空をみながら

 地球規模、宇宙規模で考える。死角のない視野の獲得。憲法9条を守ろう。平和のための最高の武器だと思う。

マークスの山を読んで

2009年01月06日 10時27分49秒 | 思考試行
マークスの山を読んだ。複雑な事件背景、心理風景、終盤に至って、花が開くように、謎解きが進む。そして、山の風景の描写。もはや、老骨ながら、北岳の頂上に立ってみたくなる。森のように「あ」と言ってみたい。

きれいごとではなく、それでいて、現実ではありえないと思われる人間群像、日常をそのまま描いたのではないはずだが、本当にありそうな、現実感。あまりのひたむきさ、考え行動の誠実さ、それが向かう対象の大小を問わない無私のサムライ達。

この作家には、時代の根幹、本質にせまる作品を期待したくなる。合田刑事と加納検事が、吾妻が、森が・・・多彩な人材を駆使して、人間の本質にせまる、地球人類の新たな展望を開く物語を作ってくれないだろうかと思う。

現在の状況下で、病根を抉り出し、快方へとむかう、総合的な、具体的な、展望を提示してくれないだろうか。それができる人ではないだろうか高村薫さんは。

力を出し惜しみしないで、取材力、洞察力を動員して、より大きなテーマに挑んでほしいと思った。