<BIS>
BIS 1629 \2250
グリーグ:
(1)「ペール・ギュント」-アニトラの踊り/オーゼの死
(2)「25のノルウェーの歌と踊り」-春の踊り/白鳥/婚礼の調べ
(3)「抒情小曲集」-ノルウェーの旋律/ワルツ/夜警の歌/妖精の踊り/
アルバムの綴り/祖国の歌/民謡/ワルツ/蝶々/孤独なさすらい人/
故郷にて/小鳥/ハリング/小人の行進/幻影/秘密/郷愁/感謝/農夫の歌
/バラード風に/おばあさんのメヌエット/ゆりかごで/昔々/小妖精
御喜美江(アコーディオン)
アコーディオンの女王・御喜美江から今年が歿後百年にあたるグリーグの素敵
なプレゼントが届きました。彼の作品から24曲をアコーディオンで絶妙に奏で
ています。有名な「蝶々」など、オリジナルのピアノ譜をそのまま用いている
のに、これまで聴いたことのない新鮮な衝撃を与えてくれます。ノルウェーの
民俗舞曲のリズムやグリーグ一流の息の長いメロディは、アコーディオンに
ぴったり。自由闊達、まるで民俗楽器のように響きます。
BIS 1466 \2250
シベリウス:弦楽四重奏作品集
(1)アダージョ ニ短調 SJ12 (1890)
(2)弦楽四重奏曲変ロ長調 Op.4 (1890)
(3)弦楽四重奏曲ニ短調 Op.56「親愛の声」-予備用エンディング世界初録音付
(4)アンダンテ・フェスティヴォ JS34a (1922)
テンペラSQ
シベリウスが作った弦楽四重奏曲をすべて集めるシリーズの第3弾。今回は名作
「親愛の声」が収録されていますが、未知の別エンディングも併録されている
点でシベリウス・ファンは見逃せません。4人のうら若きフィンランド美人に
よるテンペラSQがフレッシュな演奏を繰り広げています。ことに「アンダンテ
・フェスティヴォ」は感動的な美しさです。
BIS 1555 \2250
アリオスティ:ストックホルム・ソナタ集 Vol.2
(1)ソナタ第8番ニ短調 (2)第9番ト短調 (3)第10番ヘ長調
(4)第11番イ短調 (5)第12番ホ短調 (6)第13番ハ長調
(7)第14番変ホ長調
トマス・ゲオルギ(ヴィオラ・ダモーレ)、
ルーカス・ハリス(アーチリュート、バロックギター)、
ミーメ・ヤマヒロ・ブリンクマン(チェロ)
スウェーデン古典派の作曲家ルーマンが師匠のイタリア人作曲家アッティリオ
・アリオスティ(1666-1729)の作品を筆写した「ストックホルム・ソナタ」第2
弾。ほぼ200年間忘れられていた作曲家と作品とは思えぬ美しさと充実度に驚か
されます。
BIS SA 1572(SACD-Hybrid) \2300
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.5
(1)ピアノソナタ第16番ト長調 Op.31の1
(2)同第17番ニ短調「テンペスト」Op.31の2
(3)同第18番変ホ長調 Op.31の3
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
フォルテピアノによる独自の境地で評価の高いブラウティハムのベートーヴェ
ン・シリーズ第5弾。今回は作品31の3作が収められていますが、これらは「ハ
イリゲンシュタットの遺言」で知られる1802年頃の所産で、ベートーヴェンの
苦悩が影を落としています。ブラウティハムはごく自然体ながら苦味がにじみ
出る巧さを見せてくれます。
BIS SA 1339(SACD-Hybrid) \2300
ウルヤス・プルッキス:
(1)魅惑の園 (2000)-VnとOrchのための
(2)フルート協奏曲 (2001)
(3)交響的ダリ-3つの絵画 (2002)
ヤーッコ・クーシスト (Vn)、シャロン・ベザリー (Fl)、
スサンナ・マルッキ(指)スタヴァンゲルSO
1975年生まれ、フィンランド作曲界で最も若い世代に属する俊才プルッキス待
望の作品集。たいへんな才能の持ち主であることはこのアルバムからもうかが
えます。クーシストやベザリーを独奏者にした協奏曲も興味深いですが、あの
サルバドール・ダリの絵画3点(「ロードス島の要塞」「夜のとばりの陰」
「暁」)を大管弦楽で描いたキテレツな作品が聴きもの。シュールの極みの世
界にひたれます。
<harmonia mundi France>
HMC 905187/8 2枚組 \3380
バロックじゃないでしょ
(1)ベニヤミン・シュヴァイツァー(1973-):フレッキヒト
(2)ナディル・ヴァッセナ(1970-):超絶のバガテル
(3)ミヒェル・ファン・デル・アー(1970-):刻印
(4)ユリアーネ・クライン(1966-):ノ私のあとについて来なさい
(5)レベッカ・サウンダース(1967-):ルブリカーレ
ゴットフルート・フォン・デア・ゴルツ(指)
フライブルク・バロックオーケストラ
古楽界ではヤーコプスとの共演など良い仕事をしているフライブルク・バロッ
クオーケストラ。彼らの新譜はバロックではなく、主に30代の若手作曲家の現
代音楽集。これがいずれ劣らぬ変人揃いで、ベートーヴェンとヴァッセナ(37
歳)の対談とか、意味の分らぬ造語辞典を繰り広げるサウンダース(40歳)と
か、みなさん御自分の世界に没入しちゃっていて聴き手を危険な世界へ誘いま
す。フライブルク・バロックオーケストラの真面目さもかえってシュール。か
の大企業ジーメンス社が資金提供しちゃっています。
<haenssler>
93 195 \2250
シチェドリン:
(1)ピアノ・テルツェット (1995)
(2)3つの愉快な小品 (1997)
(3)チェロソナタ (1997)
ドミートリー・シトコヴェツキー(Vn)、ダヴィド・ゲリンガス(Vc)、
ヤーシャ・ネムツォフ(Pf)(1)、
ロディオン・シチェドリン(Pf)(2)(3)
バレエの女王プリセツカヤの夫にして旧ソ連を代表する作曲家ロディオン・シ
チェドリンが健在ぶりを示しています。1995年作の「ピアノ・テルツェット」
はロシアのパレードを描写した第2楽章が、ショスタコーヴィチを思わすグロテ
スクで皮肉に満ちた全くの旧ソ連的音楽で嬉しくなります。途中奏者たちが軍
歌をロシア語でがなるのもご愛嬌。「3つの愉快な小品」は第2曲が「誰にでも
できるロッシーニ」的パロディ、第3曲はシチェドリンの有名なピアノ曲「ユモ
レスク」(1957)に基づいています。97年の「チェロソナタ」は先日亡くなった
ロストロポーヴィチに捧げられた大作。ここではロストロの愛弟子ゲリンガス
の独奏、シチェドリン自身のピアノ(絶品)で感動的に奏でています。
93 128 \2250
ハンス・ツェンダー(1926-):作品集
(1)シューマン・ファンタジー(1997)
前奏曲/廃墟(シューマンのファンタジーop.17第1楽章による)/間奏曲I/
凱旋門(ファンタジー第2楽章による)/間奏曲II/静かな夜(ファンタジー
第3楽章による)
(2)Brado-チェロとオーケストラのための(1999/2000)
(1)カンブルラン(指)
(2)ハインリヒ・シフ(Vc)、ハンス・ツェンダー(指)
南西ドイツ放送交響楽団
シューマン・ファンタジーは、文字通りシューマンのピアノ曲、ファンタジー
作品17をオーケストレーションしたもの。シューマンの偉大なるピアノ作品は、
完全にピアノのために書かれていながら、ホルンや弦楽器の音色を思わせる響
きがでてくるときがあります。このことが、ツェンダーをピアノ作品をオーケ
ストラ化することへと向かわせました。カンブルランによる指揮で、見通しが
よく、ハーモニーのひとつひとつがくっきりと明晰な仕上がり。「Brado」と
はチベットの言葉で「-の間に」を意味しています。この作品は、ソロとトゥ
ッティという二つのものの間をいったりきたりします。静寂と喧騒、単音と和
声、様々な対立する要素が次々と提示され、次第に熱を帯びてクライマックス
をむかえます。ハインリヒ・シフのソロの名手ぶりに注目です。
93 185 \2250
ヴォルフガング・リーム(1952-):作品集
(1)オーボエとオーケストラのための音楽(1995/2002)
(2)Styx und Lethe(地底世界の二つの神秘的な川)
(3)第3の音楽(ヴァイオリンとオーケストラのための)(1993)
(4)第1の二つの歌(ヴィオラ、チェロとオーケストラのための)(1980)
南西ドイツ放送交響楽団
(1)ハンス・ツェンダー(指)、アレクサンダー・オット(Ob)
録音:2002年5月2日
(2)ハンス・ツェンダー(指)、ルーカス・フェルス(Vc)
録音:1998年10月14日
(3)ミヒャエル・ギーレン(指)、ゴットフリート・シュナイダー(Vn)
録音:1993年5月6日
(4)ヤン・ランタム=ケーニヒ(指)、深井碩章(Va)、
ヴァルター・グリメル(Vc)録音:1984年1月17日
1曲目のオーボエのための音楽は、冒頭のオーボエ登場の場面からして篳篥を
思わせる響きで、雅楽をほうふつとさせる静寂感と神秘性に満ちた作品です。
2曲目はうってかわって、地底に流れる川の源泉を思わせる、大地の生命力を
感じさせる作風。3曲目は未開の地に鳴り響くドラムが登場したり、チェロに
よる神秘的な旋律が登場したりとヴァラエティに富んだ作品。ギーレンの指
揮が冴え渡っています。4曲目はなんといっても、日本を代表するヴィオラ奏
者の深井碩章のヴィオラが特筆ものです。
98 279 \2080
ハイドン:
(1)「ネルソン・ミサ」ニ短調HobXXII:11、
(2)「天地創造ミサ」変ロ長調HobXXII:13
ヘルムート・リリング(指)、
(1)レティーツィア・シェラー(S)、
ロクサーナ・コンスタンティネスク(A)、
マクシミリアン・シュミット(T)、ミヒャエル・ナジ(Bs)、
ゲヒンガー・カントライ・シュトゥットガルト,
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム、(2)ドンナ・ブラウン(S)、
ロクサーナ・コンスタンティネスク(A)、
ロタール・オディニウス(T)、マルクス・アイヒェ(Bs)、
オレゴン・バッハ・フェスティヴァル管弦楽団&合唱団
録音:(1)2006年11月18&19日リーダーハレ・シュトゥットガルト
ベートーヴェンザール、(2)2006年7月14日オレゴン州、ユージーン、
ハルト・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ
バッハのカンタータ全集を録音し、ハイドンの初期・中期ミサ曲を録音したリ
リングが、満を持して、晩年の有名な2曲のミサ曲を録音。これら2曲は、それ
ぞれの「グローリア」の中の「世の罪を除きたもう主よ」に、「ネルソン・ミ
サ」には、モーツァルトの「レクイエム」の「不思議なる響きのラッパが」か
らの引用が、「天地創造ミサ」には、自身のオラトリオからの引用が含まれて
います。
リリング率いる演奏陣は、優れたアンサンブル力と、長年の積み重ねによる深
い表現力によって、これら2曲から、ハイドン晩年の作品が持つ達観した深み
を引き出しています。
=SWR MUSIC=
93 194 \2250
バルトーク:
(1)中国の不思議な役人Op.19(作曲者によるピアノ・デュオ編曲 / ピーター
・バルトークによる2000年改訂版)
(2)2台のピアノと打楽器のためのソナタSz.110(1937)
(1)アーコシュ・ヘルナーディ(第1ピアノ)
カーロイ・モチャーリ(第2ピアノ)
(2)カーロイ・モチャーリ(第1ピアノ)
アーコシュ・ヘルナーディ(第2ピアノ)
フランツ・ラング、ヨッヘン・ショアラー(パーカッション)
録音:(1)2006年6月(2)2005年5月バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト
・スタジオ
作曲者自身がピアノ・デュオ用に編曲した「中国の不思議な役人」は、シャー
プで野蛮な味わいを強調したコチシュ&ハウザーによる世界初録音(88年・廃
盤)がすでに知られています。“ドイツにおけるハンガリー文化年”の2006年
3月のオープニングにベルリンとミュンヘンで実演を行なった、ヘルナーディ
&モチャーリらハンガリー勢による演奏では、息子ピーター・バルトークの監
修のもと2000年に出版された改訂版のスコアにもとづくもので、全体で30小節
に及ぶパッセージが復元されているのが大きなポイント。
<MANDALA>
MAN 5091 \2250
アメリカのギター音楽
ルー・ハリソン:セレナーデ、
Stephen Jaffe:Spinoff、
テリー・ライリー:アセンシオン、
ジョン・アンソニー・レノン:アナザーズ・ファンダンゴ、
アンドリュー・ヨーク:イマージェンス、
スティーヴ・ライヒ:ナゴヤ・ギターズ、ほか
フィリップ・アズレイ(Gt)
アメリカ人作曲家によるギター作品集。一口にギター音楽といっても、その音
楽の内容はさまざま。音律に関心をもつハリソン、過去の音楽とは一線を画す
Jaffe、ミニマリズムを用いるライリー、ジャズやロックの語法も取り入れる
レノン、クラシックギター界に欠かせないヨーク、サンプリング・テープも使
用することがあるミニマル・ミュージックのパイオニア・ライヒ。彼らの多彩
な作品を演奏するのは、武満徹のギター作品を収録したこともあるフィリップ
・アズレイ。ルネサンスから現代までという驚きのレパートリーをもつ実力者
です。
MAN 5116 \2250
シューマン:ピアノ作品集
(1)-(3)3つの幻想的小曲 作品111 (4)-(7)ピアノ・ソナタ第2番 作品22
(8)-(11)4つの夜曲 作品23 (12)-(16)ウィーンの謝肉祭の道化 作品26
(17)プレスト・アパッショナート
ドミニク・メルレ(P)
バロックから近現代の作品まで幅広く扱うメルレがこのたび挑戦したのは、
シューマン。中でも、彼のお気に入りだというソナタ第2番は、ちょっぴり洒
落の利いた揺れに加え、音楽の性格を捉えたメリハリのある解釈と全体的な安
定感とが共存している秀逸な演奏です。パリ国立高等音楽院ほか、各地の音楽
院やマスタークラスで多くの弟子を育て上げ、さらに精力的に演奏活動を続け
る70歳も間近のメルレ。レパートリーを広げる野心とそれを成功させる実力は
申し分ありません。楽譜をしっかりと読み込んでいるという彼の演奏は、落ち
着いて聴くことができます。
BIS 1629 \2250
グリーグ:
(1)「ペール・ギュント」-アニトラの踊り/オーゼの死
(2)「25のノルウェーの歌と踊り」-春の踊り/白鳥/婚礼の調べ
(3)「抒情小曲集」-ノルウェーの旋律/ワルツ/夜警の歌/妖精の踊り/
アルバムの綴り/祖国の歌/民謡/ワルツ/蝶々/孤独なさすらい人/
故郷にて/小鳥/ハリング/小人の行進/幻影/秘密/郷愁/感謝/農夫の歌
/バラード風に/おばあさんのメヌエット/ゆりかごで/昔々/小妖精
御喜美江(アコーディオン)
アコーディオンの女王・御喜美江から今年が歿後百年にあたるグリーグの素敵
なプレゼントが届きました。彼の作品から24曲をアコーディオンで絶妙に奏で
ています。有名な「蝶々」など、オリジナルのピアノ譜をそのまま用いている
のに、これまで聴いたことのない新鮮な衝撃を与えてくれます。ノルウェーの
民俗舞曲のリズムやグリーグ一流の息の長いメロディは、アコーディオンに
ぴったり。自由闊達、まるで民俗楽器のように響きます。
BIS 1466 \2250
シベリウス:弦楽四重奏作品集
(1)アダージョ ニ短調 SJ12 (1890)
(2)弦楽四重奏曲変ロ長調 Op.4 (1890)
(3)弦楽四重奏曲ニ短調 Op.56「親愛の声」-予備用エンディング世界初録音付
(4)アンダンテ・フェスティヴォ JS34a (1922)
テンペラSQ
シベリウスが作った弦楽四重奏曲をすべて集めるシリーズの第3弾。今回は名作
「親愛の声」が収録されていますが、未知の別エンディングも併録されている
点でシベリウス・ファンは見逃せません。4人のうら若きフィンランド美人に
よるテンペラSQがフレッシュな演奏を繰り広げています。ことに「アンダンテ
・フェスティヴォ」は感動的な美しさです。
BIS 1555 \2250
アリオスティ:ストックホルム・ソナタ集 Vol.2
(1)ソナタ第8番ニ短調 (2)第9番ト短調 (3)第10番ヘ長調
(4)第11番イ短調 (5)第12番ホ短調 (6)第13番ハ長調
(7)第14番変ホ長調
トマス・ゲオルギ(ヴィオラ・ダモーレ)、
ルーカス・ハリス(アーチリュート、バロックギター)、
ミーメ・ヤマヒロ・ブリンクマン(チェロ)
スウェーデン古典派の作曲家ルーマンが師匠のイタリア人作曲家アッティリオ
・アリオスティ(1666-1729)の作品を筆写した「ストックホルム・ソナタ」第2
弾。ほぼ200年間忘れられていた作曲家と作品とは思えぬ美しさと充実度に驚か
されます。
BIS SA 1572(SACD-Hybrid) \2300
ベートーヴェン:ピアノ独奏曲全集 Vol.5
(1)ピアノソナタ第16番ト長調 Op.31の1
(2)同第17番ニ短調「テンペスト」Op.31の2
(3)同第18番変ホ長調 Op.31の3
ロナルド・ブラウティハム(フォルテピアノ)
フォルテピアノによる独自の境地で評価の高いブラウティハムのベートーヴェ
ン・シリーズ第5弾。今回は作品31の3作が収められていますが、これらは「ハ
イリゲンシュタットの遺言」で知られる1802年頃の所産で、ベートーヴェンの
苦悩が影を落としています。ブラウティハムはごく自然体ながら苦味がにじみ
出る巧さを見せてくれます。
BIS SA 1339(SACD-Hybrid) \2300
ウルヤス・プルッキス:
(1)魅惑の園 (2000)-VnとOrchのための
(2)フルート協奏曲 (2001)
(3)交響的ダリ-3つの絵画 (2002)
ヤーッコ・クーシスト (Vn)、シャロン・ベザリー (Fl)、
スサンナ・マルッキ(指)スタヴァンゲルSO
1975年生まれ、フィンランド作曲界で最も若い世代に属する俊才プルッキス待
望の作品集。たいへんな才能の持ち主であることはこのアルバムからもうかが
えます。クーシストやベザリーを独奏者にした協奏曲も興味深いですが、あの
サルバドール・ダリの絵画3点(「ロードス島の要塞」「夜のとばりの陰」
「暁」)を大管弦楽で描いたキテレツな作品が聴きもの。シュールの極みの世
界にひたれます。
<harmonia mundi France>
HMC 905187/8 2枚組 \3380
バロックじゃないでしょ
(1)ベニヤミン・シュヴァイツァー(1973-):フレッキヒト
(2)ナディル・ヴァッセナ(1970-):超絶のバガテル
(3)ミヒェル・ファン・デル・アー(1970-):刻印
(4)ユリアーネ・クライン(1966-):ノ私のあとについて来なさい
(5)レベッカ・サウンダース(1967-):ルブリカーレ
ゴットフルート・フォン・デア・ゴルツ(指)
フライブルク・バロックオーケストラ
古楽界ではヤーコプスとの共演など良い仕事をしているフライブルク・バロッ
クオーケストラ。彼らの新譜はバロックではなく、主に30代の若手作曲家の現
代音楽集。これがいずれ劣らぬ変人揃いで、ベートーヴェンとヴァッセナ(37
歳)の対談とか、意味の分らぬ造語辞典を繰り広げるサウンダース(40歳)と
か、みなさん御自分の世界に没入しちゃっていて聴き手を危険な世界へ誘いま
す。フライブルク・バロックオーケストラの真面目さもかえってシュール。か
の大企業ジーメンス社が資金提供しちゃっています。
<haenssler>
93 195 \2250
シチェドリン:
(1)ピアノ・テルツェット (1995)
(2)3つの愉快な小品 (1997)
(3)チェロソナタ (1997)
ドミートリー・シトコヴェツキー(Vn)、ダヴィド・ゲリンガス(Vc)、
ヤーシャ・ネムツォフ(Pf)(1)、
ロディオン・シチェドリン(Pf)(2)(3)
バレエの女王プリセツカヤの夫にして旧ソ連を代表する作曲家ロディオン・シ
チェドリンが健在ぶりを示しています。1995年作の「ピアノ・テルツェット」
はロシアのパレードを描写した第2楽章が、ショスタコーヴィチを思わすグロテ
スクで皮肉に満ちた全くの旧ソ連的音楽で嬉しくなります。途中奏者たちが軍
歌をロシア語でがなるのもご愛嬌。「3つの愉快な小品」は第2曲が「誰にでも
できるロッシーニ」的パロディ、第3曲はシチェドリンの有名なピアノ曲「ユモ
レスク」(1957)に基づいています。97年の「チェロソナタ」は先日亡くなった
ロストロポーヴィチに捧げられた大作。ここではロストロの愛弟子ゲリンガス
の独奏、シチェドリン自身のピアノ(絶品)で感動的に奏でています。
93 128 \2250
ハンス・ツェンダー(1926-):作品集
(1)シューマン・ファンタジー(1997)
前奏曲/廃墟(シューマンのファンタジーop.17第1楽章による)/間奏曲I/
凱旋門(ファンタジー第2楽章による)/間奏曲II/静かな夜(ファンタジー
第3楽章による)
(2)Brado-チェロとオーケストラのための(1999/2000)
(1)カンブルラン(指)
(2)ハインリヒ・シフ(Vc)、ハンス・ツェンダー(指)
南西ドイツ放送交響楽団
シューマン・ファンタジーは、文字通りシューマンのピアノ曲、ファンタジー
作品17をオーケストレーションしたもの。シューマンの偉大なるピアノ作品は、
完全にピアノのために書かれていながら、ホルンや弦楽器の音色を思わせる響
きがでてくるときがあります。このことが、ツェンダーをピアノ作品をオーケ
ストラ化することへと向かわせました。カンブルランによる指揮で、見通しが
よく、ハーモニーのひとつひとつがくっきりと明晰な仕上がり。「Brado」と
はチベットの言葉で「-の間に」を意味しています。この作品は、ソロとトゥ
ッティという二つのものの間をいったりきたりします。静寂と喧騒、単音と和
声、様々な対立する要素が次々と提示され、次第に熱を帯びてクライマックス
をむかえます。ハインリヒ・シフのソロの名手ぶりに注目です。
93 185 \2250
ヴォルフガング・リーム(1952-):作品集
(1)オーボエとオーケストラのための音楽(1995/2002)
(2)Styx und Lethe(地底世界の二つの神秘的な川)
(3)第3の音楽(ヴァイオリンとオーケストラのための)(1993)
(4)第1の二つの歌(ヴィオラ、チェロとオーケストラのための)(1980)
南西ドイツ放送交響楽団
(1)ハンス・ツェンダー(指)、アレクサンダー・オット(Ob)
録音:2002年5月2日
(2)ハンス・ツェンダー(指)、ルーカス・フェルス(Vc)
録音:1998年10月14日
(3)ミヒャエル・ギーレン(指)、ゴットフリート・シュナイダー(Vn)
録音:1993年5月6日
(4)ヤン・ランタム=ケーニヒ(指)、深井碩章(Va)、
ヴァルター・グリメル(Vc)録音:1984年1月17日
1曲目のオーボエのための音楽は、冒頭のオーボエ登場の場面からして篳篥を
思わせる響きで、雅楽をほうふつとさせる静寂感と神秘性に満ちた作品です。
2曲目はうってかわって、地底に流れる川の源泉を思わせる、大地の生命力を
感じさせる作風。3曲目は未開の地に鳴り響くドラムが登場したり、チェロに
よる神秘的な旋律が登場したりとヴァラエティに富んだ作品。ギーレンの指
揮が冴え渡っています。4曲目はなんといっても、日本を代表するヴィオラ奏
者の深井碩章のヴィオラが特筆ものです。
98 279 \2080
ハイドン:
(1)「ネルソン・ミサ」ニ短調HobXXII:11、
(2)「天地創造ミサ」変ロ長調HobXXII:13
ヘルムート・リリング(指)、
(1)レティーツィア・シェラー(S)、
ロクサーナ・コンスタンティネスク(A)、
マクシミリアン・シュミット(T)、ミヒャエル・ナジ(Bs)、
ゲヒンガー・カントライ・シュトゥットガルト,
シュトゥットガルト・バッハ・コレギウム、(2)ドンナ・ブラウン(S)、
ロクサーナ・コンスタンティネスク(A)、
ロタール・オディニウス(T)、マルクス・アイヒェ(Bs)、
オレゴン・バッハ・フェスティヴァル管弦楽団&合唱団
録音:(1)2006年11月18&19日リーダーハレ・シュトゥットガルト
ベートーヴェンザール、(2)2006年7月14日オレゴン州、ユージーン、
ハルト・センター・フォー・ザ・パフォーミング・アーツ
バッハのカンタータ全集を録音し、ハイドンの初期・中期ミサ曲を録音したリ
リングが、満を持して、晩年の有名な2曲のミサ曲を録音。これら2曲は、それ
ぞれの「グローリア」の中の「世の罪を除きたもう主よ」に、「ネルソン・ミ
サ」には、モーツァルトの「レクイエム」の「不思議なる響きのラッパが」か
らの引用が、「天地創造ミサ」には、自身のオラトリオからの引用が含まれて
います。
リリング率いる演奏陣は、優れたアンサンブル力と、長年の積み重ねによる深
い表現力によって、これら2曲から、ハイドン晩年の作品が持つ達観した深み
を引き出しています。
=SWR MUSIC=
93 194 \2250
バルトーク:
(1)中国の不思議な役人Op.19(作曲者によるピアノ・デュオ編曲 / ピーター
・バルトークによる2000年改訂版)
(2)2台のピアノと打楽器のためのソナタSz.110(1937)
(1)アーコシュ・ヘルナーディ(第1ピアノ)
カーロイ・モチャーリ(第2ピアノ)
(2)カーロイ・モチャーリ(第1ピアノ)
アーコシュ・ヘルナーディ(第2ピアノ)
フランツ・ラング、ヨッヘン・ショアラー(パーカッション)
録音:(1)2006年6月(2)2005年5月バーデン=バーデン、ハンス・ロスバウト
・スタジオ
作曲者自身がピアノ・デュオ用に編曲した「中国の不思議な役人」は、シャー
プで野蛮な味わいを強調したコチシュ&ハウザーによる世界初録音(88年・廃
盤)がすでに知られています。“ドイツにおけるハンガリー文化年”の2006年
3月のオープニングにベルリンとミュンヘンで実演を行なった、ヘルナーディ
&モチャーリらハンガリー勢による演奏では、息子ピーター・バルトークの監
修のもと2000年に出版された改訂版のスコアにもとづくもので、全体で30小節
に及ぶパッセージが復元されているのが大きなポイント。
<MANDALA>
MAN 5091 \2250
アメリカのギター音楽
ルー・ハリソン:セレナーデ、
Stephen Jaffe:Spinoff、
テリー・ライリー:アセンシオン、
ジョン・アンソニー・レノン:アナザーズ・ファンダンゴ、
アンドリュー・ヨーク:イマージェンス、
スティーヴ・ライヒ:ナゴヤ・ギターズ、ほか
フィリップ・アズレイ(Gt)
アメリカ人作曲家によるギター作品集。一口にギター音楽といっても、その音
楽の内容はさまざま。音律に関心をもつハリソン、過去の音楽とは一線を画す
Jaffe、ミニマリズムを用いるライリー、ジャズやロックの語法も取り入れる
レノン、クラシックギター界に欠かせないヨーク、サンプリング・テープも使
用することがあるミニマル・ミュージックのパイオニア・ライヒ。彼らの多彩
な作品を演奏するのは、武満徹のギター作品を収録したこともあるフィリップ
・アズレイ。ルネサンスから現代までという驚きのレパートリーをもつ実力者
です。
MAN 5116 \2250
シューマン:ピアノ作品集
(1)-(3)3つの幻想的小曲 作品111 (4)-(7)ピアノ・ソナタ第2番 作品22
(8)-(11)4つの夜曲 作品23 (12)-(16)ウィーンの謝肉祭の道化 作品26
(17)プレスト・アパッショナート
ドミニク・メルレ(P)
バロックから近現代の作品まで幅広く扱うメルレがこのたび挑戦したのは、
シューマン。中でも、彼のお気に入りだというソナタ第2番は、ちょっぴり洒
落の利いた揺れに加え、音楽の性格を捉えたメリハリのある解釈と全体的な安
定感とが共存している秀逸な演奏です。パリ国立高等音楽院ほか、各地の音楽
院やマスタークラスで多くの弟子を育て上げ、さらに精力的に演奏活動を続け
る70歳も間近のメルレ。レパートリーを広げる野心とそれを成功させる実力は
申し分ありません。楽譜をしっかりと読み込んでいるという彼の演奏は、落ち
着いて聴くことができます。