行ってきました。
1番ホールから始まって18番ホールに終わる十八箇所巡礼の旅。
それは巡礼の過酷さを物語る寒い日のことでした。
集合場所は、
巡礼の出発にふさわしい神社の境内。
みんなそれぞれの道具を持って、
約束の午前7時半に
思いっきり厚着の装束で続々と集まります。
巡礼先は天理の山の中、
前日の情報では池が凍っている
とのことでしたので、
かなり寒いことが予想されます。
doironの朝の挨拶の後、
総勢12名が車4台に分乗して向かいました。
doironが乗車したのは、
これまでほとんど乗ったことのない
左ハンドルのスポーツタイプの外車。
だから、なんか落ち着かず、
助手席に座った時に
「この自動車ハンドルないで!」
と思わず言ってしまったほどです。
そして運転手、すなわちその車の持ち主は
かなりスピード狂なので、
低い車体で飛ばすこと飛ばすこと。
途中のSAにいた僧正様もあきれておりました。
自慢のレカロシートに
体がめり込みそうになりました。
もうこの時点ですでに修業が始まっています。
そうしてなんとか、
無事に巡礼地にたどり着いた時には、
かなり平衡感覚を揺さぶられ
地に足がつかない状態でした。
さて、巡礼は3組に分かれて行います。
同行4人です。
菅笠をかぶって、
じゃなく毛糸の帽子とネックウォーマーで身を固め、
巡礼の注意書きを読みましょう。
うう、doironには魔の経文ともいうべき言葉が
掲げられています。
そんな巡礼の旅。
まずはdoironの始球式で始まります。
「煙の出るボールを用意しとけよ~」
とか何とか言いながら、
さあ注目の一打です。
頭の中には、円ひろしの
「飛んで、飛んで、飛んで~」
の曲が流れています。
というのも、先日ジムの人から
「変な力が入らないように、
鼻歌を歌いながら打てばいいよ」
とアドバイスをもらっていたので
それを実践したわけですが、
どうも選曲を間違えたようです。
余計に力が入ってバシッと打つはずが、
ドヘッと打ってしまいました。
ボールは70mほど先に
鋭いドライブの弧を描いて落ちていったので、
悔し紛れに「ファー」といってやると、
みんなから「それはいらん」と突っ込まれてしまいました。
厳しい人たちです。
そんな神聖な儀式を済ませて、
さあいよいよ巡礼開始です。
doironは最初の1組目で、
くじをひいたらやはり1番。
始球式に続いて、第1打をトップで打ちます。
一緒に回ったメンバーは、
2人が常時90前後のスコアの持ち主、
もう一人が昔ずっと100を切っていたというツワモノぞろいです。
地元の仲間だから同じ名字の人間が多く、
ややこしくしないために
幹事がいろいろ考えたのだそうですが
「なんで、こんな組にワシを入れるねん」
という話でしょ。
まあ、みんなの足を引っ張らないように
頑張る他はありません。
前日にチェックしてあった注意事項を頭に描き、
「レットイットビー」を口ずさみながら進んでいきました。
やがて5番札所だったでしょうか。
おそらく弘法大師が掘ったのでしょう。
大きな池がティーショットの前に立ちはだかりました。
きっと「阿弥陀池」という名に違いない。
などと考えながら打ちますと、
ボールは狙い通りに凍った池の上を
キュンキュンとはねていきました。
まるでお大師様が伏鐘を叩いているようでした。
「ありがたや、ありがたや」。
きっと仏の御加護があるに違いありません。
そうして午前中は、
メンバーの誰よりも多く合掌をすることができました。
食事後は午後の巡礼です。
昼食でありがたい泡の出る仏水をいただいて、
気分よくスタートです。
doironの場合、
山の陰や草むらの中、樹木の下など
立ち寄り場所が多いため、
ほとんどカートに乗らず
最終手前の17番札所では、
背丈よりも高い番外所、
ではなくバンカーで苦戦をしておりました。
打てども打てども響きません。
見かねた友達がやってきて、
「何番で打ってるの?」
と聞いてきたので
「もちろんサンドやで」といいながら
砂にまみれた杖を見てみると
そこに書いてあったのは、
「苦」にもつながる「9」でした。
どうも杖を間違えていたようです。
とにもかくにも、
他にも苦行はいろいろあったのですが、
書けばキリがありません。
そうしてなんとか全箇所の巡礼を終え、
浄らかになった体でさらに湯浴みをし
鍛えられた心を持って、
かっ飛ばす外車に負けることなく
無事帰宅したdoironなのでした。
これもみんな仏の加護があってこそです。
帰宅後は宿坊「焼肉屋」で朱印帳が集計され、
doironには「ブービー」の称号が与えられました。
本当に実り多きありがたい一日でした。
合掌