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日本のフリージャズ史に於いて坂田明と並ぶ知名度を持つサックス奏者・梅津和時は、70年代半ばのロフトジャズ全盛のニューヨークへ移り住み、国立音大時代からの盟友・原田依幸とともに現地シーンで活動し、その成果の一つとして『Seikatsu Kojo Iinkai/生活向上委員会ニューヨーク支部』というLPを1975年にリリースする。ウィリアム・パーカー(b)、アーメッド・アブダラ(tp)、ラシッド・シャイナン(ds)とのクインテット編成で、激烈なフリージャズというよりスピリチュアルかつユーモラスな演奏を聴かせる。顔にペイントこそしていないものの、醸し出す森羅万象の世界観はアート・アンサンブル・オブ・シカゴやヒューマン・アーツ・アンサンブルに通じる生命賛歌であり、部族賛美である。ただし、両バンドや当時のロフトジャズの精神であるブラックネスへのルーツ回帰とは当然ながら一線を画す。かと言ってイエロー優位や神国礼賛に走ったわけでは当然無い。同じ地球に命を産み落とされたことを精一杯満喫するコスモポリタニズムである。
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梅津たちのいわば生命主義が日本の地で凝縮されたのが、地球主義のドラマーSABUこと豊住芳三郎に召喚されて作り上げた『THE MASTERPIECE/豊住芳三郎ユニット』(81)である。生活向上委員会大管弦楽団が大きな話題となり、80年代ニューウェーブに呑み込まれる形で、新たな聴衆を獲得する中、79年4月に豊住(ds)、梅津(as,b-cl)、片山広明(ts,bs)、佐藤春樹(rb)というカルテットは、意識の拡張を模索しながら、来るべき他ジャンルとの交流まで見据えているように聴こえる。
EEU First concert 1975/高木元輝、近藤等則、徳弘崇、豊住芳三郎、土取利行
立役者
時代の変革
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