北海道美術ネット別館

アート、写真、書など展覧会の情報や紹介、批評、日記etc。毎日更新しています

■ACRYL AWARD2008入選作品展 (3月22日まで)

2009年03月21日 13時00分31秒 | 展覧会の紹介-絵画、版画、イラスト
 毎年スカイホール全室を使って行われている展覧会だけど、ことしは例年と意味合いがちょっと違う。
 大賞が、道教育大3年の森本めぐみさんの作品(「On the Field」)だからである。
 もっとも、例年入選している北海道芸術デザイン専門学校の学生の作品は今年は見られず、道内勢は森本さんひとりだけなのだが(同校は学校賞を受賞)。
 いずれにしても、北海道から大賞というのは、すごいことだとあらためて思う。

 会場を見渡してみると、選考結果をたとえ知らなくても、森本さんの絵がいちばん光って見えるのは間違いない。
 筆者は初めて見たとき「サイケデリック」と評したけれど、今あらためて見ると、単にきらびやかというよりは、彼岸の世界が現出したような幸福が満ちているように感じられるのだ。
 大賞に次ぐ受賞作の多くが、トリッキーな仕掛けをほどこしているだけに、森本さんの、絵の持っている力だけで勝負した姿勢には、感服してしまう。

 これで終わってもいいぐらいなんだけど、気になった作品について。

 そのトリッキーな、でもそれだけじゃなくて、絵としても力のある作品が、伊藤るみえ(東京藝大)「ちゃぶ台」。
 これ、ほんとにちゃぶ台の天の面に、朝食4人分が描かれているのだ。
 3人が、サケの切り身、ご飯、味噌汁、漬物に箸という和食なのに、ひとりだけクロワッサンやブロッコリーのサラダをフォークで食べようとしているというのもおもしろい。

 高松明日香(尾道大)「アイテムズ、鳥々」「アイテムズ、花々」
 これもトリッキーで、でもシンプルに美しい作品。いずれも2枚1組で、前者は、カモメらしき鳥の群れだけを描いた作品と、その群れを白く抜いた都市の海辺を描いた作品との組み合わせになっている。風景画の主題である「図」と、背景の「地」との関係について、あらためて考えさせられる。

 吉原孝(成安造形大)「タブロー」
 一般入選。「CaPITaLisM」という文字を、企業やブランドのロゴで描いた、シンプルかつ絶妙の作品。
 たとえば、aはエイベックストラックス、Iは伊勢丹、iはiモード、Lはレクサス。資本主義とはなにかが問われている現代にふさわしい作品とみた。


2009年3月17日(火)-22日(日)10:00-19:00(最終日-17:00)
スカイホール(中央区南1西3、大丸藤井セントラル7階 地図B)

http://www.turner.co.jp/award/acryl/index.html

□森本めぐみさんのサイト http://megumimorimoto.her.jp/index.html
□もり本blog http://blog.megumimorimoto.her.jp/

Megumi Morimoto Exhibition (2009年2月)
森本めぐみさんがアクリルアワード大賞
森本めぐみ作品展「むこうのほう」(2008年9月)受賞作の画像あり

日常にARTを H.I.P-A 紀伊國屋プロジェクト (2008年7月)
post ship exhibition 01(2007年)


最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。