A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

不失者@新宿JAM 2010.9.1 (wed)

2010年09月04日 00時36分25秒 | 灰野敬二さんのこと
"有り余る程の光輝な屈辱の行方"と題された裏窓7周年記念イベント。出演は灰野敬二(vo.g)、工藤冬里(b)、高橋幾郎(ds)。

事前にmixiやtwitterで盛んに告知されていたので動員が厳しいのではないか、と思ってタカをくくって開場10分過ぎにJAMへ行ったら長蛇の列。思わず失敗した、と思ったが、入場が前売り券を持っている人優先だったので、早めに入場できた。
JAMの看板には「不失者」と書かれている。これは予想していなかったので嬉しい驚きだった。
灰野さんのワンマン・ライヴではお馴染みのヴァイオリンの物悲しい音色のBGM、場内にはお香の香り。これは本気で不失者だ。

ステージ前に椅子が2列に並べてある。私は座れなかったが椅子席のすぐ後ろのステージ全体を見渡せる最高の位置を確保。
数年前、灰野さんと高橋氏の二人で不失者をやったことがあったが、そこに工藤さんが加わるとどうなるのだろう。期待に胸が高鳴る。
灰野さんは今回のトリオのリハーサルを入念に行った。そして「不失者」を名乗ることに決まったのは、ライヴの二日前だったという。灰野さんの納得いく形に仕上がった証拠だ。

予定時間より30分押しで3人がステージに登場。照明はいつも通り暗く、灰野さん以外は顔も見えないほどだ。灰野さんのSGの轟音、パーカッシヴなフレーズを弾く工藤さんはヴァイオリン型ベースを使用。高橋氏はランダムに歌うようなドラミング。3人がひとつの大きな軟体生物のようになって襲いかかる。灰野さんは譜面台に乗せた歌詞を見ながら歌う。いつもは即興で歌詞を紡ぎ出す灰野さんだが、今回は事前に作り込まれた「歌」である。そして歌を単位として一曲一曲が完全に分かれている。ただのセッションじゃないことは一目瞭然だ。

灰野さんは珍しくヴァイオリンを弾いたり、ギターを置いてドラムとベースをバックに歌ったりする。ギターの音色もいつもの爆音ではなく、SGの生音を大切にしたシャープなプレイが目立つ。
観ている内にこのトリオがこの日初めて演奏するというのが信じられない気がしてくる。もう何年来もこのメンバーでプレイしてきたような成熟振りだ。約2時間のステージでアンコールもなかったが、灰野さんがやりたいことをすべて発揮した充実のライヴだった。工藤さんの真摯なベース・プレイも印象的だった。

この3者
出会うべくして
ここに立つ

このメンバーでコンスタントに活動してくれないかな。

コメント (3)
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