昨日のJR編に続いて私鉄編です。こちらも関西私鉄の事情しかわからないので、関西大手私鉄中心です。今年大きな変化があったのは阪急京都線。3月改正でATS更新及び6300系引退に伴うダイヤ改正が行われました。改正に先だって2月末をもって6300系が京都本線の定期列車から引退しました。9300系の増備は昨年から続いていたので、6300系の引退に驚きはありません。もっとも6300系よりもはるかに古い2300系を残しての引退には少々早い引退と言う感もあります。改正後のダイヤは9300系特急によるスピードアップが行われ115km/h運転を開始しました。神戸線と同じ速度によるスピードアップながら所要時分の短縮は少なく、9300系ならもっと上の速度もあったのではとないのかという不満が残るものでした。通勤特急の茨木市停車、快速の設定なども行われ、ラッシュ時ダイヤについては夕方ラッシュ時を中心に改善が図られた改正でした。また、摂津市駅の開業もあり、これに続き大山崎~長岡天神間にも新駅が建設されており、そのあたりを見込んでスピードアップが押えられているのかなと言うところもあります。来春には臨時列車の改変が予定されており、その先には新駅の開業、淡路駅高架化工事の進捗など、6300系置き換え後の阪急京都線は見所が多い路線となりそうです。
2月の引退で6300系は本線では完全引退かと思われていましたが、5月に臨時列車としてまさかの復活を果たしました。あの引退セレモニーは何だったのかと思いますが、6300系ファンには嬉しい誤算でしょう。秋にも同じように臨時快速特急が運転されており、来春には観光列車化改造を受けた6300系を使用した臨時列車が行楽シーズンを中心に運転されるようです。
阪急では他にLED照明を採用した9002Fが12月にデビューしました。来年には宝塚線のATS更新が控えており、9000系の増備も続いていくものと思われます。
阪神ではこの1年は大きな変化はなく、昨年のなんば線開業によるダイヤを維持するにとどまっています。新型ジェットカーの5500系が製造されましたが、営業運転には至っていません。近鉄特急の乗り入れ云々の話もありますが、今のところ詳細情報は伝わってきていません。
京阪、近鉄は阪急とともに100周年を迎え、それに伴うイベントなどが行われた以外は大きな変化はありませんでした。近鉄では新型ACE22600系がデビューしました。アーバンライナーで採用されている揺りかごシートを継承しており、ローレル賞を受賞しました。今後汎用特急として増備が続いていくものと思われます。ダイヤ面での変化は近鉄でも少なかったと言えますが、春の改正はJR同様減便の改正となりました。来春にはさらなる減便が示唆されており、景気低迷、高速道路、少子化、モータリゼーションの進行など取り巻く環境の厳しさは年々増してきている状況となっています。その中で平城遷都1300年祭に伴い大幅に奈良への観光輸送が増加し、名古屋~大和西大寺間にて運転された臨時特急は好調で、運転期間が延長されました。今後もこういった今までなかった運転系統などで掘り起こしを行っていくケースが増えてくるのではないかと思われます。
南海ではサザンが15周年を迎え、そのイベントが行われました。その他は大きな変化はなく、ここ数年はダイヤの改変が目立ちましたが、落ち着いた1年となりました。