売れない芸人を、題材にして、テレビ番組にしていた。アルバイト生活で、収入は劣悪だし、将来を考えると、暗澹たるものである。今のままで、売れることがなければ、間違いなく、老後は生活保護となるほかない。
もっとも生活保護をうければ、なんとか生きていくことはできる。公の援助など、受けないなどと頑張らずに、なにか適当な趣味をみつけて、機嫌よく生きていくことは可能だと思うが、周囲の冷たい視線や、思いやりのない言葉を受けたりして嫌なこともあるかもしれない。
だが、芸人魂で、そのときこそ、ボランティアをするなり、でなくても、内面的にゆたかな暮らしをおくることは可能ではないだろうか。
堂々と、生きていくべきだ。卑屈になる必要なんか絶対にない。生きているだけで、それは、人を救っていることになる。絶対に誰の役にも立たないようにすることは不可能であり、人間は、かならず誰かの役にたってしまうのである。
迷惑ばかりかけて、極悪人であっても、それでも人の役に立ってしまうのである。人間の不思議なところである。彼がいることによって、暮らすことができる人がいるのである。
人を苦しめたり、悪いことばかりをしている人でも、役にたつということは、そうでない人は、さらに、良質に、人の役に立っていることとなる。
堂々と生き抜いて、死ぬまで生きていく。できれば、人が喜ぶことをしたいが、それがまた迷惑だったりするけれども、そんな食い違いも含めて、自分の価値観にしたがい、生きていくほかない。
その価値観が誤ってはいないか、謙虚に反省しながら、点検しながら、生きていくようにしようではないか。売れない芸人さんをみていて、そうの思った。