古い手紙や、若いときに書き散らしたものが出てきて、思わず読んでしまう。見ないで、まとめて捨てるつもりが、そうはできなくなり、時間がかかる。読んでいると、記憶とは、随分いい加減なものということが、あらためてよくわかる。
当時、明確であったものが、当然ながら、今や、記憶が定かではなく、文章を読んでも、ピンとこない。けっこう力んで書いているにも関わらずである。
それは、文章の調子とは別に、本音のところで、それほど真剣ではなかったのかもしれない。結局のところ、すべては必要なものではなく、全部、捨ててしまえばいいのであるが、古い資料から、新しい何かを産み出すことができるかもしれない、などと思い始めると、そこでも、手が止まる。
道具やなんかは、まだ使えるものが多くあって、そのまま捨てることができない。そのうちに、必ず使うつもりになっていたりするから、これは、明らかに、成果である。
そして、照明器具など、使っていなかったものを、復活させて、取り付けるとチャンと機能する。生活に彩が出てきて、相当に豊かな思いを実感できる。これもまた成果である。