■英国音楽/VINYL JAPAN presents
【CHRIS SPEDDING】
英国が誇る伝説のギターヒーロー【CHRIS SPEDDING】の23年振りの来日ソロ公演 決定 !!!!
60年代後半、英国JAZZ シーンでデビューし、現在に至る迄、全世界のROCKシーンに影響を与え続ける天才ギタリスト!!!
通算2度目となる23年振りの来日ソロ公演は、東京2公演!!!!
今回のTOKYO公演のバックは......
【MALCOLM BRUCE】なんとJACK BRUCEの息子さんがBassistで来日。GINGER BAKERの息子さんと結成した”SONS OF CREAM"は、話題にもなりました。
【CHRIS PAGE】 ANDY FRASER BANDやCHEESEのDrummerとして活躍中。
テレヴィジョンやエレクトリック・プルーンズの招聘元のVINYL JAPAN(以下VJ)のN氏が今年はじめに「最大にリスペクトする革ジャン・ギタリストが来日決定!」とFBに書いていたのを見て、「彼」のことだとピンと来た。VJの招聘するアーティストは70年代ロック好きの心を魅惑するラインアップばかりだが、特に英国ロックの隠れた名手の発掘には頭が下がる。23年ぶりの単独来日になるクリス・スペディングは正にVJにピッタリのアーティストに違いない。
クリスの名前を知ったのは中学生の時にレコード店で入手した小冊子だと記憶する。ビートルズやピンク・フロイドと一緒に、クリス・スペディングの『無言歌』と『バタード・オーナメンツ・ウィズ・クリス・スペディング』のジャケットが掲載されていた。まだロックを聴き始めたばかりで知識欲旺盛だったので、ほんの小さな情報でも貪欲に吸収していた頃、そのジャケットに何を感じたのかは覚えていないが、名前だけはしっかり心に刻まれた。同じ頃1977年にNHK「ヤング・ミュージック・ショー」でブライアン・フェリーの来日コンサートが放映され、黒い革ジャンにリーゼントでフライングVを弾くクールなギタリストに心奪われた。それがクリス・スペディングだった。このステージは多くのギター少年の心を捕らえたようで、当時15歳の布袋寅泰は、クリスを観て「もう髪を伸ばす必要はない」と確信したという。
⇒30年越しの夢 ROXY MUSIC 追記/HOTEI OFFICIAL BLOG
特に印象的だったのはギターを揺らして大きくビブラートさせる奏法。後日ギター雑誌に「誰でも出来る簡単なプレイ」と書かれていたが、同じような弾き方をするギタリストを他に見たことはない。ラジオでは渋谷陽一が何度か「夢のギター・ジャンボリー(Guitar Jamboree)」(75年のソロ・アルバム『天才クリス・スペディング(Chris Spedding)』収録)をかけて、有名ギタリストを研究したプレイが話題になると共に、「物真似ギタリスト」という不名誉なイメージを植え付けたのも確か。筆者は何故か「ギター・ジャンボリー」よりも一緒に流れた「モーターバイクでぶっ飛ばせ(Motor Bikin')」の方がカッコいいと感じた。
1979年に初めてヨーロッパ旅行に行った時、パリのシャンゼリゼ通りの一等地のレコード店で『ギター・グラフィティ(Guitar Graffiti)』が大々的に宣伝されていた。市内観光ツアーの途中だったので後で買おうと思い、夕方再訪したら閉店していて買えなかった。悔しくて別のレコード屋で「クリス・スペディングはあるか」と尋ねてススメられたのがロイ・ハーパーの『When An Old Cricketter Leaves The Crease』(UKオリジナル・タイトル『HQ』)というLPだった。折角だから買ったが、よく考えれば何故フランスでわざわざ中古のアメリカ盤を購入したのかが不思議である。内容は英国らしい陰影あるフォークロックでとても気に入った。
でもやっぱり、クリスのギターをガッツリ聴きたいと、同年5月に吉祥寺のレコード屋で購入したのが『必殺ギター!(Hurt)』。ショッキングピンクのジャケットがメチャクチャカッコ良い。過激なジャケに比べて内容は端正なロックンロール中心で、凄腕ギタリストのソロと思って聴くとたぶん肩透かしだろうが、筆者は予備知識がなかったせいか素直に楽しめた。かなりの愛聴盤になり、ブライアン・フェリーで感動したビブラート奏法を何度も練習した。
80年代初頭にストレイ・キャッツやサイコビリーの影響でロカビリーがマイブームになり、中古レコードで買い求めたロバート・ゴードンのレコードにクリス・スペディングの名前を発見し驚いた。『ロック・ビリー・ブギ(Rock Billy Boogie)』(1978)と題されたLPはプレスリー似のロカビリー歌手ロバート・ゴードンとクリスの初共演盤。彼らは30年後に再会し共演ツアーを行うことになる。
大好きなニューヨークのストリート・ロック詩人エリオット・マーフィーと共演ライヴ盤『Live Hot Point』(1989)がリリースされたのも嬉しかった。1990年のエリオットの来日ツアーにクリスも同行したような記憶があるのだが、その証拠は見つからない。翌年にクリスの単独来日ライヴがあったので、混同しているのかもしれない。クリスはその後、2001年9月にロキシー・ミュージック、2002年11月にブライアン・フェリーの日本ツアーで来日したとのこと。
21世紀になってから殆どクリス・スペディングの動向をチェックしていなかったので、まもなく70歳になる高齢で果たしてまともに演奏出来るのか多少不安でもあった。集まった100人余りの白髪も交じる男子多数のオーディエンスは皆同じ気持ちを抱いていたに違いない。姿を現したクリスは年相応に恰幅のいい体格だが、眼光鋭いリーゼントには往年の輝きがある。1曲目「ワイルド・イン・ザ・ストリート」は多少レイドバックしているが、シンプルなトリオ演奏はしっかりしている。そしてギター・ソロでサステインの効いたビブラートが炸裂。一瞬で35年前にワープする感覚。派手さは殆ど無く、全曲3分前後、ロケンロー名曲カヴァーやマルコム・ブルースが唄うクリーム・ナンバーを交えた約90分のステージは短くはあったが、45年以上ブリティッシュ・ロックの土台を支える実力派の底力を十二分に堪能した。彼のギター&彼のヴォーカルに抵抗出来ない同好の士が多数いることにも勇気づけられる思いがした。
⇒Chris Spedding Website
詳細な活動歴やディスコグラフィー、特にセッション歴は驚異的
スペディング
わたしの心に
棲んでいる
「ギター・ジャンボリー」の登場ギタリストが40年前と変わっていないことがTLネタになっているが、此の曲はあくまで楽曲であり、受け狙いの宴会芸ではないことを理解すれば、時代に合わせて更新する理由も必要がないことが分かるハズ。
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