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空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

「まんぷく」が終わる

2019年03月28日 14時56分26秒 | 思考試行

ついに「まんぷく」が終わる。実在の人物をモデルにしたのだが、人間の生涯を描いた作品として、これは、日本の誇る人物像のドラマであった。先に「アニー」をベタ褒めしたけれども、「まんぷく」の人物像も負けず劣らず、日本的な、いい話であった。

主人公は、朝ドラの場合、女性と決まっているけれども、もちろん一人の女性だけでは、ドラマはできない。このドラマにでてくる人物の群像が、作り物ではなくて、現実に存在しただろう人物の群像モデルであって、これらの人々の努力が、日本を戦争の廃墟から立ち直らせてきたのである。

その時代の条件から、次々と新しい試みを行う。理不尽な出来事にも、最善の対策を講じつつ、危機を乗り越えていく。現実にあったことだから、この説得力は、半端ではない。

困難の多くは、権力の理不尽による。この権力が、日本人の優れた資質をどれだけ阻害してきたことか。今もなお、権力の弊害が存在する。弱者切り捨て、富者優遇の政策が展開されている。これに対して、民衆は、怒ろうとはしない。選挙行動に反映されない。思想的に、民主主義が徹底されていないのである。日本の場合、敗戦によってもたらされた民主主義であり、個人の権利、利益を本当に生かすという経験がない。

誰か、とてもかなわない大将がいて、その力を全体の及ぼしながら、そのなかで、個人の工夫や努力が展開されるという風である。矛盾を放置したままで、制度が作られている。スッキリしていないのである。

本当に、人と人が、その個人の力をだし、誰かが一人勝ちしたり、社会全体に目配りをしないできた心無い成功者が幅をきかせているようでは、まだまだの社会である。一人ひとりが本当に、この世に生をうけてよかったと思えるような社会にしなければならない。

どれだけ科学技術が進歩しようとも、その根本ができていないようでは、まさに砂上の楼閣である。そんな社会は、いずれは、ほろびるほかない。AIがどれだけ進もうと、人間自身が、どのような共生の仕組みを築いていけるかどうかが大事である。