ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

星の王子様。

2008年01月21日 | 感じたこと
 皆さん、「星の王子様」はご存知だと思います。

 フランスの飛行士であり、作家アントワーヌ、ド、サンテグジュベリが1943年にアメリカで出版した、世界的に有名な児童文学的な絵本です。

 世界中で約5000万部以上、日本でも600万部以上が売れたという、超ベストセラー本ですが、今までに日本では三回のブームがあったそうで、1980年代に研究者たちによる「星の王子様」論が盛んになり、2000年にはサンテグジュペリ生誕100周年でブームが起こり、一昨年には日本での翻訳出版権が切れたので、岩波書店の唯一の「星の王子様」以外の翻訳本がたくさん出たのです。

 あの独特の作者自身が描いたと言われる「星の王子様」の姿形とウワバミが飲み込んだ象が見えない、独特の造形などと共に、子供の心を失ってしまった「大人たち」に向けてのメッセージがいっぱい詰まった児童文学的作品であると思います。

 最初に作者は、「大切なものは目に見えない」と語り、大人は誰もが子供だったのに、子供の心を持ち続けている大人は少ないと嘆いているようです。

 作者自身が飛行士として1935年にリビア砂漠で墜落事故を起こした経験に基づいて、物語の最初は、砂漠に墜落した「ぼく」が主人公として始まります。

 周囲一千マイルには人一人いない砂漠のど真ん中に、一週間分の水しか残っていない「ぼく」が、一人の小惑星から来た「少年」と出会います。

 その「少年」をフランス文学者の内藤濯さんが、「王子」と訳したところから、原題の「小さな大公」が、日本語訳では「星の王子様」として親しまれる様になったようです。

 この少年の住む小さな小惑星には、三つの小さな火山とバオバブの芽とどこかの星から飛んできた種が咲いた「バラ」がありましたが、その「バラ」と喧嘩した少年が旅に出て、七つ目の星「地球」にやってきた話です。

 地球にやって来る前に訪ねた六つの星では、

 ①自分の対面を保つことに汲々とする王

 ②賞賛の言葉しか耳に入らない自惚れ屋

 ③酒を飲む事を恥じ、それを忘れるために酒を飲む飲兵衛

 ④夜空の星の所有権を主張し、その数の勘定に日々を費やす実業家

 ⑤一分に一回自転するため、一分ごとにガス灯の点火、消火を行っている点灯夫

 ⑥自分の机を離れたこともないという地理学者

 たちに出会って、最後の星の地理学者の奨めで「地球」にやってきたのです。

 地球では、へびやキツネに出会い、愛と仲良くなることなどを学んで帰って行くというお話しでした。

 この六つの星の、それぞれの「勝手きままな人たち」が、今の地球上に、たくさんいるのではないでしょうか。

 ジュベリも、たぶん第二次世界大戦下のナチスドイツ、イタリア、大日本帝国などをイメージしながら、「ぽく」が「星の小さな王子」から学んだことを、今じっくりと再び考えたいものですね。
コメント (1)
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