-----園子温監督の映画って
最近『愛のむきだし』が話題になったばかり。
確かあれは、インネターミッションも入るほどの大作だったけど、
今回はいつもとは違うようだね
「そうだね。
この映画は、園監督のお父さんが2008年1月に他界したことがきっかけのひとつに。
だけど、監督はいわゆる『感傷的な映画を作るつもりはなかった』と断言。
と言いつつも一方では、
『これまでの撮り方を変え、日本映画的な作品をやってみよう』という
モチベーションもあったらしい」
----ん?それってどういうこと?
「園監督は、
『引き絵(ロングショット)には興味も魅力も感じないと』言い切るほどの
クローズアップ信者。
その彼が、今回は珍しく引き絵を多用しているんだね。
それでも、この映画では、
監督言うところの“余命もの”に見られるような、
ガンの痛みに苦しむシーンや主人公が父親に抱きついてなくシーンなどはない。
固定カメラが多くきれいな絵が含まれていることから
周りは園監督の“成熟”と呼ぶ人もいるようだけど、
ちょっと違うなとも…」
----ちょ、ちょっと待ってよ。
技術的なことやディテールばかり先に喋っているけど、
もともと、これはどういうお話ニャの?
「簡単だよ。
主人公は27歳の史郎(AKIRA)。
彼の父親(奥田瑛二)は地元の高校サッカー部で鬼コーチとして知られた存在。
その父が倒れ、病院に運び込まれる。
史郎は、これまで父との対話を避けてきた自分を後悔し、
必ず毎日1時間は病室を訪れ、
父との関係を修復しようと考える。
父が釣りに興味を持っていたことが分かり、
元気になったらふたりで湖に行こうとも約束。
ところが父ではなく、なんと史郎自身が思わぬ宣言を受けてしまう。
なんと、ガンなのは史郎。
ということは
父は、自分を看取ってからあの世に逝くことになる可能性もあるわけだ」
----そ、それは残酷な話。
なるほど。それがこのチラシのキャッチコピー。
「オヤジ、先に逝ってくれ。」を生むわけか。
確かに、普通の余命もの、難病ものとは違うや。
「でしょう。
さて、ここから先はさすがに言えないけど、
事態は、思わぬ方向へと進み、
史郎も、普通ではありえない行動に出る。
このあたりが、やはり園子温監督ならではの世界だね。
構成にしても
時制を入れ替えたり、日常の反復を同じ絵で見せたりと、
正統派の“泣き”映画には陥らないように自分を保っている。
これは、この映画が実の父親の死を体験した上での製作ということを考えると
かなり強靭な神経と言えるかも知れない」
----ニャるほど。日本映画伝統のテーマを扱いながら
あくまで異端児という姿勢は崩していないということか…。
園子温、恐るべしだニャ。
フォーンの一言「園監督、ファンも自分も裏切らないのニャ」
※まだ若いし、そう簡単には成熟しない度
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最近『愛のむきだし』が話題になったばかり。
確かあれは、インネターミッションも入るほどの大作だったけど、
今回はいつもとは違うようだね
「そうだね。
この映画は、園監督のお父さんが2008年1月に他界したことがきっかけのひとつに。
だけど、監督はいわゆる『感傷的な映画を作るつもりはなかった』と断言。
と言いつつも一方では、
『これまでの撮り方を変え、日本映画的な作品をやってみよう』という
モチベーションもあったらしい」
----ん?それってどういうこと?
「園監督は、
『引き絵(ロングショット)には興味も魅力も感じないと』言い切るほどの
クローズアップ信者。
その彼が、今回は珍しく引き絵を多用しているんだね。
それでも、この映画では、
監督言うところの“余命もの”に見られるような、
ガンの痛みに苦しむシーンや主人公が父親に抱きついてなくシーンなどはない。
固定カメラが多くきれいな絵が含まれていることから
周りは園監督の“成熟”と呼ぶ人もいるようだけど、
ちょっと違うなとも…」
----ちょ、ちょっと待ってよ。
技術的なことやディテールばかり先に喋っているけど、
もともと、これはどういうお話ニャの?
「簡単だよ。
主人公は27歳の史郎(AKIRA)。
彼の父親(奥田瑛二)は地元の高校サッカー部で鬼コーチとして知られた存在。
その父が倒れ、病院に運び込まれる。
史郎は、これまで父との対話を避けてきた自分を後悔し、
必ず毎日1時間は病室を訪れ、
父との関係を修復しようと考える。
父が釣りに興味を持っていたことが分かり、
元気になったらふたりで湖に行こうとも約束。
ところが父ではなく、なんと史郎自身が思わぬ宣言を受けてしまう。
なんと、ガンなのは史郎。
ということは
父は、自分を看取ってからあの世に逝くことになる可能性もあるわけだ」
----そ、それは残酷な話。
なるほど。それがこのチラシのキャッチコピー。
「オヤジ、先に逝ってくれ。」を生むわけか。
確かに、普通の余命もの、難病ものとは違うや。
「でしょう。
さて、ここから先はさすがに言えないけど、
事態は、思わぬ方向へと進み、
史郎も、普通ではありえない行動に出る。
このあたりが、やはり園子温監督ならではの世界だね。
構成にしても
時制を入れ替えたり、日常の反復を同じ絵で見せたりと、
正統派の“泣き”映画には陥らないように自分を保っている。
これは、この映画が実の父親の死を体験した上での製作ということを考えると
かなり強靭な神経と言えるかも知れない」
----ニャるほど。日本映画伝統のテーマを扱いながら
あくまで異端児という姿勢は崩していないということか…。
園子温、恐るべしだニャ。
フォーンの一言「園監督、ファンも自分も裏切らないのニャ」
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