マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

浜は潮の匂いかソースの匂い

2008-06-06 03:07:33 | 

地元出身の江編集長時代のMeetsが取り上げて、一躍脚光を浴びた
かしみん。地元民であり、外からの視点もある人間だから、この独自の
食べもんは浜を出ることになった。
ひとまず、ご本家の「大和」を探す。



岸和田の海風に長年耐えてきただろう家屋。



玄関の三和土をいじっただけの小さな洋食焼き。
お好み焼きの前身ともいえる洋食焼きがこうして、
ふつうに生き残っているのは珍しい。



見落としてしまうような道の奥にあった「大和」。
浜の名物、かしみんは、この店から始まった。



つまりは洋食焼きの一種。
元々あったかしわ焼きと、ミンチ焼きを客の要望で一つにしたのが
この店。かしわは堅いが味のある、ひね鶏の胸肉。
ミンチは肉に非ず、ミンチ状にした牛脂のこと。



安い原材料の洋食焼きで、子供が握り締める小銭で楽しめるおやつ、
それがかしみんだったのだろう。
漁師町気質のやんちゃな悪童たちが来たという。
やんちゃな子供ほど、大人になっても忘れずに戻ってくる。

おばちゃんが焼き、おっちゃんがソースを塗り、仕上げる。
上からもミンチをパラパラ、溶けた脂によってバリッと香ばしくなる。



創業30数年。すぐ裏には白砂青松が広がっていたという。
近所には魚網を干す家が多かった。
潮騒のすぐ側で食べられたら、極楽だろうなー。
浜の人間にとって、駅前商店街に出かけるのはちょっとした外出。
老舗お好み焼き「双月」などは、贅沢でなかなか行けぬ店だった。



かしみんモダンを追加。手早くかしわとキャベツを炒め、
茹でた中華麺を一緒に炒める。
粉を丸くきれいに焼くのは、大将、熟練の技。



昔は学校帰りの中学生が多かったが、今では中学生の
小遣いでは間尺に合わない。
ここは頑固にアルコールをおかない。サイダーや牛乳が
この店の飲み物。愛想ないけど、水が一番味がわかる。



請われて作り方を教え、かしみんは浜一帯へと広がっていった。
おっちゃんによると岸和田にもくるみ餅があり、堺「かん袋」と違って、大豆あんを使った茶色い姿をしているという。かき氷を足して食す。
「こふじ食堂」の夏限定メニュー。次回、行かねばならん。



ゆっくりと洋食焼きを巡ってみたいもんだ。

      大和   岸和田市紙屋町

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岸和田は早や笛や太鼓

2008-06-06 02:28:59 | 

岸和田まで芝居を見に行った。大阪が舞台の芝居なのだが近回の旅ではここだけしかやらない。
岸和田へ降り、浜へ向かって商店街を抜けると、笛や太鼓の音が
流れる。BGMかと思いきや・・・



地車(だんじり)小屋の方から聴こえていた。ここは五軒家町。
毎年、祭の準備は五軒家が最も早いのや…と後に浜で聞いた。



こうして地車を虫干しし、風を入れるらしい。
「そうりゃ~、そうりゃ~・・・」まだ3ヶ月前なのだから、腹から声が出てるとは言いがたい。
しかし、もう気持ちは抑えられないのだろう。提灯を持った中学生にもすれ違った。祭が近付く街というのはいいもんだ。




浜へドンと突き当たると、パルテノン宮殿かというような浪切ホール。
立派な箱モノが出来ているんだなぁ。



こういう芝居だった。浜木綿子さんが座長。往年の雪組娘役トップも
もう72歳。さすがに首の皺は隠せなかったが、体もまだまだ動くし声も張れる。東京の人なのに大阪弁が達者。



個人的には花登筐ドラマの常連、臼間香世さんと楽屋で会えたのが
嬉しかった。「あかんたれ」の再放送で数ヶ月、毎日顔を合わせていたので。加藤茶さん、赤井英和くんも安心して観られた。



芝居後、岸和田銘菓の「村雨」でも買おうと歩き出す。
でも、何処の店のがいいのかちゃんと聴いてこなかった。
自動販売機もだんじり祭の法被の紋入り!



地車一旦停止線に、我が歩みも一旦停止。




随所に古い家屋が残る。泉南一帯の景気の良い頃を反映する街が
岸和田だったのだろう。



「だんじりや」とかいった店をうまく発見できず、こうなりゃ仕方ない、
浜にかしみんを訪ねるか。
地元の友人にメールすると、「かしみん、何?」と返ってきた。
地元衆でも知らない人がいるらしい。

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