マーベラスS

King Of Western-Swing!!
歌と食と酒、それに声のページ。

強いばかりが男ぢゃないと、いつか教えてくれた人

2006-08-23 17:06:24 | 音楽

役者関敬六が亡くなった、78歳。
彼が役者の道を志したのは、シミキンが歌ったこの歌。

不良時代のサトウハチローが徘徊し、エノケンと知り合い、
意気投合して、カジノフォーリーで頭角を現していった街、浅草。
そんな先達の幻影を求めて、浅草の町中をほっつき歩いたものだ。
芸人が大勢住んでいたという田島町から、浅草田圃、猿之助横丁…

神谷バーでは「俺ぁ若い時分、エノケンの劇団の帽子作ってたんだ」
なんていう職人に隣り合ったり。昔の電気ブランはもっとキツくって、
3杯呷って出て行く車夫たちは、必ず吾妻橋のところでひっくり返った
もんだ・・・なんて話を聴いたものだ。
ビールの大ジョッキに、電気ブランのアサガオ型グラスを5つほど
並べて、煮込みなどをアテに飲んだ。アサヒビールがドライで当てて、吾妻橋工場を黄金色のウンコビル(地元ではそうおチョクられている)
に建て替える前の話だ。

シミキンの全盛時代は短く、川島雄三監督が「オオ!市民諸君」、
「シミキンのスポーツ王」など撮っているが佳作とは言いがたい。
関敬六の死を聞いて一層、浅草は遠くなりにけり…という心持になった。

強いばかりが…をタイトルに、小沢昭一は「浅草キヨシ物語」という
芝居を作っている。その昔、キヨシという乞食がいて、「この人売れる!」と言うと、本当にメキメキ売れ出したという。

 

   浅草の唄 
  (サトウハチロー作詞 万城目正作曲 藤山一郎唄)

   強いばかりが男じゃないと  いつか教えてくれた人
   どこのどなたか知らないけれど 鳩といっしょに歌ってた
   ああ浅草の その唄を

   可愛いあの子とシネマを出れば 肩にささやく こぬか雨
   かたい約束 かわして通る 田原町から雷門
     ああ浅草の こぬか雨