ハブ ア ナイス doi!

いつまで続くのかコロナとの戦い。
全て解放されて、もっと、もっと
心から楽しまないとねえ。

平野でひらうの 2

2015年09月27日 21時25分12秒 | ウォーキング

南に進んでいくと、筆塚があった。



使い古した筆を納めて、
筆使いの上達を祈念するという習わしである。

そういえば、我が家にも
使えなくなった筆や絵筆が眠っている。

一筆入魂で絵や言葉をしたためて、
ちびてしまったり、
毛が不揃いになってしまった筆だ。

そうか、様々な絵や言葉をしたためた筆だから
丁寧に処分してあげないとな。
筆塚は各地にある。
最寄りの塚に持っていってあげよう。

この筆塚は「生駒石」でできているそうだ。
鉄分が多く、サビが風格を出す石だそうだ。

さらに進んでいくと、池があった。



どうも位置的に見て環濠がらみの
池のように思えたので調べてみたら、
神社の南から西をぐるりと囲む濠だったそうだ。

その上に「宇賀神社」のお堂が建っている。



蛇の体で頭が人という「宇賀神」を祀る神社だ。
宇賀神は後に弁財天と習合して、
時に弁財天の頭にちょこんと乗る
という奇妙な姿をしている。

このお堂の中は残念ながら確認できなかった。

その向かいの公園の石垣は濠の名残で、
その上に立っている碑は全く読めなかった。



これも調べたら、ちゃんと名前があって

「鐘辻碑銘」

というそうだ。
荒廃した濠や井路の樋管などを
改修した記念碑だそうだ。
石に刻まれた文字さえ消してしまう長い年月。
ちゃんと記録はされているようだ。

やがて参道が終わり、
通称奈良街道といわれる国道25号に出るところに、
大きな石の鳥居が建っている。



左右には狛犬の姿もある。



ここで狛犬の姿を見て何か気がついたかな
右のこま犬の脚に注目してください。
何か紐のようなものがまるでミサンガのように
巻いてあるでしょ。
普通なら、脚の怪我が治りますように
とか、速く走れるようになりますように
というような祈願の意味もあるのでしょうが
この神社ではもう一つ意味がある。
それは「走人足止め」という祈願だ。

ここに紐をくくり、一本を持ち帰って
家出した人の履物に結んでおいたら
必ず居所がわかるか、帰ってくるという
言い伝えられているそうです。

え~っと、あっちこっちほっついて家に帰ったら
まず履物に見慣れない紐がついていないか
確認しておかなくてはね。

木の鳥居から行くたびかの地震による倒壊を経て
今の石の鳥居は明治32年に再建されたものだそうだ。

ここで現代の道路地図を見てみると、
この杭全神社の近くに来るまでは、
ほぼ一直線に伸びてきた国道が
この鳥居前あたりで微妙に湾曲している。

さすがの大阪市の都市計画も、
昔からの町割りや地元の宗教的施設には
勝てなかったんだろうな。

国道を渡ると、そこに古い石の道標が立っている。

これ。



刻まれた文字を見てみると、
「右 大坂」、



「右 ふじいでら 大峰山上 こうや山」とある。



あ、そういえば昨年歩いた
西高野街道に、
大阪狭山の楠町で合流する
「中高野街道」が、
この杭全神社を起点にしていたんだったな。
またまた過去の歩行とつながったあるよ。

さらに別の面には
「すぐ 天王寺 大坂」とも刻まれている。



もちろん「すぐ」は「すぐそこ」の意味ではなく
「まっすぐ」を表している。

そして神社を背にした面に
「當社 熊野権現 祇園宮」とある。



「當社」とあるところから、
この道標は杭全神社の建立なんだろうな。

寛政12年というから西暦1800年、
今から200年以上も前の建立だそうだ。

神社で手に入れた冊子によると、



昔はここから北が神社の境内だったそうだ。

鳥居もここにあったそうだ。

創業が慶応元年のこのお菓子屋さんは



鳥居前の茶店やったんやね。



何やらいわれのありそうな人形が、
店先で通りを眺めておったぞよ。



さて、ここから今回の街歩きは
平野本町通商店街に向かって
導き石の埋まったこんな道を南下していく。



虫籠窓のあるような古い町屋が続く。



それもそのはず、
このあたりは「百年後に誇れるまちなみ」
を目指して、平野郷の住民自らが
まちなみを守るために
「平野郷まちなみ作法 五つの心得」を
約束事として定めている。

家を建て替えるときや修理をするときに、
軒庇、色・素材、デザイン、形態、看板・照明などに
配慮することを申し合わせているのだそうだ。



そういえば、高取山からおりてきたときに、
麓の土佐街道でも、
まちづくりの決め事をしていたな。



近代化を目指してきた都市生活も、
変わっていって、
最近はこんな古い街並みの景観が
見直されてきているようだ。

ここでは自分たちの町にかける
地域の人たちの熱い想いを拾ったなと思いつつ、続く。


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