随分安直な考えなんだな、と思う。お金はたっぷり持っているのだから、都内の豪邸を入手して、いくら報道陣が来ようと、どうということのない場所を居所にすればいいだけのことではないか。
固いシートに座って、塗装業者の軽自動車で、10億円の保釈金を積んだ男がやることか。いくら弁護士の発案といっても、少し考えればそのおかしさはすぐわかるはずではないか。
堂々と生きるということができていない証拠である。
それから、大いに疑問なのは、刑務官は、雇われガードマンか。ゴーン氏からお手当でも出ているのか。もし出ているとすれば大問題だし、そんなもの出ていないと思うが、なぜ彼の変装を成功させようとするのか、まるで、目隠しガードマンではないか。
普通に、一般に、保釈される場合は、戸口から、本人があっさり出てくるのがあたりまえだろう。それとも、射撃でもされるのを恐れたのか、暴漢が襲ってくるかもしれないという配慮だったのか、警備とはいえないあの姿はなんだ。公務員がガードマンの代わりをするとは、おどろくばかりだ。
マスコミも取り上げない。腐りきっているのではないか。変装にヒントを得たのか、NHKは、特殊メイクの女性のことを、エンエンとやっていた。なにを考えているのか。
料理か、観光か、とにかくあたりさわりのない、本質をついた取材や、世の中をいかにしてよくしようか、という根性がない。これでは報道に携わる仕事をしているとはいえない。そんなことをしていること自体が世の中をおかしくさせていることに気がつかないか。いや、百も承知で、権力の意向に沿うべく努力しているということかもしれない。
これでは、聴視料を払う気が失せるというものだ。