A Challenge To Fate

私の好きな一風変わった音楽を中心に徒然に綴ったページです。地下文化好きな方は見てやって下さいm(_ _)m  

【私のB級サイケ蒐集癖】第36夜:ヤング・キャプテン・エレクトリック(エレキの若大将)『加山雄三』はキャプテン・ビーフハートとキャプテン・トリップのお兄さん

2021年11月11日 02時29分39秒 | こんな音楽も聴くんです


加山 雄三(かやま ゆうぞう、1937年〈昭和12年〉4月11日 - )は、神奈川県茅ヶ崎市出身の日本の俳優、シンガーソングライター。タレント業のほか、音楽家としてギタリスト・ピアニスト・ウクレレ奏者、画家としても活動している。本名は池端 直亮(いけはた なおあき)。ニックネームは若大将。作曲家として弾 厚作(だん こうさく)のペンネームを用いる。

キャプテン・ビーフハート(Captain Beefheart)は、1941年1月15日 - 2010年12月17日)は、アメリカ合衆国のソングライター、シンガー、ミュージシャン、アーティスト、詩人、作曲家、プロデューサー、映画監督、画家。 本名・ドン・ヴァン・ヴリート(Don Van Vliet)(ドン・グレン・ヴリートという通称もある)。

ジェリー・ガルシア(Jerome John "Jerry" Garcia, 1942年8月1日 - 1995年8月9日)は、アメリカ合衆国のミュージシャン。グレイトフル・デッドのリードギタリストであり、1960年代のカウンターカルチャーの象徴としてよく知られる。幻覚的なギタープレイで「キャプテン・トリップ」と呼ばれていた。また、音楽シーンだけでなくアート方面でも才能を発揮した。



加山雄三と言えば、いつも太陽のような笑顔で「しあわせだなあ 僕は君といるときが一番しあわせなんだ」なんて恥ずかしいセリフを朗々とした声で臆面もなく口にする恰幅のいいおじさん、という印象がある。演歌の大御所、北島三郎(1936年生まれ)と1つしか違わないというが、田舎の頑固おやじのようなサブちゃんに比べると、ずっとハイカラなアメリカ帰りの遠い親戚のような親しみを感じる。とはいえこれまで彼の音楽をちゃんと聴こうとしたことはなかった。

しかし、最近ベンチャーズなど60年代エレキサウンドに興味を持ち、音源を掘っていて出会ったのが、加山雄三自作自演のエレキインストナンバー「ブラック・サンド・ビーチ」だった。モズライトギター特有のブリブリした太い音色で、俳句のようにシンプルながら詫び寂びのあるフレーズで攻めるエレキサウンドは、ベンチャーズやアストロノウツら欧米のエレキバンドとは一味違った、サムライ精神あふれるガレージパンク。この曲は1965年の主演映画『エレキの若大将』の勝ち抜きエレキ合戦のシーンで演奏される突撃ナンバーである。

エレキの若大将 予告篇



●加山雄三のすべて~ザ・ランチャーズとともに(1966)


超ドアップのジャケット写真の眼光の鋭さに悩殺されるデビュー・アルバム。パブリック・イメージ・リミテッドの1stやINUの『メシ喰うな!』のジャケットは加山雄三に影響されたのかもしれない(新説)。「ブラック・サンド・ビーチ」をはじめとする加山雄三とザ・ランチャーズによる感電しそうなエレキサウンドに交じると、大仰なストリングスのバラードもアシッドフォークに聴こえてくる。NHKみんなのうた風の「ランニング・ドンキー」の能天気なグッドタイムサウンドは、70年代のザ・バーズなどのカントリーロックを先取りしていた。



海の上の少年(umi no ue no syounen)/加山雄三(kayama yuzo)



●加山雄三のすべて第二集(1967)


1967年1月にリリースされた4thアルバム。収録曲の半分はランチャーズの演奏で、ぶっきらぼうな英語詞ガレージロック「アイ・フィール・ソー・ファイン」、カモメの鳴き声SE入りのアシッドフォーク「心の海」、ファズエレキインスト「スリーピング・モンスター」、フォークロックの「フォー・オクロック」、さらにハワイアンやクラシック・ギター・ソロもあり、節操がないほどバラエティに富んだ音楽性は、1967年6月リリースのザ・ビートルズ『サージェント・ペパーズ・ロンリー・ハーツ・クラブ・バンド』に影響を与えたのかもしれない(新説)。

Yuzo Kayama & The Launchers - "I Feel So Fine"


加山は1966年に3作、1967年に4作、1968年に2作、1969年に3作(ライブ、ベスト含む)という驚異的なペースでアルバムをリリースした。あたかも生き急ぐようなスピードであるが、失速することなく2020年代まで活動を続けてきた。昨年小脳出血で倒れてから現在リハビリ中とのことだが、永遠の「エレキの若大将=ヤング・キャプテン・エレクトリック」の早期の復帰を祈りたい。

お元気で
日本サイケの
若大将

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【最近聴いてるコンパクト盤】アーサー・ライマン/ハワイアン・アイランダーズ/ベンチャーズ/アウトロノウツ/デイヴ・ディー・グループ/グレープ

2021年11月02日 00時36分34秒 | こんな音楽も聴くんです


●アーサー・ライマン楽団『タブー』(日本グラモフォン)


タブー (アーサー・ライマン楽団)



●ハワイアン・アイランダーズ『南国の夜』(日本ビクター)


On the Beach At Waikiki



●アストロノウツ『ゴー・ファイト!!』(日本ビクター)


Go Go Go



●デイブ・ディー・グループ『オーケイ!』(日本ビクター)


Dave Dee, Dozy, Beaky, Mick & Tich - Touch me. Touch me (1967)



●グレープ『無縁坂』(ワーナー・パイオニア)


グレープ 精霊流し



●ベンチャーズ『10番街の殺人』(東芝音楽工業)


Slaughter on 10th Avenue (10番街の殺人)- The Ventures


7インチ
33回転4曲入
まさにコンパクト!!


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【最近買ったソノシート その2】ポップ・キッカーズ/ビート・フィーチャーズ/クレージー・ビートルズ/ザ・サンズ/スウィング・ウェスト/ブルー・ファイヤー他

2021年10月29日 00時01分18秒 | こんな音楽も聴くんです


●エレキギター・ヒット曲ベスト16(現代芸術社)

演奏:熊木忠とポップ・キッカーズ /鳴海誠

【195A】ベンチャーズベスト8(1)



●パンチオブエレキ 18曲(現代芸術社)

演奏:舟山幸一とビート・フィーチャーズ

舟山幸一とビート・フィーチャーズ エスケープ 1966



●エレキNo.1(ミュージック・グラフ)

演奏:クレージー・ビートルズ

●ビート・ヒット・パレード(ミュージック・グラフ)

演奏:クレージー・ビートルズ

クレージー・ビートルズ ヘルプ 1965 / Help



●1965 ベンチャーズ・ヒットナンバー(音楽出版販売)

演奏:6ヴェドウィンズ


●最新エレキ・ギター特集(日本ビクター)

演奏:ザ・サンズ

ザ・ファイブ・サンズ 「さすらいのギター」



●エレキギタークリスマス10(コダマプレス)

演奏:植田ヨシヤスとスウィング・ウェスト

ザ・スウィング・ウエスト ロック天国(1968年5月)



●エレキ・クリスマス(勁文社)

演奏:ブルー・ファイヤー 唄:麻生京子

麻生京子 夢見るシャンソン人形 1966 / Poupee De Cire, Poupee De Son



●New Hit Pops(勁文社)

演奏:ザ・ファイヤー・バーズ 大沢保郎プラスストリングス 横内章次と彼のグループ

ナイスペア
エレキギターと
ソノシート

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【最近買ったソノシート その1】ツイスト/きたむら・チコ/清野太郎/デューク・エイセス/伊藤日出夫/舟山幸一とギター・アンサンブル/夕陽のガンマン/アイヌ民謡

2021年10月27日 00時11分45秒 | こんな音楽も聴くんです


●熱狂のツイスト

歌:きたむら・チコ コーラス:花田正彦とスリーコインズ 演奏:ビセンテイ高森とエンゼル・オールスターズ

北村チコ ラブレター・ツイスト 1962



●GENDAI HIT PARADE ツイストNO.1/ペパーミント・ツイスト

唄:清野太郎 演奏:キャノン・ボール/演奏:ブルーコーツ

清野太郎 ザ・ツイスト 1962 / The Twist



●デューク・エイセス 西部を歌う

歌:デューク・エイセス 伴奏:松本文男とミュージックメーカーズ

デューク・エイセス ハイ・ヌーン(2) 1962 / High Noon



●なつかしのギター曲集

演奏:伊藤日出夫/小原裕公/秋山実/鈴木忠興/舟山幸一

伊藤日出夫 グラナダの夢



●ギターが奏でる歌謡曲集 BEST14

演奏:舟山幸一とギター・アンサンブル


●ギターが奏でる世界の名曲 ベスト16

演奏:舟山幸一とギター・アンサンブル、小原佑公


●ウェスタン&アクション 12曲

演奏:スクリーン・アカデミー・オーケストラ

夕陽のガンマン テーマ



●日本音楽旅行II  北海道とアイヌの民謡


Music of the Ainu Native People of North Japan


最近ドーナツ盤と
ソノシートしか
買ってない







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【最近買ったドーナツ盤】ザ・ダイナマイツ/ザ・モップス/ジェスチャーズ/森山加代子/加山雄三

2021年10月26日 01時19分24秒 | こんな音楽も聴くんです


●ザ・ダイナマイツ『トンネル天国』


トンネル天国(シングル・ヴァージョン)


●ザ・モップス『ベラよ急げ』


The Mops"Bera Yo Isoge"


●ジェスチャーズ『ラン・ラン・ラン』


The Gestures - Run Run Run(1964)*****


●森山加代子『白い蝶のサンバ』


森山加代子 白い蝶のサンバ


●加山雄三『ブラック・サンド・ビーチ』


Yuzo Kayama /1966 Live!! Black Sand Beach



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【魅惑の軽音楽】築50年の古民家生活のBGM~デニス・ファーノン/ギィ・ルイパルツ/ヴィルジニー・モルガン/マーティン・デニー

2021年07月17日 01時16分42秒 | こんな音楽も聴くんです


自宅のリフォーム工事のために1ヶ月間自宅を空けてとある街に仮住まいをしている。1968年竣工、築53年木造2階建ての民家である。造りが昭和のままで子供の頃遊びに行った世田谷の祖母の家を思わせる。夜雨戸を閉めて静かな時を過ごしていると、いつも聴いている地下音楽やノイズやフリーインプロヴィゼーションやパンクやアイドルソングを聴く気分にならない。軽音楽と呼ばれる、ムード音楽やイージーリスニングのレコードを親父の形見の家具調ポータブルステレオで静かに流すのがよく似合う。ポール・モーリアやレーモン・ルフェーブルといった70年代の華美なラブ・サウンドではしっくりこない。50年代のジャズスタンダードやシャンソンに基づいたオーケストラがピッタリだ。古風な美女ジャケットが障子や土壁の色合いに映える。50年前にこの家を建てたご主人は、きっとこんなレコードを蒐集していたのかもしれない。家も喜んでいるに違いない。ちなみに紹介するレコードはマーティン・デニー以外は中古レコード屋の100円コーナーでジャケ買いしたものである。

●デニス・ファーノンと彼のオーケストラ/魅惑の森
Dennis Farnon and His Orchestra / The Enchanted Woods (RCA Victor ‎– LSP-1897 / 1959)


デニス・ファーノン(1923年8月13日– 2019年5月21日)は、カナダの音楽アレンジャー、作曲家、オーケストラ指揮者。トロントの音楽一家に生まれ12歳からトランペットを学ぶ。カナダ陸軍の音楽隊に入りヨーロッパに演奏旅行もする。20代半ばにシカゴに移りジャズクラブで演奏しながら作曲・オーケストレーションを学ぶ。50年代にジョニー・アリディの音楽監督としてハリウッドに移り、RCAレコードとプロデューサー、アレンジャー、レコーディングアーティストとして契約し、数多くのレコードを発表した。アカデミー賞を主催するレコーディング・アカデミーの創立メンバーでもある。
59年の本作は映画やミュージカルのテーマ曲をストリング中心にアレンジしたアルバムで、ジャケットの深い森の中に佇む少女のように、神秘的なオーケストラ・サウンドの森で微睡むような体験ができる。

I Hear a Rhapsody



●ギィ・ルイパルツと彼のオーケストラ/喜びがある!
Guy Luypaerts and his orchestra / Ya D'la Joie! there is joy! the music of Charles Trenet (MGM Records ‎– E3595 / 1957)


ギィ・ルイパルツGuy Luypaerts(1917-2015)はフランスの作曲家・指揮者。40年代からエディット・ピアフやシャルル・トレネといったシャンソン歌手の伴奏を務めるとともに、コール・ポーターやジョージ・ガーシュインなどアメリカの作曲家の作品をフランス流にアレンジしたレコードをリリース。自分のオーケストラを率いて57年にアメリカのMGMレコードからリリースした本作は、シャルル・トレネの楽曲のオーケストラ・アレンジのインストゥルメンタルを収録。アコーディオンを効果的に使ったサウンドはフランスのエスプリ満ちている。

Guy Luypaerts - Chatter Box (1955)



●ヴィルジニー・モルガンとそのリズム・バンド/パリの星空を流れるムード
Virginie Morgan ‎– Sous Le Ciel De Paris (Ducretet Thomson ‎– TOM 5017 / 1959)


ヴィルジニー・モルガン、別名ミゲル・ラモス Miguel Ramos(1910 - 1978)。スペイン生まれの鍵盤オルガン奏者。1936年のスペイン市民戦争勃発時にフランスに駐在しており、そのまま60年代までフランスで活動する。50年代からヴィルジニー・モルガン名義でオルガンのレコードをリリースし人気を博す。60年代にスペインへ戻りミゲル・ラモス名義でオルガン奏者、アレンジャー、作曲家として活躍する。本作はフランスのムード音楽を日本に紹介するシリーズの1枚として59年に日本独自の選曲でリリースされた。シャンソンだけでなく、アメリカやイタリアのポップスも披露し、エレガントかつグルーヴィ―なオルガン・サウンドを楽しめる。

Virginie Morgan, Son Orgue & Ses Rythmes - Coin de Rue



●マーティン・デニー/プリミティヴァ
Martin Denny ‎– Primitiva (Liberty ‎– LST 7023 / 1958)


マーティン・デニー(Martin Denny, 1911年4月10日 - 2005年3月2日)は、アメリカ合衆国ニューヨーク州生まれのピアニスト、作曲家、ミュージシャン。エキゾチカ(エキゾチック・サウンド)、ラウンジ分野の代表的なアーティストである。若い頃からクラシック・ピアノを学び、第二次世界大戦中は空軍兵士としてフランスとドイツで兵役についた。終戦後、復員兵援助法のもとロサンゼルス音楽学校と南カリフォルニア大学で対位法とピアノを学ぶ。57年のデビュー・アルバム『エキゾチカ Exotica』はムード音楽、ラウンジミュージックの代表作であるだけでなく、スロッビング・グリッスルのジェネシス・P・オリッジにも影響を与えた。4thアルバムの本作では、ヴィヴラフォン、マリンバ、バードコール、日本の琴などエキゾチックな楽器を取り入れ、南国風味を増したサウンドを展開している。

Martin Denny - Primitva - Burma Train


軽音楽
重音楽より
気持ちいい

▼仮住まいの庭がプリミティヴァ!!!


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【1週間に聴いた盤のリスト】松本清治/平野剛/リンダ・コーエン/松宮庄一郎/チャールズ・アイヴス/寺内タケシ/ヒカシュー/菊地雅章/SKIN/Kluster etc.

2021年04月27日 01時11分33秒 | こんな音楽も聴くんです

下北沢 Pianola Records外観(本文とは密かに深い関係があります)

4月19日(月)

松本清治 / 作品集 第21集


平野剛 / Refelction of Dreams


Linda Cohen / Leda


松宮庄一郎 / 魅せられしギター 第3集


いそしぎ / ファンジック・サウンドへの誘い


インタギャラティック・・ツアリング・バンド / 銀河の使者


4月20日(火)

チャールズ・アイヴス / ヴァイオリン&ピアノ・ソナタ集


東京佼成ウィンドオーケストラ / 法華経からの三つの啓示


Zoltan Jeney / Twelve Songs


松本清治 / 作品集 第21集


華麗なる幻想の世界 Vol.2


4月21日(水)

寺内タケシ & ザ・バニーズ / Let's Go Terry!


寺内タケシ & ザ・バニーズ / Golden Album


ヒカシュー / なりやまず


菊地雅章 / ススト


Larry Wendt / Recordings 1975-1979


スキン / スキンレス


シーナ&ザ・ロケッツ / メイン・ソングス


ザ・スペイスメン / 桜音頭 A GO! GO!


Musique Experipentale


4月22日(木)

松本清治 / 作品集 第8集


松本清治 / 作品集 第11集


ザ・スペイスメン / 桜音頭 A GO! GO!


ジャックス / LIVE, 15JUN.1969


Alan Silva The Celestial Communications Orchestra / The Shout Portrait for a Small Woman


松本清治 / 作品集 第12集


松本清治 / 作品集 第18集


松本清治 / 作品集 第21集


4月23日(金)

ベイ・シティ・ローラーズ / 青春に捧げるメロディー


ザ・テンプターズ / ファースト・アルバム


ザ・スペイスメン / 桜音頭 A GO! GO!


ザ・カーナビーツ meets ザ・ジャガーズ / カーナビ―・ビート・サウンドのすべて


米川文子 / 五段砧、千代の鶯 


松本清治 / 作品集 第8集


マリユス・コンスタン / Chants de Maldoror


ピエール・アンリ / Pierre reflechies, Envol, Coexistence


ミュージック・ノン・ストップ~ア・トリビュート・トゥ・クラフトワーク


ゲイリー・ウォーカー&ザ・レイン / アルバムNo.1、ゲイリー・ウォーカー&ザ・カーナビーツ / 恋の朝焼け


ゲイリー・ウォーカー / 夜明けに恋はない、トゥインキー・リー


4月24日(土)


G-Schmitt / Sillage


ななきさとえ / 赤色人形館


リゲティ / Zehn Stücke Für Bläserquintett


松本清治 / 作品集 第11集


ザ・ベンチャーズ&サンディ・ネルソン / ゴールデン・ビーツ


松本清治 / 作品集 第14集 秋の歌

4月25日(日)

The Cure / Japanese Whispers


富樫雅彦カルテット / スケッチ

4月26日(月)

マーティン・デニー / PRIMITIVA


マーティン・デニー / A Taste of Honey


中沢厚子 / あなたが母を愛したように あなたが父を愛したように


Daphne Oram / The Oram Tapes Volume One


Kluster / Klusterstrasse 69-72


ヴァニラ・ファッジ / キープ・ミー・ハンギング・オン


ジョニーとハリケーンズ / レッド・リヴァー・ロック


ヴァニティ・フェア / 夜明けのヒッチハイク



ザ・マウズ / ハ・ハ・ハ


ザ・ユニオン・ギャップ / ヤング・ガール


フォー・ジャックス・アンド・ア・ジル / マスター・ジャック


青江三奈 / 酔心


Les I / Les I


松本清治 / 作品集 第14集 秋の歌

リスニング
集めて囃子
プレイリスト

YouTubeで聴いてた初期Kraftwerk







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DJ Necronomicon『ラブサウンドはビートルズがお好きMIX』~ポール・モーリア/フランク・プゥルセル/川崎燎/ジミー竹内/テッド・ヒース/ミゲル・ラモス/ジョセフ・メイヤー/衛藤幸雄

2021年01月16日 00時37分18秒 | こんな音楽も聴くんです


ムード音楽♡ビートルズ MIX
Love Sounds loves The Beatles


筆者はロックを聴きはじめた14歳から10年間はビートルズにほとんど興味がなかった。ビートルズはロックじゃないと感じていたのである。それはなぜかと言うと、スーパーマーケットやデパートやテレビやラジオでしょっちゅうビートルズの曲が流れていたからである。それはすべてビートルズ本人の歌ではなく、歌謡曲やムード音楽による、ロックンロールのエナジーやパッションを抜き取られたアレンジだった。子供心にベートーヴェンやモーツァルトよりも安っぽいメロディーに思えた。だからパンクに衝撃を受けたロック少年にとってビートルズとは軟弱ポップスに魂を売った商売人というイメージで、聴くに値しないバンドの筆頭だった訳である。

20代半ばになって一端のレコードマニアを気取っていた頃、渋谷CSVで流れていたサイケサウンドに驚いて店員に尋ねたところ「ビートルズだよ、まさか知らないの?」と笑われた。それが『アビーロード』だった。とはいってもすぐにFAB4に降参したわけではなく、学生時代に吉祥寺ジョージで買った日本盤帯無し中古の『サージェント・ペパーズ』を聴き直したくらいで、他のアルバムを聴いたのは80年代末にCD再発されてからだった。その後リマスターCDやLP再発でほぼ全アルバムをそろえたが、決して熱心なビートルズファンではなく、お勉強を兼ねて聴く程度のソーシャルディスタンスを保っている。

しかし逆にここ2,3年、100円レコードでムード音楽やAORを聴き直す機会が増えて、改めてビートルズの汎用性と拡散力に気づかされることが多い。ポール・モーリアやフランク・プゥルセルといった大御所はもちろん、外人美女モデルジャケットが多い”歌のない洋楽ポップス”的なレコードに大抵ビートルズ・ナンバーが入っている。エキゾチカや電子音楽やインド音楽の珍奇なカヴァーも悪くないが、筆者がもっと心を惹かれるのは子供の頃にスーパーマーケットやデパートで流れていた毒にも薬にもならない凡庸なインストカヴァーである。おそらくスタジオミュージシャンの寄せ集めのやっつけ仕事の中にも工夫の光るアレンジや、自己主張するソロプレイがあったりして、聴けば聴くほど味わい深い。異端音楽DJイベント『盤魔殿』に於いてはムード音楽やラウンジミュージックのMIXは逆に”異端”に聴こえるだろう。しかし異端の異端は正統派ではない。100円ちょっとで手に入るラブサウンド版ビートルズカヴァーをお楽しみあれ。



1. Royal Rock Beats / Sergent Pepper's Lonely Hearts Club Band

『ゴールデン・ロック』演奏:ロイヤル・ロック・ビーツ 編曲:川口真 
東芝音楽工業株式会社 TP-8011
2018.1.25 下北沢General Records ¥108

2. Ryo Kawasaki / Come Together

『朝日のあたる家/ビート!ビート!ビート!』原田忠幸(bs)、横田年昭(fl)、川崎燎(g)、穂口雄右(org)
東芝音楽工業株式会社 NW-8041
2020.3.2 Disk Union渋谷 ¥167

3. Jimmy Takeuchi & His Exciters / Lady Madonna

『ビートルズ&ベンチャーズ特集 ヘイ・ジュード/さすらいのギター』
モーリー・グレイ・オーケストラ、北野タダオとアロー・ジャズ・オーケストラ、ヤング・ビーツ、ジミー竹内とエキサイターズ、小俣尚也とドライヴィング・メン
企画/フェーマスレコードクラブ 録音制作/東芝音楽工業株式会社 FRC-011
2021.1.10 Disk Union下北沢 ¥110

4. Union All Stars / Fool On The Hill

『バカラック・レイ・ビートルズ・S&G サウンド・クリエーター大全集』
ユニオン・オール・スターズ
テイチク株式会社 CJP-1016~7
2021.1.3 Disk Union下北沢 ¥340

5. Ted Heath and His Music / Get Back

『テッド・ヒース/ビッグ・バンド・ロック・ヒッツ』
テッド・ヒース楽団、テッド・ヒース・オーケストラ
キングレコード株式会社 GT-135/6
2019.11.13 HMV Record Shop コピス吉祥寺 ¥110

6. Joseph Mayer & Midnight Sun Pops Orchestra / Michelle

『ムード・ミュージック・ライブラリィ第3集 ムード・イン・ギター*1』
演奏:ジョセフ・メイヤー Midnight Sun Pops Orch.
株式会社 国文社 Sun Music Record SKS-003
2018.10.10 HMV Record Shop渋谷 ¥25

7. Miguel Ramos / My Sweet Lord

『HAMMOND-HITS mit Miguel Ramos』
Karussell 2345 016
2020.10.1 レコファン渋谷BEAMS店 ¥100

8. Yukio Eto & Golden Sounds / Let It Be

『ヤング・ヤング・フルート/レット・イット・ビー』
編曲)筒美京平 フルート)衛藤幸雄 演奏)ゴールデン・サウンズ
東芝音楽工業株式会社 TP-7419
2020.3.5 Disk Union新宿ロックレコードストア ¥250

9. Franck Pourcel / Don't Let Me Down

『プゥルセル・ミーツ・ザ・ビートルズ(華麗なるビートルズ・ソング・ブック)』
フランク・プゥルセル・グランド・オーケストラ
東芝音楽工業株式会社 OP-80055
2019.11.13 HMV Record Shopコピス吉祥寺 ¥110

10. Paul Mauriat / Yesterday

『ポール・モーリア・ビートルズの世界』
ポール・モーリア・グランド・オーケストラ
日本フォノグラム株式会社 PM-10
2019.12.14 国分寺 珍屋 ¥360

11. Royal Rock Beats / A Hard Days Night


ムード派の
愛の音楽
ビートルズ

とはいえ一番好きなビートルズカヴァーはレジデンツ。
The Beatles Play The Residents & The Residents Play The Beatles


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The Futuristic Sounds Of Mahina~和田弘とマヒナスターズとサン・ラ・アーケストラのただならぬ関係

2021年01月13日 00時57分21秒 | こんな音楽も聴くんです


日本のハワイアン、ムード歌謡の第一人者、和田弘とマヒナスターズ(Wada Hiroshi & His Mahina Stars)は1954年に結成され、1957年にムード歌謡としてデビューした。マヒナとはハワイ語で「月」を意味する。同じ1957年にアメリカのジャズ・ピアニスト、サン・ラが『Jazz By Sun Ra Vol. 1』でTransitionレーベルからデビューした年である(のちに『Sun Song』としてDelmarkレーベルから再発された)。「月」のマヒナと「太陽」のサン・ラが同じ年に地上に登場したという事実に驚く人も多いかもしれない。そういえばステージ左側にメンバーから離れてスチールギターを弾く和田弘の姿が、下手のピアノからアーケストラのメンバーに指示を出すサン・ラのように見えてこないだろうか。





川越のレレノレコードの10円箱からサルベージした『和田弘とマヒナスターズ 結成10周年記念リサイタル』は、ブックレット+ソノシート4枚組のミュージックブック。ブックレットの新聞評からリサイタルは12月9日東京大手町のサンケイホールだと分かるが、よくある事だが録音年がどこにも書かれていない。結成10周年というからには1964年だったと考えられる。マヒナスターズのメンバーは、和田弘(リーダー、スチールギター)、松平直樹(テノール&ウクレレ)、三原さと志(バリトン、マラカス)、佐々木貫一(テノール、ファルセット、ウクレレ)、山田哲也(バリトン、ベース)、日高利昭(バス、ギター)。収録曲は「好きだった」「男なら」「菊千代と申します」「泣きぼくろ」「民謡メドレー:こちゃえ節/さのさ/新土佐節/南国土佐を後にして」「夜霧のエアーターミナル」「泣かないで」「グッドナイト」の全11曲。佐々木のファルセットが女性ヴォーカルのように聞こえるので、最初に聴いたとき美人歌手がゲスト参加しているのかと思ってジャケ写を何度も見直してしまった。物悲しいスチールギターに垢ぬけないコーラスが乗るサウンドは、ハワイというより高知県の寂れた海水浴場で遊んだ子供時代が目に浮かぶレトロフューチャー感がある。ちなみに筆者は生まれてこの方、四国に足を踏み入れたことはない。



スタンダードなハワイアンや流行歌や民謡をミックスしてコーラス・スタイルでヒットさせたマヒナの革新性は、後の演歌コーラスやラグジュアリー歌謡に大きな影響を与えた。その意味でもスウィング/バップをベースにエキゾティシズム、R&B、ドゥーワップ、さらにフリージャズや電子音楽まで取り入れたサン・ラの革新性に通じるものがある。2004年に和田が急死したあとに、メンバーの松平が中心となって活動を続けたのは、もしかしたら1993年にサン・ラが没したあと、マーシャル・アレンがリーダーとして活動するサン・ラ・アーケストラにヒントを得たのかもしれない。

和田 弘とマヒナスターズ 泣かないで/惚れたって駄目よ/お百度こいさん 昭和歌謡


マヒナのレコードの数は、さすがにサン・ラのリリース数に及ぶべくもないが、下記のディスコグラフィ(Wikipediaから転載)を見るとなかなか集め甲斐がありそうなコレクションである。

ビクターレコード
泣かないで/渚のバラード(1958年8月、VS-117)
夜霧の空の終着港(エアーターミナル)/忘られぬ唇(1959年1月、VS-174)
潮来船頭さん/伊豆の湯けむり(1959年5月、VS-215)
泣けるうちゃいいさ/俺の東京が消えてゆく(1959年4月、VS-216)
好きだった/ロマンス・タイム(1959年、VS-218)
グッド・ナイト(松尾和子とのデュエット)(1959年7月、VS-232)
回り道(今日は遅くなってもいいの)/恋心(1959年8月、VS-)
思い出があるじゃないか/たった一人のアパート(1959年、VS-258)
風のある道(1959年、VS-262)- 片面は朝倉ユリの「夜霧のヘッドライト」
おけさの島よさようなら/雪国の女(1959年、VS-264)
誰よりも君を愛す(松尾和子とのデュエット)(1959年12月、VS-282)
夜がわるい(松尾和子とのデュエット)/街の噂も65日(1960年2月、VS-289)
憎い人(市丸とのデュエット)(1960年1月)
お百度こいさん/バラと野郎たち(1960年5月、VS-326)
夜の招待(フランク永井、松尾和子参加)(1960年5月、VS-332)
小さな想い出(1960年9月、VS-380)
とってもたのしくしてあげましょう(松尾和子とのデュエット)(1960年、VS-427)
惚れたって駄目ヨ(1961年5月、VS-505)
北上夜曲(多摩幸子とのデュエット)(1961年6月)
春の名残り(多摩幸子とのデュエット)/北帰行(1961年11月、VS-592)
色は匂へど(1962年1月、VS-622)
夜の子守唄/惜別(1962年3月、VS-676)
寒い朝(吉永小百合とのデュエット)(1962年4月、VS-681)
悲しき汽車ポッポ(1962年5月、VS-722)
小さな町でも(山中みゆきとのデュエット)(1962年)
山の男で暮すのさ(1962年12月、VS-870)
虹子の夢(吉永小百合とのデュエット)(1963年、VS-890)
ふられ上手にほれ上手(三沢あけみとのデュエット)(1963年2月、VS-906)
恋の門前仲町(1963年、VS-936)
男ならやってみな(1963年、VS-958)
帰りの港/ながし舟唄(1963年5月、VS-982)
島のブルース(三沢あけみとのデュエット)/長崎慕情(1963年4月、VS-998)
どうせやくざで(1963年、VS-1098)
泣きぼくろ(1963年9月、VS-1104)
つみな奴だよ(1963年10月、VS-1134)
目を閉じて/夜霧の街をひとりゆく(1964年4月、SV-18)
ウナ・セラ・ディ東京/流れるままに(1964年6月、SV-24)
お座敷小唄(松尾和子とのデュエット)/マヒナのさのさ(1964年8月、SV-77)
手紙/夜の煉瓦道(1964年、SV-108)
愛してはいけない/別離の詩(1964年11月、SV-116)
可愛いいあの娘/亡き君を想う歌(1964年、SV-154)
ワン・レイニー・ナイト・イン・トーキョー(雨の夜の東京)/夏の日の想い出(1965年2月、SV-162)
続お座敷小唄(松尾和子とのデュエット)/新土佐節(1965年4月、SV-205)
てるてる坊主泣かないで(冨士綾子参加)(1965年、SV-208)
愛して愛して愛しちゃったのよ(田代美代子とのデュエット)/泣き曜日(1965年6月、SV-237)
涙くんさよなら/リンデンバウムの歌(1965年12月、SV-322)
女の恋ははかなくて/赤坂の夜は更けて(1965年9月、SV-288)
サヨナラ札幌((松平直樹参加)/愛の悲しみ(1966年1月、SV-350)
ここがいいのよ(松平直樹、田代美代子参加)/ムーン・ドリーム(佐々木貫一参加)(1966年、SV-383)
銀座ブルース(松平直樹、松尾和子参加)/東京の夜は楽し(三原さと志参加)(1966年5月、ビクターレコード、SV-386)
涙と雨にぬれて(松平直樹、田代美代子参加)/オータムイン東京(1966年10月、SV-462)
キッスをあなたに(1966年)
泣くな片妻/女の酒(1967年4月、SV-546)

東芝音楽工業
北国は寒いだろう/別れても愛してる(1967年3月10日、TP-1435)
女っぽいね/三百六十五人の恋人(1967年3月10日、TP-1436)
あの娘に逢いたい/夕映えの渚(1967年5月15日、TP-1472)
男の夜曲/憎い人だよ(1967年6月21日、TP-1500)
愛しているよいつまでも/さいはての湖(1967年8月5日、TP-1503)
中州ブルース/片想い(1967年10月15日、TP-1550)
先斗町小唄/慕情のワルツ(1967年、TP-1560)
あなたのうわさ/恋の銀座村(1967年12月25日、TP-1575)
鍵/二人だけの夜(1968年4月1日、TP-2004)
花化粧/哀愁の夜(1968年7月10日、TP-2037)
死ぬまであなたと(1969年2月10日、TP-2***)
我が恋の旅路/恋の絆(1969年4月10日、TP-2146)
ブルー・ナイト・イン・札幌/渚のバラード(1969年9月5日、TP-2170)
私って駄目な女ね/雨に濡れたギター(1968年9月21日、TP-2070)
博多の夜/ぎんざ雨(1969年10月1日、TP-2199)
待たされて/雨に濡れて(1970年3月5日、TP-2252)
愛はイロいろ/月の砂浜(1970年8月5日、TP-2315)
ほんとなんだぜ/うぬぼれ女の恋物語(1971年3月5日、TP-2389)
ブルー・ナイト・イン・札幌/ワン・レイニー・ナイト・イン・東京(1971年9月5日、TP-2510)
赤坂の女/ほんとかナ?(1972年9月5日、TP-2738)
迎えに来たよ/大阪物語(1973年6月5日、TP-2849)

沖縄煙草産業
でいご音頭(ソノシート)

キングレコード
愛のふれあい(三島敏夫参加、沢ひろしとTOKYO99のカバー)/女心の唄(バーブ佐竹のカバー)(1974年、BS-1876)
ゆうわく(ローレン中野とのデュエット)/しゃれた関係(1976年、GK-11)

方やムード歌謡、方やジャズ、日米文化の伝統を継承する音楽ジャンルの最古参として今なお活動を続けるマヒナとサン・ラ・アーケストラが共演する日を夢見ながら、ソノシートに針を下すとしよう。

マヒナから
サン・ラへ至る
革新の道

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【和の心・純邦楽への誘い】邦楽大系別巻『現代邦楽』/禅:只管打坐/横山勝也の世界『三界輪転』/『地歌大鑑 上之巻』+和の心DJ MIX音源

2021年01月07日 02時38分38秒 | こんな音楽も聴くんです


昨年後半から、純邦楽(和楽・国楽)と呼ばれる日本の伝統音楽や古典音楽に興味が出てきた。子供の頃は民謡を学校や盆踊りで聴いたり歌ったりして嫌いじゃなかったが、成長するにつれなんだか野暮ったく田舎臭いものに感じられ、歌謡曲や洋楽ポップスに惹かれるようになり、物心ついた頃には民謡や雅楽は年寄りが聴く音楽として、自分から聴こうという気は起きなくなった。フリージャズや前衛音楽を聴くようになると、尺八や三味線や篳篥や筝など和楽器を使うミュージシャンを観る機会が増えて、彼らのアヴァンギャルドな演奏に驚いたが、それは抹香臭い伝統楽器を使って西洋の進歩的な音楽に対抗するプレイをするからであって、邦楽器本来の響きに惹かれたわけではない。また日本の現代音楽で邦楽器や純邦楽の要素を取り入れた曲も多く、中には面白いと感じるものもあったが、総じて邦楽的な音楽よりも西洋もしくは非日本的な民俗音楽色のある現代音楽を好んでいた。

純邦楽に興味を持ったきっかけは、コロナ禍の自粛中に近くの公園を散策していて気が付いた自然の音の魅力である。鳥の囀りや虫の音、風の音や木の葉の騒めき、人間の営みが中断したことで存在感を増した自然の音色。フィールド・レコーディングをしたり、自然音のレコードを聴いているうちに、西洋的な音楽よりも日本的・和的なサウンドの方が自然に近く感じられるようになったのだ。また、一定のリズムやビートを強調した音楽が人工的で鬱陶しく感じることが多くなり、リズムの希薄な音楽を求めていて、たまたま聴いた尺八や三味線に固定されたリズムがあまりない事に気づき、心地よく感じたのである。海外での再評価から、日本のアンビエント/ニューエイジ・ミュージックが見直され、ちょっとしたブームになっていることとも無縁ではないだろう。筆者にとっては人工的なシンセや電子音のアンビエントよりも、人が奏でる和楽器の静謐な音の方がよっぽど環境に溶け込んで聞こえたのである。

緊急事態宣言の時も営業していたハードオフのジャンクレコードコーナーに民謡や義太夫や長唄のレコードが多数ある事に気づき試しに購入してみた。ほとんどが野暮ったく暑苦しい音楽だったが、次第に和楽器特有のさわりの多いサウンドに惹かれるようになった。とはいっても純邦楽の深淵な世界に足を踏み入れる覚悟が出来ているわけではない。たくさんある埃と黴塗れのジャンク盤の中から、つまみ食いのように気に入る純邦楽レコードを救出するのが新年の愉しみだったと言っても過言ではない。

●邦楽大系別巻『現代邦楽』(岸辺成雄編 筑摩書房刊 / 2枚組LP)


昭和47年(1972年)に発行された全12巻の邦楽大系シリーズの13巻目(別巻)。黛敏郎、間宮芳生、諸井誠、藤井凡大といった日本の現代音楽家が作曲した現代邦楽曲がLP2枚に収録されている。宮内庁の雅楽隊、尺八、筝、琵琶、十七絃といった和楽器のみの演奏は、オーケストラやピアノなど西洋楽器に和楽器を加えた作品とは全く違う純和風自然音楽である。分厚い解説本付きで100円で購入できたことは、音楽の内容以上の歓びを感じた。

黛敏郎:雅楽「昭和天平楽」



●禅:只管打坐(日本フォノグラム PH-7501-02 / 2枚組LP)


1970年11~12月に福井県永平寺で録音された2枚組LP。鳥の囀りや風の音、僧侶の修行やお経の儀式などをフィールド・レコーディングにより克明に記録。無音のパートに冷え切った冬の山の空気が感じられる。僧侶の唱える重厚なコーラスのような念仏はグレゴリア聖歌に匹敵する日本の民俗音楽である。寺院の中の営みのサウンドはノイズ(騒音)ではなく、人が生み出す自然の音楽に他ならない。実録アンビエント・ミュージックの極みと言えよう。

禅静寂の瞑想空間 - 曹洞禅—只管打坐 夜坐



●横山勝也の世界『三界輪転』(日本コロムビア OX-7193-95-ND / 3枚組LP)


尺八奏者にして作曲家の横山勝也の作品を集めた3枚組LPボックス。1963年に結成された和楽器アンサンブル日本音楽集団のメンバーや打楽器奏者・吉原すみれなどが参加。スタイルとしては現代邦楽だが、尺八ソロなどを聴くと、近現代より前の古典の時代からフリー・インプロヴィゼ―ションの要素が突き動かした音楽性を追求していることが実感できる40年近く昔、成人式の出し物で日本音楽集団のステージを観た。和楽器の解説とビートルズ・ナンバーの和楽器演奏。洋楽曲を和楽器でカヴァーすることは、観客に迎合した安上がりのエンターテインメントに感じられた。今思えば新成人に純邦楽を紹介し興味を持ってもらうための苦肉の策だったのかもしれない。40年経って純邦楽を聴くようになったのだから、作戦は成功したと言えるだろう。

Yokoyama Katsuya "San An"



●『地歌大鑑 上之巻』(東芝EMI THX-90249-63 / 15枚組LP)


1月4日に期待しないで入ったHMVの100円レコードコーナーで発見した15枚組ボックスセット。地歌とは、現在の三味線音楽のルーツで、江戸時代に上方を中心とした西日本で行われた、江戸唄に対する地(地元=上方)の歌という意味である。長唄や浄瑠璃のように変に力んだ歌ではなく、地声に近い淡々とした自然な歌と、三味線と筝のゆったりしたアンサンブルのミニマルな響きが、邦楽の野暮ったいイメージを払しょくし、日本民族の血に古くから流れる自然への畏怖の気持ちを反映した、慎ましく清浄な音楽性を明らかにする。このボックスセットは『中之巻』と『下之巻』もあるようだから全巻揃えると45枚のLP全集となる。

地歌《夕顔》 Jiuta "Yūgao"


和の心
ミックスしても
変わらない

"和の心MIX" with Noise Doll "Orin"

1. 禅・只管打座 / 永平寺の朝
2. 山岳帯森林の鳥のコーラス
3. Bjorn Nilsson / CXLI Greeting to La Monte Young
4. 加戸桂子 / 正調山中節
5. 秋山梅鶯 / 黄鶴楼
6. 林光 / JAPAN
7. 黛敏郎 / 昭和天平楽・急
8. Alvin Lucier / I am sitting in a room
9. 杜の都せんだい観光案内
10. 日本三景松島観光案内
11. Zoltan Jeney / KATO NJ 300; July 22, 1979, 10.30 a.m.. - Lipto Street, Budapest
12. 連合赤軍「あさま山荘」人質事件トップ・シーン
13. 坂田明 / 勧進帳
14. 虫しぐれ / 中秋
15. 友川かずき / 無残の美
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