ガリバー通信

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このおじさんでは。

2008年12月02日 | 日本の課題
 昨日のテレビニュースで、麻生太郎首相が渋谷のロフトを視察して、従業員たちと歓談?し、おばさん社員に「旦那の稼ぎはいくら?」と質問していて、奥さんが返答に困っている場面が流れていた。

 この西武系列の雑貨、小間物を扱う「ロフト」では、非正規雇用労働者を極力なくして、全員正規雇用化していると言うのだが、現在日本の労働者の正規雇用、すなわち「正規社員」として働いている人の割合は、全労働者の6割もいなくて、非正規雇用労働者が三人に一人を超える34パーセントに達している。

 実は、私も非正規雇用労働者の一人で、いわゆる「おっさんフリーター」的仕事をしている現状の中で、先日大阪で開かれた小さな講演会で、改めて非正規雇用労働者の実態を知った。

 一人は、大阪の中小の警備、清掃、メンテナンス会社の労働者であったが、ほとんどが60才過ぎの中高年労働者で、年金受給者もいるが65才までは働かざるを得ない人が大半だと言う。

 そんな経済生活の事情の中で、最低賃金ぎりぎりの時給で働きつつも、昨今の不況下で残業手当のカットや交通費支給の制限などの一方的な会社の給与、手当て面での通達があり、みんな苦しい生活事情から、文句を言って解雇されては困ると思い声を上げないでいたという。

 そんな中で、ささやかな組合結成に向けて頑張った御仁がいて、何とか会社側からの説明を受けたというが、全然折り合いがつく話ではなく、不当労働行為としての訴訟や斡旋を検討しているというのである。

 つまり、非正規労働者は、常に「解雇」という、生命線を抱えており、多くの労働者が個人的には不満や要求を持ちつつも、我慢の労働と給与、待遇面での不信感を持ちつつ働いている場合が多いのである。

 「非正規雇用」は、期間を定めた短期契約で職員を雇う会社側にとっては都合のいい雇用形態なのであり、特に業績に季節間格差があったり、サービス業の様に、時間的仕事の集中差がある場合は、必要な時間だけ雇用すると言うもので、パートタイム、アルバイト、臨時職員、派遣と呼び名は違っても、企業、雇用者に都合のいい雇用である。

 2008年上半期の平均データで、過去最高の34%を記録した「非正規雇用者」だが、10代後半の非正規雇用率はなんと約7割に達しているという現実は驚くばかりである。

 麻生総理が渋谷ロフトを視察して、ニタニタ笑いながら、ここの職場は「正規雇用」が多いと納得していた様だが、日本経済の先行き不安から、ますます非正規雇用労働者と正規雇用労働者との賃金格差や待遇格差は増す傾向にあるし、この不況風の師走に「仕事を失う」労働者も急増することだろう。

 「ノー天気の宰相」としか言えない「麻生太郎」では、日本経済の立ち直りや先行き不安の解消は望めぬばかりか、「まずは景気回復」「麻生がやり抜く」などのキャッチフレーズがばかばかしいばかりの期待感ゼロの現状である。

 内閣支持率も、就任二ヶ月で30%台を割り込み、「このおじさん」ではダメだとの結論が出ている。
コメント
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