A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

静寂(灰野+ナスノ+一楽)他@六本木 Super Deluxe 10.9.20(mon)

2010年09月22日 00時58分10秒 | 灰野敬二さんのこと
ネットCDショップノFtarriとインディ・レーベルDoubt Music共催によるイベント「Ftarri Doubt Music Festival」の3日目。
どちらもアンダーグラウンドな音楽に力を入れており、出演者も外国勢も含めユニークなものだった。

この3日目には灰野さんがナスノミツル氏(b)、一楽儀光(ds)と結成したブルース・バンド「静寂」がデビューするのだ。私の興味は全てそこにあったといっていい。
杉本拓氏のひたすら眠気を誘う微音のギター演奏の後、フェスティバルのトリとして静寂の3人が登場した。それまでは実験音楽/フリー・ジャズの少しノスタルジックな気分のあった会場の雰囲気がガラッと変わる。
灰野さんは珍しくSGの他に赤いグヤトーン製60'sビザール・ギターをプレイした。以前ブルース・バンドをやりたい、灰野さんから聞いた時は、レスポールJr.を使うと言っていたので、少しでも違った試みをしたかったのかもしれない。
のっけからベースとドラムが重い断続的なビートを叩き出す。灰野さんはグヤトーンを手に襲い掛かるような迫力のあるヴォーカルを聴かせる。バンド名通り静けさを湛えた曲もあったが、ピンと張り詰めた緊張感はそのままだ。「ブルース」と灰野さんが言う時、それは音楽のスタイルを表しているのではない。古のブルースに込められた情念や怨念の発露としての表現の姿勢をブルースと呼んでいるのだ。正に情念の塊のような演奏だった。最後は「Born To Be Wild」を凄まじい展開のアレンジで聴かせて終了。イベントだから短めのステージだったが、この為だけにこのフェスティバルの存在意義があった、と言っても過言ではないだろう。
先日の不失者といいこの静寂といい、最近の灰野さんの充実振りは信じられないほどだ。静寂に限って撮影禁止だったため、動画で紹介できず残念。

その他に観たのはテニスコーツ (さや, 植野隆司) + 梅田哲也 、Tim Olive + Anthony Guerra + 大城真 、向井千惠 + Tetragrammaton (TOMO, Cal Lyall, ノブナガ・ケン) 、ナンバ・ジャズ (山本精一, 芳垣安洋) + 梅津和時 、杉本拓。
特にナンバ・ジャズの21世紀型フリージャズが印象的だった。
このようなアングラで前衛的なイベントに満員の観客が集まるなんて素敵じゃないか。

静寂の
音の中には
咆哮が

静寂はDoubt Musicから2枚のCDを10月11日に同時発売する。その1枚のタイトルは「Mail from FUSHITSUSHA」、邦題は「不失者の秘儀伝授」! この日に先行発売で購入したが物凄くいい内容だ。
もう1枚は「You Should Prepare To Survive Through Even Anything Happens」、邦題は「何があっても生き抜く覚悟の用意をしろ」。最近の灰野さんのライヴに通っている人には待望の楽曲を収録。こちらも必聴。

コメント (5)
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