鹿児島中央のランドマークである観覧車をバックに停車中の800系さくら
4月30日土曜日。鹿児島市電の乗り直しを終えて、九州新幹線の旅に戻る。鹿児島中央から新八代まで800系さくらの旅である。鹿児島名物さつま揚げを土産物屋で買って、荷物になるので宅配で送ってもらい、意気揚々と新幹線ホームに入る。一つ忘れていたことは指宿のたまて箱の撮影だが、この時は全然気にも留めていなかった。改札内の売店で黒豚弁当と肉巻きを買い込み、ついでにビールも…おっと酒は飲めないのでお茶である。アルコールに強ければ肉巻きをつまみにほろ酔い加減の道中ということになるのだろうが、残念ながら注射の
消毒でアルコールを塗られただけで赤くなるほどアルコールには弱いので、ここは旅のお供にはお茶ということになる。新幹線ホームにはN700系さくらがたくさん停まっており、昼間からこんなに運転されているのか?と妙に感心してしまう。ゴールデンウィークの臨時便も含まれているようで、常時2~3本ホームに停まっていたのには驚かされた。私が乗る列車は12時57分発の博多行きさくらである。6両編成とあるので800系だ。これまでN700系ばかり乗ってきたので800系もいい。実際800系も正味1回しか乗ったことがなかったので、じっくり800系の旅を思い出したい。e割きっぷなので指定席に座る。さすがにゴールデンウィークとはいえ、Uターンには早いということもあり車内は非常に空いている。新大阪さくらなどはそこそこ乗っているので、そちらに利用が流れているのかもしれない。さくら414号は熊本まで各駅に停まるので所要時分が多少かかるので、鹿児島中央からは速達さくらに利用者は流れているのだろう。
発車時間のかなり前から車両は入線していたが、車内清掃はゆっくり時間を取られており、車内に入れてもらえたのは発車の5分前ほどだった。ゆっくりじっくり清掃してもらうのはありがたい限りだが、せっかく余裕を持って入線しているのだからもう少し早く車内に入れて欲しいものだ。気候のいい時期なので、利用者から文句も出ないだろうが、夏の暑い時期や冬の寒い時期には早く車内に入りたいという声も出てくるだろう。列車は定刻通り加速よく鹿児島中央駅を離れた。800系は最高速度は九州新幹線の260km/hに抑えられているがスペック的に
は700系並みの性能を有しており、加速度はそれよりも高い2.5km/h/sとなっている。 加減速が多い九州新幹線ならではの性能ということが言えるだろう。車内を見ると木の枠を使用した座席が並ぶ。800系は指定席も自由席も2列シートだ。N700系は指定と自由では大きな差があるが、800系に関しては指定と自由の間では差はない。あるとすれば座席の確保だけという本来の意味での指定席の意味合いしか持っていない。木のぬくもりを感じさせる造りの座席だが、見た目は薄っぺらく頼りない印象を受ける。しかし、座ってみると意外にどっしりしており、クッションが効いているので、見た目とは違う乗り心地である。早速弁当を広げようと座席を見渡しテーブルを探す。隣席と仕切る肘掛からテーブルが出てくる仕組みになっている。背面にはテーブルはない。この肘掛から出てくるテーブルが小さく、弁当を広げると一杯一杯になる。昨今やはりのノートパソコンやipadなどを置くには少々小さいテーブルである。これまでのように新八代~鹿児島中央間のような短距離や博多~鹿児島中央間程度なら何とか乗り切れるだろうが、運用に入ることはないだろうが、新大阪~鹿児島中央間などの長距離運用につくにはきつい造りと言える。JR九州のN700系8000番台は増備が終了しており、後はJR西日本が増備を続けて、700系レールスターの置き換えとともにさくらの増発に充てられるものと思われる。800系さくらはN700系と比べると若干見劣りする。極力つばめでの運用に専念し、さくらの運用は一部を除いてN700系に置き換えた方が良い。あるいは800系もN700系に準じた座席に改造するかである。
利用者の方は各駅に停まるうちに徐々に増えてきたが、新水俣発車時点でも3割に満たない乗車率だった。新八代で多少の乗車があったようだが、少し寂しい状態で新八代を出て行ったさくら414号だった。