山陽本線の姫路以西初乗りは高校時代唯一の18旅行で、四国初上陸した時だった。行きはムーンライト高知の自由席で素通り、帰りは岡山から普通で地を這うように帰って来た。今でもそうだが、帰り便は岡山からでも何とか座れる状態だった。上郡で建設中の智頭急行(その当時は智頭鉄道)が見えたぐらいで後は単調な景色が続くばかりであまり面白い路線ではなかった。それは今でも変わらず、18シーズンには大混雑して地獄の区間となることもあり、個人的には避けたい区間ではある。これは18ユーザ共通の悩みというべきものかもしれない。同じように東海道線の米原~大垣間が関西からの18利用ではボトルネックとなる区間だったが、JR東海の意気込みにより増発や増結が盛んに行われた結果もあり、こちらはネックとは言えなくなって来ている。それに比して山陽線の方は姫路~岡山間直通電車の減便により、上郡乗り換えが主流となり逆に後退した感がある。
かつての山陽線姫路~岡山間は115系の天下だったが、近年は115系N30~40の登場に始まり、117系、213系など多種多様な車両が見られるようになった。姫路~上郡間だけ見ると221系、223系の乗り入れもあり、キハ187系やHOT7000も見られるなど鉄道ファンとしては飽き飽きする路線ではなくなってきている。もっとも上郡~三石間の有名撮影地でカメラを構えるファンのお目当ては上記の列車ではなく、貨物列車という人間が多い。ブルトレが壊滅状態の今、機関車牽引列車として注目を浴びている貨物列車が多数走る路線として山陽本線はファンに注目されていると言っても過言ではない。
2005年春のダイヤ改正から新快速の播州赤穂直通がデータイムでも始まり、それに加えて姫路以西で運転される山陽線電車のほとんどが相生から赤穂線に乗り入れ播州赤穂まで運転されるようになり、相生以西へ山陽線を利用するには相生で乗換えを強いられるようになってしまった。相生では山陽線、赤穂線が同時進入、同時発車を行っているので乗り換えによるロスタイムは最小限に留まっているが、18シーズンを中心に岡山方面へ普通列車で移動する人には不便になってしまった。実際の旅客流動は播州赤穂の方が断然強いはずだから現行ダイヤでも問題はないはずだが、岡山方面直通需要や上郡で連絡する智頭急行沿線と姫路の間の需要に対しては不便を強いている。県境を越える山陽線上郡以西への直通便はともかく、上郡までの電車に関しては姫路方面へ直通させて兵庫県内の輸送の利便性を確保して欲しいものだ。智頭急行ローカル列車を姫路まで直通させるのも一考かもしれない。