A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

三上寛と道下慎介+亀川千代+高橋幾郎/豊田道倫@東高円寺U.F.O. CLUB 2014.1.23(thu)

2014年01月25日 01時06分06秒 | 素晴らしき変態音楽


U.F.O.CLUB18周年記念
【Donburi Disk presents「三上寛/Y A M A M O T O」発売記念ライブ】

LIVE:
三上寛と道下慎介+亀川千代+高橋幾郎
Special Guest:豊田道倫
DJ:山本直樹(漫画家)

毎度手前味噌な話で恐縮だが、バブル華やかなりし頃、ギロッポンのシャレオツなバーで、密かに想いを寄せていたモデルの女の子に「ミカミヒロシ」に似てると言われたことがある。恥ずかしながら「寛」をヒロシと読むと思い込んでいた筆者はショックのあまり立て続けに酒を煽った。酔った勢いで問い詰めて、俳優の三上博史のことだと分かり、ホッとして酒が進み、泥酔の挙句に醜態を晒してフられたので結果的に大差はなかった。

 

「夢は夜ひらく」は聴いたことがあったが、当時の筆者にとって三上寛のイメージは東北弁の冴えないチンピラ歌手だった。しかし地下音楽の世界に深く踏み入るにつれこの強面シンガーが如何に巨大な存在か思い知ることとなった。灰野敬二・吉沢元治と共演したLP『平成元年LIVE』に衝撃を受け、灰野・トシ(頭脳警察)とのトリオVajra(バサラ)に驚愕。絞り出すような声で哀しいメロディに乗せて力強い言葉を歌う三上は、轟音ギターや爆裂ドラムに動ずることなく屹立していた。過去の作品、特に『BANG!』のあまりにアナーキーな世界は、フォーク=軟弱という自分の中のイメージを粉々に打ち砕いた。

三上を初めて生で観たのは2004年9月23日のVajra@吉祥寺MANDA-LA2。その6日後にPSF&Alchemy20周年記念公演@六本木Super DeluxeでJOJO広重とのデュオを観た。
以降の観戦記録:
2005年11月22日高円寺ShowBoat
2007年1月21日渋谷O-nest
2007年3月9日千駄ヶ谷Loop Line
2007年10月2日Vajra@新宿JAM
2009年8月7日Vajra@高円寺ShowBoat
2010年8月2日阿佐ヶ谷Yellow Vision
2011年9月5日DJ三上寛@東高円寺UFO CLUB

今回はUFO CLUB18周年企画のひとつとして道下慎介(G/LSD March、オシリペンペンズ)、亀川千代(B/ex.ゆらゆら帝国、不失者)、高橋幾郎(Ds/ex.不失者、LSD March)との共演。上記2011年9月5日のダモ鈴木ネットワークにこの3人が参加した際、三上がディスクジョッキーを務めた。その縁かどうかわからないが、4人は昨年6月30日にUFO CLUBで初共演を果たした。今回はそのライヴCD『Y A M A M O T O』のレコ発である。

●豊田道倫


90年代大阪のインディー・バンド、パラダイス・ガラージを率いたシンガーソングライター。2009年11月に早稲田祭で観たときの感想は「アコースティック・ギターを手に赤裸々な詩を歌う。語りが面白かった」。この日もアコギ弾き語りで、昨今のフォーク事情、モダーンミュージック閉店、三上寛のアルバム・タイトルのことなど多少過激な放言と苛立ったような歌を聴かせた。



●Y A M A M O T O(三上寛と道下慎介+亀川千代+高橋幾郎)



(写真の撮影・掲載については出演者の許可を得ています)

鎖を引き摺るような重いグレッチの音に亀川の太くうねるベースが絡みつく。三上が歌い出すと高橋の小刻みな打撃音と道下のスペースファズギターが叫びを上げる。嵐のような激情のカオスに突入。吹き荒ぶ轟音の竜巻の中、三上の歌とギターが一直線に飛び出して耳に突き刺さる。「親を捨てに行く」「生きろじゃなくて死になさい」「同じ悲しみに同化しなければ意味がない」など情念を込めた言葉はまさに怨歌。それがトリオの激烈バックアップで無限大に膨張・拡散される。ただひたすらカッコいいROCKだった。



最新ソロ『ブログ ツィート フェイスブック』のPVで語るように自分の過去を拾う旅に出る三上が最高の道連れを見つけた訳だ。アルバム・タイトルでありバンド名でもある『Y A M A M O T O』に込められた意味、自分を含めメンバー、観客も全員「Y A M A M O T O」でいいじゃないかと言って、「Y A M A M O T Oの日」「Y A M A M O T Oの会」を宣言する心の境地は、決して諦めややけっぱちではなく、これから始まる新たな旅路への信念に違いない。




Y A M A M O T Oと
呼んでしまおう
何もかも

Y A M A M O T Oと呼ぶ者、名前をつけない者、名前をつける者、人生様々である。


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