
DCPRG
DCPRG YAON 2012 追加公演
出演:DCPRG(ゲスト: SIMI LAB, 大谷能生)、SIMI LAB
DCPRG:菊地成孔(cond, CDJ, key), 坪口昌恭(key), 丈青(key), 大村孝佳(eg), アリガス(eb), 千住宗臣(ds), 田中教順(ds), 大儀見元(perc), 津上研太(sax), 高井汐人(sax), 類家心平(tp)
Impulseからの最新スタジオ・アルバム「SECOND REPORT FROM IRON MOUNTAIN USA」リリース後、4月新木場Studio Coast~10月日比谷野音とワンマン・ライヴを重ねてきた菊地成孔率いるDCPRGの追加公演。アルバム&ライヴでコラボした菊地一押しのヒップホップユニットSIMI LAB(シミラボ)とジャズ・ドミュニスターズの大谷能生がゲスト参加。ニコニコ生放送でDCPRG初のネットLIVEストリーミング配信された。会場の新宿BLAZEは歌舞伎町のど真ん中にあるキャパ800人の大型ライヴハウスで来るのは初めて。こんないいハコを知らなかったとは…。スケジュールを見たらヴィジュアル系とアイドル中心なので無縁だったのも仕方ないか。
先週の八八以来【1:2 Days公演3本被り】【2:殺戮=マサカー繋がり】と偶発現象が重なり妙な気分の1週間だが、この日も偶然性に玩ばれる数奇な運命が続いた。30年前に私が衝撃を受けたマサカーの1st「キリング・タイム」の2006年リマスター盤の日本盤の解説が何と菊地成孔だったのだ!!!私が所有しているのは1992年初CD化のJIMCO盤で解説は別の人なので気付かなかったこの偶然。前日にもしやと思って吉田達也、鬼怒無月と菊地成孔の関係を調べたら数度共演した程度でそれほど深い繋がりは無かったのでやっと”偶然性の無間地獄”から解放されると安堵していたところだったのに、蜘蛛の糸がぷっつり切れてまた地獄へ逆戻り。世代が同じだし、大友良英と共に新世代ジャズの先鋭として活躍した彼だから当然1970年代後半~80年代のNYアンダーグラウンドの動向に惹かれたのはわかる。大友とはGROUND ZERO~ONJQさらに初期DATE COURSE PENTAGON ROYAL GARDENで共演。NYシーンと深いつながりのある大友からの影響も多大にあるに違いない。さらに探るとヘンリー・カウ、アート・ベアーズ解散後にクリス・カトラーが結成したカシーバーの2枚組ライヴ盤「Live in Tokyo 1992」のDisc 2がGROUND ZEROによるリミックス盤でそこに菊地も参加していることを発見。もはや逃れられない”ヘンリー・カウの呪い”。奇しくも2012年12月12日は「トリプル・トゥエルヴ」、百年に一度巡って来る年月日が同じ数字になる因縁の日でもあり、星占いの十二宮では12は「宇宙の秩序」を表す数でもある。それと関係あるかどうか、Impulseの2作のアルバムがこの日一斉に海外60ヶ国のiTunes Storeからリリースされたという奇蹟。
・・・・・・・・・・・・しばし放心状態・・・・・・・・・・・・・・
都合でオープニングのSIMI LAB単独ライヴには間に合わず会場に入ったら丁度DCPRGが始まるところだった。川崎Club Cittaや渋谷AXを小振りにしたようなホールはひと癖ありそうな若者で一杯。ステージが高いので観やすい。メンバーがゾロゾロ登場。菊地は粋なハットを被ったお洒落さん。3人のパーカッションの乱打と太いベースがファンキーなグルーヴを産む。その上を自在に飛び回る管と鍵盤。前半3曲はエレクトリック・マイルスmeetsアフリカ・バンバータ的なサウンドで観客を踊らせる。時折菊地が派手なアクションでブレイクを入れると大きな歓声が上がる。ゴングのティム・ブレイクを想わせるシンセのキュルル~ンという電子音が脳に心地よい。いい感じでノッテいたら4曲目に大谷能生が参加、12(じゅうに)と「自由に」をかけたラップが炸裂。凄まじい勢いで溢れ出るライムの奔流に唖然としていると、菊地がCDJでボーカロイド兎眠りおんをドロップ。大谷とりおんの掛け合いが下手なインプロよりもずっとスリリングなバトルを繰り広げる。バンドはリズムレスな自由空間音響を鳴らし続ける。思い切り実験的な世界だが観客がところどころで沸くのはラップバトルやDJバトルに通じるからだろう。続けてSIMI LABが登場、DCPRGのフリー・ダンスビートに乗せて♪普通って何/常識って何/そんなもんガソリンぶっかけ火点けちまえ♪というメッセージ色あるラップで煽る。客席は横ノリで波のように揺れる。そんな彼らを観る度に思うのは「ジャンルって何/カテゴリーって何/そんなもんガソリンぶっかけ火点けちゃった」というジャンルレスな感性の豊かさである。どんなサウンド/リズムでも踊っちゃおうというクラブ・ピープルの姿勢は音楽の新たな存在意義のひとつのステイトメントに違いない。もう一方にアイドルヲタのどんな曲でもコールしちゃえというスタイルがあるのは言うまでもない。
▼ジャンルって何?
アンコールの定番DCPRG「Mirror Balls」+SIMI LAB「The Blues」のマッシュアップまで2時間新鋭DCPRGにしか創造し得ない近未来の音楽風景をたっぷり堪能した。
▼お時間のある方はフルコンサートをご覧下さい。
▼お忙しい方はコチラをどうぞ。
<Set List>
1. PLAYMATE AT HANOI
2. Circle/Line
3. 殺陣
4. Catch 22 feat. MC YOSIO*O
5. Microphone Tyson feat. SIMI LAB
6. Uncommon Unremix feat. SIMI LAB
7. 構造 I
8. Duran
-Encore:
Mirror Balls x The Blues feat. SIMI LAB & MC YOSIO*O
以上、レポートはオオギミ・ゲンがお送りしました。
クラブ↑には
昔行ったが
クラブ↓には
行ったことなし
終演後トイレでばったりノイズ友達のK氏に遭遇。まさかデートコースで会うとはねぇ~とお互いに驚く。まだ続くか偶然の輪廻。
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