★★★グッディーズ・オリジナル企画・第10回発売 10タイトル★★★
SPレコードを生で聴くすばらしさを多くの方に感じてもらいたい!という思い
から、当店で独自に復刻した音源をCD-Rにて販売いたします。
当店の復刻CD-Rのマスターは、真空管オーディオの専門家で、SP復刻にかけて
は一家言をお持ちの、新 忠篤氏の協力を得て製作しております。氏の自作直
熱管フォノイコライザを使用して行われる復刻は、これまでの復刻ものとはま
ったく違った音質でSPが再現されます。かつてこれほどまでに鮮度の高いSPの
再生ノイズがCDに刻まれたことは無かっただろうというノイズの中に、これま
では聴くことが出来なかった演奏家の細やかな息遣いを聴き取ることが出来ま
す。SP復刻は、世界中で様々の専門化がそれぞれの見識で行っており、どれが
最高とは決して言うことは出来ませんが、これまでにない鮮度の高い復刻を
お届けできたのではと思います。
●SPレコード本来の音を追求したダイレクト・トランスファー CD-R
SPレコードの真の音は残念ながら、これまで市販された復刻CDではなかなか聴
くことができません。それはSPレコードの音ミゾに刻まれた音声信号を拾い出
すプロセスで、重要な情報が失われているからです。このCD-Rシリーズは復刻
プロセスを最短にしてSPレコードのありのままをお届けするダイレクト・トラ
ンスファーです。LPとは比較にならない強大な音響勢力を持つSPレコードのた
めに、専用のカスタムメイド真空管式フォノイコライザをの使用しています。
またノイズ除去と共に失われる音楽情報に最も気を配り、一切のノイズリダク
ションを排除してあります。従来のSP復刻CDよりノイズの量は多くなりますが、
ノイズの奥に演奏者の確かな息づかいが聴き取れます。プレスCDより音の鮮度
の点で優位と判断し、CD-Rを採用しました。収録はSPレコード3枚から5枚の
初発売時のアルバム単位を基本としています。
ケースには録音データ(オリジナル・レコード番号、マトリクス番号、テイク、
録音年月日等)を記載してありますが、曲目解説はありません。
●発売予定:2007年6月下旬 価格:各1枚 \1500
※セット販売ではありません。1枚づつお申し込みいただけます。
一般店の店頭では入手出来ないのかというお問い合わせを頂きますが、今のと
ころそのような予定はございません。当店の通販か、当店の事務所に直接お越
しいただく販売となります。
78CDR-1090
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 BWV1001からアダージョ
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
レオ・ブレッヒ指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
米 VICTOR 8074/9 (原録音:英 HIS MASTER'S VOICE DB990/5)
(1926年12月15-16日ベルリン、ジングアカデミー録音)
フリッツ・クライスラー(1875-1962)はこの1926年と1936年に2回にベートー
ヴェンを録音した。この1926年版はSP時代この曲の決定盤と評価されてい
た。電気録音の最初期のためまだ録音機の回転精度が悪く、面によってピッ
チが異なっていた。また第12面に収録されたバッハの無伴奏も圧倒的な感動
を覚える名演奏である。クライスラーが51歳の時の録音。クライスラーの主
要録音のほとんどはこのシリーズで出ている。
78CDR-1091
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
レオ・ブレッヒ指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB997/1000
(1926年12月9-10日ベルリン、ジングアカデミー録音)
フリッツ・クライスラー(1875-1962)は1926年と1936年の2回メンデルスゾー
ンを録音した。この1926年版はクライスラーが電気録音になって初の協奏曲
録音で、SP時代この曲の決定盤と評価されていた。クライスラーが51歳の
時の録音。クライスラーの主要録音のほとんどはこのシリーズで出ている。
78CDR-1092
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21
ショパン:マズルカ第38番嬰ヘ短調作品59-3
マルグリット・ロン(ピアノ)
フィリップ・ゴーベール指揮
パリ音楽院管弦楽団
米 COLUMBIA 67800/3-D (原録音:仏COLUMBIA D15236/9)
(協奏曲:1928年6月28,29日録音,マズルカ:11月6日録音)
マルグリット・ロン(1874-1966)は17歳でパリ音楽院の一等賞を得た後、1893
年に19歳でコンサート・デビューし、1906年32歳で母校パリ音楽院の教授に
就任した。1943年ヴァイオリニストのジャック・ティボー(1880-1953)と共に
若い優秀な音楽家を発掘する国際音楽コンクールをパリに創設した。この録
音はロンが54歳の時のもの。ロンの録音モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
K.488(78CDR-1023) 、ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調(78CDR-1075)がこのシリ
ーズで出ている。
78CDR-1093
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番ニ長調 K.537「戴冠式」
マグダ・タリアフェロ(ピアノ)
レナルド・アーン指揮
コンセール・パドゥルー管弦楽団
仏 DECCA TF141/4
(1930年パリ、ガヴォー音楽堂録音)
(注:原録音に著しい音の歪みがあります)
マグダ・タリアフェロ(1893-1986)はブラジル生まれ、サンパウロ音楽院を経
て1906年13歳でパリ音楽院に入り9カ月後に一等賞を得た。その後コルトー
(1877-1962)に師事した。指揮のレナルド・アーン(1875-1947)はベネズエラ
のカラカスに生まれ、3歳の時にパリに移住した。6歳の時に神童としてナポ
レオン3世の従妹マティルドのサロンにデビュー、ボーイソプラノでのピアノ
の弾き語りでサロンの寵児となり、作曲家ジュール・マスネ(1842-1912)の推
薦で10歳でパリ音楽院に入学した。長じて美声と数カ国後をあやつる巧みな
話術、豊かな教養で各界の名士、貴婦人たちと交友を築き、パリ・オペラ座
の指揮者として活躍、またザルツブルク音楽祭でもモーツァルト指揮者とし
て名声をあげた。この録音はベルエポックのスター二人によるもので、パリ
のモーツァルト演奏がどんなものだったかを知ることができる貴重なもの。
残念なら録音技術に欠陥があり音質が非常に悪い。だが他に聴くことができ
ない歴史的モーツァルト演奏のためこのシリーズに加えた。
78CDR-1094 (JASRAC)
J.S.バッハ=コルトー編曲:コンチェルト・ダ・カメラ
(原曲=ヴィヴァルディ:協奏曲作品3の11「調和の幻想」のJ.S.バッハによ
るオルガン協奏曲ニ短調 BWV596)
プレリュード
シチリアーノ
トッカータ
J.S.バッハ=コルトー編曲:
アリア (原曲=クラヴィーア協奏曲第5番ヘ短調 BWV1056- 第2楽章)
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
米 VICTOR 15463/4, 15412
(原録音:英 HIS MASTER'S VOICE DB3261/2)
(1937年5月18日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
アルフレッド・コルトー(1877-1962)がソロ・ピアノに編曲したバッハの協奏
曲である。コルトーはバッハのブランデンブルグ協奏曲の全曲を自らの指揮
とピアノで録音したほどにバッハを敬愛していた。ここにはコルトーのバッ
ハ感が集約されている。
78CDR-1095
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調作品69
アンドレ・ナヴァラ(チェロ)
アルトゥール・バルサム(ピアノ)
仏 COLUMBIA LFX841/3
(1948年 7月 6日パリ録音)
アンドレ・ナヴァラ(1911-1988)は1920年、9歳でトゥールーズ音楽院に入り
4年後に一等賞を得て、さらにパリ音楽院出研鑽を積み1927年に一等賞を得た。
卒業後クレトリー弦楽四重奏団に入り1935に退団、1937年にウィーン国際コ
ンクールで優勝、ソリストとして華やかな活動を開始した。1949年にパリ音
楽院教授に迎えられ、イタリア、シエナのシギアーナ音楽アカデミーの教授
もつとめた。1940年代後半からソロよりもむしろ室内楽の分野で活躍し、ス
テレオ時代になってからもソロ録音が多い。この録音はナヴァラ38歳の録音。
78CDR-1096
モーツァルト:
ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.311 (284c)「トルコ行進曲つき」
エトヴィン・フィッシャー(ピアノ)
独 ELECTROLA DB1993/4
(1933年4月25,28日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)のHIS MASTER'S VOICEへの初録音。
フィッシャーはスイスのバーゼル音楽院で学んだ後、ベルリンでリスト
(1811-1886)の高弟マルティン・クラウゼ(1853-1918)についた。1930年にベ
ルリン高等音楽院の教授に就任し後進の指導にあたる一方、演奏家としても
活躍した。弟子にはレーヌ・ジアノリ(1915-1979)、パウル・バドゥラ・ス
コダ(1927-)、イエルク・デムス(1928-)、アルフレッド・ブレンデル(1931) 、
ダニエル・バレンボイム(1942-)らがいる。フィッシャーはモーツァルト:ピ
アノ・ソナタ第10番 K.330(78CDR-1036)、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ
第23番「熱情」(78CDR-1057)がこのシリーズで出ている。
78CDR-1097
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩り」
レナー弦楽四重奏団
米 COLUMBIA 67740/2-D (原録音:英 COLUMBIA L2261/3)
(1928年11月3日ロンドン録音)
この録音が行われた1928年秋、英国COLUMBIA社はカペー弦楽四重奏団とレナ
ー弦楽四重奏団の2大カルテットを擁していた。この時代は同一レーベルが同
一曲を別団体で録音することは極力避けられていた。レナー弦楽四重奏団の
「狩り」はこのような状況の下で録音された。この団体の最も得意とした曲
と言える。ハンガリーのブダペスト音楽院出身の4人の奏者は、革命後祖国を
離れてロンドンを中心に活躍した。モーツァルトの録音はクラリネット五重
奏曲(78CDR-1045)、弦楽四重奏曲第14番 K.387(78CDR-1055)、弦楽四重奏曲
第15番 K.421(78CDR-1062)、弦楽五重奏曲ト短調 K.516(78CDR-1085)がこの
シリーズで出ている。
78CDR-1098
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第30番ニ長調 K.306(300l)
カルロ・ファン・ネステ(ヴァイオリン)
ナウム・スルズニー(ピアノ)
ベルギー HIS MASTER'S VOICE DB4703/4
(1950年1月20日録音)
カルロ・ファン・ネステ(1914-)はベルギーのブリュッセル王立音楽院出身
でジョルジュ・エネスコに師事した。1933年にアンリ・ヴュータン賞を受賞
した。ベルギーの生んだ世界的ヴァイリニスト、アルテュール・グリュミオ
ー(1921-1986)の先輩にあたる。ナウム・スルズニー(1914-1979)はシュテファ
ン・アスケナーゼに師事したピアニスト。第2次世界大戦直後の録音。フラ
ンコ=ベルギー楽派の伝統が生きている。このソナタの初レコード。
78CDR-1099
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第36番変ホ長調 K.380(374f)
エールリング・ブロッホ(ヴァイオリン)
ホルゲル・ルンド・クリスティアンセン(ピアノ)
スカンジナヴィア HIS MASTER'S VOICE DB5258/9(デンマーク)
(1941年録音)
エールリング・ブロッホ(1904-1992)はデンマークのヴァイオリニスト。演
奏活動の傍ら教師として後進の指導にあたった。ピアノのホルゲル・ルンド
・クリスティアンセンは尊敬を集めたピアニスト。これは第2次世界大戦中の
録音。この二人はニールセンのヴァイオリン・ソナタ第2番をデンマークHMV
に録音していた(DB5219/20)。
SPレコードを生で聴くすばらしさを多くの方に感じてもらいたい!という思い
から、当店で独自に復刻した音源をCD-Rにて販売いたします。
当店の復刻CD-Rのマスターは、真空管オーディオの専門家で、SP復刻にかけて
は一家言をお持ちの、新 忠篤氏の協力を得て製作しております。氏の自作直
熱管フォノイコライザを使用して行われる復刻は、これまでの復刻ものとはま
ったく違った音質でSPが再現されます。かつてこれほどまでに鮮度の高いSPの
再生ノイズがCDに刻まれたことは無かっただろうというノイズの中に、これま
では聴くことが出来なかった演奏家の細やかな息遣いを聴き取ることが出来ま
す。SP復刻は、世界中で様々の専門化がそれぞれの見識で行っており、どれが
最高とは決して言うことは出来ませんが、これまでにない鮮度の高い復刻を
お届けできたのではと思います。
●SPレコード本来の音を追求したダイレクト・トランスファー CD-R
SPレコードの真の音は残念ながら、これまで市販された復刻CDではなかなか聴
くことができません。それはSPレコードの音ミゾに刻まれた音声信号を拾い出
すプロセスで、重要な情報が失われているからです。このCD-Rシリーズは復刻
プロセスを最短にしてSPレコードのありのままをお届けするダイレクト・トラ
ンスファーです。LPとは比較にならない強大な音響勢力を持つSPレコードのた
めに、専用のカスタムメイド真空管式フォノイコライザをの使用しています。
またノイズ除去と共に失われる音楽情報に最も気を配り、一切のノイズリダク
ションを排除してあります。従来のSP復刻CDよりノイズの量は多くなりますが、
ノイズの奥に演奏者の確かな息づかいが聴き取れます。プレスCDより音の鮮度
の点で優位と判断し、CD-Rを採用しました。収録はSPレコード3枚から5枚の
初発売時のアルバム単位を基本としています。
ケースには録音データ(オリジナル・レコード番号、マトリクス番号、テイク、
録音年月日等)を記載してありますが、曲目解説はありません。
●発売予定:2007年6月下旬 価格:各1枚 \1500
※セット販売ではありません。1枚づつお申し込みいただけます。
一般店の店頭では入手出来ないのかというお問い合わせを頂きますが、今のと
ころそのような予定はございません。当店の通販か、当店の事務所に直接お越
しいただく販売となります。
78CDR-1090
ベートーヴェン:ヴァイオリン協奏曲ニ長調作品61
J.S.バッハ:無伴奏ヴァイオリン・ソナタ第1番 BWV1001からアダージョ
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
レオ・ブレッヒ指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
米 VICTOR 8074/9 (原録音:英 HIS MASTER'S VOICE DB990/5)
(1926年12月15-16日ベルリン、ジングアカデミー録音)
フリッツ・クライスラー(1875-1962)はこの1926年と1936年に2回にベートー
ヴェンを録音した。この1926年版はSP時代この曲の決定盤と評価されてい
た。電気録音の最初期のためまだ録音機の回転精度が悪く、面によってピッ
チが異なっていた。また第12面に収録されたバッハの無伴奏も圧倒的な感動
を覚える名演奏である。クライスラーが51歳の時の録音。クライスラーの主
要録音のほとんどはこのシリーズで出ている。
78CDR-1091
メンデルスゾーン:ヴァイオリン協奏曲ホ短調作品64
フリッツ・クライスラー(ヴァイオリン)
レオ・ブレッヒ指揮
ベルリン国立歌劇場管弦楽団
英 HIS MASTER'S VOICE DB997/1000
(1926年12月9-10日ベルリン、ジングアカデミー録音)
フリッツ・クライスラー(1875-1962)は1926年と1936年の2回メンデルスゾー
ンを録音した。この1926年版はクライスラーが電気録音になって初の協奏曲
録音で、SP時代この曲の決定盤と評価されていた。クライスラーが51歳の
時の録音。クライスラーの主要録音のほとんどはこのシリーズで出ている。
78CDR-1092
ショパン:ピアノ協奏曲第2番ヘ短調作品21
ショパン:マズルカ第38番嬰ヘ短調作品59-3
マルグリット・ロン(ピアノ)
フィリップ・ゴーベール指揮
パリ音楽院管弦楽団
米 COLUMBIA 67800/3-D (原録音:仏COLUMBIA D15236/9)
(協奏曲:1928年6月28,29日録音,マズルカ:11月6日録音)
マルグリット・ロン(1874-1966)は17歳でパリ音楽院の一等賞を得た後、1893
年に19歳でコンサート・デビューし、1906年32歳で母校パリ音楽院の教授に
就任した。1943年ヴァイオリニストのジャック・ティボー(1880-1953)と共に
若い優秀な音楽家を発掘する国際音楽コンクールをパリに創設した。この録
音はロンが54歳の時のもの。ロンの録音モーツァルト:ピアノ協奏曲第23番
K.488(78CDR-1023) 、ラヴェル:ピアノ協奏曲ト長調(78CDR-1075)がこのシリ
ーズで出ている。
78CDR-1093
モーツァルト:ピアノ協奏曲第26番ニ長調 K.537「戴冠式」
マグダ・タリアフェロ(ピアノ)
レナルド・アーン指揮
コンセール・パドゥルー管弦楽団
仏 DECCA TF141/4
(1930年パリ、ガヴォー音楽堂録音)
(注:原録音に著しい音の歪みがあります)
マグダ・タリアフェロ(1893-1986)はブラジル生まれ、サンパウロ音楽院を経
て1906年13歳でパリ音楽院に入り9カ月後に一等賞を得た。その後コルトー
(1877-1962)に師事した。指揮のレナルド・アーン(1875-1947)はベネズエラ
のカラカスに生まれ、3歳の時にパリに移住した。6歳の時に神童としてナポ
レオン3世の従妹マティルドのサロンにデビュー、ボーイソプラノでのピアノ
の弾き語りでサロンの寵児となり、作曲家ジュール・マスネ(1842-1912)の推
薦で10歳でパリ音楽院に入学した。長じて美声と数カ国後をあやつる巧みな
話術、豊かな教養で各界の名士、貴婦人たちと交友を築き、パリ・オペラ座
の指揮者として活躍、またザルツブルク音楽祭でもモーツァルト指揮者とし
て名声をあげた。この録音はベルエポックのスター二人によるもので、パリ
のモーツァルト演奏がどんなものだったかを知ることができる貴重なもの。
残念なら録音技術に欠陥があり音質が非常に悪い。だが他に聴くことができ
ない歴史的モーツァルト演奏のためこのシリーズに加えた。
78CDR-1094 (JASRAC)
J.S.バッハ=コルトー編曲:コンチェルト・ダ・カメラ
(原曲=ヴィヴァルディ:協奏曲作品3の11「調和の幻想」のJ.S.バッハによ
るオルガン協奏曲ニ短調 BWV596)
プレリュード
シチリアーノ
トッカータ
J.S.バッハ=コルトー編曲:
アリア (原曲=クラヴィーア協奏曲第5番ヘ短調 BWV1056- 第2楽章)
アルフレッド・コルトー(ピアノ)
米 VICTOR 15463/4, 15412
(原録音:英 HIS MASTER'S VOICE DB3261/2)
(1937年5月18日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
アルフレッド・コルトー(1877-1962)がソロ・ピアノに編曲したバッハの協奏
曲である。コルトーはバッハのブランデンブルグ協奏曲の全曲を自らの指揮
とピアノで録音したほどにバッハを敬愛していた。ここにはコルトーのバッ
ハ感が集約されている。
78CDR-1095
ベートーヴェン:チェロ・ソナタ第3番イ長調作品69
アンドレ・ナヴァラ(チェロ)
アルトゥール・バルサム(ピアノ)
仏 COLUMBIA LFX841/3
(1948年 7月 6日パリ録音)
アンドレ・ナヴァラ(1911-1988)は1920年、9歳でトゥールーズ音楽院に入り
4年後に一等賞を得て、さらにパリ音楽院出研鑽を積み1927年に一等賞を得た。
卒業後クレトリー弦楽四重奏団に入り1935に退団、1937年にウィーン国際コ
ンクールで優勝、ソリストとして華やかな活動を開始した。1949年にパリ音
楽院教授に迎えられ、イタリア、シエナのシギアーナ音楽アカデミーの教授
もつとめた。1940年代後半からソロよりもむしろ室内楽の分野で活躍し、ス
テレオ時代になってからもソロ録音が多い。この録音はナヴァラ38歳の録音。
78CDR-1096
モーツァルト:
ピアノ・ソナタ第11番イ長調 K.311 (284c)「トルコ行進曲つき」
エトヴィン・フィッシャー(ピアノ)
独 ELECTROLA DB1993/4
(1933年4月25,28日ロンドン、アビー・ロード第3スタジオ録音)
エトヴィン・フィッシャー(1886-1960)のHIS MASTER'S VOICEへの初録音。
フィッシャーはスイスのバーゼル音楽院で学んだ後、ベルリンでリスト
(1811-1886)の高弟マルティン・クラウゼ(1853-1918)についた。1930年にベ
ルリン高等音楽院の教授に就任し後進の指導にあたる一方、演奏家としても
活躍した。弟子にはレーヌ・ジアノリ(1915-1979)、パウル・バドゥラ・ス
コダ(1927-)、イエルク・デムス(1928-)、アルフレッド・ブレンデル(1931) 、
ダニエル・バレンボイム(1942-)らがいる。フィッシャーはモーツァルト:ピ
アノ・ソナタ第10番 K.330(78CDR-1036)、ベートーヴェン:ピアノ・ソナタ
第23番「熱情」(78CDR-1057)がこのシリーズで出ている。
78CDR-1097
モーツァルト:弦楽四重奏曲第17番変ロ長調 K.458「狩り」
レナー弦楽四重奏団
米 COLUMBIA 67740/2-D (原録音:英 COLUMBIA L2261/3)
(1928年11月3日ロンドン録音)
この録音が行われた1928年秋、英国COLUMBIA社はカペー弦楽四重奏団とレナ
ー弦楽四重奏団の2大カルテットを擁していた。この時代は同一レーベルが同
一曲を別団体で録音することは極力避けられていた。レナー弦楽四重奏団の
「狩り」はこのような状況の下で録音された。この団体の最も得意とした曲
と言える。ハンガリーのブダペスト音楽院出身の4人の奏者は、革命後祖国を
離れてロンドンを中心に活躍した。モーツァルトの録音はクラリネット五重
奏曲(78CDR-1045)、弦楽四重奏曲第14番 K.387(78CDR-1055)、弦楽四重奏曲
第15番 K.421(78CDR-1062)、弦楽五重奏曲ト短調 K.516(78CDR-1085)がこの
シリーズで出ている。
78CDR-1098
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第30番ニ長調 K.306(300l)
カルロ・ファン・ネステ(ヴァイオリン)
ナウム・スルズニー(ピアノ)
ベルギー HIS MASTER'S VOICE DB4703/4
(1950年1月20日録音)
カルロ・ファン・ネステ(1914-)はベルギーのブリュッセル王立音楽院出身
でジョルジュ・エネスコに師事した。1933年にアンリ・ヴュータン賞を受賞
した。ベルギーの生んだ世界的ヴァイリニスト、アルテュール・グリュミオ
ー(1921-1986)の先輩にあたる。ナウム・スルズニー(1914-1979)はシュテファ
ン・アスケナーゼに師事したピアニスト。第2次世界大戦直後の録音。フラ
ンコ=ベルギー楽派の伝統が生きている。このソナタの初レコード。
78CDR-1099
モーツァルト:ヴァイオリン・ソナタ第36番変ホ長調 K.380(374f)
エールリング・ブロッホ(ヴァイオリン)
ホルゲル・ルンド・クリスティアンセン(ピアノ)
スカンジナヴィア HIS MASTER'S VOICE DB5258/9(デンマーク)
(1941年録音)
エールリング・ブロッホ(1904-1992)はデンマークのヴァイオリニスト。演
奏活動の傍ら教師として後進の指導にあたった。ピアノのホルゲル・ルンド
・クリスティアンセンは尊敬を集めたピアニスト。これは第2次世界大戦中の
録音。この二人はニールセンのヴァイオリン・ソナタ第2番をデンマークHMV
に録音していた(DB5219/20)。