ラムの大通り

愛猫フォーンを相手に映画のお話。
主に劇場公開前の新作映画についておしゃべりしています。

『さすらいの女神<ディーバ>たち』

2011-08-10 19:09:15 | 新作映画
(原題:Tournee)


----これって、俳優のマチュー・アマルリックがメガホンを取ったんだよね?
「うん。ぼくが彼の出演映画を最初に観たのは1996年の
アルノー・デプレシャン監督作『そして僕は恋をする』
その後の活躍は目をみはるばかり。
いつの間にか監督にも進出していて、
長編処女作『スープをお飲み』は、
あのゴダールが絶賛しているのだとか。
本作『さすらいの女神<ディーバ>たち』
去年のカンヌ国際映画祭で最優秀監督賞を受賞。
同時に国際批評家連盟賞にも輝いている」

----主人公もアマルリック自身が演じているんだよね。
他の人たちはあまり知らない名前ばかりだけど、
どんな映画ニャの?
「物語はシンプルなんだ。
チラシのまとめが巧いのでそれを元に話しちゃおう。
トラブルを起こし、
業界を干されてしまったTVプロデューサーのジャキム(マチュー・アマルリック)。
子どもも友人も恋人も捨ててアメリカに渡った彼は、
数年後、華麗なショーダンサーたちのグループ、
ニューバーレスクを引き連れ凱旋。
港町を巡業し、次々と観客を沸かせてゆくが、
最終目的地であるパリでの公演が決まらず…」

----それって見返してやろうということだよね。
ニャンだか、自分の再起のために
ショーダンサーたちを利用しているような気がしないでもないニャ…。
「結局はそういうことなんだけどね。
だから、途中でパリで講演できそうにないと分かると、
ショーの最中なのに、
自分だけパリに向かっちゃう。
そもそもダンサーたちは、彼がどんな男か分かってはいない。
アメリカとフランスという言語の違いもあり、
コミュニケートも上手くいっているとは言えない。
でも、映画としてはだからこそオモシロい。
海の向こうから渡ってきた肉感的な女性たちを何人も引き連れて
どちらかというと小柄なアマルリックがバタバタ、ドタドタと、
あわただしく列車で旅を続ける。
あ、言い忘れたけど、
これは一種のロードムービー。
旅で移動する間に、
彼らの間の関係が少しずつ変容していくわけだからね」

----ニャるほど。
そのダンサーたちは本人たちが演じているの?
「そうなんだ。
本作で披露されるパフォーマンスは、
すべて各人のオリジナル」

----ということは、映画俳優というわけじゃニャいんだね?
「うん。
にも関わらず彼女たちの演技は
もともと女優であったかのように、みな素晴らしい。
これは“演出”あってのもの。
ひとりふたりだったら、
突然の目覚めもあるだろうけど、
全員揃って見ごたえあるからね。
しかも、映画を観終わって長く心に残るのは、
心に傷を抱える男たちを包み込む
女性たちのあたたかい包容力。
演技には素人の女性たちから
それを引き出したマチュー・アマルリック。
これは、なるほど監督賞にふさわしいと思うよ」



                    (byえいwithフォーン)

フォーンの一言「女流作家コレットの手記から着想を得たらしいのニャ」身を乗り出す

※ショーを見ているだけでも楽しい度

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