ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

黄色いカリフラワー

2012年06月11日 | 感じたこと
 皆さんも食べられたことがあると思うのですが、先週私の営む有機八百屋の仕入れ野菜の中に、ちょっと珍しい「黄色のカリフラワー」があったので、少しだけ仕入れて売ったのでしたが、お客さんとのやり取りの中で「ほんまや、黄色やわ」と夜八時前後に購入された若い主婦の方が、カリフラワーは白と思っていたと仰ったのでした。

 その場で話は何故か、カリフラワーとブロッコリーはよく似ているけれどどう違うのかという話題となってしまい、八百屋を続けている手前、ちゃんと調べときますと答えてしまったので、私自身も知らなかったブロッコリーとカリフラワーについて記すこととなった。

 八百屋を始めてしばらく経った時期に、いつもの緑色のブロッコリーを持っていたら、あるお客さんが私の娘は白いカリフラワーは食べれるのですが、ブロッコリーは食べれないのですと仰ったのですが、私には食べず嫌いだとしか思いませんでした。

 また、数年前にブロッコリーを販売していた時のことですが、ご年配のおばぁちゃんがブロッコリーを指差しながら、「兄ちゃん、そこのブッコロシーちょうだいな」と突然言われて、あれまぁ、ぶっ殺しとはあまりにも似ているけれど似つかわしくない名前だと笑ってしまったことから、それ以来しばらくの間は、わざとブッコロシーと称して話題にしていたこともありました。

 今回の黄色いカリフラワーでずが、暗い夜の販売時間の折には、わざわざ「黄色いですよ」と言わなければ、カリフラワーは「白い」と当然思っている方が多いし、暗くて色が分からないので、サラダやちょっとした和え物に使われると黄色が冴えて綺麗な一品となりますよと、購買を誘ったりしたのであった。

 そもそも、ブロッコリーとカリフラワーは、どちらもアブラナ科アブラナ属に分類される野菜であり、いずれも東地中海沿岸地方が原産地だそうなのだが、紀元前600年頃にギリシャ人がケールを栽培していて、次いでローマ人がキャベツとコールラビと称する野菜を栽培していたのだが、その流れでの品種改良から15世紀末頃から現在のブロッコリーやカリフラワーが栽培されだし、17世紀に地中海東部からイタリア、ドイツ、フランス、イギリスへと伝わり、19世紀になって栽培種が大幅に増えて、20世紀にアメリカに伝わり急速に発達した植物だそうである。

 日本へは明治の初めにブロッコリーもカリフラワーも渡来し、国の産業奨励政策の一環として各地で試作されたが、一般にはあまり普及しなかったそうだが、カリフラワーは1960年代に、食生活が欧米化しサラダをら日本人が食する様になって、ホワイトアスパラガスやセロリと共に、「洋菜の三白」と言われて大衆化が進んだと言われている。

 その後1970年代になって、ブロッコリーも食卓に上るようになり、1980年代に栄養価が評価される様になって、消費量がす一気に伸びたのだが、緑黄色野菜のブームによって、カリフラワーはブロッコリーに生産も消費も抜かされて、現在はブロッコリーの出荷量がカリフラワーの出荷量の6倍強の約12万トン以上になっているらしい。

 ブロッコリーは、花芽すなわち緑の傘の部分と花柄すなわち薄緑の茎の部分の「花蕾」を食するのだが、花芽の発育段階が異なることから、違った野菜となっているのである。

 つまり、カリフラワーは花芽の発育過程の極初期で発育が止まって、花芽の元の状態の数が増えてその集合体が花蕾となっているのだが、ブロッコリーの方は花芽原基の状態で発育が停止せずに成長し、開花する直前に蕾の集合体を花蕾として収穫しているという、ちょっとした違いだけなのだそうである。

 どちらもキャベツと同じアブラナ科の野菜なのだが、野生キャベツの花蕾が肥大化したものがブロッコリーで、ブロッコリーが突然変異した後、品種改良されたのがカリフラワーとのことで、色の違いが顕著な様に、ブロッコリーには葉緑素(クロロフィル)
やカロチンという色素成分が多く、カリフラワーはこれらの成分をほとんど含んでいないのが特徴なのですが、どちらもビタミンCが豊富ですが、茹でるとブロッコリーのビタミンCの損失が多いので、カリフラワーとほぼ同じ含有量となるらしいので、調理法や彩りとしてどちらを使用するか楽しんで下さい。

 
コメント
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