A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

宮下省死舞踏ソロ公演「捨て身」@明大前キッド・アイラック・アート・ホール 2014.5.30(fri)

2014年06月01日 02時07分15秒 | アート!アート!アート!


宮下省死舞踏ソロ公演「捨て身」―S骨とM肉との奇妙なる恋愛関係―

「悟りということはいかなる場合にも平気で死ねることかと思って居たのは間違いで、悟りということはいかなる場合にも平気で生きて居ることであった。」(1902・5・31・正岡子規)

構成・演出・振付・出演/宮下省死
音響・照明操作/夜羽エマ

日時:2014年5月30日(金)31日(土)/共に19時30分~。
場所:明大前・キッドアイラックアートホール
料金:前売/当日 3,000円
企画:宮田徹也
共催&予約:キッドアイラックアートホール
フライヤ写真&受付:夜羽エマ
受付:キッドアイラックアートホール
フライヤデザイン:沼田皓二

舞踏、どうした?もう御仕舞いか。革命消尽。アングラ死滅。しかし不死な者が居る。それは宮下省死の舞踏だ!弱り果て、行き所がなくなり、さ迷える革命!暗黒!地下芸術!が、今、正にここにある!ここにあるから捨て身になる!勝ち負けの問題ではない!自己など棄ててしまえ!捨身飼虎…。腹を空かせた虎から、仏の骨と肉を毟り取れ!そこから恋愛が始まる…。

宮下省死略歴
1950年、高知市生まれ。1969年、早稲田大学入学。土方巽氏振付による金粉ショーで、キャバレーデビュー。1970年、早稲田大学中退。牛の生首等を担ぎ、街路にて独自の舞踏を始める。1975年、土方巽氏が命名した鼠派演踏鑑を旗揚げ主宰し、舞踏と演劇が融合した、怪奇と幻想感の漂う数々の舞台作品を上演し、1995年、団体名を鼠派演踏鑑Ωと改名。近年は、「祝・我が心の大久保清賛江―神聖魔眠りの森のアノヒト」「サド・死の宴」等の代表作のほか、百八ノ煩悩という舞踏シリーズで、「瓦礫の森のリア」「人間・魔苦辺主」等の、一人舞台の作品群を発表し続けている。



これまで何度かブログで取り上げた暗黒舞踏家、宮下省死の2年ぶりのソロ公演。前回2012年5月の公演の時に「次回は2012年11月公演」と告知されたが、1年半も延期された。病気が大きな理由だが、宮下自身は「誰かから依頼がない限り公演はしない」と考えていたらしい。舞踏評論家の宮田徹也が一念発起して企画し、今回の公演が実現した。檄文調のコメントは恐らく宮田の手になるものか。


(写真の撮影・掲載については主催者と出演者の許可を得ています。以下同)

アーバンギャルドが「さよならサブカルチャー」と歌ったように、かつての「サブカル」がメインカルチャーに転じて「クール・ジャパン」として輸出される時代である。大森靖子は「hayatochiri」で「ねえ知ってた?アンダーグラウンドは東京にしかないんだよ」と歌ったが、最後の砦の東京ですら舞踏をはじめ、演劇や音楽に於ける「アングラ」が瀕死状態にあると指摘されて久しい。そんな時代に敢て「革命」「暗黒」「地下芸術」を謳う姿勢は、決して単なる時代錯誤なアナクロ趣味ではない。テレビやビデオや週刊誌や写真誌だけではなく、TwitterやYouTubeなどを通じてメジャー/マイナー関係無く世界中のあらゆる出来事/事件/発言/娯楽/芸術/音楽/秘密が同時に共有されてしまう現在、すべての謎が解明可能だと信じ込んでいる人ビトの意識の奥底に封印された禁忌なるものを、その眼前に解き放つことが必要ではないか?----それは誰にでも可能な仕業ではない。



70年代から一貫して存在と非存在の闇の深淵を表象してきた鼠派舞踏家・宮下省死(ずっと”ミヤシタショウジ”と読んでいたが、今回はじめて”セイシ”が正しいことを知った。本名が山下省二”ショウジ”であることも)の64歳の舞踏ソロ公演は、「神聖魔羅」「浣腸脳髄」といった代表作と共通する、現と夢、正気と狂気、本当と嘘、存在と非存在、宇宙と人間、生と死の狭間で翻弄される人間を演じながら、笑気瓦斯を吸った躁状態の気狂いが、突然我に帰り異形のメタモルフォーゼ(変身)を繰り返した挙げ句、真っ白な赤子に戻り生まれた場所に回帰する、という輪廻転生ストーリーを展開した。前2回の百八の煩悩シリーズとは違い、宮下が自分自身を演じた舞台は、筆者が80年代に通った池袋の築90年の木造住宅(当時は鼠派演踏艦という名の劇場だった)から持込んだ家具やオブジェや枯葉に覆われ、過ぎ去った年月をワープするデジャヴに酔い痴れた。



本当の美とは、見かけの美醜とは関係なく、魂の輝き具合によって導き出される。キース・ジャレットの霊的なピアノにのせて警鐘のように吹き鳴らす水のない水笛の甲高い音が、美しさ故に涙するという初めて体験するカタルシスをもたらした。



怪奇暗黒演劇~鼠派演踏館(2008年3月25日記)
宮下省死「瓦礫の森のリア」@目白庭園内・赤鳥庵 2011.12.9 (fri)
鼠派演踏艦Ω公演・宮下省死「人間・魔苦辺主」@目白庭園内・赤鳥庵 2012.5.6 (sun)

奥さんの
夜羽エマ
女王様

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