ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『ドラッグ・ウォー 毒戦』

2013-12-22 18:19:57 | 新作映画
(原題:毒戦)



----う~ん。
またまた日があいてしまったニャあ。
映画の喋り方、忘れたんじゃニャいの?
「もう言うなあ、フォーンも。
あまりにも忙しくて
なかなかブログにまで手が回らなかったんだ。、
少し多めに見て…。
でもそれでもこれだけは喋っておきたいというのが
年末になっていくつか出てきて…」

----そのひとつが
この『ドラッグ・ウォー 毒戦』ってワケだニャ。
確か、監督がジョニー・トー
「そう。
この監督、実に多作で、
作品によっては自分と合わないものもあるんだけど、
これは、もうフルスロットル。まったく出し惜しみしていない」

----タイトルからすると、
麻薬を扱った話?
「さすがフォーン。
アメリカでは『「フレンチ・コネクション」の進化形』なんて評も出ているんだ。
物語は、ジャンを中心とする中国公安警察の麻薬捜査官チームが、
組織の大物相手に立ち向かう…というきわめてシンプルなものなんだけど、
そのストーリーの中に、
ひねったアイデアと
しつこいまでのアクションを投入

その両輪で観る者をスクリーンの中に叩き込んでいくんだ」

----じゃあ、まずはその
ひねったアイデアというのについて教えてよ。
「そうだね。
冒頭のエピソードは、
爆発事故に遭ったコカイン製造工場から車で逃亡した
香港出身のテンミン(ルイス・クー)が衝突事故を起こし、
病院に担ぎ込まれるというもの。
ジャンは、テンミンが麻薬取引に大きく関わっていると察し、
死刑と引き換えに彼に捜査協力を要請する。
中国本土では、
香港とは比較にならないほど
麻薬の罪が大きいんだ。
誰だって自分の命は惜しい。
ジャンは仲間を裏切り、
組織の大物相手に架空取引を仕掛けるが…。
さて、ここが第一の見どころ。
ジャンは、まず黒社会の大物チェンビャオになりすまし、
取引相手のハハに会う。
そこでハハの特徴を掴んだジャンは、
今度はハハになりすましてチェンビャオに会うんだ」

----『』を思い出すニャあ。
「もしかして
ジョニー・トーの頭にはあの映画があったのかもね。
ただ、キャラ的にはこっちの方が濃い。
物語上の必然性から生まれるスン・ホンレイの一人三役演技
これを観るだけで十分お釣りがくる。
なかでもハハ(実はジャン)が
チェンビャオからその場での麻薬吸引を要求されるシーンは見モノ。
ジャンは疑われないようにやむなく吸引、
急性麻薬中毒に陥ってしまう」

----ニャあるほど。それって
『フレンチ・コネクション2』
監禁されて麻薬中毒にされたポパイ刑事だ。
「だよね。
さて、この大筋と並列して
テンミンの手下のエピソードが語られる。
それが、原材料を積んで指示を待つトラックのふたりだったり、
工場で覚せい剤を生成する弟子だったり…。
前者がコメディリリーフとして使われるのに対し、
後者は情に厚い聾唖の兄弟。
ところが、この兄弟が強いなんてものじゃない。
とんでもない重火器を使用するんだ。
そんな中、真の黒幕7人衆が姿を現す…」

----おおっ。
でも、テンミンはほんとうに
警察側に寝返ったの?
「そこが捜査官の中でも
たびたび意見が割れるところ。
観ている方も、
それまで観てきた映画の記憶、
今回の映画の中の設定、
そしてルイス・クーの演技から
彼の真意を読むことが要求される。
そして訪れる、
クライマックスのカーチェイス&銃撃戦。
もう、これがいつ終るのか、
果たしてだれが生き残るのか、
まったく先が読めない。
これは、観ている人ほとんどが唖然とするに違いないね」

----ふうん。
でも、ラストのエピソードが余計だとか言っていなかった?
「うん。
初めは確かにそう思ったんだけど、
次のエピソードを知ってなるほどと…。
実はこれは
ジョニー・トーが中国大陸で撮った初めての作品。
その間の苦労は、
それはもう大変だったらしい。
公安を扱っているだけに、
その当事者がきて、
不正確なことを言っていないか、
イメージを壊してはないかとか、
さらには、あまり死者が出てはいけないとか、
あまり銃を撃ってはいけないとか…。
その仲で彼が感じた“中国”。
それが一見蛇足にも見えるあのラストに繋がったんだろうな」

---ふうむ。
それってニャんだろう?
興味あるニャあ。



フォーンの一言「香港の暗黒街映画は韓国のそれとはまた違う味わいなのニャ」身を乗り出す

※ここまでオモシロさを追求してれば言うことはない度

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画像はアメリカのティーザーポスターより。