<WARNER>
2564.69978 \1980
サン=サーンス:白鳥(「動物の謝肉祭」より)
ドビュッシー:
月の光(「ベルガマスク組曲」より)、月の光(艶なる宴第1集より)、
レントより遅く、美しき調べ
プーランク:ハートのクィーン
デュパルク:旅への誘いラヴェル、ため息、恍惚
フォーレ:エレジー
マスネ:タイスの瞑想曲
ラヴェル:
カディッシュ(2つのヘブライの歌)、亡き王女のためのパヴァーヌ、
ハバネラ形式の小品
アンリ・ドマルケット(チェロ)
ブリジット・エンゲラー(ピアノ)
全編よき時代のフランスの香りで満たされた珠玉の一枚
フランスの作曲家の珠玉の作品をチェロとピアノに編曲、全編癒し効果満点
の名曲集。エンゲラーとドマルケット共に今年のラ・フォル・ジュルネ・ジャ
ポンに来日。このCDとほぼ同内容のコンサートを行ないます。
2564.63946 \1980
「アルメニア」
アルメニア人によるアルメニアのためのCD。
ハチャトゥリアンを中心にアルメニア及びそれに縁する作曲家によるなんと
もマニアックなCD。ジャン=マルクとグザヴィエ共今年のラ・フォル・ジュル
ネ・ジャポンに来日します。
ハチャトゥリアン:
剣の舞、アイシェの踊り(ガイーヌより)、ノクターン(仮面舞踏会より)、
エギナのヴァリエーションとバッカス祭(スパルタクスより)
コミタス(1869-1935):チャント
バーバジャニアン(1921-1983):ピアノ・トリオ
ガスパロフ(1961-):
アルメニアン・ラプソディー、ヴァリャベディアン・ラプソディー
マルディロッシアン:2台のピアノのためのノクターン、他
ジャン=マルク・フィリップス=ヴァリャベディアン(Vn)
グザヴィエ・フィリップス(Vc)
ワハン・マルディロッシアン(P)
7559.79988 \1980
ノンサッチ・エクスプローラー・シリーズ:東アジア/日本
尺八音楽:ア・ベル・リンギング・イン・ザ・エンプティ・スカイ
本調べ、山谷、鶴の巣籠、鹿の遠音、秋田菅垣
宮田耕八郎(尺八)
2002年以来、同シリーズ92タイトルからリマスタリングによる最新のジャケッ
トとオリジナル・ライナーノーツで再発売を進めてきました。1976年の日本音
楽集団のアメリカ公演の際、宮田耕八郎のソロで録音されました。30年前にレ
コードで発売して以来、日本の伝統音楽と現代の音楽に対して西洋の聴き手の
知識と興味が飛躍的に深化してきた中での発売です。
<TESTAMENT>
SBT1410 \1850
R.シュトラウス:《4つの最後の歌》
1.眠りにつくとき
2.9月
3.春
4.夕映えに
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》
5.前奏曲
6.愛の死「穏やかに、静かに」(第3幕)
ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》
7.ジークフリートのラインの旅(プロローグ)
8.ブリュンヒルデの自己犠牲 ラインの岸辺に、大いなる薪を (第3幕)
キルステン・フラグスタート(S)
フィルハーモニア管弦楽団 指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
録音:1950年5月22日(ライヴ)
ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール
“音質良好”フルトヴェングラー初出音源となるワーグナー待望のリリース!
このコンサートの3ヶ月前、フルトヴェングラーはミラノ・スカラ座にて、フラ
グスタートがブリュンヒルデを歌う3回のリング・ツィクルスを行いました。そ
れから彼はブエノスアイレスに飛び、1ヶ月滞在。そこで、「ドイツ語歌唱によ
るバッハのマタイ受難曲」を含む10のコンサートを行いました。このロンドン
でのコンサートは、彼がブエノスアイレスから戻った最初のコンサートにあた
ります。
この時の「4つの最後の歌」だけは様々な形で市場に出回っていましたが、その
時演奏されたワーグナーの録音(これまで全て消失したと思われていた幻の音
源)も最近になってロンドン、バービカン・ホール内Music Preserved に保管
(Chris Philip氏に寄贈)されていることが判明したのです。状態の良いアセ
テート盤からの復刻による世界初発売となります。当日の演奏曲目のうち、
「ジークフリート牧歌」と「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は
ディスク損傷の激しさにより復刻が叶いませんでしたが、その他は良好な音質
で蘇っており、フルトヴェングラーの芸術を存分に堪能することができます。
他方、「4つの最後の歌」は、(本稽古であるとしばしば不当に主張されていま
す)長い間、ひどい音質でしか聞くことができませんでした。なぜならこのア
セテート盤の録音はスクラッチ・ノイズと歪み、そして恐ろしいほどの擦り切
れた状態だったからです。今回のディスクも決して理想的な音ではありません
が、以前のものよりははるかに優れた音として仕上がっています。多くの歴史
的録音を聞きなれた人の耳には何も障害がないでしょう。音は基本的に明確で
す。多くのオーケストラ・パートの細部を聴くことができるでしょう。なによ
りもフルトヴェングラーがオーケストラから引き出した音の素晴らしさを一瞬
のうちに感じ取ることができるはずです。もちろんフラグスタートの歌も若々
しく新鮮です。彼女の息のコントロールはいつもの通り奇跡的なもので、この
「4つの最後の歌」でも安定した歌唱を聞かせ、オーケストラとの信頼関係も
完璧なものです。
SBT1381 \1850
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K.622
ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調 op.115
バーナード・ウォルトン(cl)
【1】フィルハーモニア管弦楽団 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
【2】ヒュー・ビーン(vn)、フランシス・メイソン(vn)
クリストファー・ウェリントン(va)アイリーン・クロフォード(vc)
録音:1955年6月
ほとんど一般には知られていないけれども、バーナード・ウォルトン(1917-72)
はこの頃の最も素晴らしいオーケストラ演奏家の1人でした。彼は同時期の名
手ジャック・ブライマー(1915-2003)とは違い、メディアの接触を避けたた
めほとんどソロのレコーディングを残していませんが、「プロ中のプロ」とし
て他の音楽家たちからは崇拝されています。イギリスの近代的クラリネット奏
法の創始者であるチャールズ・ドレーパー(1869-1952)と彼の甥のハイドン
(1889-1934)、そして彼らの弟子であるフレデリック・サーストンとレオナル
ド・ケルなどの伝統的な流れを受け継ぐ名手です。ウォルトンはロンドン交響
楽団とフィルハーモニア管の2つのオーケストラで35年間も活動しました。ベル
リン・フィルの首席奏者のポジションも希望すれば手に入ったかもしれません。
とりわけカラヤンは彼を高く評価し、彼がベルリン・フィルの首席指揮者兼芸
術総監督の地位についた1955年には、フィルハーモニア管の創始者、ウォルタ
ー・レッグに対してこのように言ったのです。「もし我々が旧友ではなかった
なら、私はベルリン・フィルのために即時にウォルトンを引っ張るでしょう」
なぜなら彼は6年間、フィルハーモニア管を指揮して、事実上ウォルトンほどの
奏者がヨーロッパにはいないことを知っていたからです。いかなる場合でも作
品の最良の面を引き出す能力、そして会場での絶妙なバランスの取り方、ウォ
ルトンはこれらを兼ね揃えた稀有な演奏家として認められていたのでしょう。
1954年から亡くなるまではロイヤルカレッジ音楽院で教鞭をとり、更なるテク
ニックの分析と理解の探求により国際的に影響を与えました。
<MD+G>
3313292 \2080
ヴィラ=ロボス:
チェロ協奏曲第1番(1915)
チェロ協奏曲第2番(1953)
ウルリヒ・シュミット(vc)
北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ドミニク・ロッゲン
1887年にブラジルに生まれたヴィラ=ロボスにとって、2007年は生誕120周年。
これを記念してMDGレーベルはチェロ協奏曲をリリースした。チェロはヴィラ
=ロボスが子供の頃に弾いていたので、彼にとっては慣れ親しんだ楽器。とは
いえ、ヴィラ=ロボスは多作家の割には協奏曲作品が多いとは言えず、チェロ
のためにも協奏曲も2作を遺すのみである。実に貴重なのだ。これら2曲が生ま
れるには38年もの時間が空いている。この時間が作風にどのような変化を与え
たのかも是非実際に耳で確認してほしい。
ソロを弾くウルリヒ・シュミットはベルン生まれのスイスのチェリスト。トル
トゥリエやナヴァラに師事し、ビーレフェルト・フィルハーモニー管弦楽団の
第1ソロ奏者やダルムシュタット州立劇場の同ポストを歴任して、現在はソリス
トとして活躍している。指揮のドミニク・ロッゲンは、ケンペ、バーンスタイ
ンや小澤征爾にも学んだ。作曲家としても知られる。
3356612 \2080
ライヒャ:
フルート、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏交響曲ト長調
交響曲変ホ長調作品41
序曲ニ長調
イダ・ビーラー(vn)、ジャン=クロード・ジェラール(fl)
ヴッパータル交響楽団 指揮:ペーター・ギュルケ
室内楽、特に木管楽器を嗜む方にはよく知られたライヒャ(ボヘミア出身なの
で、正しくはアントニーン・レイハ)。しかし、彼のオーケストラ作品となる
と「よく知られている」とは言い難いだろう。今回のアルバムは知られざる交
響作品作家としてのライヒャの姿に触れることが出来る好企画である。収録さ
れたのは《協奏交響曲》《交響曲》《序曲》の3作品。自身が宮廷楽団でフルー
ト奏者だったこともあってか、独奏楽器にフルート(とヴァイオリン)をチョ
イスした《協奏交響曲》、1824年作曲の《序曲》、1799?80年頃に書かれたと
考えられている《交響曲》である。
独奏にフィーチュアされたイダ・ビーラーは、ジュリアード音楽院でシュムス
キーやリッチに、またケルンでロスタル、ロンドンでミルシテインに師事した
ヴァイオリニスト。以前はメロス弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者だった
が、現在はハイネ弦楽四重奏団の第1を務めている。かたやフルートのジャン
=クロード・ジェラールは、ハンブルク州立歌劇場の首席奏者を経て、シュ
トゥットガルト・バッハ・コレギウム、アンサンブル・ヴィラ・ムジカで活躍
している。ペーター・ギュルケは音楽学者、特にベートーヴェンやシューベル
トの校訂者としても有名。ヴッパータルは、ピナ・バウシュの本拠地としても
知られるが、当地の交響楽団は、現在上岡敏之が音楽総監督を務めている。
94010336(SACD-Hybrid) \2950
シューマン:
ピアノ協奏曲イ短調作品54
序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調作品92
序奏と協奏的アレグロニ短調作品134
クリスティアン・ツァハリアス(p&指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
MDGから、D.スカルラッティ(エジソン賞受賞)やモーツァルトのピアノ協奏曲
シリーズ、管弦楽作品集など好調にリリースを続けているツァハリアス。今回
は、2000年9月から音楽監督兼正指揮者を務めているローザンヌ室内管弦楽団
を弾き振りした、シューマンのピアノとオーケストラのための作品集である。
代表作ピアノ協奏曲をメインに、シューマンの創作活動が最も旺盛だった時期
の作品が揃えられた。
常にフレッシュでありながら考え抜かれたツァハリアスのピアノ演奏の魅力と
ともに、オーケストラにも注目したい。このローザンヌ室内管は、ジャン=
ジャック・カントロフやトン・コープマンを客演指揮者陣に擁し、多様なスタ
イルに対応可能な柔軟性を持っている団体。さらに最近では、首席オーボエ奏
者のルカス・マシアス・ナバーロが、2006年10月に行われた第8回日本オーボ
エ・コンクールで優勝するなど、充実が著しいオーケストラなのである。なお、
本ディスクはSACDでのリリースである。
31612902 \2080
マルセル・デュプレ:オルガン作品集Vol.8
組曲 作品39
聖母への捧げもの 作品40
トリプティク 作品51
8つのグレゴリオ聖歌に基づく前奏曲集 作品45
ベン・ヴァン・オーステン
ビューシェ・ドビエール・オルガン(アングレーム)
マルセル・デュプレ(1886-1971)はヴィドールやヴィエルヌらに師事したフラ
ンスの名高いオルガニスト。彼のもとからもメシアンやマリー=クレール・ア
ラン、ヴァージル・フォックス、ピエール・コシュローなど錚々たるオルガニ
ストが輩出されており、モーリス・デュリュフレはデュプレのパリ音楽院時代
の作曲科アシスタントでもある。ポール・パレーがデトロイト交響楽団を指揮
したサン=サーンスの交響曲第3番でオルガンを担当したのもデュプレである。
パリ音楽院の院長まで務めた彼は作曲家としても多くの作品を遺している。そ
れらを集大成しようとするのが、このシリーズ。その第8弾となる今回は、デュ
プレの中期の作品を集めており、教え子だったジャンヌ・ドメッシューの才能
にインスパイアされて書いたオルガン練習曲の作品39や、聖母マリアに捧げた
作品40、さらに聖母マリアへの祈りを表現した《8つのグレゴリオ聖歌に基づ
く前奏曲》と《トリプティク》が収録されている。
演奏するベン・ヴァン・オーステンは1955年オランダ、ハーグ生まれのオルガ
ニスト。アムステルダムのスウェーリンク音楽院で学び、オルガニストとして
活躍する一方、ロッテルダム音楽院の教授も務めている。MDGレーベルには、
フランス・ロマンティック・オルガン作品集の他、ヴィエルヌ作品全集や、
全7枚におよぶヴィドールのオルガン作品全集がリリースされている。
なお、今回の録音にはフランスのアングレームのサン・ピエール教会にあるオ
ルガン(1965年ビューシェ・ドビエール製作:3つの手鍵盤、55のストップ)
を使用している。
34113052 \2080
モーツァルト:鍵盤作品全集Vol.5
クラヴィーア・ソナタ イ短調 KV 310 (300d)
9つの変奏曲 ハ長調 KV 264 (315d)
アンダンテ ハ長調 KV1a
アレグロ ハ長調 KV1b
アレグロ ヘ長調 KV1c
メヌエット ヘ長調 KV1d
メヌエット KV1e&KV1f ト長調
クラヴィーア小品 KV9a (5a) ハ長調
クラヴィーア・ソナタ KV 6
アレグロ ハ長調
アンダンテ ヘ長調
メヌエット I ハ長調&II ヘ長調
ピアノ・ソナタ ハ長調 KV 330 (300h)
ジークベルト・ランペ(チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ)
モーツァルトが「鍵盤」のために書いた作品を集めた全集企画の第5弾。今回
は、モーツァルトのきわめて初期の小品と青年期のソナタで構成されている。
最も初期のものは、ケッヒェル番号からも容易に想像できるようにKV1である。
1761年の作品と言われているので、モーツァルトが5歳の時に書いたものとい
うわけだ。そして、当アルバムで最も後になって書かれた作品は最後に置かれ
たソナタKV330。1783年、27歳での作であり、旧番号で第10番、有名な《トル
コ行進曲付き》のひとつ前にあたるものである。このアルバムで、幼きモー
ツァルトの才能の萌芽を聴くと同時に、天才の恐るべき進化ぶりに驚愕してい
ただきたい。また、これら作品が3種の鍵盤楽器を使い分けて演奏されるとい
うのもおおいに楽しみだ。
ジークベルト・ランペは1964年ドイツ生まれの鍵盤奏者。ケネス・ギルバート
やトン・コープマンらに師事した(ヘルムート・ラッヘンマンのもとで作曲も
学んでいる)。1988年にピリオド・アンサンブルの新ストラヴァガンツァを結
成し、精力的に活躍している。1998?2002年にはケーテン城のバッハ音楽祭の
音楽監督も務めた。教育活動にも積極的で、エッセンやザルツブルクの音楽院
を経て、現在はアリゾナ州立大学で教鞭をとっている。
30313612 \2080
プロイセン皇太子ルイ・フェルディナント:
ピアノ三重奏曲全集Vol.2
ピアノ三重奏曲変ホ長調 作品3
ピアノ四重奏曲ヘ短調 作品6
トリオ・パルナッスス
ヤーメイ・ユー(vn)、ミヒャエル・グロース(vc)、チア・チョウ(pf)
トーマス・ゼルディツ(va)
ルイ・フェルディナント(1772-1806)はプロイセン王国の皇太子。小さい頃か
らピアノに才能を発揮し、それを認めたベートーヴェンはピアノ協奏曲第3番
を献呈したほどだった。また、フェルディナントは、早世したため遺された作
品は少ないものの、作曲も手掛けており、それらはシューマンらに高く評価さ
れている。しかしながら、現代では知名度も高いとは言えないので、このトリ
オ・パルナッススによる全集はきわめて貴重である。なお、ここに収録された
《ピアノ三重奏曲》作品3は、ある公爵夫人に、その娘との結婚を望んで捧げ
られたらしい。また《ピアノ四重奏曲》作品6は数人の作曲家の音楽を引用し、
それを変奏するという興味深いものだ。逆に後年にはリストやシューマンらが
その主題を引用している。
トリオ・パルナッススは1982年結成のピアノ三重奏団。メンバーのヤーメイ・
ユーは中国天津出身のヴァイオリニスト。ミュンヒェン国際コンクールやレオ
ポルト・モーツァルト国際コンクールで入賞し、2005年からトリオに参加。ピ
アニストは台湾生まれでカナダ育ちのチア・チョウ。ベルリンで行われたメン
デルスゾーン・コンクールに入賞し、1989年からメンバーに加わった。ドイツ
出身のチェリスト、ミヒャエル・グロースはオリジナル・メンバーで、シュ
トゥットガルト州立歌劇場管弦楽団員も務めている。
ピアノ四重奏曲に参加しているトーマス・ゼルディツは、1967年生まれにして、
既にベルリン交響楽団のソロ奏者、ベルリン州立歌劇場管弦楽団の第1ソロ奏
者を歴任。現在はゲーゼ三重奏団でヴァイオリンを弾いている(ちなみにゲー
ゼ三重奏団のヴィオラは現在のベルリン州立歌劇場の第1ソロ首席)。
93713666(SACD-Hybrid) 3枚組 \8850
リスト:
独唱、合唱、管弦楽とオルガンのためのオラトリオ《キリスト》
フランツィスカ・ヒルゼル(ソプラノ)
ブリギット・レンメルト(アルト)
ドナルド・カーシュ(テノール)
ラルフ・ルーカス(バリトン:キリスト)
チェコ・ブルノ・フィルハーモニー合唱団
クリストフ・アンゼルム・ノル(org)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団 指揮:ローマン・コフマン"
リストが1853から構想を始め、1862年から66年にかけて作曲したオラトリオ。
キリストの生涯を、「降誕」「救世主」「受難」の3つの側面から描いた全14
曲から成る作品で、リストの最も重要な宗教作品として知られる。1873年に作
曲者の指揮でヴァイマールで初演された。100人近い演奏者を要する大作で、
第6、7、8曲は他の自作からの編曲ではあるが、リスト自らが「私の音楽によ
る遺書」と呼ぶほどに、この音楽家のエッセンスの集大成といえる作品である。
キリスト役を担うラルフ・ルーカスは、バイロイト生まれのバリトン歌手。
ウィリアム・マレイに師事し、後にアリベルト・ライマンやディートリヒ・
フィッシャー=ディースカウ、ハンス・ホッターにも学んだ。2004年のルツェ
ルン音楽祭で《トリスタンとイゾルデ》のメロート役、06年にはバイロイト音
楽祭で《ラインの黄金》のドンナー役を歌い成功を収めた。今後ますます期待
される注目株である。SACDリリース。
2564.69978 \1980
サン=サーンス:白鳥(「動物の謝肉祭」より)
ドビュッシー:
月の光(「ベルガマスク組曲」より)、月の光(艶なる宴第1集より)、
レントより遅く、美しき調べ
プーランク:ハートのクィーン
デュパルク:旅への誘いラヴェル、ため息、恍惚
フォーレ:エレジー
マスネ:タイスの瞑想曲
ラヴェル:
カディッシュ(2つのヘブライの歌)、亡き王女のためのパヴァーヌ、
ハバネラ形式の小品
アンリ・ドマルケット(チェロ)
ブリジット・エンゲラー(ピアノ)
全編よき時代のフランスの香りで満たされた珠玉の一枚
フランスの作曲家の珠玉の作品をチェロとピアノに編曲、全編癒し効果満点
の名曲集。エンゲラーとドマルケット共に今年のラ・フォル・ジュルネ・ジャ
ポンに来日。このCDとほぼ同内容のコンサートを行ないます。
2564.63946 \1980
「アルメニア」
アルメニア人によるアルメニアのためのCD。
ハチャトゥリアンを中心にアルメニア及びそれに縁する作曲家によるなんと
もマニアックなCD。ジャン=マルクとグザヴィエ共今年のラ・フォル・ジュル
ネ・ジャポンに来日します。
ハチャトゥリアン:
剣の舞、アイシェの踊り(ガイーヌより)、ノクターン(仮面舞踏会より)、
エギナのヴァリエーションとバッカス祭(スパルタクスより)
コミタス(1869-1935):チャント
バーバジャニアン(1921-1983):ピアノ・トリオ
ガスパロフ(1961-):
アルメニアン・ラプソディー、ヴァリャベディアン・ラプソディー
マルディロッシアン:2台のピアノのためのノクターン、他
ジャン=マルク・フィリップス=ヴァリャベディアン(Vn)
グザヴィエ・フィリップス(Vc)
ワハン・マルディロッシアン(P)
7559.79988 \1980
ノンサッチ・エクスプローラー・シリーズ:東アジア/日本
尺八音楽:ア・ベル・リンギング・イン・ザ・エンプティ・スカイ
本調べ、山谷、鶴の巣籠、鹿の遠音、秋田菅垣
宮田耕八郎(尺八)
2002年以来、同シリーズ92タイトルからリマスタリングによる最新のジャケッ
トとオリジナル・ライナーノーツで再発売を進めてきました。1976年の日本音
楽集団のアメリカ公演の際、宮田耕八郎のソロで録音されました。30年前にレ
コードで発売して以来、日本の伝統音楽と現代の音楽に対して西洋の聴き手の
知識と興味が飛躍的に深化してきた中での発売です。
<TESTAMENT>
SBT1410 \1850
R.シュトラウス:《4つの最後の歌》
1.眠りにつくとき
2.9月
3.春
4.夕映えに
ワーグナー:楽劇《トリスタンとイゾルデ》
5.前奏曲
6.愛の死「穏やかに、静かに」(第3幕)
ワーグナー:楽劇《神々の黄昏》
7.ジークフリートのラインの旅(プロローグ)
8.ブリュンヒルデの自己犠牲 ラインの岸辺に、大いなる薪を (第3幕)
キルステン・フラグスタート(S)
フィルハーモニア管弦楽団 指揮:ヴィルヘルム・フルトヴェングラー
録音:1950年5月22日(ライヴ)
ロンドン、ロイヤル・アルバート・ホール
“音質良好”フルトヴェングラー初出音源となるワーグナー待望のリリース!
このコンサートの3ヶ月前、フルトヴェングラーはミラノ・スカラ座にて、フラ
グスタートがブリュンヒルデを歌う3回のリング・ツィクルスを行いました。そ
れから彼はブエノスアイレスに飛び、1ヶ月滞在。そこで、「ドイツ語歌唱によ
るバッハのマタイ受難曲」を含む10のコンサートを行いました。このロンドン
でのコンサートは、彼がブエノスアイレスから戻った最初のコンサートにあた
ります。
この時の「4つの最後の歌」だけは様々な形で市場に出回っていましたが、その
時演奏されたワーグナーの録音(これまで全て消失したと思われていた幻の音
源)も最近になってロンドン、バービカン・ホール内Music Preserved に保管
(Chris Philip氏に寄贈)されていることが判明したのです。状態の良いアセ
テート盤からの復刻による世界初発売となります。当日の演奏曲目のうち、
「ジークフリート牧歌」と「ニュルンベルクのマイスタージンガー」前奏曲は
ディスク損傷の激しさにより復刻が叶いませんでしたが、その他は良好な音質
で蘇っており、フルトヴェングラーの芸術を存分に堪能することができます。
他方、「4つの最後の歌」は、(本稽古であるとしばしば不当に主張されていま
す)長い間、ひどい音質でしか聞くことができませんでした。なぜならこのア
セテート盤の録音はスクラッチ・ノイズと歪み、そして恐ろしいほどの擦り切
れた状態だったからです。今回のディスクも決して理想的な音ではありません
が、以前のものよりははるかに優れた音として仕上がっています。多くの歴史
的録音を聞きなれた人の耳には何も障害がないでしょう。音は基本的に明確で
す。多くのオーケストラ・パートの細部を聴くことができるでしょう。なによ
りもフルトヴェングラーがオーケストラから引き出した音の素晴らしさを一瞬
のうちに感じ取ることができるはずです。もちろんフラグスタートの歌も若々
しく新鮮です。彼女の息のコントロールはいつもの通り奇跡的なもので、この
「4つの最後の歌」でも安定した歌唱を聞かせ、オーケストラとの信頼関係も
完璧なものです。
SBT1381 \1850
モーツァルト:クラリネット協奏曲イ長調 K.622
ブラームス:クラリネット五重奏曲ロ短調 op.115
バーナード・ウォルトン(cl)
【1】フィルハーモニア管弦楽団 指揮:ヘルベルト・フォン・カラヤン
【2】ヒュー・ビーン(vn)、フランシス・メイソン(vn)
クリストファー・ウェリントン(va)アイリーン・クロフォード(vc)
録音:1955年6月
ほとんど一般には知られていないけれども、バーナード・ウォルトン(1917-72)
はこの頃の最も素晴らしいオーケストラ演奏家の1人でした。彼は同時期の名
手ジャック・ブライマー(1915-2003)とは違い、メディアの接触を避けたた
めほとんどソロのレコーディングを残していませんが、「プロ中のプロ」とし
て他の音楽家たちからは崇拝されています。イギリスの近代的クラリネット奏
法の創始者であるチャールズ・ドレーパー(1869-1952)と彼の甥のハイドン
(1889-1934)、そして彼らの弟子であるフレデリック・サーストンとレオナル
ド・ケルなどの伝統的な流れを受け継ぐ名手です。ウォルトンはロンドン交響
楽団とフィルハーモニア管の2つのオーケストラで35年間も活動しました。ベル
リン・フィルの首席奏者のポジションも希望すれば手に入ったかもしれません。
とりわけカラヤンは彼を高く評価し、彼がベルリン・フィルの首席指揮者兼芸
術総監督の地位についた1955年には、フィルハーモニア管の創始者、ウォルタ
ー・レッグに対してこのように言ったのです。「もし我々が旧友ではなかった
なら、私はベルリン・フィルのために即時にウォルトンを引っ張るでしょう」
なぜなら彼は6年間、フィルハーモニア管を指揮して、事実上ウォルトンほどの
奏者がヨーロッパにはいないことを知っていたからです。いかなる場合でも作
品の最良の面を引き出す能力、そして会場での絶妙なバランスの取り方、ウォ
ルトンはこれらを兼ね揃えた稀有な演奏家として認められていたのでしょう。
1954年から亡くなるまではロイヤルカレッジ音楽院で教鞭をとり、更なるテク
ニックの分析と理解の探求により国際的に影響を与えました。
<MD+G>
3313292 \2080
ヴィラ=ロボス:
チェロ協奏曲第1番(1915)
チェロ協奏曲第2番(1953)
ウルリヒ・シュミット(vc)
北西ドイツ・フィルハーモニー管弦楽団 指揮:ドミニク・ロッゲン
1887年にブラジルに生まれたヴィラ=ロボスにとって、2007年は生誕120周年。
これを記念してMDGレーベルはチェロ協奏曲をリリースした。チェロはヴィラ
=ロボスが子供の頃に弾いていたので、彼にとっては慣れ親しんだ楽器。とは
いえ、ヴィラ=ロボスは多作家の割には協奏曲作品が多いとは言えず、チェロ
のためにも協奏曲も2作を遺すのみである。実に貴重なのだ。これら2曲が生ま
れるには38年もの時間が空いている。この時間が作風にどのような変化を与え
たのかも是非実際に耳で確認してほしい。
ソロを弾くウルリヒ・シュミットはベルン生まれのスイスのチェリスト。トル
トゥリエやナヴァラに師事し、ビーレフェルト・フィルハーモニー管弦楽団の
第1ソロ奏者やダルムシュタット州立劇場の同ポストを歴任して、現在はソリス
トとして活躍している。指揮のドミニク・ロッゲンは、ケンペ、バーンスタイ
ンや小澤征爾にも学んだ。作曲家としても知られる。
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ライヒャ:
フルート、ヴァイオリンと管弦楽のための協奏交響曲ト長調
交響曲変ホ長調作品41
序曲ニ長調
イダ・ビーラー(vn)、ジャン=クロード・ジェラール(fl)
ヴッパータル交響楽団 指揮:ペーター・ギュルケ
室内楽、特に木管楽器を嗜む方にはよく知られたライヒャ(ボヘミア出身なの
で、正しくはアントニーン・レイハ)。しかし、彼のオーケストラ作品となる
と「よく知られている」とは言い難いだろう。今回のアルバムは知られざる交
響作品作家としてのライヒャの姿に触れることが出来る好企画である。収録さ
れたのは《協奏交響曲》《交響曲》《序曲》の3作品。自身が宮廷楽団でフルー
ト奏者だったこともあってか、独奏楽器にフルート(とヴァイオリン)をチョ
イスした《協奏交響曲》、1824年作曲の《序曲》、1799?80年頃に書かれたと
考えられている《交響曲》である。
独奏にフィーチュアされたイダ・ビーラーは、ジュリアード音楽院でシュムス
キーやリッチに、またケルンでロスタル、ロンドンでミルシテインに師事した
ヴァイオリニスト。以前はメロス弦楽四重奏団の第2ヴァイオリン奏者だった
が、現在はハイネ弦楽四重奏団の第1を務めている。かたやフルートのジャン
=クロード・ジェラールは、ハンブルク州立歌劇場の首席奏者を経て、シュ
トゥットガルト・バッハ・コレギウム、アンサンブル・ヴィラ・ムジカで活躍
している。ペーター・ギュルケは音楽学者、特にベートーヴェンやシューベル
トの校訂者としても有名。ヴッパータルは、ピナ・バウシュの本拠地としても
知られるが、当地の交響楽団は、現在上岡敏之が音楽総監督を務めている。
94010336(SACD-Hybrid) \2950
シューマン:
ピアノ協奏曲イ短調作品54
序奏とアレグロ・アパッショナート ト長調作品92
序奏と協奏的アレグロニ短調作品134
クリスティアン・ツァハリアス(p&指揮)
ローザンヌ室内管弦楽団
MDGから、D.スカルラッティ(エジソン賞受賞)やモーツァルトのピアノ協奏曲
シリーズ、管弦楽作品集など好調にリリースを続けているツァハリアス。今回
は、2000年9月から音楽監督兼正指揮者を務めているローザンヌ室内管弦楽団
を弾き振りした、シューマンのピアノとオーケストラのための作品集である。
代表作ピアノ協奏曲をメインに、シューマンの創作活動が最も旺盛だった時期
の作品が揃えられた。
常にフレッシュでありながら考え抜かれたツァハリアスのピアノ演奏の魅力と
ともに、オーケストラにも注目したい。このローザンヌ室内管は、ジャン=
ジャック・カントロフやトン・コープマンを客演指揮者陣に擁し、多様なスタ
イルに対応可能な柔軟性を持っている団体。さらに最近では、首席オーボエ奏
者のルカス・マシアス・ナバーロが、2006年10月に行われた第8回日本オーボ
エ・コンクールで優勝するなど、充実が著しいオーケストラなのである。なお、
本ディスクはSACDでのリリースである。
31612902 \2080
マルセル・デュプレ:オルガン作品集Vol.8
組曲 作品39
聖母への捧げもの 作品40
トリプティク 作品51
8つのグレゴリオ聖歌に基づく前奏曲集 作品45
ベン・ヴァン・オーステン
ビューシェ・ドビエール・オルガン(アングレーム)
マルセル・デュプレ(1886-1971)はヴィドールやヴィエルヌらに師事したフラ
ンスの名高いオルガニスト。彼のもとからもメシアンやマリー=クレール・ア
ラン、ヴァージル・フォックス、ピエール・コシュローなど錚々たるオルガニ
ストが輩出されており、モーリス・デュリュフレはデュプレのパリ音楽院時代
の作曲科アシスタントでもある。ポール・パレーがデトロイト交響楽団を指揮
したサン=サーンスの交響曲第3番でオルガンを担当したのもデュプレである。
パリ音楽院の院長まで務めた彼は作曲家としても多くの作品を遺している。そ
れらを集大成しようとするのが、このシリーズ。その第8弾となる今回は、デュ
プレの中期の作品を集めており、教え子だったジャンヌ・ドメッシューの才能
にインスパイアされて書いたオルガン練習曲の作品39や、聖母マリアに捧げた
作品40、さらに聖母マリアへの祈りを表現した《8つのグレゴリオ聖歌に基づ
く前奏曲》と《トリプティク》が収録されている。
演奏するベン・ヴァン・オーステンは1955年オランダ、ハーグ生まれのオルガ
ニスト。アムステルダムのスウェーリンク音楽院で学び、オルガニストとして
活躍する一方、ロッテルダム音楽院の教授も務めている。MDGレーベルには、
フランス・ロマンティック・オルガン作品集の他、ヴィエルヌ作品全集や、
全7枚におよぶヴィドールのオルガン作品全集がリリースされている。
なお、今回の録音にはフランスのアングレームのサン・ピエール教会にあるオ
ルガン(1965年ビューシェ・ドビエール製作:3つの手鍵盤、55のストップ)
を使用している。
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モーツァルト:鍵盤作品全集Vol.5
クラヴィーア・ソナタ イ短調 KV 310 (300d)
9つの変奏曲 ハ長調 KV 264 (315d)
アンダンテ ハ長調 KV1a
アレグロ ハ長調 KV1b
アレグロ ヘ長調 KV1c
メヌエット ヘ長調 KV1d
メヌエット KV1e&KV1f ト長調
クラヴィーア小品 KV9a (5a) ハ長調
クラヴィーア・ソナタ KV 6
アレグロ ハ長調
アンダンテ ヘ長調
メヌエット I ハ長調&II ヘ長調
ピアノ・ソナタ ハ長調 KV 330 (300h)
ジークベルト・ランペ(チェンバロ、クラヴィコード、フォルテピアノ)
モーツァルトが「鍵盤」のために書いた作品を集めた全集企画の第5弾。今回
は、モーツァルトのきわめて初期の小品と青年期のソナタで構成されている。
最も初期のものは、ケッヒェル番号からも容易に想像できるようにKV1である。
1761年の作品と言われているので、モーツァルトが5歳の時に書いたものとい
うわけだ。そして、当アルバムで最も後になって書かれた作品は最後に置かれ
たソナタKV330。1783年、27歳での作であり、旧番号で第10番、有名な《トル
コ行進曲付き》のひとつ前にあたるものである。このアルバムで、幼きモー
ツァルトの才能の萌芽を聴くと同時に、天才の恐るべき進化ぶりに驚愕してい
ただきたい。また、これら作品が3種の鍵盤楽器を使い分けて演奏されるとい
うのもおおいに楽しみだ。
ジークベルト・ランペは1964年ドイツ生まれの鍵盤奏者。ケネス・ギルバート
やトン・コープマンらに師事した(ヘルムート・ラッヘンマンのもとで作曲も
学んでいる)。1988年にピリオド・アンサンブルの新ストラヴァガンツァを結
成し、精力的に活躍している。1998?2002年にはケーテン城のバッハ音楽祭の
音楽監督も務めた。教育活動にも積極的で、エッセンやザルツブルクの音楽院
を経て、現在はアリゾナ州立大学で教鞭をとっている。
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プロイセン皇太子ルイ・フェルディナント:
ピアノ三重奏曲全集Vol.2
ピアノ三重奏曲変ホ長調 作品3
ピアノ四重奏曲ヘ短調 作品6
トリオ・パルナッスス
ヤーメイ・ユー(vn)、ミヒャエル・グロース(vc)、チア・チョウ(pf)
トーマス・ゼルディツ(va)
ルイ・フェルディナント(1772-1806)はプロイセン王国の皇太子。小さい頃か
らピアノに才能を発揮し、それを認めたベートーヴェンはピアノ協奏曲第3番
を献呈したほどだった。また、フェルディナントは、早世したため遺された作
品は少ないものの、作曲も手掛けており、それらはシューマンらに高く評価さ
れている。しかしながら、現代では知名度も高いとは言えないので、このトリ
オ・パルナッススによる全集はきわめて貴重である。なお、ここに収録された
《ピアノ三重奏曲》作品3は、ある公爵夫人に、その娘との結婚を望んで捧げ
られたらしい。また《ピアノ四重奏曲》作品6は数人の作曲家の音楽を引用し、
それを変奏するという興味深いものだ。逆に後年にはリストやシューマンらが
その主題を引用している。
トリオ・パルナッススは1982年結成のピアノ三重奏団。メンバーのヤーメイ・
ユーは中国天津出身のヴァイオリニスト。ミュンヒェン国際コンクールやレオ
ポルト・モーツァルト国際コンクールで入賞し、2005年からトリオに参加。ピ
アニストは台湾生まれでカナダ育ちのチア・チョウ。ベルリンで行われたメン
デルスゾーン・コンクールに入賞し、1989年からメンバーに加わった。ドイツ
出身のチェリスト、ミヒャエル・グロースはオリジナル・メンバーで、シュ
トゥットガルト州立歌劇場管弦楽団員も務めている。
ピアノ四重奏曲に参加しているトーマス・ゼルディツは、1967年生まれにして、
既にベルリン交響楽団のソロ奏者、ベルリン州立歌劇場管弦楽団の第1ソロ奏
者を歴任。現在はゲーゼ三重奏団でヴァイオリンを弾いている(ちなみにゲー
ゼ三重奏団のヴィオラは現在のベルリン州立歌劇場の第1ソロ首席)。
93713666(SACD-Hybrid) 3枚組 \8850
リスト:
独唱、合唱、管弦楽とオルガンのためのオラトリオ《キリスト》
フランツィスカ・ヒルゼル(ソプラノ)
ブリギット・レンメルト(アルト)
ドナルド・カーシュ(テノール)
ラルフ・ルーカス(バリトン:キリスト)
チェコ・ブルノ・フィルハーモニー合唱団
クリストフ・アンゼルム・ノル(org)
ボン・ベートーヴェン管弦楽団 指揮:ローマン・コフマン"
リストが1853から構想を始め、1862年から66年にかけて作曲したオラトリオ。
キリストの生涯を、「降誕」「救世主」「受難」の3つの側面から描いた全14
曲から成る作品で、リストの最も重要な宗教作品として知られる。1873年に作
曲者の指揮でヴァイマールで初演された。100人近い演奏者を要する大作で、
第6、7、8曲は他の自作からの編曲ではあるが、リスト自らが「私の音楽によ
る遺書」と呼ぶほどに、この音楽家のエッセンスの集大成といえる作品である。
キリスト役を担うラルフ・ルーカスは、バイロイト生まれのバリトン歌手。
ウィリアム・マレイに師事し、後にアリベルト・ライマンやディートリヒ・
フィッシャー=ディースカウ、ハンス・ホッターにも学んだ。2004年のルツェ
ルン音楽祭で《トリスタンとイゾルデ》のメロート役、06年にはバイロイト音
楽祭で《ラインの黄金》のドンナー役を歌い成功を収めた。今後ますます期待
される注目株である。SACDリリース。