっく前」(終点です)のあたりは、名所といっても外人墓地ぐらいしかなく、ほんとうにひっそりとしている。
 時の流れが止まってしまったかのようだ。 

 この地区で、地図には「A」という記号で載っている会場「弥生町・蔵(三日月工房)」は、そんな古い住宅地の一角に、ほとんど倒れそうな風情で建っていた。
 ここでは、野又圭司・田村崇・塩田千春・田口行弘の4氏の作品が見られる。
 道内関係者は野又さんだけだが、道外勢となんら遜色なくならんでいるのが道産子としてはうれしい。
 というか、道内関係者だからとか、中央の作家だからとか、そういうものを取っ払ったフラットな展示というのが、もっとあっていいんじゃないかと痛切に思う。


 野又さんは「思考実験[20XX 日本再鎖国]」「遺跡」の2点。
 後者は、北海道立体表現展などで発表したインスタレーションで、塀で囲われた中に大きなビルが立ち並び、その外側にはみすぼらしい家が点在しているという、貧富の格差をストレートに撃ったかのような作品だ。ちなみに、それぞれの家は銅でできている。
 あらためて見ると、もちろん高層ビルのほうがりっぱなわけだが、どっちの住民がはたして幸せなんだろうかと考えてしまった。ビルはいいけれど、塀の内側じゃないか。あるいは貧乏でも自由があるのかもしれない、などなど。

 前者はわりとちいさな作品で、透明な半球の中に、風景が模してある。円形にレールが一周しており、太陽電池で列車が動く仕組みと思われるが、列車は動いていなかった。
 そして、日本がもう一度鎖国したらどうなるか考えてみてください-という意味のことが書いてあり、見に来た人が思考の結果を記せるようにノートが置いてあった。

 筆者が書いたのは
「今が鎖国中なのだ、精神の。これから開国だ!」

 若い人のネトウヨ的な排外主義やナショナリスティックなうごきには断固反対だし、「KY」なんていうことばに象徴されるように集団主義的な風潮はぜんぜん弱まってないし…
 という思いであります。

 古いはしごをのぼった部屋で見たのが塩田千春さんの映像。
 予告記事でもふれたけど、第1回の横浜トリエンナーレで最も印象的な大作インスタレーションを発表していた若手作家であり、すでに国立の美術館で個展がひらかれているという、すごい人なのだ。
 映像は、モノクロで、音声は鈴というか鐘のような音だけ。
 急角度に傾いた寝台。女性が寝ている映像と、白い寝具だけが載っているときの映像。そして女性の手や顔のアップが、断片的に繰り返されるというものだった。
 寝台の周囲には白い煙がたちこめ、なんだか古い家のなかのようでもあり、古い家の中で古い家の映像を見ているようでもあった。

 田村崇さんの彫刻は和室に置かれてあった。
 非常にリアルなネズミで、女性が悲鳴をあげそうだ。
 そのネズミが、米がびっしりと敷き詰められた長持ちや、和だんすのひきだしのなかに横たわっているのだ。
 大好物の中で死んでいるみたいで、なかなか皮肉なものを感じた。

 田口行弘さんは映像「moment-peformative installation」(2分25秒)「moment-peformative spezieren」(4分30秒)の2点だが、これが傑作で、何度もわらってしまった。個人的には、ハコトリグランプリを贈呈したいぐらいである。

 古い建物の床板を取り外し、部屋の中で立てかけたり、積み上げたり、組み立てたり、さまざまな形態にしたのを、コマ取りアニメーションに似た技法で、映像で展開している。
 2本目では、その床板が窓から街路へと飛び出し、街角や公園、さらには地下道で、三角錐になったり、動物のように先へと進んだり、とにかくユーモラスなのだ。
 やっていること自体は川俣正とか菅木志雄と似ているのだが、映像にしたことでとてもおもしろく見られるし、随所に、組み立てた床板でテニスをしたりパーティーを開いたりしている映像が挿入され、深刻さをすり抜けている。
 あらためて考えると、重たい床板を動かすのは、たいへんな労力が必要であろうが、映像はその重さを感じさせず、床板は生き物のように自由に動いている。そこがおもしろい。

 「リノベーション」というテーマで、この映像と会場は共鳴し合っているのだ

 この会場は、高水準の作品が集まっており、ハコトリに来た人は、大門の「旧カメラのニセコ」とあわせてぜひ訪れてほしい会場である。


この項続く


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■ハコトリ(5) 函館・駅前大門地区その3 (8月30日まで)

2009年08月27日 23時49分24秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前

 市電が走る通りをさらに南下する。

 地図の「F」、丸山靴店のショーウインドーには、岡本空さん「光に向けて」、向川未桜「廻」の彫刻2点。
 「廻」は、全道展で受賞した作品だと思う。

 冒頭の画像は、三上参看堂薬局(地図L)のショーウインドーにあった、鶴見弥生さんのユニークな陶芸。
 「手かざし壺」「頬つく灯」「座る灯」と題され、計16体と、首だけの作品12点が、薬の箱の間に展示されている。
 頭部に電球五つを突き刺したものなど、キモカワイイというか、不思議な存在感のある立体。人形ともちょっと違う。
 鶴見さんは2006年に弘前大を卒業している。


           

 地図では「M」の場所にある「弁慶力餅」の店内には、タキハナヤスカズさん、ヨーク・クリストさん、上野泉さんら7人によるボックスアートが展示されていた。
 なるほど、「函館」だから「ハコ型」なのかも。

 「N」の赤帽子屋は、札幌の都心では見かけなくなった古典的な帽子のお店。
 店先に、新道展などでおなじみの、佐藤愛子さんの「マリオネット」が飾ってあった。

 ちょっと離れた「O」は、画材・額縁コヤマ。
 志村弦さんの木彫「gentleman」。それほど大きくはないが、愛嬌のある人物。ただかわいいだけではなく、存在感がある。


 ただ、残念だったのは、休みの店があったこと。
 個人経営だから休業日があるのはしかたないとはいえ、函館ほどの大きな都市の繁華街で、日曜に休む店があるとはおどろきだった。
 それと、ハコトリのパンフレットの「エビス軒」のところには、「未完成」記録写真-とあるだけで、「未完成作品なら見なくても同じだな」と思って、足を運ばなかったのだが、これはかつて大門地区にあったキャバレー「未完成」を撮った写真ということなのだろうか-と、あとで気がついた。
 しかし、「未完成」と書くだけで、函館以外の人に分かってもらえる-と思うのは、ちょっと甘いんでないかい?


西部元町地区に続く

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ハコトリ(4) 駅前大門地区の続き (8月30日まで)

2009年08月27日 23時39分57秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
承前)

 駅前の交叉点から松風町交叉点までおよそ400メートル。
 両サイドの歩道にはアーケードが取り付けられている。
 この間に、「A」から「N」まで14の会場があり、一気に見て回れる。ほかにもうひとつ会場(地図では「O」)があり、松風町交叉点から五稜郭寄りおよそ50メートルの地点にある画材店である。

 冒頭画像は、リーガルシューズの店頭に飾られた隅田信城さんの絵画3点のうち2点。
 ショーウインドーにアートを展示する場合、ぼんやりした作品、こまごまとした作品、マチエールに凝った作品などよりも、隅田さんのような明快な画風の絵がふさわしいという気がした。
 左は「ブルーにこんがらかって」。右は「星をつかめ!」。ほかに「お友達を探そう」。
 「ブルーに…」は、青や黄色のタコ、潜水服を着た人魚などが浜辺に登場する楽しい作品。コミックのようにまるっこくデフォルメされた明快なフォルム、明るい色彩など、ポップでたのしい作品。
 「お友達を探そう」は、なんだか「ねるとん紅鯨団」みたいなゆかいな絵だった。

 大門地区の展示はショーウインドーばかりではなく、「カメラのニセコ」跡の空き店舗は、ひろいギャラリーとして使用されていた。
 ここに展示されているのは、山口武史、古屋ひとみ、瀬戸英樹、田中真吾、鈴木志帆の5氏。本州、地元勢がシャッフルされている。
 このうち、地元・函館のベテラン画家瀬戸さんは、新制作の会員をやめて久しいし、函館・丸井今井での個展も打ち切りになってしまっており、作品を拝見するのは久しぶりだ。
 今回は「北の方舟」(同題2点)、「北の砦」「風の村」と、120号超の大作ばかり4点を出品。
 あいかわらず、おそろしいほどの丹念さで、細い筆で明度・彩度の高い色を置いている。
 「北の方舟」は、題から想像されるようなロマンチックな絵ではなく、浜辺に、建造中の大きな木の船が、足場に取り囲まれて置かれている、むしろ即物的な画題。方舟(はこぶね)は黄緑で、足場はオレンジや紫で、はしごが青で、それぞれ彩られており、かなり派手だ。
 さらに、空は濃緑、海面はミントグリーン、砂浜は黄色と緑の点描といったぐあい。斬新な色彩感覚である。

 鈴木志帆さんは、道教大函館校で教壇に立った故小川誠氏の門下生。
 やわらかみのある人物彫刻を制作する。今作は「瞑」。

 田中真吾さん(京都府)は「ゆらぎの界面性(函館)」を出品。
 これは8月6日、函館を訪れた際、公開パフォーマンスを行って制作した作品。廃材を燃やして、炭化した木でえいやっと絵を描いている。その真下には、炭化した木がころがっている。いわば、炎を平面に定着させたような作品だ。

 山口武史さん(大阪府)は「不在」(同題2点)。
 抽象画の大作。1センチほどの間隔でひかれた正方形の格子模様に、これまた細かい水色やオレンジの線が絡む作品で、中心はなく、おなじような密度でどこまでも広がっている。

 古屋ひとみさんも大阪府。「悲しみの予感」「声のように」
 淡い色の地に、神経質な黒い線のドローイングが重なっている。若い世代らしい平面作品だと思った。

 この会場は、10-18時。


この項続く



ハコトリの紹介エントリ
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■草刈喜一郎 最後の個展 (8月30日まで)

2009年08月27日 23時05分52秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 
 草刈喜一郎さんは江別在住の示現会会員。
 以前は炭鉱マンで、炭鉱跡に取材した作品を多く描いてきました。

 このほど家族のいる帯広に転居するため、アトリエにたくさんある作品を処分するため、「最後の個展」と銘打って絵画展を開くことになりました。

 2001年のギャラリー大通美術館での個展では出品作の大半が炭鉱を描いた作品でしたが、今回は、近年何度も行っている欧洲、道内の風景や、静物画などの小品が多く、リラックスした雰囲気の会場になっているようです。

 冒頭の画像では、右下の「夕暮れ(函館にて)」が、なにやらいい感じです(2009年、F3)。
 薄紫に染まった夕空に電信柱が林立するさまは、どこかしらなつかしいです。画面の下方には、古い木造家屋。その間に、電球がぽっと明滅しています。




 「絵を描くときにいちばん気をつけていることはなんですか」
と尋ねたら
「遠近。そして、明暗、光と影ですね」
とのお答えでした。
 光の調子をとらえるまなざし、微妙な色合いは、草刈さんの絵の、なによりの美質だと思います。
 上の画像でも、右端、欧洲を描いた絵は伸びやかに明るく、炭鉱跡の絵はどこかくすんだ調子です。

 草刈さんの絵は、いかにもプロ的で、さっさっと才能でもって描いているというものではないと思います。
 じっくりと対象を見つめ、わずかな光の加減も見逃すまいと、丹念に色を配置しているのです。ぱっと風景を一瞥して「ああ、こことここはだいたい同じ色だな」と安直に筆を走らせないところが、好感が持てるのです。


             

 今回の個展は、自作のいす、イーゼル、お面なども展示しています。
 草刈さんは、非常に器用な方で、重厚な額縁を段ボールで自作もします。
 いすは、「瞑想の世界」と題して1983年に自作したもので、座り心地は抜群です。

 秋に道新ぎゃらりーでひらかれる示現会支部展には出品するそうですが、
「転居先に、大きな絵を制作できるスペースがあるかどうか」
とのことで、今後は未定の由。とはいえ、いつまでも健筆を振るわれんことを望みたいと思います。


2009年8月22日(土)-30日(日)10:00-19:00
北海道画廊 趣味の郷ギャラリー(中央区南3西2、KT3条ビル=旧HBC三条ビル=2階 地図B)




第9回示現会北海道作家展(2008年=画像なし)
第8回示現会北海道作家展(2007年)
草刈喜一郎個展(2006年)■示現会北海道作家展(2006年)
第31回GROUP火曜会展・第9回創遊会展
第4回示現会北海道展(2003年)
第3回北海道示現会小品展(2002年12月20日の項)
『スイス』スケッチ紀行展(2002年)
草刈喜一郎 炭鉱の記憶展(2001年)
=2007年をのぞいて画像なし
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「魚々子」が8月2日に閉店していた

2009年08月26日 18時58分12秒 | 情報・おしらせ
 北区北17西6の金属工芸のお店「魚々子(ななこ)」が8月2日限りで閉店していたそうです。

 北大構内横の斜めどおりにある「魚々子」は、2004年12月にオープンしました。
 道教大で教壇に立っている金属工芸作家佐々木けいしさんが代表を務め、おもに道内若手の金工作家の作品を販売・紹介するいっぽう、ワークショップなども行っていました。

 もっとも、アートを買うという習慣にとぼしい道内・札幌では、いろいろ苦労があったのではないかと推察されます。
 5年間、おつかれさまでした。

 なお、お店の前にあった、川上りえさん作の銀色の、ロボットのような作品ですが、豊平区内の某所で無事にたっています。 


http://www.nanako.city-sapporo.jp/

夏の魚々子展(2006年)
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ハコトリ(3) 大門地区

2009年08月25日 21時29分56秒 | 展覧会の紹介-複数ジャンル
(承前)

 さて、朝市を出て、「駅前大門地区」に移る。

 日本中たいていの都市ではJRの駅前はそのマチの顔としてもっともにぎやかな地区を形成してきた。もちろん福岡や八戸など例外は多いのだが、少なくても道内は、町のあるところに鉄道が敷かれたのではなく、その逆である例が多いので、駅前イコール繁華街であったのだ。
 そして、自家用車の普及とともに、地盤沈下に悩まされているのも、道内外問わず見られる現象である。

 函館駅前から松風町にいたる電車通りは、三つの百貨店、多くの小売店が軒を連ねた。札幌でいえばススキノにあたる歓楽街でもあり、北洋漁業が盛んだった昭和30-40年代は、陸にのぼった漁師たちが札束とともに豪遊したという。
 また国鉄函館駅は青函連絡船の発着場でもあった。

 したがって、二百海里漁業規制が始まり、青函連絡船が廃止されたことで、この地区の没落は決定的となったと思われる。
(ここらへん、地元の現代史に詳しい方、コメントお願い!)
 いまも、棒二森屋百貨店が駅前に構え、なんとか繁華街の地位は保っているものの、少し南に下れば、空き地がめだつ。

 冒頭の画像は、かつて栄華をきわめた駅前・大門地区の様子を撮った写真を、店の壁に貼っているもの。
 一時的なものか、恒久的なものかはわからないが、黄金時代をなつかしむ函館人の心持ちがつたわってくるようだ。

 ハコトリの開催には、この地区に元気を取り戻してほしい-という思いもこめられているのではないだろうか。

 前置きが長くなったが、この地区は15カ所に展示されている。
 ただし、大半はお店のショーウインドウである。

 ショーウインドウにアートを飾ること自体は、それほど珍しくないが、気楽に見られるのは良いことだと思う。




 ジュエリー&ウォッチ ワタナベ本店のショーウィンドウに展示されていたタキハナヤスカズさんの作品。
 廃品の電子回路に、たぶんスプレーで色を着けた立体作品と、それを貼り付けたコラージュの半立体が展示してあった。

 ガラスが反射するので写真を撮るのはかなりむつかしい。


この項続く)
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ハコトリ(2) 函館朝市・続き

2009年08月25日 21時00分48秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
承前)

 朝市の、別棟の建物の一隅に、林蘭さんの絵が展示されていた。

               

 タイトルをメモしてくるのをわすれたが、この小品はなぜか印象に残った。

 ニュースなどで見聞きする、外国の悲しいニュース。
 それを、単に知識として消化しているのではなく、じぶんのものとして感じ取り、心から平和を祈っているからではないかと思う。

 林さんの絵は、大門地区グリーンベルト前の「コスメ・ド・イアス」ショーウインドウにも「カタルシス」という小品が展示されている。


           

 ところで、朝市の建物の中央に活イカ釣堀があるのだが、その天井部に函館の観光地図が掲げられている。
 ガス会社回りの市電の路線がまだある。さいかデパートも、ほりたデパート(のちにダイエーとなり、グルメシティと改称し、ことし閉店)も載っている。

 それにしても、函館中央警察署や自衛隊が観光名所なのかという疑問は残らないでもない。


(この項続く)
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