<BelAir>
BAC 462(Blu-ray) \5670
BAC 062(DVD-Video) \4950
字幕(ボーナス部分):英仏独
アサフィエフ:バレエ音楽「パリの炎」(全曲)
[+リハーサル、オシポワ、ワシリエフ、ラトマンスキーのインタビュー映像]
ナターリヤ・オシポワ(ジャンヌ)、
デニス・サーヴィン(ジェローム)、
イワン・ワシリエフ(フィリップ)、
ユーリー・クレフツォフ(ド・ボールガール侯)、
ニーナ・カプツォーワ(アデリーヌ)他、
ボリショイ・バレエ団、
振付:アレクセイ・ラトマンスキー(ワイノネン版に基づく)、
舞台美術:イリヤ・ウトキン、エフゲニー・モナホフ、
衣装:エレーナ・マルコフスカヤ、
指揮:パヴェル・ソローキン(指)ボリショイ劇場管弦楽団
[2010年3月/ボリショイ劇場での高解像度録音]
ソヴィエト・バレエを代表する傑作ながら、日本では一部のナンバーを除いて
録音にも上演にも接するのが難しかったアサフィエフの「パリの炎」が、つい
にブルーレイとDVDで登場。ボリス・アサフィエフ(1884-1949)はリムスキー=
コルサコフとリャードフの門下の作曲家。非常に多作で、バレエ曲を27篇、歌
劇を10篇も残していたり、ロシア人としては唯一セゴビアのためにギター曲を
作曲もしていますが、むしろ音楽学者として高名で、大著「ロシアの音楽」は
邦訳もあります。「ショスタコーヴィチの証言」には卑劣漢として描かれてい
ますが、プロコフィエフの大親友で、かの「古典交響曲」を献呈されています。
「パリの炎」は1932年の作で、フランス革命を題材とし、虐げられた人民が腐
敗した貴族社会を倒す姿が描かれています。そのプロパガンダ色の強さと時代
を逆行したような音楽にとまどいつつも、健康的な前向きさに感激させられま
す。
アサフィエフの音楽はモダニズムのかけらもない古典的作風で、澄み切った管
弦楽法と輝かしい金管の扱いが光ります。また、フランス古典舞曲調の美しい
作品が多いのも注目です。
舞台も特筆。ことにフランス宮廷の舞踏会は衣装、踊りともに息をのむ美しさ。
主役のサーヴィン、オシポワ、ワシリエフのアクロバティックな演技も流石で
すが、貴族たちの優雅な舞はバレエの基礎ができている人たちならではの身の
こなしで、まるで美術品のよう。ボリショイのメンバーの実力を実感できます。
<SUPRAPHON>
SU 4035 \1780
アントニーン・ライヒェナウアー:
2つのオーボエ、ファゴットと弦楽のための組曲 変ロ長調
ファゴット協奏曲ハ長調
ファゴット協奏曲ト長調
オーボエ協奏曲ト長調
ヴァイオリン協奏曲ハ短調
オーボエ、ファゴットと弦楽のための協奏曲 変ロ長調
セルジオ・アッツォリーニ(バロック・ファゴット)
クセニエ・レフラー(バロック・オーボエ)
レンカ・トルゲルセン(バロック・ヴァイオリン)
コレギウム1704(ピリオド楽器使用)
ヴァーツラフ・ルクス(芸術監督)
おびただしい数が残された宗教作品とは違い、1701年から1730年代ころまでに
チェコの作曲家たちによって書かれた器楽作品はきわめて稀で、とりわけ重要
なものがライヒェナウアーの手になる20ほどの器楽作品。
ライヒェナウアーは、モルツィン伯(後にヨーゼフ・ハイドンが仕えたことでも
知られる)のチャペルの音楽家であり、ヨハン・フリードリヒ・ファッシュの後
任としてお抱え作曲家の役割を引き受けました。
モルツィン伯はまたヴィヴァルディを「イタリア音楽の巨匠」として雇い入れ
ていますが、いかにモルツィン伯の楽団の演奏水準が高いものであったかは、
ヴィヴァルディが称賛して自作を献呈していることなどからも明らかで、同様
にライヒェナウアーの協奏曲も高度なテクニックを要するものばかり。
ここでは、現代最高のファゴット奏者との誉れ高いセルジオ・アッツォリーニ
がバロック・ファゴットを担当しているほか、バロック・オーボエにクセニエ
・レフラーと精鋭たちが顔を揃えているのがおおきな魅力。当代屈指のピリオ
ド楽器によるアンサンブルで技巧的な作品の数々が現代によみがえります。
SU 4039 \1780
フランティシェク・イラーネク:協奏曲とシンフォニア集
シンフォニア ニ長調
ファゴット協奏曲ト短調
ファゴット協奏曲ヘ長調
フルート協奏曲ト長調
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
シンフォニア ヘ長調
セルジオ・アッツォリーニ(バロック・ファゴット)
マリーナ・カタルジノワ(バロック・ヴァイオリン)
ヤナ・セメラードヴァー(フルート・トラヴェルソ)
コレギウム・マリアヌム(ピリオド楽器使用)
ヤナ・ヤナ・セメラードヴァー(芸術監督)
フランティシェク・イラーネクは、プラハに居を構えていたモルツィン伯の
チャペルの作曲家でヴァイオリニスト。モルツィン伯の命によりヴェニスに遣
わされて、ヴィヴァルディに学んだため、その作風は師の影響を直接的に受け
継いだものとなっているのが大きな特徴。このアルバムでの演奏は、復活初演
をおこなった同じメンバーによるもので万全の仕上がりとなっています。
セルジオ・アッツォリーニは、ヴィヴァルディのアルバムなどでおなじみの世
界的ファゴット奏者。マリーナ・カタルジノワはロシアの古楽ヴァイオリニス
ト。モスクワ音楽院で学び、レオンハルト、ノリントンのマスタークラスを受
講、ソリスト、室内楽両面で活躍し、バロックから現代まで幅広いレパートリ
ーを誇ります。また、カタルジノワは2007年よりモスクワ音楽院のピリオド・
ヴァイオリン科で教鞭を取っています。
SU 4034 2枚組 \2080
[CD 1]
ドヴォルザーク:
チェロ協奏曲第2番ロ短調Op.104(B. 191, 1895)
森の静けさOp. 68/5(B. 182, 1893)
[CD 2]
ロンド ト短調Op. 94(B. 181, 1893)
チェロ協奏曲第1番イ長調(B. 10, 1865)
[ヤルミル・ブルクハウザー管弦楽補完]
トマーシュ・ヤムニーク(Vc)
プラハ放送交響楽団
トマーシュ・ネトピル(指揮)
録音:2010年6月28-30日 & 9月13日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ
(デジタル・セッション)
1985年生まれ、2006年(第58回)プラハの春国際音楽コンクールでチェロ部門最
高位に輝いたトマーシュ・ヤムニーク。SUPRAPHONより、チェコの作曲家たち
のソナタを集めたふたつのアルバム(SU.3928、SU.3947)をすでに発表している
ヤムニークが、ドヴォルザークによるオーケストラつきのチェロ作品全曲をレ
コーディングしました。
このジャンル屈指の傑作「チェロ協奏曲ロ短調」はもちろん、ドヴォルザーク
の専門家ブルクハウザーがオーケストレーションを施した初期のチェロ協奏曲
にいたるまで、ヤムニークのチェロはあふれる表現意欲とまばゆい感性が印象
的。さらに、1926年設立の名門プラハ放送響を率いて、ヤムニークを強力にサ
ポートするのは、やはりチェコ期待の若手指揮者として高い関心を集めるトマ
ーシュ・ネトピル。ネトピルは、2010年秋に、急逝したマッケラスの代役とし
てベルリン・フィルにデビューを果たしましたが、着実にヨーロッパを中心に
活動の場を拡げており、その指揮ぶりもおおいに注目される内容といえるで
しょう。
<MIRARE>
MIR 084 \2500
リスト:詩的で宗教的な調べ
第1曲:祈り/第2曲:アヴェ・マリア/第3曲:孤独のなかの神の祝福
第4曲:死者の追憶/第5曲:パーテル・ノステル
第6曲:眠りから覚めた御子への賛歌/第7曲:葬送
第8曲:パレストリーナによるミゼレーレ/第9曲:アンダンデ・ラクリモーソ
第10曲:愛の賛歌
ブリジット・エンゲラー(P)
録音:2010年4月
ブリジット・エンゲラーのMIRAREレーベル最新録音は、2011年生誕200年を迎え
るフランツ・リスト。「詩的で宗教的な調べ」は全10曲からなる作品群で、フ
ランス・ロマン派の詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの同名の詩集に深
い感銘を受け、タイトルを借りています。
全曲録音したピアニストは数少なく、単独で取り上げられることの多い作品。
特にラマルティーヌの詩が冒頭にかかげられ、宗教的で瞑想的な内容の第3曲
「孤独のなかの神の祝福」と超絶技巧で力強い重厚な第7曲「葬送」は有名。
またリスト自身が好んで演奏したという第10曲「愛の賛歌」は華麗で神秘的な
美しい作品。エンゲラーの磨き抜かれた音とエレガントな表現で全曲聴くこと
ができるのは嬉しいかぎり。
MIR 112 \2500
フランスのチェリストたち-メディテイションズ
ブロッホ:祈り
カザルス:鳥の歌
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ドヴォルザーク:交響曲第9番Op.95「新世界」より第2楽章ラルゴ
オフェンバック:ジャクリーヌの涙 Op.76-2
フォーレ:夢のあとに Op.7-1
シューマン:
古いリュートOp.35-12、異郷にてOp.39-1、月の夜Op.39-5、古城にてOp.39-7
ワーグナー:タンホイザーより「おお、おまえ、いとしい夕星よ」
ヴェルディ:ドン・カルロより「彼女は私を愛したことが無い」
チャイコフスキー:
弦楽四重奏曲第3番 変ホ短調 Op. 30 より 第3楽章 葬送とアンダンテ
レ・ヴィオロンチェレス・フランセ
(エマニュエル・ベルトラン、エリク-マリア・クトゥリエ、エマニュエル・
ゴーゲ、ハヴィエル・ピドゥ、ラファエル・ピドゥ、ローラン・ピドゥ、
ナディヌ・ピエール、フランソワ・サルク)
録音:2009年12月7-9日
フランスを代表するチェリストが集結したチェロ八重奏団という珍しい編成の
アンサンブル、レ・ヴィオロンチェレス・フランセ。ルネ・マルタンのプロ
デュースにより2006年のラ・フォル・ジュルネ(ナント)で初コンサートを行い、
聴衆を沸かせました。彼らのMIRAREデビュー・アルバムは「メディテイション
ズ」と題され、チェロの豊かな響きにぴったりの楽曲をこのアンサンブルにも
参加しているローラン・ピドゥが八重奏用に編曲。ブロッホ:祈り、カザルス:
鳥の歌、ラフマニノフ:ヴォカリーズ、オフェンバック:ジャクリーヌの涙、
フォーレ:夢のあとになどいずれも珠玉の名曲ばかり。それぞれの楽曲でソリ
ストが美しいメロディーを奏で、7人のチェリストで支える深みのある演奏は
心を揺さぶります。
<APARTE>
AP 007 \2300
デュティユー(b.1916):
(1)同じ和音の上に(ヴァイオリンと管弦楽のためのノクターン)
(2)夢の樹(ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲)
ラファエル・ダエーヌ(b.1943):ヴァイオリン協奏曲
大野和士(指揮)
ヨッシフ・イヴァノフ
(ヴァイオリン/1699年製ストラディヴァリウス’Lady Tennant’)
リヨン国立歌劇場管弦楽団
録音:2009年7月
大野和士が指揮するデュティユーの登場。デュティユー独特の、空間に点描を
描くような音世界、静寂と嵐のよう暴力的な部分の対比、すべてを見事に明晰
にまとめあげている大野の棒は見事。エネルギーが爆発する部分でも、大野の
熱い音楽性がオーケストラ全体を興奮の渦へと巻き込みます。イヴァノフは18
歳でエリザベート王妃国際コンクールに優勝した実力派で、知性と技巧を絶妙
なバランスで併せ持つ逸材です。デュティユーの世界を息もつかせぬ技巧と抒
情で聴かせます。1943年生まれ、ブリュッセルで学んだ作曲家ダエーヌの作品
もオケが底鳴りするような迫力に満ちた作品です。
<haenssler>
93 263 \2250
ヴォルフガング・リーム(b.1952):
(1)変容=オーケストラのための音楽(2002)
(2)変容2=オーケストラのための音楽(2005)
(3)変容3=オーケストラのための音楽(2007/ 2008)
(4)変容4=オーケストラのための音楽(2008)
(1)(2)クリスティアン・アルミンク(指揮)
(3)(4)マティアス・ピンチャー(指揮)
SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
録音:(1)2006年12月4-7日 (2)2007年10月18-19日
(3)(4)2008年11月29日
ヘンスラーのひそかな人気シリーズ、ヴォルフガング・リーム作品集最新盤。
今回は注目のアルミンクの登場です。暗闇に一筋の光が差すような、一音から
始まる「変容」、牧歌的な三度の和音から始まる「変容2」では、緊張の糸が
気持よく張り詰めたアルミンクの指揮が光ります。続く「変容3」は音量が大
きくなり、「変容4」では冒頭から激しい描写やリズムが顕著にあらわれるよ
うになります。作曲家でもあるピンチャーの構築力が光ります。暗闇から始ま
ったこの世がカオスから激しい爆発や衝突を経ながらも、最後は徐々に秩序だ
っていく変容の様子がオーケストラによって見事に再現されています。
BAC 462(Blu-ray) \5670
BAC 062(DVD-Video) \4950
字幕(ボーナス部分):英仏独
アサフィエフ:バレエ音楽「パリの炎」(全曲)
[+リハーサル、オシポワ、ワシリエフ、ラトマンスキーのインタビュー映像]
ナターリヤ・オシポワ(ジャンヌ)、
デニス・サーヴィン(ジェローム)、
イワン・ワシリエフ(フィリップ)、
ユーリー・クレフツォフ(ド・ボールガール侯)、
ニーナ・カプツォーワ(アデリーヌ)他、
ボリショイ・バレエ団、
振付:アレクセイ・ラトマンスキー(ワイノネン版に基づく)、
舞台美術:イリヤ・ウトキン、エフゲニー・モナホフ、
衣装:エレーナ・マルコフスカヤ、
指揮:パヴェル・ソローキン(指)ボリショイ劇場管弦楽団
[2010年3月/ボリショイ劇場での高解像度録音]
ソヴィエト・バレエを代表する傑作ながら、日本では一部のナンバーを除いて
録音にも上演にも接するのが難しかったアサフィエフの「パリの炎」が、つい
にブルーレイとDVDで登場。ボリス・アサフィエフ(1884-1949)はリムスキー=
コルサコフとリャードフの門下の作曲家。非常に多作で、バレエ曲を27篇、歌
劇を10篇も残していたり、ロシア人としては唯一セゴビアのためにギター曲を
作曲もしていますが、むしろ音楽学者として高名で、大著「ロシアの音楽」は
邦訳もあります。「ショスタコーヴィチの証言」には卑劣漢として描かれてい
ますが、プロコフィエフの大親友で、かの「古典交響曲」を献呈されています。
「パリの炎」は1932年の作で、フランス革命を題材とし、虐げられた人民が腐
敗した貴族社会を倒す姿が描かれています。そのプロパガンダ色の強さと時代
を逆行したような音楽にとまどいつつも、健康的な前向きさに感激させられま
す。
アサフィエフの音楽はモダニズムのかけらもない古典的作風で、澄み切った管
弦楽法と輝かしい金管の扱いが光ります。また、フランス古典舞曲調の美しい
作品が多いのも注目です。
舞台も特筆。ことにフランス宮廷の舞踏会は衣装、踊りともに息をのむ美しさ。
主役のサーヴィン、オシポワ、ワシリエフのアクロバティックな演技も流石で
すが、貴族たちの優雅な舞はバレエの基礎ができている人たちならではの身の
こなしで、まるで美術品のよう。ボリショイのメンバーの実力を実感できます。
<SUPRAPHON>
SU 4035 \1780
アントニーン・ライヒェナウアー:
2つのオーボエ、ファゴットと弦楽のための組曲 変ロ長調
ファゴット協奏曲ハ長調
ファゴット協奏曲ト長調
オーボエ協奏曲ト長調
ヴァイオリン協奏曲ハ短調
オーボエ、ファゴットと弦楽のための協奏曲 変ロ長調
セルジオ・アッツォリーニ(バロック・ファゴット)
クセニエ・レフラー(バロック・オーボエ)
レンカ・トルゲルセン(バロック・ヴァイオリン)
コレギウム1704(ピリオド楽器使用)
ヴァーツラフ・ルクス(芸術監督)
おびただしい数が残された宗教作品とは違い、1701年から1730年代ころまでに
チェコの作曲家たちによって書かれた器楽作品はきわめて稀で、とりわけ重要
なものがライヒェナウアーの手になる20ほどの器楽作品。
ライヒェナウアーは、モルツィン伯(後にヨーゼフ・ハイドンが仕えたことでも
知られる)のチャペルの音楽家であり、ヨハン・フリードリヒ・ファッシュの後
任としてお抱え作曲家の役割を引き受けました。
モルツィン伯はまたヴィヴァルディを「イタリア音楽の巨匠」として雇い入れ
ていますが、いかにモルツィン伯の楽団の演奏水準が高いものであったかは、
ヴィヴァルディが称賛して自作を献呈していることなどからも明らかで、同様
にライヒェナウアーの協奏曲も高度なテクニックを要するものばかり。
ここでは、現代最高のファゴット奏者との誉れ高いセルジオ・アッツォリーニ
がバロック・ファゴットを担当しているほか、バロック・オーボエにクセニエ
・レフラーと精鋭たちが顔を揃えているのがおおきな魅力。当代屈指のピリオ
ド楽器によるアンサンブルで技巧的な作品の数々が現代によみがえります。
SU 4039 \1780
フランティシェク・イラーネク:協奏曲とシンフォニア集
シンフォニア ニ長調
ファゴット協奏曲ト短調
ファゴット協奏曲ヘ長調
フルート協奏曲ト長調
ヴァイオリン協奏曲ニ短調
シンフォニア ヘ長調
セルジオ・アッツォリーニ(バロック・ファゴット)
マリーナ・カタルジノワ(バロック・ヴァイオリン)
ヤナ・セメラードヴァー(フルート・トラヴェルソ)
コレギウム・マリアヌム(ピリオド楽器使用)
ヤナ・ヤナ・セメラードヴァー(芸術監督)
フランティシェク・イラーネクは、プラハに居を構えていたモルツィン伯の
チャペルの作曲家でヴァイオリニスト。モルツィン伯の命によりヴェニスに遣
わされて、ヴィヴァルディに学んだため、その作風は師の影響を直接的に受け
継いだものとなっているのが大きな特徴。このアルバムでの演奏は、復活初演
をおこなった同じメンバーによるもので万全の仕上がりとなっています。
セルジオ・アッツォリーニは、ヴィヴァルディのアルバムなどでおなじみの世
界的ファゴット奏者。マリーナ・カタルジノワはロシアの古楽ヴァイオリニス
ト。モスクワ音楽院で学び、レオンハルト、ノリントンのマスタークラスを受
講、ソリスト、室内楽両面で活躍し、バロックから現代まで幅広いレパートリ
ーを誇ります。また、カタルジノワは2007年よりモスクワ音楽院のピリオド・
ヴァイオリン科で教鞭を取っています。
SU 4034 2枚組 \2080
[CD 1]
ドヴォルザーク:
チェロ協奏曲第2番ロ短調Op.104(B. 191, 1895)
森の静けさOp. 68/5(B. 182, 1893)
[CD 2]
ロンド ト短調Op. 94(B. 181, 1893)
チェロ協奏曲第1番イ長調(B. 10, 1865)
[ヤルミル・ブルクハウザー管弦楽補完]
トマーシュ・ヤムニーク(Vc)
プラハ放送交響楽団
トマーシュ・ネトピル(指揮)
録音:2010年6月28-30日 & 9月13日プラハ、ドモヴィナ・スタジオ
(デジタル・セッション)
1985年生まれ、2006年(第58回)プラハの春国際音楽コンクールでチェロ部門最
高位に輝いたトマーシュ・ヤムニーク。SUPRAPHONより、チェコの作曲家たち
のソナタを集めたふたつのアルバム(SU.3928、SU.3947)をすでに発表している
ヤムニークが、ドヴォルザークによるオーケストラつきのチェロ作品全曲をレ
コーディングしました。
このジャンル屈指の傑作「チェロ協奏曲ロ短調」はもちろん、ドヴォルザーク
の専門家ブルクハウザーがオーケストレーションを施した初期のチェロ協奏曲
にいたるまで、ヤムニークのチェロはあふれる表現意欲とまばゆい感性が印象
的。さらに、1926年設立の名門プラハ放送響を率いて、ヤムニークを強力にサ
ポートするのは、やはりチェコ期待の若手指揮者として高い関心を集めるトマ
ーシュ・ネトピル。ネトピルは、2010年秋に、急逝したマッケラスの代役とし
てベルリン・フィルにデビューを果たしましたが、着実にヨーロッパを中心に
活動の場を拡げており、その指揮ぶりもおおいに注目される内容といえるで
しょう。
<MIRARE>
MIR 084 \2500
リスト:詩的で宗教的な調べ
第1曲:祈り/第2曲:アヴェ・マリア/第3曲:孤独のなかの神の祝福
第4曲:死者の追憶/第5曲:パーテル・ノステル
第6曲:眠りから覚めた御子への賛歌/第7曲:葬送
第8曲:パレストリーナによるミゼレーレ/第9曲:アンダンデ・ラクリモーソ
第10曲:愛の賛歌
ブリジット・エンゲラー(P)
録音:2010年4月
ブリジット・エンゲラーのMIRAREレーベル最新録音は、2011年生誕200年を迎え
るフランツ・リスト。「詩的で宗教的な調べ」は全10曲からなる作品群で、フ
ランス・ロマン派の詩人アルフォンス・ド・ラマルティーヌの同名の詩集に深
い感銘を受け、タイトルを借りています。
全曲録音したピアニストは数少なく、単独で取り上げられることの多い作品。
特にラマルティーヌの詩が冒頭にかかげられ、宗教的で瞑想的な内容の第3曲
「孤独のなかの神の祝福」と超絶技巧で力強い重厚な第7曲「葬送」は有名。
またリスト自身が好んで演奏したという第10曲「愛の賛歌」は華麗で神秘的な
美しい作品。エンゲラーの磨き抜かれた音とエレガントな表現で全曲聴くこと
ができるのは嬉しいかぎり。
MIR 112 \2500
フランスのチェリストたち-メディテイションズ
ブロッホ:祈り
カザルス:鳥の歌
ラフマニノフ:ヴォカリーズ
ドヴォルザーク:交響曲第9番Op.95「新世界」より第2楽章ラルゴ
オフェンバック:ジャクリーヌの涙 Op.76-2
フォーレ:夢のあとに Op.7-1
シューマン:
古いリュートOp.35-12、異郷にてOp.39-1、月の夜Op.39-5、古城にてOp.39-7
ワーグナー:タンホイザーより「おお、おまえ、いとしい夕星よ」
ヴェルディ:ドン・カルロより「彼女は私を愛したことが無い」
チャイコフスキー:
弦楽四重奏曲第3番 変ホ短調 Op. 30 より 第3楽章 葬送とアンダンテ
レ・ヴィオロンチェレス・フランセ
(エマニュエル・ベルトラン、エリク-マリア・クトゥリエ、エマニュエル・
ゴーゲ、ハヴィエル・ピドゥ、ラファエル・ピドゥ、ローラン・ピドゥ、
ナディヌ・ピエール、フランソワ・サルク)
録音:2009年12月7-9日
フランスを代表するチェリストが集結したチェロ八重奏団という珍しい編成の
アンサンブル、レ・ヴィオロンチェレス・フランセ。ルネ・マルタンのプロ
デュースにより2006年のラ・フォル・ジュルネ(ナント)で初コンサートを行い、
聴衆を沸かせました。彼らのMIRAREデビュー・アルバムは「メディテイション
ズ」と題され、チェロの豊かな響きにぴったりの楽曲をこのアンサンブルにも
参加しているローラン・ピドゥが八重奏用に編曲。ブロッホ:祈り、カザルス:
鳥の歌、ラフマニノフ:ヴォカリーズ、オフェンバック:ジャクリーヌの涙、
フォーレ:夢のあとになどいずれも珠玉の名曲ばかり。それぞれの楽曲でソリ
ストが美しいメロディーを奏で、7人のチェリストで支える深みのある演奏は
心を揺さぶります。
<APARTE>
AP 007 \2300
デュティユー(b.1916):
(1)同じ和音の上に(ヴァイオリンと管弦楽のためのノクターン)
(2)夢の樹(ヴァイオリンと管弦楽のための協奏曲)
ラファエル・ダエーヌ(b.1943):ヴァイオリン協奏曲
大野和士(指揮)
ヨッシフ・イヴァノフ
(ヴァイオリン/1699年製ストラディヴァリウス’Lady Tennant’)
リヨン国立歌劇場管弦楽団
録音:2009年7月
大野和士が指揮するデュティユーの登場。デュティユー独特の、空間に点描を
描くような音世界、静寂と嵐のよう暴力的な部分の対比、すべてを見事に明晰
にまとめあげている大野の棒は見事。エネルギーが爆発する部分でも、大野の
熱い音楽性がオーケストラ全体を興奮の渦へと巻き込みます。イヴァノフは18
歳でエリザベート王妃国際コンクールに優勝した実力派で、知性と技巧を絶妙
なバランスで併せ持つ逸材です。デュティユーの世界を息もつかせぬ技巧と抒
情で聴かせます。1943年生まれ、ブリュッセルで学んだ作曲家ダエーヌの作品
もオケが底鳴りするような迫力に満ちた作品です。
<haenssler>
93 263 \2250
ヴォルフガング・リーム(b.1952):
(1)変容=オーケストラのための音楽(2002)
(2)変容2=オーケストラのための音楽(2005)
(3)変容3=オーケストラのための音楽(2007/ 2008)
(4)変容4=オーケストラのための音楽(2008)
(1)(2)クリスティアン・アルミンク(指揮)
(3)(4)マティアス・ピンチャー(指揮)
SWRシュトゥットガルト放送交響楽団
録音:(1)2006年12月4-7日 (2)2007年10月18-19日
(3)(4)2008年11月29日
ヘンスラーのひそかな人気シリーズ、ヴォルフガング・リーム作品集最新盤。
今回は注目のアルミンクの登場です。暗闇に一筋の光が差すような、一音から
始まる「変容」、牧歌的な三度の和音から始まる「変容2」では、緊張の糸が
気持よく張り詰めたアルミンクの指揮が光ります。続く「変容3」は音量が大
きくなり、「変容4」では冒頭から激しい描写やリズムが顕著にあらわれるよ
うになります。作曲家でもあるピンチャーの構築力が光ります。暗闇から始ま
ったこの世がカオスから激しい爆発や衝突を経ながらも、最後は徐々に秩序だ
っていく変容の様子がオーケストラによって見事に再現されています。