我が街の郊外、観音山丘陵には簡易舗装された農道が縦横に走っている。
烏、碓氷、鏑の3河川に囲まれた東西10km、南北8kmほどの丘。
北よりは白衣観音様を中心とした小観光地、
西北は観光農園が拡がり人気の多い地域。
私が好きなのは南半分で、大きなゴルフ場と産業廃棄物最終埋立地を除いた地域。
それでも総面積の半分はあるか?
標高2~300mの丘を縫い適当な高低差や曲線で繋がる。
殆ど車も通らない。気分を変えたいときに時々車で走り抜ける。
いくつもの小さな沢が丘を刻む。
古来水が得られれば先人は少しの場所を見つけては開墾し水田としてきた。
一つの丘を越えるとこんな棚田が様々な角度で現れる。
こんな風景に引き付けられるDNAを私も先祖から受け継いでいるのだろうか、
管理の行き届いた棚田の光景は心癒される。
その一方耕作放棄地となってしまった田も少なからず散らばっている。
原因の主たるものは農業後継者の不在であることは前から指摘されてきた。
耕作を止めれば、雑草にとっても肥沃な場所なのでひと夏で雑草原に変わる。
やがて木が繁茂するようになるまで僅か数年。そしてどこからか葛が侵入してくる。
旺盛な繁茂力は先に田を占拠していた樹々に絡みつき、
葛の葉はモンスターのように樹々を覆う。
こうなると貧弱な人力だけではどうにもならなくなり、
秋の実りを見せる田と対照的な光景が眼前に展開することになる。
植物界の壮大なバトル。脆いと言われれる自然が、違った一面を見せる。
しかし
さすがの葛も竹林には太刀打ちできないようだ。
竹もまた独特の生命力で繁茂する。
幹は空洞で節を形成するため、工芸品はじめ様々の生活用具の材料
として利用されてきた。
人工物を材料にした道具に押され、有用な材料としての出番は少なくなって久しい。
そうなるとこれまた放置された竹林はその強力な繁殖力で人の思いを越えて
無秩序に勢力圏を拡大してゆく。
つれあいの実家もこうした問題に苦悩する。
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