A Challenge To Fate

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聴く毒キノコ図鑑〜ピーター・エヴァンス&ウィーゼル・ウォルター『ポイゾナス(毒)』

2018年06月27日 08時32分15秒 | 素晴らしき変態音楽


『Peter Evans and Weasel Walter / Poisonous』
ugEXPLODE Records  CD/DL :ug 7

Weasel Walter : ds.
Peter Evans : tp.

1. Yellow Stainer 05:48
2. Satan's Boletus 05:04
3. Sulfur Tuft 07:04
4. Hooded False Morel 04:06
5. Bisporigera 07:34
6. Destroying Angel 04:32
7. Verpa Bohemica 09:13

recorded January 8th, 2018 at Seizure's Palace, Brooklyn, NY
Jason LaFarge - engineer
mixed and edited by Weasel Walter

titles published by Sedition Dog Music (BMI) and Moreismore (BMI)
copyright 2018 ugEXPLODE Records

毒聴かば皿(CD)まで、毒聴かざるは耳寂れるわざなり。

『Poisonous』とは「有毒な」「毒性のある」「有害な」という意味。ニューヨーク即興シーンのベテラン二人の最新共演作は毒キノコの名前をタイトルに持つ七編の楽章からなるサウンド組曲。耳から注入された毒サウンドが人体にどのような効用をもたらすかは今後の調査を待つしかないが、基礎知識として食した場合の症状を含めそれぞれの毒キノコの紹介をしておこう。念のために付け加えておくがタイトルと楽曲の相関関係は殆どないものと思われる。

1. Yellow Stainer
キヨゴレタケ(黄汚茸)


消化器官に症状がでる毒キノコ。ハラタケやシロオオハラタケに非常に似ているが傷をつけると黄色く変色することで同定可能。英名には黄色く汚れるという意味がある。

2. Satan's Boletus
ウラベニイグチ(裏紅猪口)


担子菌類マツタケ目アミタケ科。傘は径5~9cm,表面はこげ茶色またはオリーブ色がかった褐色でなめらか,下面はレモン色,長さ5~13cmの柄をもっている。傷つけるとすぐに緑色または青色に変り,不規則な形の管孔をもつ。柄の太さは5~9cm,下端は紡錘形の根状,黄色であるが下部は赤褐色となり紫色の紋点がみられ,のちに黒色になる。夏秋の頃,広葉樹林の地面に点々として生える。日本では九州に知られ,ヨーロッパにも分布する

3. Sulfur Tuft
ニガクリタケ(苦栗茸)


春から秋にかけて広葉樹や針葉樹の枯れ木上に群生する。きのこ自体は小型であるが、中毒して死亡した例もある猛毒きのこである。 ただ幸いなことに味が非常に苦いので容易に判断できる。あやしいなと思ったらごく小さなきのこのかけらを口に入れて少し噛んでみると良い。 苦味があったらニガクリタケである。猛毒のきのことはいってもほんの少し味を見たくらいで死んだりする事はない。

傘は初め半円形からまんじゅう形、後に平らに開く。色は鮮黄色から淡褐色で表面はなめらか。ひだの並び方は密で柄に直生から上生する。 色は初め淡黄色で後には黒紫褐色となる。柄の上部は傘とほぼ同色。下部はやや褐色がかる。柄の中ほどに糸くず状のつばをつける場合もある。

4. Hooded False Morel
シャグマアミガサタケ(赭熊網笠茸)


フクロシトネタケ科シャグマアミガサタケ属に属するキノコ。主に春季、日本では北海道~本州に分布し、マツ、モミ、スギ、ヒノキなどの林内で見られる。表面には著しい凹凸やしわを生じて脳のような外観を持つ。一応食用になるが、そのままで喫食すると毒性は極めて強い。毒成分の一部は煮沸すると気化し、調理中にこれらを吸い込むと中毒を起こす。

有毒成分はヒドラジン類の一種である「ギロミトリン」、およびその加水分解によって生成する「モノメチルヒドラジン」。採取したものをそのまま食べれば、食後7~10時間を経て、吐き気、嘔吐、激しい下痢と腹痛、痙攣などを起こす。重症の場合は肝障害とその結果としての黄疸、発熱、めまい、血圧降下などが現れるとともに、脳浮腫とそれに伴う意識障害ないし昏睡、あるいは腸・腹膜・胸膜・腎臓・胃・十二指腸などの出血をきたし、最悪の場合は2~4日で死に至る。

5. Bisporigera
シロタマゴテングタケ(白卵天狗茸)


ハラタケ目テングタケ科テングタケ属の猛毒のキノコである。学名の意味は「春のテングタケ」。夏から秋に広葉樹林や針葉樹林の地上に発生する。傘の大きさは5~10cmの中型で白い以外はタマゴテングタケとほぼ同じである。タマゴテングタケの変種とする説もある。世界に広く分布する。1本食べただけで死に至るほどの猛毒を持ち、同じくテングタケ科テングタケ属に属する猛毒キノコのタマゴテングタケ、ドクツルタケとともに猛毒キノコ御三家と呼ばれている。この毒の強さから、イチコロ(新潟県)の地方名がある。

6. Destroying Angel
ドクツルタケ(毒鶴茸)


ハラタケ目テングタケ属のキノコ。「シロコドク」「テッポウタケ」などの地方名がある。英語では「死の天使」と呼ばれる。本種は最も強い毒を持つキノコとして紹介される事が多い。北半球一帯に分布しており、初夏~秋、里山や雑木林でも普通に見られる。ハラタケ科などの白い食用キノコと間違える可能性があるので注意が必要。毒成分は環状ペプチドで、「アマトキシン類」(α-アマニチンなど)、「ファロトキシン類」(ファロイジンなど)、「ビロトキシン類」「ジヒドロキシグルタミン酸」等から成る。

毒性は、1本(約8g)で1人の人間の命を奪うほど強い。摂食から6~24時間でコレラ様の症状(腹痛、嘔吐、下痢)が起こり、1日ほどで治まったかに見える(偽回復期)が、その約1週間後には、肝臓や腎臓の機能障害の症状として黄疸、肝臓肥大や胃腸からの出血などが現れる。早期に胃洗浄や血液透析などの適切な処置がされない場合、確実に死に至る。

7. Verpa Bohemica
アミガサタケ(編笠蕈)


キノコに網目状の模様があり、胞子はそこで作られる。ほとんどの種がフランス料理に使われているが、生食すると中毒する。さらに一部の種からはシャグマアミガサタケにも含まれるギロミトリン (ジロミトリン)が検出されている。ギロミトリン は肝臓毒の一種で、加水分解によりモノメチルヒドラジンが生成する。

Peter Evans / Weasel Walter "Poisonous" CD promo video 2018


★アルバム・レビューは音楽情報サイト『Jazz Tokyo』7/1更新号に掲載予定

毒キノコ
聴けば心の
肥やしになる

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