山国京都の冬はひときわ厳しい。なので一杯の熱いうどんなどが嬉しい、ということなる。ことに注文してみたくなるのはあんかけ物。ことに祇園おかるなどの、トロリとした鼈甲色のあんが満たされ、ちょんと生姜がのった、あんかけうどんや、しっぽくのあんかけ版のっぺいなど、あんが温度を保ち、美味いものである。さて、ここは岡崎グランドの東側にある、ごくごく普通のそばとうどんの店「岡北」。
とある料亭主人が行きつけにするというので、行ってみた。
生ゆばけいらん¥780 玉子をダシの中でフワッと花びらのように咲かせるのがなかなか技術である。あたしゃけいらん好きで注文に困ったら、何処でもこれだ。この一杯はぬくもるぜよ。
料亭主人イチオシはこの丼・・・
天とじ丼¥800 丼一面の玉子!けいらんの如く、くずでとじてあるのがこちらの特徴。野菜など一切入らないのは潔い。これをガポガポズルズルと、なかば茶漬けのようにかっこむ。ちょいと甘めの濃い目のだしが効いて、結構なもんでござんす。
しかし・・・これ好きな人はどう考えても玉子偏愛型だろう。ある年代から上は玉子が食いたくても抑圧された過去があると思われる。コレステロールがなんでぇ!オレもガキの頃からの玉子好きだい。
今夜あたりから寒さも本格的になろうという京都。なぁに、北風よ来い!比叡おろしよ吹き荒れよ!京都の町衆にゃ、とじ、あんかけという大いなる武器があるのだ。