ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ラン・オールナイト』

2015-05-09 13:26:10 | 新作映画

(原題:Run Allnight)


----これってリーアム・ニーソン主演のアクションだよね。
最近、似たような役が続いているような…。
「そうだね。
彼は本来は、アクション以外もできる性格俳優だと思うんだけど、
『96時間』シリーズがヒットしてからというもの、
“家族のために体を張る男”というイメージがついたみたい」

----ということは、
今回もその路線ってことかニャ?
「うん。
しかもそれが今回のはピタっとハマっている。
この映画は、
タイトルでも分かるように、一晩の物語。
広い意味でのタイムリミット・サスペンス。
しかも夜のお話ということもあり、
ノワール・イメージを全編に漂わせることができる。
いや、物語自体はよくあるものなんだ。
主人公は殺し屋として闇の世界に生きるジミー(リーアム・ニーソン)。
そんな父のせいで、
家族バラバラになったことを恨む一人息子のマイク(ジョエル・キナマン)。
ボクシングジムで親のいない子供たちの指導をするなど、
父とは真反対の道を歩む彼だが、
ある日偶然から、NYを牛耳るマフィアのボス、ショーン(エド・ハリス)の息子ダニーの殺人現場を目撃してしまう。
息子の命を救うべく、やむなくダニーを殺すジミー。
ショーンとは固い絆で結ばれた30年来の親友だったが、
息子を殺されたショーンは、歎き、怒り、ジミーに宣告する。
『お前の息子を殺して、お前も殺す』と…。
かくして、ニューヨーク中を敵に回した
父と子の長い夜が始まる…」

----ええっ、ニューヨーク中って…。
警官はどうしてるのよ?
「(笑)フォーン、分かっていて聞いていない?
警官はマフィアに買収されているんだ。
この映画のオモシロさは、
そのエピソードに関わらず、
これまでにもよくあったような設定やエピソードが、
それぞれブラッシュアップされて出てくるところなんだ。
だから、カーチェイスもあればガンアクションもある。
しかしそのカーチェイスは
敵である警官に捕われた息子のパトカーを追ってのもの。
また、ガンアクションの方も
拳銃もあれば猟銃もある。
瀕死の体で猟銃に弾丸を装填するシーンのサスペンスなんて
ほんと見モノだったね。
しかもその決闘場所も操車場だったり森の中だったりと、
互いのいる位置を探りながら。
あと、警官隊、そしてプロの殺し屋に取り囲まれるマンション。
ここも香港映画定番の
アパートの上下階への追いつ追われつがパワーアップ。
そうそう地下鉄ホームも『フレンチ・コネクション』を思い出したね」

----ニャるほど。
目新しさはないけど、
一つひとつが丁寧だってことだニャ。
「うん。
目新しさといえば、
ニューヨークの街の中を大上空からの鳥瞰撮影で移動するカメラかな、
ジミーの物語、マイクの物語、ダニーの物語。
それぞれ、どこで何が行われているかを
まさに“神”の視点で見せる。
とはいえ、
これも実はアラン・レネ監督の遺作『愛して 飲んで 歌って』でも使われていたけどね」
----ふうん。
でも、テーマとしても新しくなく、
シーンとしても、
どこかにあった感じなのに、
ただブラッシュアップってだけで
そんなに気に入っているのはニャんで?
「それはつまりこういうこと。
映画は、やはり見せて魅せるもの
とりわけこんなエンタメ作品において
観客は目新しいテーマを求めたりはしていない。
父への不信を抱いて30年生きてきた息子が
父とふたりで夜中、逃げ回り、
生死を共にするうちに、
その絆が回復されていく。
だれも嫌うはずがないこのテーマを
どれだけふくよかに見せてくれるか、
これってなぜ人は映画を観るかをを考える中で、
意外と、映画の秘密に近づいているのかも…
と、ぼくはそう思ったわけ」

---ニャるほど、それでこの映画の紹介ってわけか…。



フォーンの一言「主人公が息子の敵を狙うボスと親友ということもポイントなのだニャ」身を乗り出す

※「エド・ハリスならではの見せ場もある度


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