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クラシック輸入盤・新譜情報/グッディーズ

コメントはメーカー案内書より抜粋です。お問い合わせ:goodies2@pc.highway.ne.jp

11-02 No.28

2011年02月26日 11時59分50秒 | Weblog
<ATMA CLASSIQUE>
ACD2 2647 \1850
フロラン・シュミット:交響詩「サロメの悲劇」 Op.50
フランク:交響曲ニ短調
メトロポリタン管弦楽団
ヤニック・ネゼ=セガン(指揮)
録音:2010年7月ケベック
破竹の勢いの若手指揮者ヤニック・ネゼ=セガン。2008年にロッテルダム・
フィルの音楽監督、同じく2008年からロンドン・フィルの首席客演指揮者に
就任し、そして2012年からはデュトワの後にフィラデルフィア管の音楽監督
に就任することが決まっている、今最も注目されている指揮者の一人です。
ATAMAレーベルからの新譜は、2000年から芸術監督を務めるメトロポリタン管
とのフラロン・シュミットの代表作「サロメの悲劇」と、コンサートでも度々
取り上げているフランクの交響曲。
「サロメの悲劇」は、第1部の「序奏」から重厚でうねるような響きを持って
はじまり、続く「真珠の踊り」では切れ味よい迫力の演奏を繰り広げます。
第2部の「海上の誘惑」は蠢く幻想的な音楽を妖しく魅惑的に展開し、「稲妻
の踊り」、「恐怖の踊り」では狂気と官能的表現のもとに大迫力で演奏される
力のこもった熱演を聴かせてくれます。
フランク唯一の交響曲ニ短調。陰鬱とした重厚な響きの中にも、ネゼ=セガ
ンは優れた構成力を生かしニュアンス豊かに仕上げています。

ACD2 2642 \1850
フェット・ギャラント-雅なる宴
フォーレ:マンドリン、月の光、あけぼの、ひそやかに
ラヴェル:5つのギリシャ民謡
ドビュッシー:
 「雅なる宴」-声をひそめて、あやつり人形、月の光
 「ピリティスの歌」-パンの笛、髪、ナイアードの墓
プーランク:
 「メタモルフォーゼ」-かもめの女王、おまえの姿はこれだ、パガニーニ
 「アラゴンの詩による2つのメロディ」-セー、みやびやかな宴
オネゲル:6つの田園詩曲
ヴュイエルモーズ:フランス系カナダ人の歌
カリーナ・ゴヴァン(S) マルク=アンドレ・アムラン(P)
録音:1999年5月14-16日モントリオール
現代カナダを代表するソプラノ、カリーナ・ゴヴァンと超絶技巧で数々の難曲
を演奏してきたピアニスト、マルク=アンドレ・アムランによるフランス歌曲
集。1999年にラジオ・カナダで収録されたこの音源は、ラジオ・カナダとATMA
クラシックの共同制作によってCD発売が実現しました。ここには1869年に出版
されたヴェルレーヌの詩集「雅なる宴(フェット・ギャラント)」に、インスピ
レーションを得たドビュッシーやフォーレの歌曲が収録されています。カリー
ナ・ゴヴァンの多彩な声、言葉の美しさ、独特のニュアンスはフランス歌曲の
録音の頂点の一角をなす1枚と言えるでしょう。





<GLYNDBOURNE>
GFOCD 010 3枚組 \5150
R.シュトラウス:「バラの騎士」
モンセラート・カバリエ(S 元帥夫人)
テレサ・ツィリス=ガラ(Ms オクタヴィアン)
エディト・マティス(S ゾフィー)
オットー・エーデルマン(Bs オックス男爵)
ジョン・モデノス(Br ファーニナル)
アンジェラ・ジェンキンス(S マリアンネ)
デイヴィッド・ヒューズ(T ヴァルツァッキ)
アンナ・レイノルズ(Ms アンニーナ)
ジョン・アンドルー(T 歌手)ほか
ジョン・プリッチャード(指)
ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団、グラインドボーン合唱団
録音:1965年5月30日、グラインドボーン
グラインドボーン歌劇場の歴史的録音のシリーズ、新刊は1965年の「バラの騎
士」です。驚くべきことに、元帥夫人は大プリマドンナ、カバリエ!実はこれ
は意外でも何でもなく、カバリエは若い頃、スイスのバーゼル、さらにブレー
メンの歌劇場に所属していて、バーゼル時代にはサロメも歌っています。この
前月に伝説的なドニゼッティ「ルクレツィア・ボルジア」の復活上演を成功に
導き、一気にイタリアオペラのプリマドンナとして注目を浴びますが、この頃
はまだドイツオペラを頻繁に歌っていました。32歳のカバリエは、歴代の元帥
夫人で声の美しさでは一二を争うほど。他のキャストがまた凄い。ゾフィーに
は、27歳のマティス。ベルリン・ドイツオペラ来日公演のケルビーノが話題と
なった2年後のことです。オクタヴィアンは、ポーランドの美声メッゾ、ツィ
リス=ガラ。彼女も30歳という若さ。3役を50歳前後のベテラン歌手が占める
ことも少なくない「バラの騎士」で、この若い歌手による上演はとても魅力
的。その上で、オックス男爵を「極めつけ」のエーデルマンが実に達者に演じ
歌っています。英国が誇る名オペラ指揮者、プリッチャードの指揮も見事に
ツボを突いたもの。音の状態も比較的良好。かつて抜粋が一度海賊LPになった
ことがあるだけで、全曲はこれが初出。素晴らしい上演を蔵出し音源でお楽し
みください!

GFOCD 011 2枚組 \3780
ブリテン:「ねじの回転」
ウィリアム・バードン(T プロローグ,ピーター・クイント)
カミラ・ティリング(S 家庭教師)
ジョアンナ・ソンジ(S フローラ)
クリストファー・スラッディン(Boy S マイルズ)
アン=マリー・オーウェンズ(Ms グローズ夫人)
エンマ・ベル(S ジェッセル嬢)
エドワード・ガーディナー(指)ロンドン・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2007年8月、グラインドボーン
グラインドボーン歌劇場で2007年に上演されたブリテンの「ねじの回転」の
ライヴ録音。ブリテンは室内オペラを好んで取り上げましたが、中でも傑作
が「ねじの回転」。ヘンリー・ジェイムズの同名の原作そのものが、人間の
心理の内面を掘り下げた傑作と知られており、ブリテンはそこから素晴らし
いオペラを生み出しています。この上演では、主人公である家庭教師に、今
や大人気のスウェーデンのソプラノ、カミラ・ティリングを起用。鍵となる
ピーター・クイントには、米国出身で広いレパートリーで活躍するウィリア
ム・バードン。またジェッセル嬢に、バロック音楽で活躍するエンマ・ベル。
実は彼女はシュトラウス以降の近代音楽も得意にしています。エドワード・
ガーディナーは、1974年、英国のグロスター生まれの指揮者。2004年から2007
年まで、グラインドボーン歌劇場のツアーの音楽監督、2007年からイングリッ
シュ・ナショナル・オペラの音楽監督を務め、さらに2011年9月からはバーミ
ンガム市交響楽団の首席客演指揮者に就任予定。今注目されている若手です。




<naive>
3770001901114 \2280
(1)虹の彼方に(オズの魔法使い)-カリーヌ・デエ
(2)チーク・トゥ・チーク(トップ・ハット)-エミリー・ロワゾー
(3)シェルブールの雨傘-カリーヌ・デエ、セバスエィアン・ドゥロア
(4)踊り明かそう(マイ・フェア・レディ)-カリーヌ・デエ
(5)そんなことはどうでもいいさ(ポーギーとベス)
-ローズマリー・スタンドリー
(6)メモリー(キャッツ)-サンドリーヌ・ピオー
(7)マクサンスの歌(ロシュフォールの恋人たち)
-カリーヌ・デエ、アルビン・ドゥ・ラ・シモーネ
(8)虹の彼方に(オズの魔法使い)
-ラファエル・アンベール(Sax)、ヨハン・ファルジョ
(9)クレイジー・ワールド(ビクター/ビクトリア)
-イサベル・ジョルジュ、ラヴァエル・アンベール、ヨハン・ファルジョ
(10)グッド・モーニング(雨に唄えば)
-マガリ・レジェ、カリーヌ・デエ、アラン・ブエ
(11)マリア(ウェストサイド物語)-カリーヌ・デエ
(12)夢やぶれて(レ・ミゼラブル)
-カロル・ブッファによるインプロヴィゼーション
(13)ワン・ハンド、ワン・ハート(ウェストサイド物語)
-カリーヌ・デエ、ヨハン・ファルジョ、コトラスト合唱団
(14)すべての山にのぼれ(サウンド・オブ・ミュージック)
-サンドリーヌ・ピオー、カリーヌ・デエ
(15)ベス、お前は俺のもの(ポーギーとベス)
-マガリ・レジェ、アラン・ブエ
(16)モノポリス(スターマニア)-カリーヌ・デエ、セバスティアン・グエズ
(17)アイ・ガット・リズム(パリのアメリカ人)-ラファエル・アンベール
(18)ストーン(スターマニア)-カリーヌ・デエ、セバスティアン・ドゥロワ
(19)ラ・ボエーム-アンサンブル・コントラスト
アンサンブル・コントラスト
【アルノー・トレット(Vla)、ヨハン・ファルジョ(Pf)、
ピエール・フォシュンエル(Vn)、アントワーヌ・ピエルロ(Vc)】
録音:2010年7月
超豪華演奏者陣によるミュージカルの名曲集!アンサンブル・コントラストは
クラシックの演奏家たちによって構成され、ジャンルの垣根を越えて魅力的な
アンサンブルを聴かせてくれる彼らの新譜は、様々な豪華ソリストをゲストに
迎え、ミュージカルの名曲をずらりと並べたアルバム。吉田秀和氏も絶賛した
ピオーとデエによる「すべての山にのぼれ」は、映画の名シーンよりもより
神々しく厳かに響き、それでいてしゃれたアレンジも施されており感動的で
す。ピオーの澄んだ歌声の魅力は言うまでもありませんが、オペラを中心に
活躍するデエのまっすぐな声も非常に楽しめます。バッハ/コルトレーンな
どのアルバムでも新境地を示したジャズ・サックス奏者アンベールによるアイ
・ガット・リズムなどは洒脱の極み。これがサックスの音かと思わずにはいら
れない明るさと軽やかさ。エスプリに満ちたna?veレーベルならではの贅沢な
1枚です。




<Aurora>
ACD 5059(CD+DVD) \4550
A Migrant in the New-新天地の渡り鳥
[CD]
シェル・トゥーレ・インネルヴィーク(1974-):I-IV
ダーヴィド・ブラトリ(1972-):Microwaves
ペーテル・トルンクヴィスト(1963-):Q/Carving
ラグンヒル・ベシュタード(1956-):Respicio
イーヴァー・フロウンベア(1950-):Waves and velocities of dawn and dusk
[DVD]
ラヴァシル・ヌールルム アーティスティック・ポートレート
『新天地の渡り鳥』
ロルフ・ヴァリーン(1957-):Scratch
エーリク・デーリン(1976-):Head On
ジェイムズ・ウッド(1953-):Elanga N'Kake singing to his craft [excerpt]
シェル・トゥーレ・インネルヴィーク(NIME instruments)
録音:2009年-2010年 ノルウェー音楽アカデミー、リンデマンホール(オスロ)
制作:マッツ・クレーソン、シェル・トゥーレ・インネルヴィーク 
録音&ミクシング:マッツ・クレーソン
ノルウェーの打楽器奏者シェル・トゥーレ・インネルヴィーク。このアルバム
「新天地の渡り鳥」で NIME(New Interfaces for Musical Expression)(音楽
表現と芸術公演のための新しいテクノロジー研究の国際会議)のために考案し
た「四分音マリンバ、打楽器、風船、その他、打ったり撫でたりすることで
演奏目的に使う部材」を含む NIME instruments を演奏し、音の新しい風景
に挑みます。ノルウェー、デンマーク、イギリスの作曲家らがインネルヴィー
クのために書いた作品を共同制作し、録音とミクシングも担当したのはストッ
クホルム生まれのマッツ・クレーソンです。彼は1990年からノルウェー音楽
アカデミーで准教授を務め、プロダクションや技術コンサルタントとしてさ
まざまな音楽現場で活躍しています。DVDに収録された『新天地の渡り鳥』は、
インネルヴィークの音楽を映像面から体験する目的で作られました。ノルウェ
ーの画家、写真家のラヴァシル・ノルドルムが起用され、NIME instruments
を演奏するインネルヴィークの姿をいろいろな角度から映像に捉えています。

ACD 5062 \2280
Call-Notes(地鳴き)  シュンネ・スコウエン(1950-):ポートレート
(1)Une Soir?e d'?t?...(ある夏の宵…)(ヴァイオリンソロのための)
(2)Hils Domitila!(やあドミティラ!)(ピアノのための)
(3)NATTSTYKKE(夜の小品)(管弦楽のための)
(4)Fair Play, Pocket Music for Percussion
(フェアプレー、打楽器のためのポケットミュージック)
(5)...‡ travers les paroles(「…言葉を通して」)
(6)catchme!(キャッチミー!)(チェロとピアノのための)
(7)O Vilhelm, Vilhelm(おおヴィルヘルム、ヴィルヘルム)
(弦楽四重奏+1 のための)
(8)Vent!(待って!)(ピアノのための)
(9)Scenes from Volven(バレエ「女予言者」の場面 )
(1)ゲイル・インゲ・ロツベルグ(Vn) (2)エレン・ウゲルヴィーク(P) 
(3)ノルウェー放送管弦楽団 クリスチャン・エッゲン(指揮)
(4)アンサンブルSISU ビョルン・スカンセン(打楽器) 
マリウス・ソービ(打楽器) トゥーマス・ニルソン(打楽器)
 アーリル・トルヴィーク(打楽器)
(5)ゲイル・インゲ・ロツベルグ(Vn) (6)エレン・ウゲルヴィーク(P) 
ヨハンネス・マッテンス(Vc)
(7)ルート・ヴィルヘルミーネ・マイエル(声) 
オスロ弦楽四重奏団  ゲイル・インゲ・ロツベルグ(Vn)
 リヴ・ヒルデ・クロック(Vn) アーレ・サンバッケン(Va) 
オイスタイン・ソンスタード(Vc)
(8)エレン・ウゲルヴィーク(P) (9)トゥーネ・クルーセ(A) 
ノルウェー放送管弦楽団 クリスチャン・エッゲン(指揮)
(1)録音:2005年1月10日リス教会(オスロ)(2)(4)(6)(8)
録音:2010年6月22日-23日ソフィエンベルグ教会(オスロ)
(3)録音:2009年11月16日ノルウェー放送(NRK)大スタジオ(オスロ)
(5)録音:2008年6月、9月ソフィエンベルグ教会(オスロ)(7)
録音:2010年1月23日ソフィエンベルグ教会(オスロ)
(9)録音:2010年6月7日ノルウェー放送(NRK)大スタジオ(オスロ)
ノルウェー国立オペラ・バレエが上演した1989年のバレエ《女予言者》で大成
功を収め、現代ノルウェーの文化を担う音楽家のひとりとして活躍するシュン
ネ・スコウエンの初めての "ポートレート・アルバム"。彼女の音楽は、われ
われの日常の生活や体験と密接な関わりをもち、その「親しい感覚」が聴き手
に何かを切実に語ります。静寂と休止と距離が随所に配置され、その奥からわ
れわれに呼びかけ、誘ってくる何か。マルグリット・デュラスの小説『青い
目、黒い髪』から曲名をとった、「マルグリット・Dによるヴァイオリンソロ
のための瞑想」の副題をもつ《"Une Soir?e d'?t?..."(「ある夏の宵…」)》
と、《"...‡ travers les paroles"(「…言葉を通して」)》以下の作品が、
打楽器アンサンブル SISU の演奏する3つの《Fair Play, Pocket Music for
Percussion(フェアプレー、打楽器のためのポケットミュージック)》を挟ん
で収録されています。北欧叙事詩『巫女の予言(Volusp?)』に基づく《女予言
者》からは、予言者とノルンたちが生と死の紐を編む、約15分の審判の場面
が選ばれました。




<helicon>
HEL 029638 \2080
・モーツァルト:交響曲第35番ニ長調KV.385「ハフナー」
・ドヴォルザーク:交響曲第8番ト長調Op.88
ヘルベルト・ブロムシュテット(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音: 2005年11月3-5日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
名匠ブロムシュテットが2005年にイスラエル・フィルを指揮してドヴォルザー
クの第8交響曲をライヴ収録したアルバムは、この指揮者に関心のある方なら
すぐにピンとくる注目のプログラム。
ブロムシュテットといえば、首席指揮者(1975‐1985)を務めたシュターツカ
ペレ・ドレスデンと、1974年にドヴォルザークの第8番をセッション録音して
おり、伝統に培われた名門オケの深くゆたかな響きを最大限に活かした音楽
作りにはたいへん印象深いものがありました。モーツァルトについても、
1982年に第38番「プラハ」と第39番を、1981年に第40番と第41番をいずれも
セッションで録音していましたが、あいにく第35番「ハフナー」は録音され
なかったので、このたびのリリースには期待がかかります。
なお、このときのドヴォルザークについては、心ある音楽ファンの間で“ブ
ロムシュテットの最高傑作”との呼び声もあるほどの出来ばえをみせていた
のは有名な話です。
ドヴォルザークの第1楽章冒頭、チェロの歌い出しに始まり、ボヘミアの田園
風景を思わせるアダージョ、センチメンタルな第3楽章、そしてまたフィナー
レでのチェロのユニゾン、さらに、どこまでもエレガントな美に彩られたモー
ツァルト。2曲に共通して、極上の弦楽セクションを看板にするイスラエル・
フィルがもっとも真価を発揮する場面の連続であるというところ。
ブロムシュテットが揃えた内容は、まさにイスラエル・フィルの美質を極限
まで引き出す絶妙なプログラム構成といえるでしょう。

HEL 029644 \2080
・ブラームス:ピアノ協奏曲第2番変ロ長調Op.83
 録音:2009年7月1日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
・サン=サーンス:ピアノ協奏曲第2番ト短調Op.22
 録音:1991年2月テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
[アンコール]
・スカルラッティ:ソナタ ハ短調K11
・シューマン:アラベスク ハ長調Op.18
・ショパン:練習曲ハ短調Op.10-12「革命」
 録音:2009年7月1日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
イエフィム・ブロンフマン(P)
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
圧倒的なテクニックと並外れた詩情とを併せ持ち、現在、世界的に活躍する
イエフィム・ブロンフマンは、高い人気を誇るアメリカのヴィルトゥオーゾ
・ピアニスト。
1958年に旧ソ連のタシュケントに生まれたブロンフマンは、1973年イスラエ
ルに移住して、テルアビブ大学サムエル・ルービン音楽アカデミーの名教授
アリエ・ヴァルディに師事、さらに1976年のアメリカ移住後はジュリアード
音楽院に学び、ルドルフ・フィルクシュニー、レオン・フライシャー、ルド
ルフ・ゼルキンに師事しています。
名手たちの薫陶を授かり、天賦の才にさらなる磨きをかけたブロンフマンの
凄腕が、あますところなく捉えたこの協奏曲アルバムでは、まず何といって
も、ブラームスの第2協奏曲が一番の聴きものといえるでしょう。ブロンフ
マンがすでに実演ではさまざまな指揮者とひんぱんに取り上げているプログ
ラムだけあって、内容への期待度も十分です。
カップリングのサン=サーンスもまた、ブロンフマンが得意とする演目とし
て有名ですが、アンコールとして収録されたスカルラッティのソナタ共々、
1992年に収録されたザンデルリング&ベルリン・フィルとのライヴ映像作品
(20.57638)のなかで、完全に作品を自らのものとしていた姿は記憶にあたら
しいところです。
メータとはイスラエル時代にモントリオール響との協奏曲の共演で、ブロン
フマンが国際舞台へのデビューを果たして以来の間柄だけあって、息の合っ
たところをみせてくれるものとおもわれます。

HEL 029630 \2080
ブラームス:
交響曲第1番ハ短調Op.68
交響曲第3番ヘ長調Op.90
ズービン・メータ(指揮)
イスラエル・フィルハーモニー管弦楽団
録音:2009年10月13、14、16日テルアビブ、マン・オーディトリアム(ライヴ)
メータがイスラエル・フィルを指揮したブラームスの第1交響曲と第3交響曲
は、「ドイツ・レクィエム」(HEL029629)や、ブッフビンダーをソリストに迎
えた「ピアノ協奏曲第1番&第2番」(HEL029636)と、ほぼ同時期の2009年10月
にテルアビブでおこなわれた演奏をライヴ収録したものです。
ズービン・メータは当時30代後半だった1976年に、ウィーン・フィルとブラ
ームスの第1交響曲をセッション録音したのを皮切りに、1979年から1982年に
かけて、当時音楽監督を務めていたニューヨーク・フィルと交響曲全曲をセッ
ション録音、さらに1992年10月にイスラエル・フィルとも一挙に交響曲全曲
をセッション録音しています。また、イスラエル・フィルとは、1977年に第2
交響曲をライヴ録音、さらに同楽団が創設60周年を迎えた1996年にも、ガラ
・コンサートにおける第2交響曲のライヴ・レコーディングをおこなっていま
した。
このように、メータにとって第1、第3交響曲とも、イスラエル・フィルとは
17年ぶり2度目のレコーディングということになります。
メータは過去2度に亘り交響曲全集を完成させた実績からもブラームスをたい
へん得意にしているようで、また上記の通り、ここでの演奏はちょうどブラ
ームスを集中的に取り上げていた時期と重なり、レクィエムや協奏曲でも手
兵より申し分のない内容を引き出していたことを踏まえると、同様の充実ぶ
りを聴かせてくれるものとおもわれます。

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