昨日通い慣れているジムの小さな林から蝉の初鳴きを聞いた。
蝉にとっては別に今日初めて鳴いたわけではなく、
私の耳に入ってきた初めての蝉の声といった方が正解。
それはアブラゼミではなくミンミンゼミだった。
街中で聞く蝉の声、子供の頃はアブラゼミと決まったいた。
ミンミンは田舎に行かなくては聞けないものと思っていた。
当時はここも十分田舎だったが・・
数年前に気付いていたが、ミンミンがアブラを駆逐してしまったようだ。
生態系の変化。
山中を歩いていて聞こえてくる、もっと静かな浸みてくるような鳴き声をどう文字に表すか
悩むが、なんという種類だろう。ニイニイセミ or ヒグラシ?
数年前谷川岳東面の未完成のまま放置された国道291号を歩き
このセミの合唱に包まれて県境に向かっていた。
明治の元勲岩倉具視も馬車に乗って通過したという明治政府が作った国道。
豪雪地帯で冬季通行止め、人気のない間に雪崩に無残にも破壊された道。
数年で廃道になったようだ。
雪崩の直撃を受けない尾根を回り込む場所は150年前の石垣が残っている。
現在車道としての道は途中で終わりになっているが、その先は登山道としては立派な道として
使われている。この道が素晴らしい。
名高い谷川岳東面の日本有数の岩稜を左に見ながら歩く。
その岩稜はもとより、その上の尾根にも登ることができない年周りに
なった昔の青年はこの道を辿ることにより、若かったころの自分を
現地で懐かしむことができる。
スギやヒノキ等の人工林を歩くのはつまらないが、
こうした自然林を貫く道を歩けるのは素敵だ。
長かった今年の梅雨も明けた。
コロナ感染からも逃げなくてはならない。
あの豊かなブナの森の中を今年も歩いてこよう。
平成27年の記録をもとに書いてみました。
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