ガリバー通信

「自然・いのち・元気」をモットーに「ガリバー」が綴る、出逢い・自然・子ども・音楽・旅・料理・野球・政治・京田辺など。

老いた母と初詣

2008年01月13日 | ファミリーイベント
今日は、昨秋から老人ホームに入居している、年老いた母を尋ねて今年二回目の訪問をした。

 昼食を済ませた母を散歩がてらに誘って、車で走り出したのだが、行く宛が定まってはいなかったので、私自身の昼食もかねて、お茶と軽食がいただけるような小奇麗な喫茶店でもと探していたが、もう初詣の参拝客も少ないだろうと、近くの住吉大社へと向かった。

 何とか待たずして駐車場にも車を停めることができて、母の手を握って懐かしい住吉大社の境内へと足を進めた。

 なんとも美味しい匂いが漂っていて、たこ焼き、いか焼き、焼きそば、ミニカステラ、お好み焼きと所狭しと屋台が店を並べていて、お腹の空いた自分には、参拝よりも何か食べたいという気持ちにかられたが、まずは参拝と本殿に足を向けた。

 やはり境内に入ると人が多く、奥の本殿の正面には人だかりが出来ていて、さすが大阪一有名な住吉大社は、参拝客の多さが違うと思ったのだが、本殿ではちょうど、白無垢、文金高島田の花嫁と紋付はかまの新郎の結婚式が執り行われていたのである。

 二百人近くの見物人の様な人だかりの中で、何やらちょっと違った雰囲気だと感じつつも、式が進行する本殿の最前列にある「賽銭箱」に硬貨を投げ入れながら、新郎、新婦を見守った。

 ところが、司会の宮司の弁を聞いていると、今回の結婚式は「模擬結婚式」だそうで、そう言えば両家の参列者席の人たちの服装が普段着だったことと、三々九度の杯を交わす場面でも酒は注がれておらず、「住吉大社での結婚式」の宣伝のためのデモンストレーションであった。

 イケメンの新郎と美人の新婦、いずれもモデルさんの様な顔立ちで、とっても様になっていて、宮司さんたちがマイクで紹介しながらの式の進行であった。

 参拝客の多くは最初は本物の結婚式と思って、静粛な中で投げ銭も慎んでいたのだが、結局模擬式典と知って少しざわつき出して、お賽銭を投げる人も何人か出てきた。

 正月早々ではあったが、縁起のいいものを見せていただいた感じで、社務所に立ち寄って、母が私の干支のお守りやひ孫たちの入学と成長を祝うお札を購入し、お宮参りを午前中に済ませたであろう私の姪と昨年暮れに産まれた赤ちゃんにあやかっての初詣となった。

 老いた私の母は、昔はよく行っていたと回想していたが、私はほとんど初詣などに行った記憶はなく、住吉大社といえば太鼓橋と言われるほど有名な赤い欄干の急な角度のタイコ橋を、母の手を引きながら、たぶん半世紀ぶりに渡ったのではないだろうか。

 たぶん半世紀前には、母に私が手を引かれて渡ったはずの「太鼓橋」を、逆に母の手を引いて渡っている自分に少し感動を覚えながら、いい初詣ができたと満足であった。

 実は私はクリスチャンで、神社仏閣には歴史的建造物として見学に行き、ついでに手を合わせることにしているのである。
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