ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『エリジウム』

2013-08-16 23:04:14 | 新作映画

(原題:Elysium)


----これって、確かツイッターで
『エリンジウム』って間違えて呟いてしまった映画だよね。
「いやいや、お恥ずかしい。
エリンジウムは花の名前(笑)。
この『エリジウム』
22世紀を舞台にしたデストピアSF。
『第9地区』のニール・ブロムカンプがメガホンを取った超話題作なんだ」

----あの映画は
人間とエイリアンの関わりを
ドキュメンタリー・タッチで描いていたんだったよね。
これもやはり同じ手法ニャの?
「いや、それはかなり違うね。
主人公マックスに、
彼の作品への出演を熱望していたというマット・デイモン。
そして二度のオスカーに輝く名優ジョディ・フォスターが悪役として出演。
この二大スターが揃えば、
それだけで<画>は華やかになる。
ドキュメンタリーどころかSFエンタテイメントになっていたね」

----先ほどデストピアって言っていたけど、
それで“華やか”ってどこか矛盾してニャい?
暗い世界を想像しちゃうけど…。
「確かにね。
ここ数年、未来をデストピアとして描いた作品は多いけど、
これは舞台を宇宙にまで広げ、
ある思い切った手法を使っている。
それがスペースコロニー“エリジウム”。
地球は大気汚染と人口増加によって著しく悪化。
そんな故郷を捨て、
一握りの超富裕層は地球から400キロの上空に浮かぶ
楽園エリンジウムへと移り住んでいるんだ。
一方、地球に残されたほとんどの人類は貧困と犯罪、汚染と病にさらされ、
ロボット支配の下、
空に浮かぶエリジウムを見上げながら、日々を生き延びている。
さて、映画は、
地球の工場で苛酷な労働に従事しているマックスが照射線を浴び、
余命5日を宣告されたところから大きく動き始める。
彼を救えるのはエリジウムにだけ置かれた
どんな病をも直すことができる医療ポッド」

----ちょっと『WALL・E /ウォーリー』を思い出さニャいでもないニャあ。
ぶつぶつ。
まあ、いいや。
こっちに戻ると、
そこでマックスはエリジウムへ向う…
というわけだニャ。
でも、そんなに簡単に乗りこめるの?
「そこが
この映画の“脚本”のうまさ。
不可能なはずのそのエリジウム行きを
“物語的に”可能たらしめるため、
彼の行く手にさまざまな障壁をもうける。
そこで重要な役割を果たすのが闇商人スパイダー」

----えっ、どういうこと?
「彼はマックスに
富裕層の人間から脳内データをダウンロードしてくることを命じるんだ。
そのミッションを遂行するべく
マックスは自らの身体をエクソスーツ(パワードスーツ)と結合させる。
これがビジュアル的にも効いてくるんだ。
『ロボコップ』
いやむしろ『鉄男』といったところかな。
ところがマックスが狙ったデータが、
銀行口座などの情報といったレベルのものではなく、
実はもっと大きな
エリジウムを支配するものだということが分かってくる」

----うわあ。
それは一気に話が大きくニャるニャあ。
「でしょ。
かくして、映画はエリジウムと地球の関係そのものへと
テーマ的にも、そしてそれに伴って映像的にもスペクタクルな広がりを見せてゆく。
さて、このエリジウムのビジュアルがまたオモシロい。
外目には『2001年宇宙の旅』に出てきた宇宙ステーションのようなリング状。
ところが近づいていくと、
なんとその中には公園もあればビルも立ち並んでいる。
『サイレント・ランニング』で出てきた宇宙空間のグリーンが
ゆっくりと回転しているその光景は眩暈がしそうなくらいに美しかった。
片や地球のスラムはメキシコシティにて撮影。
こちらは実景を写すことで、観る者に、
いますぐにでもこの事態が起こってもおかしくなはい…
と、そういう気にさせるんだね。
このあたりが、
同じ格差社会を描いている
ジム・スタージェス、キルスティン・ダンスト共演の
『アップサイドダウン 重力の恋人』との違いかな。
こちらもビジュアルとしてオモシロい工夫がなされてるんだけどここでは割愛」

----確かあっちはファンタジー色が強いんだよね。
「そう。
双子惑星というか、二重引力の世界
上には富裕層、下には貧困層が暮らしているんだ。
なんて、もうフォーン。
乗せられて、ちょっと喋ってしまったじゃないか…。
一方、こちらの『エリジウム』はもっとリアル。
地球上でのカーチェイスシーンなんか、
『マッドマックス2』を思い出した。
いま思えば、この『マッドマックス』シリーズは映画でデストピアを描いた先駆け的な作品。
リメイクが予定されているようだけど、
ぼくはニール・ブロムカンプに撮ってほしかったな」


                    (byえいwithフォーン)

※冷酷無比な刺客クルーガーを演じたシャ-ルト・コプリー
彼はこの映画で人気が沸騰すること間違いなし!


フォーンの一言「日本のカルチャーの影響も大きいらしいのニャ」ぱっちり

※日本刀や手裏剣まで出てくる度

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