ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『スターシップ・トゥルーパーズ3』

2008-04-26 14:56:37 | 新作映画
(原題:Starship Troopers 3 : Marauder)

----まさか、このシリーズがこんなに続いていくとは思わなかったニャあ。
「だよね。日本のホームページには『完結』の文字が踊っているけど、
ぼくにはまだまだ続きそうな気がするね」

----これって、けっこう好戦的な映画だったよね?
「うん。
ここにきてそれはさらに進んでいる。
泥沼化する戦争の継続に異を唱えるものは
公開処刑、縛り首だからね。
しかもそれは車椅子の者にも行なわれるという容赦なさ」

----ふうん。確か
今回は第1作の主人公ジョニー・リコが復活しているんだよね。
「そう。
キャスパー・ヴァン・ディーンの再登場。
彼は11年前惑星Pの戦いで名を馳せ、
いまは大佐に昇格して、
バグズの侵攻に脅かされる連邦軍防御の要、
植民惑星ロクサンで指揮を取っている。
そこに連邦軍総司令官であり、
戦意高揚の歌『死に日和』を大ヒットさせた人気歌手でもある
オマー・アノーネ(スティーヴン・ホーガン)が
ディック・ハウザー将軍(ポリス・コドジョー)、
そして宇宙艦隊旗艦ジェロニモの艦長で、
ハウザーの恋人ローラ・ベック(ジョリーン・ブラロック)を伴い視察に訪れる。
そんな中、バグズの群れが防御壁を突破。
一帯はたちまち殺戮の舞台に。
ハウザーはアノーキとベックを先にジェロニモの帰艦させるが、
戦艦も攻撃を受けて撃沈。
やむなく惑星OM-1に不時着する----。
今回の流れはざっとこういう感じかな」

----でも、そういう好戦的な映画って
今のアメリカの空気には合わないのでは?
「ぼくも初めは『なんでここまで…』と思っていたけど、
後になって
これはこの未来社会を戯画化して描くことで
ファシズムの危険性を警鐘しているのでは…と思えてきたね。
というのも、物語は
戦いの現実よりも軍規を重視するハウザー将軍の男の意地と
それによる判断ミスで進んでいく。
さらには、それと並行して
連邦軍のエノロ・フィド提督(アマンダ・ドノホー)による不穏な動きも描かれる。
彼女はローラ艦長からの救難信号を無視するんだ」

----えっ、それってクーデターでは?
だってそこには総司令官もいるんだよね。。
「そう。
まあ、その理由は後で分かるんだけど、
問題なのはその事実をハウザー将軍に教えたということで
通報した女性まで処刑されること。
ここまでくれば完全に恐怖政治だ。
やはりこの映画は、そのまま受けとってはいけないんだろうね」

----ふうん。ところで特撮の方はどうニャの?
「バグズはともかくとして、
ビックリしたのは
パワード・スーツ“マローダー”が出てくること。
これがガンダムのモビール・スーツそっくり。
『おいおい、日本のマネかよ……』と思ったけど、
実はこれはハインラインの原作にすでにあるらしい。
予算などの諸事情で1作目には登場しなかったらしい」

----そうニャンだ。
じゃあ『エイリアン2』でリプリーが操作したあの機械も
元ネタはどっちか、気になっちゃうよね。


           (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「前売りには“マローダー”ミニフィギュアが付くのニャ」おっ、これは


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3 コメント

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おおっ!やっと機動歩兵が出ますか (よろ川長TOM)
2008-04-26 22:42:02
えいさんの情報で知りました。うーん、たしかに驚いた。
パワードスーツは59年の原作『宇宙の戦士』で登場以来、人間サイズの機動兵器の元祖中の元祖であり、ガンダムやボトムズなど操縦のリアルな人型兵器のひな形としてSFファンに知られています。
しかしアメリカ版は60年代頃らしく鉄人28号風の丸いデザインなのに対して、70年代にハヤカワから出た日本版は実にリアルでした。絵は当時スタジオぬえにいた加藤直之氏だったのですが、科学考証にのっとったフォルムがあまりにもカッコ良くて、それはそのまま人型機動兵器のスタンダードになったんです。
ハインラインはバリバリの軍国主義者で知られ、原作も正直な話すごいアメリカバンザイ、軍隊バンザイな作りなので、彼の他の作品を知る人にはあまりのギャップにぶっとぶほど。
で、映画化されたときに原作ファンはがっかりしたんですよ。1作も2作もソレが出てこなかったから。でも作品としてはむしろ原作に対するアイロニーに満ちているように私は受け取ったんです。
大げさな報道シーン、イヤになるくらい海兵隊的なノリで押しまくる脚本、そしてどう見ても皮肉たっぷりなラストカットでしたので。

さてやっと原作に追いついた?トルーパー、装着したときのあの息苦しさと不安感が伝わってきてましたか?
返信する
■よろ川長TOMさん (えい)
2008-04-27 00:04:14
こんばんは。

スゴいお詳しいですね。
知らないことがいっぱいで勉強になりました。
ありがとうございます。

>大げさな報道シーン、イヤになるくらい海兵隊的なノリ

これはさらに拍車がかかっていました。
ご指摘どおりアイロニーがあるんだと思います。
もともとはバーホーベンというオランダの監督が
作ったものですし…。

さて、パワード・スーツ。
プレスによると、
小説での邦訳は“強化防護服”となっているとのこと。
ただ、映画では「人間サイズ」ではなく、
かなり巨大な作りになっていました。
フォルムはそうですね。
『ロボコップ』に出てきたED-209を人間型にスマートにした感じ。

その連想から
ちょっと調べてみたらオモシロいことが分かりました。
バーホーベン監督はストップモーション・アニメーションのフィル・ティペットと共に
当時、『宇宙の戦士』の映画化を企画。
それが頓挫して『ロボコップ』が生まれてるんですね。(参考資料:Wikipedia)
なるほど両者が似ているわけです。

息苦しさは……あまりなかったですね。
着用している側からよりも
救出される側からの目線で描いていたので…。
ただ、スーツ着用のため
乗組員がみんなオールヌードになるくだりがあって、
女性が男性の●×△を見てを揶揄。
そこに製作総指揮としてのバーホーベンの色が出ているのかなと…(笑)。

そうそう、ハインラインは『夏への扉』が好きです。
やはり「猫」です。(笑)
『人形つかい』も読んだけど、
ほとんど覚えていません。
『月は無慈悲な夜の女王』とか
読んだ方がいいのかな。
返信する
ついついコーフンしてすみません (よろ川長TOM)
2008-04-28 11:41:10
もう一度すみません。いやあ、私の世代のSFファンは原作にはまった人多いですよ。
今もぬえ版パワードスーツのフィギュアが売れてる位ですからね。
そう、ハインラインといえば夏への扉!護民官ペトロニウスの名を付けられた猫…なので、あまりのギャップは一瞬同姓同名の別人かと思うほどですニャー。(失礼…)
『宇宙の戦士』原作では私が大の苦手とする“クモのような”エイリアンなのでカニよりはるかに嫌悪感あるし、敵陣への降下作戦のシーンは『エイリアン2』のノリの方がしっくりきたし。さらにスーツを着ての息苦しい呼吸音や閉塞感は『エイリアン』での宇宙服に近い。(あれほど変えてしまったのはオトナの事情でしょうか)

あれ?ということはソッチ方面こそ正統な『宇宙の戦士』の後継者なんでしょうかね。要するにえいさんが読んだ通り、パワーローダーこそが…。
うーん、DVD出たら観るぞー。
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